第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に改善の遅れはあるものの、個人消費及び雇用・所得環境に改善の動きが見られるなど、緩やかな回復基調が続いております。一方、新興国経済の減速、英国のEU離脱問題、米国新政権発足による政策変更の影響等、景気の先行きについては不透明な要素が見られました。

当社グループが属する情報サービス産業におきましては、企業収益の改善を背景にIT投資は底堅く推移しており、特にビッグデータ、IoT、AI、フィンテック等の新しい技術による社会的課題の解決や生産性の向上、新たな需要の創出等への期待・関心が急速に高まるなど、中長期的にもITに対する需要は増加する可能性が高いと予想されております。

このような環境のもと、当社グループは、安定した収益基盤の確立に向け、プライムビジネス(エンドユーザーからの直契約ビジネス)とストックビジネス(継続的にサービスを提供するビジネス)の強化に取り組んでまいりました。

プライムビジネスにつきましては、ホテルシステム事業が大きく伸長するとともに、当社独自のマイグレーションツール「AIRS(エアーズ)」を活用したマイグレーションが複数の生命保険会社で進行いたしました。さらに、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマートが開発したシステム共通基盤「intra-mart(イントラマート)」を利用した民間企業向けシステム開発の導入拡大に努めました。

ストックビジネスにつきましては、システム資産可視化ソリューション「REVERSE PLANET(リバースプラネット)」を、大手製鉄会社や地方銀行、生命保険会社、カード会社等の金融機関へ導入するとともに、ホテル向けWEB予約システム「i-honex(アイホネックス)」や資材調達サイト「WRSH(ウルシュ)」をはじめとするクラウドサービスの提供拡大に注力いたしました。さらに、IBM i(System i 、iSeries、AS/400)の可視化ソリューションとして開発した「REVERSE COMET i(リバースコメットアイ)」の導入を推し進め、新たなフルアウトソーシングサービスへの展開に取り組みました。

収益構造の改善に向けては、平成28年4月より横断的な共通業務を担う専任部門を新設し、システム開発作業の効率化と外注費の抑制に取り組みました。また、競争力強化に向け、主力製品及び成長・収益期待分野への投資を積極的に行ってまいりました。加えて、地理空間情報ソフトウェア(ベルギー・Luciad社製)の販売や「IBM Watson Explorer」を活用した業務イノベーション支援サービスなど、新たな取り組みを開始しております。

この結果、当連結会計年度の売上高は185億99百万円(前期は売上高187億12百万円)となりました。利益面につきましては、一部の不採算プロジェクトの影響があったものの、生産性の向上や一般管理費の削減及びグループ子会社の収益改善などにより、営業利益は1億16百万円(前期は営業利益43百万円)となりました。また、有価証券償還益などの計上により経常利益は2億85百万円(前期は経常利益1億37百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億73百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1億32百万円)となりました。

 

 

当連結会計年度の品分類別の概況は次のとおりであります。

 

<システム開発>

業務アプリケーション開発は生保・金融業・自治体向け開発売上が前期に比べ増加しました。

その結果、システム開発売上高は、79億59百万円(前期はシステム開発売上高79億51百万円)となりました。

 

<サービス>

パッケージ利用料は前年に比べ増加しましたが、製造業向けアウトソーシングサービス、顧客支援サービスの売上が前期に比べ減少しました。

その結果、サービス売上高は、82億85百万円(前期はサービス売上高85億89百万円)となりました。

 

<システム機器等販売>

サーバの販売は前期に比べ減少しましたが、パッケージ販売、パソコン等の販売が前年に比べ増加しました。

その結果、システム機器等販売売上高は、23億54百万円(前期はシステム機器等販売売上高21億71百万円)となりました。
 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2億85百万円増加し、71億97百万円となりました。

