文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社および連結子会社等)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は1966年の創業以来、情報処理アウトソーサーの先駆者として、常にユーザーオリエンテッドな姿勢で顧客満足度の向上につとめ、優れた人と技術を「仕組み」で融合することを事業の原点とし、高品質なサービスを提供してまいりました。人とはきめ細やかな対応ができる専門性の高いプロフェッショナルのことであり、技術とはお客様企業の課題解決に最適なグローバルの最先端技術のことであります。事業の原点を将来にわたり磨き続けること、グローバルな展開を志すこと、そして究極的には我々の事業を通して人間と技術を結び付け、技術を人間により身近に、使いやすくしたいという考えから、当社のロゴにはpeople & technologyと記載しております。このような経営の指針のもとで、独立系総合情報サービス企業として、ますます高度化、多様化、グローバル化する情報社会での的確な事業活動の展開を通じて社会に貢献するとともに、株主様、お客様企業、社員をはじめとするすべてのステークホルダーの信頼と期待に応えてまいる所存であります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは現在、売上高の拡大と共に、原価低減策やサービスの高付加価値化および新サービスの開発などを推進しながら売上総利益率の向上を図り、株主資本利益率(ROE)の向上に努めてまいります。
(3) 会社の対処すべき課題
(中期経営計画)
当社は、お客様企業の変革を支援するため、デジタル技術を活用した新しいサービスを提供すること、すなわち、「Global Digital Transformation Partner(お客様企業のよきデジタルトランスフォーメーションパートナー)」を目指す姿として企業メッセージに掲げ、2019年度を最終年度とする3か年の中期経営計画を策定し、「サービスのイノベーション」「サービスのグローバル展開」「お客様企業の戦略的パートナーへ」の3つの観点で諸施策を実行してきました。この計画を着実に遂行してきたことにより、様々な事業においてデジタルを活用した新たなサービスが生まれてきました。一方で、積極的な事業投資により一時的に販管コストが増加し、事業全体の収益性において課題を残すことになりました。また、今後も継続すると想定される人手不足・人件費の上昇に対応するため、これまで模索してきたイノベーティブなサービス・事業の進化に向けた取り組みが必要と考えます。
そのため当社では、2019年度までに生まれた新たなモデルを大きく展開し、「Global Digital Transformation Partner」への動きを加速するため、2020年度から2022年度までの新中期経営計画を策定し推進しております。新中期経営計画では、当社の事業の原点である「people & technology」、すなわち、プロフェッショナル人材と先端技術の組み合わせによりお客様の課題を解決し、付加価値の高いソリューションを提供することで高い成長性・収益性を目指します。そのために、既存事業領域において、お客様からの信頼に基づいて関係性の長期化・大型化を図っていくことに加え、特に今後の需要拡大が望め、かつ各事業の強み・顧客資産が活かせる隣接領域の開拓に最注力をしてまいります。あわせて、将来の新たな柱となりうる新規ドメインの創出に向けては、これまで投資を行ってきた関係会社・JV(合弁事業)のグループ力を最大限に活用し、イノベーションを実現してまいります。これらの取り組みにより、持続可能な事業モデルを確立し、「お客様企業のトップライン成長に貢献できるグローバルで唯一無二のアウトソーシング・サービス・プロバイダー」への歩みを進めて行きたいと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の状況下においては、当社の事業および事業環境への影響度合いや、当社の基本方針である「感染拡大防止への社会的責任」と「安全配慮義務に則った従業員の安全確保」を最優先とした対策などにより、新中期経営計画の遂行に影響が生じる可能性があります。
(持続可能な社会の実現に向けた取り組み)
当社グループは、事業活動を通して社会課題・環境問題の解決に向けた取り組みを推進し、持続可能な社会の実現と、永続的な企業価値の向上を目指しています。
① SDGsへの取り組み
責任ある企業活動と、people & technologyを軸とした事業を通じて、SDGsの達成に貢献していきます。そのための専任組織としてトランスコスモスSDGs委員会を設置し、SDGsを軸とした社内外でのイノベーション活動を展開し、SDGs活動の啓蒙と定着を図っています。具体的な取り組みとしては、従業員向けSDGs教育(eラーニング)、各部門代表者が参加する社内ワークショップを実施しています。
