名称 株式会社NSSK-J1
所在地 東京都港区愛宕二丁目5番1号愛宕グリーンヒルズMORIタワー
(1)普通株式
(2)新株予約権(下記①から③の新株予約権を総称して、以下「本新株予約権」といいます。)
① 2015年6月25日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第1回株式報酬型新株予約権(以下「第1回新株予約権」といいます。)(行使期間は2015年7月25日から2035年7月24日まで)
② 2016年6月24日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第2回株式報酬型新株予約権(以下「第2回新株予約権」といいます。)(行使期間は2016年7月26日から2036年7月25日まで)
③ 2017年6月23日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第3回株式報酬型新株予約権(以下「第3回新株予約権」といいます。)(行使期間は2017年7月24日から2037年7月23日まで)
(1)意見の内容
当社は、2025年6月9日開催の取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに関して賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨すること、また、本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様に対して、本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権の買付価格が1円とされていることから、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。
なお、当該取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
(2)意見の根拠及び理由
「(2)意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、サービス業を営む会社等に対する投資事業を主たる事業目的として、2025年4月1日に設立された株式会社であり、本書提出日現在においてその発行済株式の全てを株式会社NSSK-J2(以下「公開買付親会社」といいます。)が所有しているとのことです。公開買付親会社は、2025年4月1日に設立された株式会社であり、公開買付者の株式を所有することを主たる目的としており、その発行済株式の全てを、株式会社日本産業推進機構(以下「NSSK」といいます。)及びそのグループ会社(以下「NSSKグループ」といいます。)が管理し又はサービスを提供しているNSSK Ⅲ (United) Investment L.P.が所有しておりましたが、NSSK Ⅲ (United) Investment L.P.が、2025年7月4日付で、NSSK Ⅲ FC2 Ltd.(注)に対して、その所有する公開買付親会社の株式の全てを譲渡したことにより、公開買付親会社の発行済株式の全てをNSSK Ⅲ FC2 Ltd.が所有するに至っているとのことです。そして、NSSK Ⅲ (United) Investment L.P.は、NSSKグループが管理し又はサービスを提供している日本産業推進機構3号投資事業有限責任組合及びNSSK Ⅲ (INTL) Investment L.P.から本公開買付けに要する資金を調達し、公開買付者に対して出資することとしているとのことです。
なお、本書提出日及び2025年7月4日現在、公開買付者、公開買付親会社、NSSK Ⅲ FC2 Ltd.、NSSK、NSSK Ⅲ (United) Investment L.P.、日本産業推進機構3号投資事業有限責任組合及びNSSK Ⅲ (INTL) Investment L.P.(以下「公開買付者関係者」と総称します。)は、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)及び本新株予約権を所有していないとのことです。
(注) NSSK Ⅲ FC2 Ltd.は、公開買付親会社の株式を所有することを主たる目的として、2025年6月30日付で、ケイマン諸島法に基づき設立された法人であり、2025年7月4日現在、NSSK Ⅲ (United) Investment L.P.がその持分の全てを保有しているとのことです。
今般、公開買付者は、2025年6月9日、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社株式の全て(本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得し、当社を完全子会社化するための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
本公開買付けの実施にあたり、公開買付者は、2025年6月9日、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズ・ピーティーイー・エルティーディー(以下「スイスアジア・フィナンシャル・サービシズ」といいます。)との間で応募契約(以下「本応募契約(スイスアジア)」といいます。)を締結しているとのことです。スイスアジア・フィナンシャル・サービシズによれば、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズは、当社の第1位株主であるGlobal ESG Strategy(所有株式数:1,334,400株、所有割合(注1):14.62%)及び当社の第4位株主であるGlobal ESG Strategy2(所有株式数:472,100株、所有割合:5.17%)(Global ESG Strategy及びGlobal ESG Strategy2を総称して、以下「GESファンド」といいます。)との間で投資一任契約を締結しており、GESファンドの投資権限を委任されているとのことです。