 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は8億71百万円(前連結会計年度は36百万円の支出)となりました。主な要因は、売上債権の減少(2億82百万円)、税金等調整前当期純利益の計上(2億50百万円)、減価償却費の計上(2億27百万円)、たな卸資産の減少(1億4百万円)等による収入に対して、法人税等の支払(94百万円)等の支出によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は8億83百万円(前連結会計年度は15億58百万円の収入)となりました。主な要因は、有価証券及び投資有価証券の償還(10億円)、定期預金の払戻(3億85百万円)等の収入に対して、無形固定資産の取得(3億47百万円)、投資有価証券の取得(1億1百万円)等の支出によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は14億67百万円(前連結会計年度は6億45百万円の支出)となりました。主な要因は、長期借入金の返済(7億93百万円)、自己株式の取得(6億80百万円)等の支出によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を品分類別に示すと、次のとおりであります。

 

品分類

生産高(千円)

前期比(%)

システム開発

 

8,030,128

2.5

サービス

サービス

7,531,817

△2.7

ハード保守

757,054

△3.4

小計

8,288,871

△2.7

合計

16,319,000

△0.2

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績を品分類別に示すと、次のとおりであります。

 

品分類

受注高
(千円)

前期比
(%)

受注残高
(千円)

前期比
(%)

システム開発

 

7,065,456

△13.9

1,507,351

△37.2

サービス

サービス

7,477,201

△2.3

822,116

△5.9

ハード保守

755,725

△2.7

5,207

△20.3

小計

8,232,926

△2.3

827,323

△6.0

システム機器等販売

2,119,108

△6.3

604,604

△28.0

合計

17,417,490

△7.9

2,939,279

△28.7

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を品分類別に示すと、次のとおりであります。

 

品分類

販売高(千円)

前期比(%)

システム開発

 

7,959,712

0.1

サービス

サービス

7,528,669

△3.5

ハード保守

757,054

△3.4

小計

8,285,723

△3.5

システム機器等販売

2,354,363

8.4

合計

18,599,798

△0.6

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日本電気株式会社

3,293,988

17.6

3,496,039

18.8

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、創業の精神である「コンピューターは社会に奉仕する」のもと、情報技術の急速な発展による社会構造の大変革期において、安心で快適な夢あふれる未来の実現に貢献することを企業理念として、お客様に信頼される企業として成長していくことを経営の基本方針としております。

近年、企業経営を取り巻く環境に関して社会的な関心を集める幾多の出来事があり、コンプライアンスや資本政策など、社会における企業の存在価値が改めて問われている時代であるとの認識を深めております。このような企業価値を問われる時代にこそ、改めて企業経営の原点に立ち戻り、お客様やお取引先様から評価され、株主様の期待に応え得る信頼される企業として成長しなければならないとの思いを強めています。この方針の下で、先進的なビジネスモデルを支えるIT利活用の企画からシステム構築、その運用に至る一貫したサービスを通して、お客様の経営課題を解決し、経営戦略を実現することこそが、当社グループの存在意義であると捉えております。これからも「お客様とともに成長するNCS&A」を目指して、継続的な努力をしてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

収益性と資本効率を重視し、売上高営業利益率とROE(自己資本利益率)を経営指標として用いています。株主資本の有効活用、経営の効率化を図りながら収益性を高めることが、企業価値の向上に繋がり、株主の皆様、従業員を含め全てのステークホルダーの利益に叶うものと考えています。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、「ソリューション リーディングカンパニー」として

・お客様のビジネス価値を創造すること

・お客様に信頼されるパートナーとして認知されること

・お客様とともに成長していくこと

を目指し、以下の施策を展開してまいります。

 

① 事業の拡大

・売上比率が全体の6割強を占めるプライムビジネスについては、採算性の低い案件を重点的に精査し、さらなる収益性の向上を図ります。現状2割のストックビジネスについては、付加価値向上を図るとともにターゲット領域を絞り込み、量的拡大を図ります。

・可視化ビジネスを中心とする主力製品群への投資、経営資源の重点配分によりストックビジネスの強化を図ります。

 