② ESGへの取り組み
当社は、ESGの3つの要素である、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に対する社会の課題や期待に対して積極的に取り組んでいます。
・環境(E)
当社は国際標準規格の「ISO14001」に準拠した環境マネジメントシステムを構築し運用しています。業務の効率化・省力化に繋がるサービスや環境に配慮したサービスの提供を通じて、お客様や社会の環境負荷の低減に貢献するとともに、自社においても省エネルギー・省資源の推進をはじめ、様々な環境保護・保全活動に取り組んでいます。
・社会(S)
提供サービスへの責任、ダイバーシティの推進や人権・労働環境への配慮、社会貢献活動を通じた様々な社会課題の解決に取り組んでいます。特に事業拡大とグローバル展開を加速し付加価値の創造を継続的に行っていくための源泉である人材力の強化に向けて、性別、国籍、障がいの有無など、多様なバックグラウンドをもった従業員がやりがいをもって活躍できる環境の実現を目指し取り組んでいます。
・ガバナンス(G)
コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント、コンプライアンス、情報セキュリティといった事業継続に不可欠な経営基盤の強化に取り組んでいます。なお、コーポレート・ガバナンスに関する取り組みにつきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社および連結子会社等)が判断したものであります。
(1) 全体事業について
当社グループが情報処理アウトソーシングビジネスの先駆けとして事業を開始したのは1966年のことです。それ以来、優れた「人」と最新の「技術力」を融合し、より付加価値が高いアウトソーシングサービスを提供することで、お客様企業の競争力強化に努めてまいりました。現在では、お客様企業の売上拡大とコスト最適化を支援する総合的なアウトソーシングサービスを世界規模で提供するため事業を推進しておりますが、当社グループが提供するサービスはいずれも常に技術革新が起こっており、技術優位性および価格の維持を継続するために、常に最新の技術を開発・導入していく必要があります。しかしながら、急速に進展する技術革新に対して適切な対応ができなかった場合や、サービスが市場動向・ニーズに合わなくなった場合は、現状のビジネスが縮小または成立しなくなる可能性があり、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、アジアを中心に事業のグローバル展開を推進しておりますが、それぞれの国・地域において、政治・経済・社会情勢等に起因して生じる不測の事態、法令や各種規制の制定・改正などのカントリーリスクにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業環境について
当社グループが展開するサービスを取り巻く環境は、労働人口の減少、企業のグローバル化、IoT・AIをはじめとしたデジタル技術の進展などを背景に、業務の効率化やコスト競争力の強化、売上拡大などに繋がるアウトソーシングサービスの需要拡大が見込め、今後も成長が続くと考えられます。しかしながら、景気の変動による受託業務の業務量の変更、お客様企業の業績状況や個人情報保護などの観点からアウトソーシングからインソーシングへ転換する動きなどが生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) お客様企業との契約期間について
当社グループのお客様企業は東京証券取引所第一部上場企業など大企業が多く、かつ多くのお客様企業との契約は事業の性質上、自動更新となっていることが多いなど受託業務の継続性が高く、短期間における売上高の大幅な変動はないものと考えております。ただし、お客様企業の事情による他企業への移行、あるいはお客様企業との長期間の取引関係が築けない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 競合会社について
当社グループが提供するサービスには、デジタルマーケティングサービス、ECワンストップサービスおよびコンタクトセンターサービスを統合したDECサービスと、BPOサービスがあり、サービス分野別に競合会社が存在しています。DECサービスのうち、デジタルマーケティングサービスに関しては、大手広告代理店グループ企業、ベンチャー企業など多くの企業が参入しており、市場規模は急激に拡大しているものの、多数の競合会社が乱立している状況です。またECワンストップサービスに関しては、急速に市場規模が拡大している状況において多くの新規会社の参入が予想されます。さらに、コンタクトセンターサービスに関しては大手の寡占化が進んでおり、大手各社は、より付加価値が高いサービスの創出や提供に注力すると同時に、競争力を発揮した業種や分野以外にも進出するなど、競合状態が続いております。一方、BPOサービスに関しては、数兆円の市場規模であり、コンサルティング系、IT系、メーカー系、独立系企業等の間での競合状態が続いております。
