当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループは「“社会で活躍できる人づくり”を実現できる最高の教育機関をめざす」というコーポレートビジョンに基づき、以下の経営方針を中核に据え、環境の変化に迅速に対応することで企業価値の向上を目指しております。
<経営方針>
①顧客満足度の向上
②サービス品質の強化
③生涯学習化に伴う支援領域の拡大
④オンライン・場・人の融合による提供価値の向上
⑤グローバル事業の拡充
⑥M&A及びアライアンスによるグループシナジーの最大化
当中間連結会計期間における連結経営成績の概況は以下の通りです。
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2024年度中間期 |
前年同期比 |
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売上高 |
102億23百万円 |
5.2%増 |
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営業利益 |
5億97百万円 |
11.0%減 |
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経常利益 |
5億89百万円 |
12.2%減 |
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親会社株主に帰属する中間純利益 |
3億14百万円 |
13.3%減 |
売上高につきましては、その他以外の全てのセグメントにて増収。高校・大学事業では通信制高校「第一学院高等学校」の生徒数増により前年同期比5.4%増、学習塾事業では個別指導の生徒数増により前年同期比1.6%増、グローバル事業ではインバウンド事業の回復・留学生入国者数増により前年同期比14.3%増、能力開発・キャリア支援事業では企業向けLMS及びe-ラーニングコンテンツ販売が好調に推移し前年同期比13.3%増となりました。
営業利益面につきましては、高校・大学事業においては、今期生徒数増に伴う人件費及び対面行事費の原価費用増、未出校地域への新規出校費用もあり減益となりました。学習塾事業においては、カンパニー全体での拠点最適化・業態転換による費用圧縮等により増益となりました。グローバル事業においては、インバウンド事業の回復・日本語学校の生徒数増に伴う原価費用増はあったものの増収分が上回り増益となりました。能力開発・キャリア支援事業においては、学習塾等向け能力開発コンテンツのアカウント数の前年割れ、新規商材販売不振、社会人のリスキリング・学び直しに向けた企業向けの学習ポータルサービス・e-learningコンテンツ・LMS導入等の受注増への営業体制強化による人員増により減益となりました。また、管理部門効率化のためのBPO費用や租税公課の増加により、当中間連結会計期間における営業利益は前年同期を下回っております。
現在、当業界を取り巻く環境はテクノロジーの急速な進化により、デジタル化・オンライン化はコロナ禍で一層の注目を浴び、国のGIGAスクール構想、ChatGPTに代表される生成AIの急速な普及によって、学び方に更なる広がりが出てきております。更に、現学習指導要領の改訂で謳われている「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間力等」が求められ、高校・大学入試において、選抜方法も多様化しております。
並行して、人生100年時代とも言われる長寿社会や労働人口の減少に伴って外国人・シニア・女性の活躍が重要視されるなど、多様な教育機会提供の必要性・重要度も増してきております。
このような環境変化に迅速に対応するために、当社は社内カンパニー制を導入しており、「①グループ経営・ガバナンス強化」「②機動的な意思決定」「③ポートフォリオ経営を実現する体制の構築」の実現を目指し、「学びの多様化」に伴う様々な社会課題の解決に貢献してまいります。
当中間連結会計期間におけるセグメントごとの経営成績は次の通りであります。
なお、以下の前年同期比較については、変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
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外部顧客への売上高 |
前年同期比 |
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高校・大学事業 |
42億76百万円 |
5.4%増 |
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学習塾事業 |
36億73百万円 |
1.6%増 |
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グローバル事業 |
12億8百万円 |
14.3%増 |
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能力開発・キャリア支援事業 |
9億70百万円 |
13.3%増 |
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その他 |
94百万円 |
25.3%減 |
(注)当中間連結会計期間より、セグメント区分を一部変更しております。
詳しくは、「P18(セグメント情報等)2.報告セグメントの変更等に関する事項」をご覧ください。
①高校・大学事業(高校・大学事業カンパニー)
高校・大学事業につきましては、通信制高校「第一学院高等学校」の運営による高校生年代への幅広い成長支援に加え、中学生年代を対象とした学びの機会提供、大学生年代・社会人を対象とした各種資格取得・スキル修得に向けたサービスを提供しております。また、提携関係にある学校法人柏専学院が運営する新潟産業大学との連携により、中等部から最大10年間の一貫した教育を展開する体制を確立しております。
先日公開されました文部科学省の令和6年度学校基本調査(速報値)結果では、不登校児童・生徒数は一段と増加し、通信制高校の学校数及び生徒数は過去最多を更新しました。そのような状況のもと、学びのニーズの多様化に伴って通信制高校を選択する生徒は着実に増えており、独自のICT教育や成長実感型教育、各種スペシャリスト育成のコースを有する第一学院高等学校への入学者は、引き続き増加いたしました。
また、東京・池袋と大阪・梅田に続き、今年9月には未出校地域の福井に高校・大学・社会人年代の異年齢が集い、地域との連携を含めた多彩な学びを通じて一人ひとりの自分軸づくりを支援する新ブランドのコミュニティスペース「第一学院managara BASE(マナガラ・ベース)」を開校し、一層多様化するニーズに応える取り組みを進めております。
②学習塾事業(学習塾事業カンパニー)