② 新しい領域でのビジネス展開

・成長・収益期待分野として、アウトソーシングサービスビジネス、マイグレーションビジネス、セキュリティビジネスに重点投資することで新たな事業の柱を育てます。

・将来に向けた新たな技術基盤への対応として、AI(人工知能)を活用した業務イノベーション支援サービスや地理空間情報ソフトウエアの販売に取り組んでまいります。

・継続的な内部成長戦略に加え、コンサルティングファーム・メーカー・大手Sler・販売代理店とのアライアンスを通じ、ビジネスエリアの拡張・規模拡大を図ります。

 

③ コンプライアンス重視の経営浸透

企業が経営活動を行う上で、法令や各種規則への対応、さらには社会的規範の遵守など、多くの面で高い企業倫理が求められています。当社ではこのような社会の要求に応えるため、

・コンプライアンス責任者を明確にした体制を確立し、社内啓蒙はもとより当社グループ、開発パートナーに至るまで、法令の遵守、コンプライアンス意識の浸透と拡大に努めています。

・内部統制システムの整備・運用をさらに充実してまいります。

 

④ 人材の育成と確保

情報サービス産業において人材は最も重要な経営資源であり、その育成は最重要課題であります。

・多様化する顧客ニーズに応えるため、経営戦略に沿った人材育成制度とそれを支える人事諸制度の継続的な整備に取り組みます。

・社員が安心して長く勤められる企業風土づくりに向け、勤務形態の多様化への対応や付加価値創造型の人材育成への取り組みなどの働き方改革を推進していきます。

 

⑤ PMOによるプロジェクト統制の強化

・PMO活動を継続・強化し、KPI(重要業績評価指標)設定による改善項目と目標可視化の管理で、プロジェクト遂行におけるリスクを未然に防ぎ、収益性の向上を図ります。

・プロジェクトマネジメント力の強化に向けて、人材教育・研修制度の整備・拡充に努めます。

 

⑥ 生産性向上への取り組み

・開発標準に準拠して、特に要件定義や基本設計など上流工程での品質の作り込みを徹底し、スケジュール遅延や後工程の時間的圧迫を未然に防ぐなどプロジェクト全体の生産性向上に努めます。

・業種・業務・システム特性毎に製品の標準化を図ることにより、生産効率の向上を図ります。

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社グループは将来ビジョンを見据えたプランニングと高収益モデルの実現に向けた収益構造改革の柱であるプライムビジネス及びストックビジネスの重点事業に注力し、より利益の出る体質作りを目指すとともに、グループ最適化への施策にも取り組んでまいります。具体的には今後の持続的な成長に向け、次の施策を引き続き実施してまいります。

・実効的コーポレートガバナンスの実践を推進します。

・IRや広報活動に積極的に取り組むことにより市場や業界内における認知度向上を図ります。

・プライムビジネス及びストックビジネスの強化に向けたソリューション力増強のための投資を行います。

・業務・業種ノウハウや技術力向上のための人材の育成と活用を行います。

・PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)によるプロジェクト統制強化のさらなる徹底を図ります。

・継続的コスト構造改革の推進による収益構造の改善を図ります。

・NCS&Aグループ各社の事業シナジーの追求、コスト構造改革を進め、グループ経営の総合力を高めます。

 

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済情勢変化と技術革新

当社グループが属する情報サービス産業においては企業収益の改善を背景にIT投資は底堅く推移しているものの、競合他社との激しい価格競争や外注単価の上昇等により引き続き厳しい状況が続いております。このような環境のもと、経済情勢の変化等により顧客企業のIT関連投資抑制や業界内部の価格競争がさらに急速に進行・持続した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社ではこうした事態に対し、アウトソーシングサービス、クラウドサービスなどIT投資抑制の影響を受けにくいストックビジネスを強化するとともに、営業・開発が連携し顧客志向の事業活動を推進することで顧客ニーズをより早く、より正確に捉え、顧客拡大及び顧客内シェア拡大を推進しております。

