第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において、当社グループ(当社および連結子会社等)が判断したものであります。

 

(1)財政状態の分析

 当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて271百万円増加し、199,718百万円となりました。このうち流動資産につきましては、440百万円増加し、145,230百万円となりました。この主な要因は、「受取手形、売掛金及び契約資産」が増加したことによるものであります。固定資産につきましては、168百万円減少し、54,488百万円となりました。この主な要因は、「投資有価証券」が減少したことによるものであります。

 負債の部につきましては、当社における「長期借入金」の減少や「未払費用」の減少などにより、前連結会計年度末に比べて4,833百万円減少し、76,547百万円となりました。

 純資産の部につきましては、5,105百万円増加し、123,170百万円となり、自己資本比率は56.7%となりました。

 

(2)経営成績の分析

 当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用情勢・所得環境の改善を背景に、景気は緩やかに回復しました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格上昇、世界的な金融引締めに伴う為替市場への影響、中国経済の先行き懸念など、依然として先行きは不透明な状況が続いています。

 当社グループが展開するサービスを取り巻く環境は、進展するデジタル技術や長引く人手不足などを背景に、引き続き、デジタル技術を活用し、業務の効率化やコスト競争力の強化、売上拡大などに繋がるサービスに対する需要が拡大しています。

 このような状況の中、当社グループは、お客様企業の経営、事業の変革を支援するCXサービス・BPOサービスを積極的に展開し、受注の拡大に繋げました。また引き続き、「中期経営計画2023-2025」の実現に向けた各種取り組みを推進しました。

 テクノロジーソリューションカンパニーの実現に向けた取り組みでは、デジタル技術を活用したサービスの提供と体制の強化に注力しました。具体的には、当社の持つアジア最大規模のコールセンター応対ノウハウを結集し、生成AIを活用したチャットBot「trans-AI Chat」を独自開発し、「trans-DX For Support」への搭載を開始しました。「trans-AI Chat」を搭載したハイブリッドチャット対応では、エンドユーザーはいつでも問合せに対し自然な文章で回答を受けられるとともに、チャットBot対応と有人チャット対応のシームレスな連携により、高品質な顧客体験を受けられるようになります。また、コンタクトセンター運用プラットフォームに生成AIを活用し、コンタクトセンター管理者とオペレーターの運用支援や品質強化の効率を大幅に向上させるソリューションを開発しました。「分析・管理者支援AI」による効率化や「応対アシストAI」による自動化により、コンタクトセンター運用を幅広くサポートします。さらに、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)とAI活用時代のDigital BPOソリューション領域において戦略的事業提携を締結しました。本事業提携ではNTT ComのAI技術をはじめとしたテクノロジーやインフラと、当社の業務に精通した高度なノウハウおよびDX活用人材を組み合わせ、「新規ソリューションの共同開発」と「顧客への導入・運用」で連携を深めることで、お客様企業のDX推進を加速し豊かな社会の実現に貢献します。

 グローバル事業の成長に向けた取り組みでは、より競争力の高いサービスの拡充と提供体制の強化に注力しました。具体的には、韓国において、世界有数のグローバルD2C越境ECプラットフォームを提供する、ナスダック上場企業Global-eと提携しました。これにより、韓国の小売業者やブランドの越境ECビジネス最適化およびグローバルオンライン事業の成長を支援します。また、韓国・日本に続き中国においても、生成AIチャットBot「trans-AI Chat」の提供を開始しました。最先端の人工知能技術を駆使して、お客様企業のコスト最適化とカスタマーエクスペリエンス向上、売上拡大を支援していきます。さらに、インドネシアにおいて、お客様企業のカスタマーサポートにおける生産性の向上、運用コストの最適化を支援するサービスとして、AIトークBotを活用したサービスの提供を開始しました。

 なお、当社は、デジタル技術を活用したサービスモデルへの取り組みが社会のDX推進に貢献していることが評価され、2024年5月に経済産業省と東京証券取引所が選出する「DX銘柄2024」において、「DX注目企業2024」として選定されました。

 以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高185,545百万円となり前年同中間期比3.1%の増収となりました。利益につきましては、海外での収益性改善が牽引し、営業利益は7,132百万円となり前年同中間期比22.1%の増益、経常利益は7,196百万円となり前年同中間期比1.3%の減益、親会社株主に帰属する中間純利益は4,153百万円となり前年同中間期比5.4%の減益となりました。

 

 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

(単体サービス)

 当社におけるアウトソーシングサービス事業等につきましては、デジタルインテグレーションを中心としたCXサービスやBPOサービス全般の売上増加などにより、売上高は120,645百万円と前年同中間期比2.6%の増収となりました。損益については、売上総利益率は改善傾向が継続しましたが、経営基盤強化や事業拡大に向けた先行投資、人件費の増加などで販管費が増加し、セグメント利益は3,354百万円と前年同中間期比10.0%の減益となりました。

(国内関係会社)

 国内関係会社につきましては、売上高は21,043百万円と前年同中間期比0.1%の減収となりましたが、上場子会社およびそのグループ会社の利益増加などで増益に転換し、セグメント利益は1,489百万円と前年同中間期比25.0%の増益となりました。

(海外関係会社)

 海外関係会社につきましては、韓国・ASEANの各子会社における売上増加などにより、売上高は50,565百万円と前年同中間期比6.8%の増収となり、セグメント利益は、韓国および中国子会社のコスト適正化による収益性改善や、ASEAN子会社の利益増加などにより2,344百万円と前年同中間期比151.3%の増益となりました。

 

 なお、セグメント利益につきましては、中間連結損益計算書における営業利益をベースにしております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

 当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同中間期と比べ8,261百万円収入が減少し、3,080百万円の収入となりました。この主な要因は、前年同中間期と比較し売上債権の回収額が減少(「売上債権の増減額」の減少)したことや、「その他」に含まれている未払費用が減少したことによるものであります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同中間期と比べ479百万円支出が減少し、1,877百万円の支出となりました。この主な要因は、「差入保証金の回収による収入」が増加したことであります。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同中間期と比べ4,563百万円支出が増加し、5,570百万円の支出となりました。この主な要因は、前年同中間期に計上していた「長期借入れによる収入」が減少したことであります。

 以上の結果、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は、前連結会計年度末に比べて3,073百万円減少し、61,347百万円となりました。

 

(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間連結会計期間の研究開発費の総額は72百万円であります。

 

3【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。