今後は、技術進歩により当社グループの今の技術優位性がなくなり、当社グループより低価格のサービスを持つ企業が出現する等、当社グループが明確な競争優位戦略を確立できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) ソフトウェア開発について
当社グループのソフトウェア開発は、お客様企業のユーザー要件などを把握した上で開発を行っておりますが、お客様企業のユーザー要件を満たすための開発費用のお見積もりと実際の開発コストとの間で乖離が発生した場合、当社グループが開発コストを負担する開発案件が発生する可能性があります。
(6) 投資先管理について
当社グループは技術革新の変化に対応した事業の展開、事業シナジーの創出などを目的に事業開発投資を行っております。投資先企業に関しましては財務・経営状態を精緻に検討し、投資先の財務状況を随時把握するように努めておりますが、投資先にはベンチャー企業や東南アジア・南米など開発途上国の企業も多く、ビジネスモデルが社会経済ニーズにマッチせず投資先企業の経営状況が悪化した場合、当社グループの投資による出資金などが回収できなくなる可能性や、国内経済環境・国際情勢の変化による株式相場の変動や為替の変動などの影響などによって評価損が発生する可能性があります。対策としては、一般的な会計基準よりも厳しい社内規程で保有有価証券の減損処理等必要な措置を適宜とることにより、当社グループの連結業績に適切に反映されるよう最大限の注意を払っています。
(7) 情報セキュリティについて
当社グループは、事業活動を通して、入手または取り扱うお客様や取引先の個人情報及び機密情報などの情報資産を管理・保護していくための万全な体制が求められております。そのための基本方針として「情報セキュリティポリシー」を制定し、その遵守と継続的な改善に努めております。また、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO/IEC 27001のセキュリティ活動を通じて、お客様企業に当社グループのサービスをより安心して活用していただけるよう、情報セキュリティ管理体制の展開と継続的な強化をはかっております。しかしながら、当社グループの想定を超えた情報システムのウィルス感染やサイバー攻撃によるシステム障害、重要データの破壊、改ざん、流出等が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 合併、買収などのM&Aについて
当社グループが提供するサービスは数多くの競合企業が存在し、淘汰の動きも早く、また合併・買収を利用して規模の利益を素早く享受し、事業拡大をしていく手法をとる傾向にあります。当社グループにおいても、関連した事業を有する企業との合併、買収および提携などを積極的に行う必要があると認識し、M&Aを実施する可能性はあります。ただし、そのM&Aが、様々な要因によって事業シナジーが発揮できない可能性や、人的・資金的に適切なコントロールができない可能性または事業環境、収益構造が変化する可能性があります。その場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 人材の確保について
当社グループが提供する各サービス分野において、高度な専門知識および経験を有しているような優秀な人材の確保は経営の最重要課題と考えております。優秀で意欲に満ちた魅力ある人材を確保できるよう、当社グループでは、自由で創造性に満ちた誇りある企業文化の醸成に力を入れております。また、従業員にとって、働きがいのある業務の設定や能力に応じた積極的な権限委譲も進めております。しかし、今後、お客様企業の需要に対して、当社グループが必要とする人材が必要なだけ必要な時期に確保できる保証はなく、人員計画に基づいた採用が行えなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、人事評価も半期に一度実施するなど、柔軟に対応できる人事制度を構築しております。しかし、これらの制度は逆に、評価者の能力不足や部下とのコミュニケーション不足等で納得がいく査定を行えなかった場合、従業員の意欲の低下や人材の流出に繋がる可能性があります。
(10) 特有の法的規制・取引慣行について
当社グループの事業に関連する法規制において、悪影響を与えるような法規制や、解釈が不明瞭な法規制などが制定された場合、当社グループの業績、および事業展開のスピードに影響を及ぼす可能性があります。
(11) 個人情報の漏洩の可能性について