また、社員のITスキルに対応したキャリアアップ、教育研修制度の充実、及び先進的開発技術取得への活動を展開しております。

 

(2) 不採算プロジェクトの発生

当社グループの事業、とりわけシステム開発においては、お客様からの仕様追加や開発方式の変更等により当初見積り以上に作業工数が増大した場合、受託責任としてその開発リスクの負担を求められる場合があり、結果として不採算となるプロジェクトが発生することがあります。また、納入後の不具合の発生等により修復に要する費用が業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社はこのような事態に対応するため、PMO推進の専門部署を設置し、全社的にプロジェクト管理・統制の強化を図っております。

プロジェクト管理・統制の強化に加え、提案・見積り段階から納品に至るまで第三者機関による牽制機能を充実させることで、組織的な情報共有・状況把握を実現し、不採算プロジェクト発生の抑止に努めてまいります。

 

(3) 特定取引先への依存

当社は日本電気株式会社(以下、NEC)の販売特約店でありNECが製造販売するコンピュータ機器と当社グループの保有する情報技術やソフトウエアパッケージを組み合わせた情報システムを販売するとともに、NECグループが受注した大型プロジェクトのSIサービス業務を受託し、開発作業を分担しております。これらの売上は当社グループの大きな事業収入の柱となっており、今後NECにおいて経営方針または取引関係における事業方針の大幅な変更がなされた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、こうしたリスクを回避するためにNECグループのITサービス事業における当社のポジションを明確にし、その強みを発揮して協業関係を維持・拡大するとともに、中堅・中小規模の企業・法人への販路拡大にも努めております。

 

(4) 情報セキュリティ問題

システムの開発、運用に関連する情報セキュリティの確立・維持は当社グループにとって重要な経営課題と認識しており、万が一、悪意のあるセキュリティ侵害を受けた場合や、業務遂行上取り扱う機密情報や個人情報の漏洩が発生した場合は、情報サービス企業としての社会的信用の失墜や損害賠償責任など、当社グループの業績に多大な影響を及ぼすものと思われます。

当社では、情報セキュリティマネジメントシステムを構築し、社内へのセキュリティ意識の啓蒙を行うとともに、こうしたセキュリティインシデントの発生防止と発生時のリスクの最小化、及び再発防止にむけての実行体制を強化しております。また、その結果として、第三者機関よりISO27001(情報セキュリティ)の認証を取得し、プライバシーマーク使用許諾事業者としても認められております。

 

 

(5) 人材の確保

当社グループが属する情報サービス産業においてはコンピュータのハードウエア技術、ソフトウエアの開発言語、アプリケーション及びネットワーク技術等の幅広い知識が求められており、またビッグデータ、IoT、AI、フィンテック等に代表される技術革新が急速に進んでおります。これに対応できる開発技術者、優秀なプロジェクトマネージャ、及びシステム構築要員の確保が不十分であれば、競争力が低下し、受注の縮小、プロジェクト採算性の悪化等をもたらす可能性があります。

当社グループでは優秀な人材採用・雇用に努めるとともに、開発人材の教育・研修の強化を行っております。

 

(6) 自然災害等

地震等の自然災害、テロ行為、感染症の流行等により、当社グループの主要な事業所等が壊滅的な被害を被った場合や多数の従業員が被害を受けた場合には、その復旧や代替のために多大な費用が発生するとともに、販売活動などの事業活動に大きな影響を与えるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、こうしたリスクの発生に備えて事業継続活動に取り組んでおります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの当連結会計年度における研究開発活動は、攻めのIT(企業価値向上)分野としてクラウド(AWS Amazon Web Servicesの略)と、アナリティクス技術研究を高度化させたコグニティブ領域であるAI(人工知能)の研究に取り組みました。また、当社の中期経営計画方針であるプライム&ストック分野の伸長に向けて、共通基盤検討、サービス開発・運用・保守に関わるアプリケーション開発管理とサービスマネジメントの標準化、技術者育成施策として過年度から取り組んでまいりましたスキル可視化のシステム化及び、スキル標準へのIPAによる新たなスキル標準iCD(iコンピテンシー・ディクショナリー)の取り込みについて研究開発を進めてまいりました。その概要は次のとおりであります