学習塾事業につきましては、意欲喚起指導を基軸に据え、脳科学に基づいた独自の教育プログラム(プラスサイクル学習法)を展開しております。「第一ゼミナール」においては授業外での「学習サポートタイム」を導入し、生徒個々の授業理解・定着の強化により顧客満足度向上を図っております。また、自立型・個別最適化学習「PLS(Positive Learning System)」では、最新のICTを活用し、生徒自身が主体的に考える習慣作りに主眼を置いた指導を行っております。
また、株式会社Blue Sky FCが運営する「個別指導まなび」では、独自の良質な指導に対して評価をいただいており、引き続き計画的に新規開校を進めております。前期末に第一ゼミナール・ファロス個別指導学院から「個別指導まなび」へのブランド転換を行った教室を含めて引き続き順調に生徒数は増加しております。
現下の学習塾カンパニーの改善傾向を加速するために、当社学習塾事業本部及び当社グループ内の関係会社間とで、より一体的な広報・マーケティング活動や運営・教務・募集面でのシナジー促進のための連携強化を図っております。
③グローバル事業(グローバル事業カンパニー)
グローバル事業につきましては、通訳・翻訳業務や高い語学力を持つ人材の派遣、留学生や日本で働く外国人への日本語教育、日本語教師の養成、外国人の採用から就労・生活支援等のサービスを一体となって行っております。企業の海外進出や国による留学生増加計画、インバウンドの推進等、多様なニーズを見据え、語学力や国際感覚の養成、人材育成や適材適所の人材登用を通じて、グローバル化する社会で活躍できる人や企業づくりに貢献してまいります。
株式会社吉香では、インバウンドの回復に伴う人材派遣案件が堅調に推移しております。また、日本語学校を運営する株式会社グローバルウィザスにおいても、長期留学コース、短期留学コース共に留学生の受け入れが引き続き順調に推移しております。
更に、東南アジアにおけるこれまでの特定技能の人材確保と高度人材のITエンジニアの育成・確保において現地ベトナムの複数の大学と連携して、日本語教育だけでなく、日本でのインターンシップの機会創出、日本での就労を望む学生の希望進路実現に向けたサポートを充実させ、東南アジアの人材育成ならびに日本企業のIT人材不足の解消に貢献してまいります。
④能力開発・キャリア支援事業(能力開発・キャリア支援事業カンパニー)
能力開発・キャリア支援事業につきましては、グループを横断するマーケティング機能も担っており、カンパニー内にとどまらない学びの環境づくりをサポートするなど、様々な教育ソリューションを提供しております。
全国の学習塾・学校への速読解・思考力講座、速読聴英語講座、新国語講座をはじめとした読解力向上のICT教育ソリューション・能力開発コンテンツの提供を行っております。また、社会人のリスキリング・学び直しに向けた企業向けの学習ポータルサービス、アンガーマネジメントの講師育成・企業研修等の事業も展開しております。
政府が推進する「人への投資」により人的資本に注目が集まる中、企業・法人向け各種研修サービスを提供する株式会社レビックグローバルでは引き続き業績が堅調に推移しております。
株式会社レビックグローバルではAI活用やタレントマネジメントシステム連携のプロダクト開発も強化しており、また当社が出資をしているHR系スタートアップのVARIETAS社が開発したAI活用による人材採用・評価用プロダクトの営業代理店として取引先大手企業を中心に営業連携を開始しており、今後も既存・新規の企業・法人の社員教育・研修とのシナジー効果を目指しております。
⑤その他(その他サービス)
その他サービスでは介護予防フィットネスを提供しております。日常生活の機能維持・向上を目的としたシニアの介護予防につながるデイサービスの展開を行い、生涯に亘る人づくりへの支援を行っております。
(2)財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて0.9%減少し、92億77百万円となりました。これは主に、商品及び製品が1億29百万円増加したものの、現金及び預金が1億71百万円、教材が47百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて6.3%増加し、95億12百万円となりました。これは主に、投資有価証券が1億64百万円減少したものの、のれんが2億12百万円、建物及び構築物が2億11百万円、無形固定資産のその他が1億36百万円、投資その他の資産のその他が1億12百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて2.6%増加し、187億90百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて6.3%減少し、89億99百万円となりました。これは主に、短期借入金が15億円、1年内返済予定の長期借入金が3億97百万円、流動負債のその他が2億39百万円それぞれ増加したものの、契約負債が27億37百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて49.2%増加し、37億28百万円となりました。これは主に、長期借入金が12億9百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて5.2%増加し、127億27百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて2.4%減少し、60億62百万円となりました。これは主に、利益剰余金が1億37百万円、その他有価証券評価差額金が49百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、以下に記載のキャッシュ・フローにより77億77百万円となり、前中間連結会計期間に比べて5億81百万円増加しました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の減少は17億74百万円(前年同期は19億65百万円の資金の減少)であり、これは主に、契約負債の減少額28億12百万円、税金等調整前中間純利益5億76百万円、その他の負債の増加額2億88百万円、減価償却費2億39百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は9億17百万円(前年同期は9億42百万円の資金の減少)であり、これは主に、保険積立金の積立による支出6億59百万円、無形固定資産の取得による支出3億39百万円、有形固定資産の取得による支出2億94百万円、投資有価証券の取得による支出1億48百万円、保険積立金の解約による収入5億6百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の増加は25億20百万円(前年同期は61百万円の資金の増加)であり、これは主に、短期借入れによる収入24億円、長期借入れによる収入18億円、短期借入金の返済による支出10億25百万円、長期借入金の返済による支出1億93百万円、配当金の支払額4億50百万円によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。