当社グループは、2003年2月に財団法人日本情報処理開発協会(現一般財団法人日本情報経済社会推進協会)認定プライバシーマークを取得しておりますが、特にコンタクトセンターにおけるお客様企業の顧客データ(名前、住所、年齢、年収等の個人情報)の取扱いについては万全の体制で臨んでおります。当社グループでは、個人情報の取扱いに関する重要性、危険性を十分に認識しており、当社グループのホームページにて個人情報保護方針を公開しているのと同時に、行動指針や社内規程の制定およびその教育・研修を行い、個人情報管理の徹底を十分に図っております。ただし、情報収集の過程で不測の事態等により当社グループで機密漏洩事故等が発生した場合、当社グループへの多額の損害賠償請求や行政機関からのプライバシーマーク承認取消処分や罰金等が課される可能性があるとともに、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(12) 新型コロナウイルス感染拡大について
当社グループは、新型コロナウイルス感染症に関する対応として、「感染拡大防止への社会的責任」と「安全配慮義務に則った従業員の安全確保」を最優先とし、その上で着実に業務継続を行うことを基本方針として実施しております。そのため、当社グループのオペレーションセンター拠点にて、密閉・密集・密接の3密環境が生まれやすい状況を回避する、テレワーク化・業務の自動化(RPA、ボット対応)・業務のチャット化・業務の縮小などについて、より一層踏み込んだ形でお客様企業への提案を推進しておりますが、これに伴い受託業務量が減少する可能性があります。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長期化することで、当社グループのオペレーションセンターの閉鎖・縮小、さらなる企業活動の自粛に伴うサービスの需給バランスの崩れなどによって、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社等)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて31,898百万円増加し、175,883百万円となりました。主な要因は、当社における借入金の増加による「現金及び預金」の増加や「受取手形及び売掛金」の増加などであります。
負債の部につきましては、「1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債」の償還による減少がありましたが、当社における新規借入による「長期借入金」の増加や「未払法人税等」の増加などにより、前連結会計年度末に比べて17,351百万円増加し、83,366百万円となりました。
純資産の部につきましては、14,547百万円増加し、92,516百万円となり、自己資本比率は48.8%となりました。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度における我が国経済は、世界規模で拡大する新型コロナウイルス感染症に伴い、外出自粛や休業要請、緊急事態宣言の発出などの影響により、個人消費や企業活動が著しく制限され、急速に景気が悪化しました。一部で持ち直しの動きがみられたものの、再び緊急事態宣言が発出されるなど新型コロナウイルス感染症の収束の見通しは立たず、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループが展開するサービスを取り巻く環境は、引き続き、業務の効率化やコスト競争力の強化、売上拡大などに繋がるアウトソーシングサービスといった底堅い需要に加え、コロナ禍において、デジタル化の推進やECをはじめとする非接触販売チャネルの拡大、急速に普及しつつあるテレワークをはじめとした新たな生活様式に対応するサービスへのニーズが高まりつつあります。
このような状況の中、当社グループは、外出やイベント・キャンペーンの自粛など行政機関からの指示・要請や、新型コロナウイルス感染拡大防止、従業員の安全確保を最優先とした対策などに伴い、新規案件の減少や一部既存業務の縮小、オペレーションセンターの一時的な稼働率低下といった影響はあったものの、新型コロナウイルス対策関連業務の支援に繋がるサービスや、引き続き、デジタルトランスフォーメーションパートナーとして企業の経営、事業の変革を支援するDECサービス・BPOサービスを積極的に展開し、受注の増加に繋げました。また、新型コロナウイルス対策を積極的に推進したことにより管理費用が増加したものの、受注業務の採算性改善や高収益案件の獲得などにより収益性が改善しました。一方で、今後の事業成長に向けた取り組みとして、国内外におけるサービスの競争力強化や、新たなニーズに対応すべく、引き続きデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進するサービス体制・組織の強化などの取り組みに注力しました。