なお、当連結会計年度の研究開発費は75,278千円であります。 

 

(1)クラウド(AWS)

これまでAWSの要素技術を研究し、それらの組み合わせによるシステム構築のモデル化に取り組んでまいりましたが、当年度はその成果を活かし、事業ラインでのAWS実案件に対してアドバイスや検証を行いました。事業ラインでは、まだ取り組みはじめたばかりであることから、設計上や構築時の留意点等これまでの研究成果をふまえた指導を行う一方で、実案件から出された課題を研究課題としてフィードバックし、その実現方法について研究いたしました。この成果として、1案件でAWSへの移行が完了し、1案件は進行中であります

 

(2) コグニティブ領域 AIに関する研究

SI開発並びにプロダクト及びサービスの提供といった当社の強みに付加価値をのせて、さらに当社の価値を高めるための技術戦略として、コグニティブ領域であるAIに取り組むこととし、これを推進する上での強力なソリューションとして、日本IBMとのアライアンスによるIBM Watson Explorerを取り扱うこととしました。お客様の課題解決並びに価値創造に寄与し、業務イノベーションを支援することを目的といたします。当年度は、スタディの位置づけで、製品の機能習得とお客様へ適用する上での必要な要素技術の研究を行いました。要素技術として、自然言語解析、テキストマイニング、機械学習、知識ベース(コーパス)について製品を通して機能習得を行い、お客様が持つ課題やニーズを収集し、これらの要素技術をどのように適用するかについての研究を行いました。 

 

(3) サービス開発・運用・保守に関わるアプリケーション開発管理の標準化

昨年度は、継続的にアプリケーション改修を行う開発プロジェクトやAMO業務で必要とされるアプリケーションメンテナンス業務を支える上で、どの領域にフォーカスするかを分析・検討し、開発ツールチェーン(要求・仕様変更管理、構成管理、改修テスト、統合(インテグレーション)とデプロイ及びそれらのトラッキングとプロジェクト管理の流れ)を標準化に取り組んでいくという方針を出しました。当年度は、その標準案を策定し、実際の開発プロジェクトに実証実験として試験適用し、効果と課題について整理を行いました。今後は、その課題解決策を検討し実用への研究を進めてまいります。

 

 

(4) サービスマネジメントの標準化

当社のプロダクト及びサービスを提供するめに必要な技術要素について研究を行いました。昨年度は、当社提供のプロダクト及びサービスの基盤が、プラットフォームとアプリケーションのレイヤに対して、複数の製品やテクノロジーで構築されており、開発者や運用・保守要員が個別にスキルを習得・対応しなければならないという課題があったため、現状の把握と課題整理を行い今後どのような方針で共通基盤整備を進めるかについて検討いたしました。それを受けて当年度は、運用監視分野を例として、以下の内容について整備いたしました。
・サービス契約書
・SLA(Service Level Agreement)
・サービス仕様書
・サービス利用規約書
・サービスマネジメント(ヘルプデスク、サービスデスク、課題管理、インシデント管理等)
これらについて国内では、複数の省庁・団体から標準化ガイドラインが出されているため、これらの比較と意味の定義などについて研究を重ね、当社として1つのモデルを作成するに至りました。今後、当社が展開する新たなサービスには、これらのモデルを適用できるよう応用適用としてさらに研究を進めてまいります。

 