公開買付者と、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズは、本応募契約(スイスアジア)において、GESファンドが所有する当社株式(所有株式数:1,806,500株、所有割合:19.79%)(以下「本応募株式(スイスアジア)」(注3)といいます。)を本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです。なお、本応募契約(スイスアジア)の概要については、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本応募契約(スイスアジア)」をご参照ください。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年5月13日に公表した「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(10,140,000株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(1,096,506株)を控除した株式数(9,043,494株)に、当社から本書提出日現在残存するものと報告を受けた本新株予約権(861個(注2))の目的となる当社株式の数(86,100株)を加算した株式数(9,129,594株。以下「潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。)をいうとのことです。以下、同じとのことです。
(注2) 公開買付者が、当社から本書提出日現在残存するものと報告を受けた本新株予約権の内訳は以下のとおりとのことです。なお、目的となる当社株式の数は、第1回新株予約権、第2回新株予約権及び第3回新株予約権のいずれも1個につき100株とのことです。
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新株予約権の名称 |
個数 |
目的となる当社株式の数 |
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第1回新株予約権 |
260個 |
26,000株 |
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第2回新株予約権 |
359個 |
35,900株 |
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第3回新株予約権 |
242個 |
24,200株 |
(注3) 当社が2024年11月13日に提出した第49期半期報告書(以下「当社半期報告書」といいます。)の「第一部[企業情報]」の「第3[提出会社の状況]」の「1[株式等の状況]」の「(5)[大株主の状況]」(2024年9月30日現在)によれば、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズから2024年8月28日付で大量保有報告書の変更報告書が提出されておりますが、当社として、2024年9月30日における実質所有株式数の確認ができないため、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズは当該「大株主の状況」に含まれておらず、そのため、公開買付者がスイスアジア・フィナンシャル・サービシズから2025年6月9日に直接報告を受けた当社株式の数と所有割合を記載しているとのことです。なお、本書中の当社の株主の順位は、上記の当社半期報告書に係る記載と、当社の株主から直接報告を受けた当社株式の数を参照の上、所有割合が大きい順に記載したものとのことです。以下同じとのことです。
また、公開買付者は、2025年6月9日、①当社の創業者かつ相談役である堀川一晃氏(所有株式数:221,000株、所有割合:2.42%)、②当社の第2位株主であり堀川一晃氏が代表取締役を務める株式会社ヒントアンドヒット(所有株式数:653,000株、所有割合:7.15%)、③堀川一晃氏の長男であり、当社の第5位株主かつ当社の執行役員である堀川直人氏(所有株式数:468,200株、所有割合:5.13%)、④堀川一晃氏の次男であり、当社の第6位株主である堀川明人氏(所有株式数:466,000株、所有割合:5.10%)及び⑤堀川一晃氏の配偶者である堀川美佐子氏(所有株式数:20,000株、所有割合:0.22%)との間でそれぞれ応募契約(以下「本応募契約(創業家)」と総称します。また、堀川一晃氏、堀川直人氏、堀川明人氏及び堀川美佐子氏並びに株式会社ヒントアンドヒットを「創業家」と総称します。)を締結し、その所有する当社株式の全て(合計1,828,200株、所有割合:20.02%)(以下「本応募株式(創業家)」といいます。)について本公開買付けに応募する旨の合意を得ているとのことです(本応募株式(スイスアジア)及び本応募株式(創業家)の合計は、3,634,700株(所有割合:39.81%)です。)。なお、本応募契約(創業家)の概要については、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本応募契約(創業家)」をご参照ください。
公開買付者は、本公開買付けにおいて5,958,100株(所有割合:65.26%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限(5,958,100株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいて当社株式(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することにより、当社を完全子会社化することを目的としていることから、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(5,958,100株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。