お客様企業と顧客の接点となる、マーケティング・販売・顧客コミュニケーションをワンストップでサポートするDECサービス事業領域では、お客様企業のデジタル化の促進と、売上拡大の支援に繋げていくための取り組みに注力しました。具体的には、音声認識ソリューション「transpeech(トランスピーチ)」の機能拡充、アマゾン ウェブ サービス ジャパンのクラウド型コンタクトセンターサービスとAI対話サービスを連携し従来よりも素早く低コストでスタートできる「音声AIによる自動応答サービス」や、AIチャットボットの品質を調査する「チャットボットAI-IQ診断」など、デジタルテクノロジーを活用したサービスの強化を図りました。また、コンタクトセンター業務において、事業継続性の向上、ファシリティ削減による運営コストの最適化などに繋がるサービスとして、「在宅コンタクトセンターサービス」の提供を開始し、積極的な推進を図りました。さらに、サービスの競争力・提供体制の強化に向けた取り組みとして、世界最大級シェアのECプラットフォームである「Shopify(ショッピファイ)」を起点としたサービス体制の強化を図りました。また、Web制作・運用サービス、LINE、Instagram、Twitterなどソーシャルメディアプラットフォームの運用、開発、インターネット広告などのデジタルマーケティング部門を集結させた新オフィスを渋谷ファーストタワーに開設し、デジタルマーケティング領域における新たなサービスの創出や、各部門の強みを活かした総合提案を促進し、より一層のお客様企業の売上拡大に貢献すべく体制の強化を図りました。
お客様企業内の業務プロセスを、デジタル技術の活用により、シンプル・スピーディかつ正確に行い運用を最適化するBPOサービス事業領域では、主にアライアンスなどによるサービス体制の強化を図りました。具体的には、出張・経費管理ソリューション「SAP Concur(エスエーピー コンカー)」を提供する株式会社コンカーとアウトソーシングパートナー契約を締結しました。これにより、お客様企業の経費精算にかかわる業務のデジタル化を推進し、業務効率化の実現を支援していきます。また、株式会社Works Human Intelligenceと人事部門向けのBPOサービスにおいて協業を開始しました。これにより、統合人事システム「COMPANY(カンパニー)」を利用したBPOサービスの提供で早期の人事業務改革実現を支援していきます。また、これまでに富士通株式会社、株式会社東芝、東芝デジタルソリューションズ株式会社に対して、それぞれ傘下のシェアードサービス会社への出資・子会社化を通じて、BPOサービスを提供しておりますが、アライアンスのみならず、出資・M&Aを含めた取り組みを強化していきます。
引き続き当社グループは、DECサービスとBPOサービスをシームレスに繋ぎ、顧客中心のデジタル化を支援していく、お客様企業の、よきデジタルトランスフォーメーションパートナーに向けた取り組みを強化していきます。
海外においては、アジアを中心とした各ローカル市場での提供サービスの拡充および体制の強化を図りました。具体的には、中国、台湾において、「在宅コンタクトセンターサービス」の提供を開始しました。各国においてもコロナ禍での従業員の安全確保と事業継続可能な在宅オペレーション体制を整備しており、在宅型サービスの展開の準備を進めております。他方で、事業拡大に伴い、オペレーション拠点の強化も図りました。韓国では、オペレーション拠点「プサン第一センター」および「ナミョンセンター」を拡張し、新たに「ウルチロセンター」を設立しました。これにより、韓国独立系最大手のBPO企業として、14拠点・約5,000席(オンサイト含む約8,100席)の規模でサービスが提供できる体制となりました。東南アジアにおいては、クアラルンプールにオペレーションセンターを併設する第二拠点を開設し、マレーシア国内向けのサービス提供体制の見直しと強化を図りました。マレーシアでは、多民族国家という特長を活かしたマルチ・ランゲージ・オペレーション拠点として、マレーシア国内市場向けのみならず、グローバルにコンタクトセンター、デジタルマーケティングなどを提供しています。こうした取り組みにより、現在では、海外29の国と地域、103拠点でサービスを提供できる体制が確立されており、引き続き、海外展開の加速化に向けた取り組みを強化していきます。
以上の結果、当期の連結業績は、売上高336,405百万円となり前期比7.9%の増収となりました。利益につきましては、売上高の増加および収益性の改善などにより、営業利益は17,752百万円となり前期比66.1%の増益、経常利益は18,012百万円となり前期比101.2%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は10,022百万円となり前期比59.6%の増益となりました。
なお、「法人税、住民税及び事業税」が大幅に増加した主な要因は、投資先外国会社の企業価値が大きく増加した結果、当期実施の戦略的組織再編に係る税金費用が発生したためであります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(単体サービス)