(5) スキル可視化

昨年度に取り組みましたIPA発表のiCD(iコンピテンシーディクショナリ)β版が当年度に正式版として発表され、それをスキル標準として紐解き当社への適用を検討いたしました。昨年度に取り組みましたiCDベースの実証実験で出た重要課題について改善策を検討し、当社のスキルモデルの1要素として、iCDのタスクディクショナリをベースとしたNCS&A標準タスク定義案を固めた後、それをベースに実証実践を行い、導入していくように取り組んでまいります。

もうひとつのテーマとして、スキル可視化のシステム化に取り組みました。具体的には、スキルズインベントリ、資格取得情報、受講履歴情報、業務経歴書のデータベース化を行い、Webシステムによって全社で共有できるシステムβ版を構築いたしました。このβ版は2016年11月に社内向けにリリースし、課題を抽出いたしました。今後は、課題をフィードバックした正式版をリリースし、スキル可視化のシステムを提供できるように進めてまいります。あわせて、前述したiCDのタスクをこのスキル可視化システムにアドインし、スキル可視化システムを完成させ、当社の人材育成と調達に寄与したいと考えております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における当社グループの売上高は、前期比1億12百万円減収185億99百万円となりました。

売上高の状況につきましては、「第2事業の状況」「1業績等の概要」「(1)業績」に記載しております。

 

(営業損益)

収益構造の改善としてシステム開発作業の効率化及び外注費の抑制などにより、営業損益は前期比72百万円増加1億16百万円の営業利益(前連結会計年度は43百万円の営業利益)となりました。

 

(営業外損益)

営業外損益は有価証券償還益の計上、有価証券評価損の減少などにより、前期比75百万円増加の1億69百万円の純利益(前連結会計年度は94百万円の純利益)となりました。

 

(特別損益)

特別損益は損害賠償金の計上などにより、前期比1億21百万円減少の34百万円の純損失(前連結会計年度は86百万円の純利益)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

親会社株主に帰属する当期純損益は前期比1億40百万円増加2億73百万円の純利益(前連結会計年度は1億32百万円の純利益)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における総資産は163億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億22百万円減少いたしました。流動資産は130億7百万円となり、9億18百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金の増加(2億85百万円)、有価証券の減少(9億28百万円)、受取手形及び売掛金の減少(3億12百万円)等であります。固定資産は32億98百万円となり、4百万円減少いたしました。主な要因は、無形固定資産の増加(2億12百万円)、投資有価証券の増加(85百万円)、投資その他の資産のその他に含まれる長期預金の減少(3億円)等であります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は64億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億56百万円減少いたしました。流動負債は30億77百万円となり、4億84百万円減少いたしました。主な要因は、賞与引当金の増加(83百万円)、1年内返済予定の長期借入金の減少(6億15百万円)等であります。固定負債は33億43百万円となり、28百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金の増加(21百万円)、リース債務の増加(21百万円)、長期未払金の減少(30百万円)等であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は98億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億66百万円減少いたしました。主な要因は、利益剰余金の増加(1億45百万円)、退職給付に係る調整累計額の増加(48百万円)、自己株式の消却に伴う資本剰余金の減少(4億69百万円)、自己株式の増加(2億7百万円)等であります。

なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の60.1%から60.6%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの分析

当社グループの資金状況は、当連結会計年度末において現金及び現金同等物が、前連結会計年度末より2億85百万円増加し、71億97百万円(前期比4.1%増)となりました。詳細については「1 業績等の概要」「(2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。

 

第47期
平成25年3月期

第48期
平成26年3月期

第49期
平成27年3月期

第50期
平成28年3月期

第51期
平成29年3月期

自己資本比率(%)

47.2

47.9

61.1

60.1

60.6

時価ベースの自己資本比率(%)

19.4

25.9

36.2

30.8

34.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍)

2.1

53.9

0.4

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

30.4

0.9

100.7

 

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は、期末時価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。

3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(4) 経営戦略と今後の方針

経営戦略と今後の方針につきましては「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りです。