当社におけるアウトソーシングサービスの需要拡大などにより、売上高は240,763百万円と前期比5.8%の増収となりました。セグメント利益は、既存の大型業務の拡大や大型公共案件の獲得などでの採算性改善により、11,237百万円と前期比42.0%の増益となりました。
(国内関係会社)
国内関係会社につきましては、上場子会社を中心に受注が好調に推移したことや、主に前第3四半期連結会計期間から一部子会社を連結の範囲に含めた影響などにより、売上高は39,483百万円と前期比39.6%の増収となり、セグメント利益につきましては、一部上場子会社の収益性改善などにより3,603百万円と前期比164.5%の増益となりました。
(海外関係会社)
海外関係会社につきましては、東南アジア・中国、韓国子会社における受注の増加により、売上高は69,105百万円と前期比4.6%の増収となりました。セグメント利益については、中国・韓国子会社を中心に収益性が改善し、2,914百万円と前期比106.2%の増益となりました。
なお、セグメント利益につきましては、連結損益計算書における営業利益をベースにしています。
(重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定)
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたっては、期末日における資産・負債の金額および報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断および仮定を使用する必要があります。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(今後の見通し)
2022年3月期については、いまだ新型コロナウイルス感染症の収束時期や感染拡大による影響が見通せず不透明感の強い状況にありますが、引き続きお客様企業の売上拡大・コスト最適化といったニーズに対し、デジタルトランスフォーメーションパートナーとして企業の経営、事業の変革を支援するDECサービス・BPOサービスを積極的に展開し、さらにアジア市場を中心としたグローバルで事業展開を加速させていくことで、当期実績を上回る業績を確保することを目指します。
なお、当社グループの事業は、あらゆる業種・業界のお客様との取引で成り立っており、変化の激しい経済環境の中、短期的な視点で企業活動の動向を見極めることは大変困難であります。よって、当社グループの2022年3月期連結業績予想については、合理的な算定ができないため公表しておりません。
また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長期化することで、当社グループのオペレーションセンターの閉鎖・縮小、さらなる企業活動の自粛・制限に伴うサービスの需給バランスの崩れなどによって、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(生産、受注及び販売の状況)
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は外部顧客に対する生産に基づくものであります。
2 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は外部顧客に対する受注に基づくものであります。
2 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は外部顧客に対する売上高に基づくものであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ7,621百万円収入が増加し、15,715百万円の収入となりました。この主な要因は、「税金等調整前当期純利益」が増加したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ1,516百万円支出が増加し、8,402百万円の支出となりました。この主な要因は、「投資有価証券の売却による収入」が減少したことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において6,735百万円の収入(前連結会計年度は2,093百万円の支出)となりました。この主な要因は、「長期借入れによる収入」が増加したことによるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて14,153百万円増加し、49,074百万円となりました。
資本の財源および資金の流動性については、下記のとおりとしております。
① 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金需要やセンター拡張等の設備投資のほか、業務または資本提携等、事業推進上の要請に基づく株式投資等であります。
② 財務政策
当社グループは、営業活動により得られる資金を、運転資金や設備投資資金、事業開発投資資金に充当していくことを基本としておりますが、状況に応じて、銀行借入や社債、株式発行など、その時点で最適と思われる手法で資金調達を行っていく考えであります。
①出資持分譲渡契約締結および株式譲渡契約解除
2020年4月16日、当社連結子会社であるTranscosmos Digital Marketing Cayman Co., Ltd.は、同社が保有する特思尓大宇宙(北京)投資咨詢有限公司(連結子会社、以下「DM北京」といいます。)の出資持分全部を、北京華一銀河科技有限公司(以下「華一銀河」といいます。)に譲渡する契約(以下「出資持分譲渡契約」といいます。)を締結いたしました。
また、2017年9月にDM北京が保有する北京騰信創新網絡営銷技術股份有限公司(以下「TensynPRC」といいます。)の一部株式について、北京香江信諾文化投資中心(有限合伙)(以下「北京香江」といいます。)との間で締結した株式譲渡契約(以下「既存株式譲渡契約」といいます。)に不履行が発生しておりましたが、本出資持分譲渡契約の実行完了を条件に、既存株式譲渡契約を解除する旨を2020年4月16日に北京香江との間で合意いたしました。
なお、DM北京は、TensynPRC株式の保有会社であります。
1.本出資持分譲渡契約の概要
・契約の相手会社 北京華一銀河科技有限公司
・譲渡価額 219百万元
・譲渡契約締結日 2020年4月16日
・譲渡実行日 2021年8月(予定)
2.本出資持分譲渡の理由
2018年9月にDM北京が保有するTensynPRC株式の一部(発行済株式総数の15%)を青島浩基資産管理有限公司に譲渡いたしました。以後、残る保有株式(発行済株式総数の9.54%)の売却を検討しておりましたが、今般、華一銀河に当該株式保有会社であるDM北京の譲渡を通じて、TensynPRCの株式譲渡を実行するものであります。
3.契約の締結が業績に与える影響
本出資持分譲渡に伴い、連結決算にて特別利益の計上を見込んでおりますが、契約に基づく譲渡実行時における影響額につきましては、現在未定であります。
なお、本出資持分譲渡完了後、DM北京は当社の連結の範囲から除外となります。
②持分法適用関連会社の組織再編に関する持分譲渡契約の締結
当社は、2020年5月28日開催の取締役会において、当社の持分法適用関連会社である優趣匯(上海)供応鏈管理有限公司(以下、「UNQ」といいます。)の持分のうち当社が保有する持分全部をUNQ Holding(HK) Limited(以下、「香港UNQ」といいます。)に譲渡し、香港UNQの持株会社であるUNQ HOLDINGS LIMITED(以下、「UNQ Holding」といいます。)に対して当社が出資をする旨の組織再編に関する契約を締結することを決議し、2020年6月5日付で持分譲渡契約を締結いたしました。当該取引は、当社を含むUNQの全持分保有者が、直接保有から新たに設立されるUNQ Holding、香港UNQを通じ、UNQの持分を間接保有に変更するものであり、異動前後の持分保有者の構成、保有持分比率についての変動はありません。
なお、当該取引によりUNQは当社の持分法適用の範囲から除外されますが、UNQ Holdingが引き続き当社の持分法適用関連会社となります。
当連結会計年度における研究開発活動は、お客様企業の売上拡大とコスト最適化を実現するサービスメニューを継続的に開発すべく研究を重ねております。主に、DECサービス、BPOサービスの各サービスにおいて、より顧客満足度を高めるための高付加価値なサービスを創り続けるための研究開発を行っております。
単体サービスにおける主な取り組みとしては、①グローバルECや越境ECなどECワンストップサービスの強化に向けた調査・研究、②人工知能・機械学習など最先端テクノロジー導入による業務プロセス自動化に向けた調査・研究、③CX(顧客体験)・DX(デジタルトランスフォーメーション)など最新ソリューション動向および取組事例等の調査・研究、④LINEなどのチャットプラットフォームを活用した新たな顧客コミュニケーションサービスの研究・開発、⑤VR(仮想現実)・AR(拡張現実) 、ブロックチェーン(分散型台帳技術)など最先端技術を活用した新ビジネスモデルの調査・研究、⑥ニューノーマル時代に向けたリモート・非接触環境における新たなコミュニケーション技術およびソリューション動向の調査・研究、その他、経済活動や所属する業界活動を啓蒙する団体などを通じたマーケティング調査・分析を実施するなど、引き続き、新たな技術・仕組みを取り入れたサービスの調査・研究開発を推進しております。
国内関係会社の主な取り組みとしては、単体サービスとのシナジー効果を追求し、新規顧客の開拓や収益機会の拡大につなげていくためのより専門的、先進的な製品・サービスの研究開発に注力しております。
以上の取り組みの結果、各セグメントの研究開発費は、単体サービスで