買付予定数の下限は、潜在株式勘案後株式総数(9,129,594株)に係る議決権の数(91,295個)に3分の2を乗じた数(60,864個、小数点以下切り上げ)から、譲渡制限付株式報酬として当社の取締役に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。(注4)(128,300株)に係る議決権の数(1,283個)を控除した数(59,581個)に当社の単元株式数(100株)を乗じた数とのことです。かかる買付予定数の下限を設定したのは、公開買付者は、当社を完全子会社化することを目的としているところ、本公開買付けが成立したものの、公開買付者が当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことですが、株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付け成立後に公開買付者及び株式併合の手続に賛同すると見込まれる当社の取締役が当社の総株主の議決権の数の3分の2以上を所有することとなるようにするためとのことです。
(注4) 本譲渡制限付株式は、譲渡制限が付されていることから、本公開買付けに応募することができないとのことですが(本書提出日現在において、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)の末日までにその譲渡制限が解除される予定の本譲渡制限付株式はありません。)、2025年6月9日開催の当社取締役会において、当社は本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議していることから、本公開買付けが成立した場合には本スクイーズアウト手続に賛同する見込みであると考えているため、買付予定数の下限を考慮するにあたって、これらの本譲渡制限付株式に係る議決権の数(1,283個)を控除しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより当社株式(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けに係る決済等に要する資金を、決済の開始日の前営業日までに、株式会社三井住友銀行(以下「三井住友銀行」といいます。)及び株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)から行う借入れ(以下「本買収ローン」といいます。)及び決済の開始日の2営業日前までに公開買付親会社から受ける出資により賄う予定とのことです。なお、本買収ローンに係る融資条件の詳細は、三井住友銀行及び三菱UFJ銀行と別途協議の上、本買収ローンに係る融資契約において定めることとされているとのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針
(ⅰ)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程
NSSKグループは、国内外の出資活動・出資先企業の支援を約30年にわたり行ってきたメンバーによって設立された、日本の企業支援を目的とした投資運営事業を行う組織とのことです。NSSKグループは、潜在力の高い日本の魅力的な企業のための、地域密着型金融の推進パートナーとして、約30年にわたり国内外でメンバーが培ってきた投資・経営支援ノウハウを活用した企業・株主価値の向上を目指しており、2014年12月のNSSK設立以降、NSSKグループが管理し又はサービス提供を行っているファンドを通じて、インドアプレイグラウンドを出店・運営するユーエスマート株式会社、名古屋鉄道株式会社の子会社であった水族館・複合レジャー施設を営む株式会社伊勢夫婦岩パラダイス、日本製商用車・建産機仕入れ及び海外輸出を営む株式会社カントクグローバルコーポレーション、サービス付高齢住宅・介護付老人ホームなどの運営を営む株式会社ヴァティー、童話・ホラー系の女性向け漫画及び雑誌等を紙媒体・電子書籍で出版する株式会社ぶんか社、愛知県名古屋市を中心に幅広い業態の飲食店を営む株式会社SORA GROUP、「RAY Field」のブランド名で中部・九州地方を中心に美容室運営を営むレイフィールド株式会社、北海道で結婚式場の運営、ドレスレンタル事業を営む創和プロジェクト株式会社、三重県においてビジネスホテル運営を営む株式会社キャッスルインホテル&リゾート、「サンキューマート」ブランドで390円均一雑貨を全国に展開するエルソニック株式会社、ナチュラルクリーナー及び消臭剤等の企画・販売を営む株式会社丹羽久、法人・教育機関向けに英語学習のeラーニングを提供するEdulinX株式会社、葬儀会館の運営において愛知県豊川市を中心に事業を営む株式会社東海典礼、美容院向けヘアケアメニュー及び機械器具の製造・販売を営む株式会社next innovation、住宅型有料老人ホーム、障害者グループホームの運営を営む株式会社Welfare、日本語学校を運営する株式会社WEWORLD(旧ISIグローバル株式会社)(以下「WEWORLD」といいます。)、福岡県北九州市に本社を置く、浄水器・散水用品等の水廻り製品の製造・販売を行う企業である株式会社タカギ、首都圏を中心に、商業施設や駅前等の好立地に800店を超える店舗を有しており日本全国で調剤薬局を運営している業界第3位の会社であるさくら薬局グループ、食品、菓子、ペットフード、医薬品、その他消費財向けの軟包装パッケージを提供し、日本とタイで事業展開するグローバル軟包装コンバーターであるクラフツ株式会社、全国で約7万戸の不動産賃貸管理事業を運営するApaman Property株式会社等、累計42社への投資実行及び様々な業態の企業に対する経営支援を行っているとのことです。
一方、当社は、1976年7月、学研塾(現在の第一ゼミナール)松原教場を母体として株式会社学力研修社として設立されました。その後、1998年4月に株式会社学育社との合併により商号を株式会社学育舎に変更し、2003年10月に登記上の商号を株式会社学育舎から株式会社ウィザスに変更しました。また、当社株式については、1990年10月に社団法人日本証券業協会(以下「日本証券業協会」といいます。)に店頭登録を行い、2004年12月に株式会社ジャスダック証券取引所(以下「ジャスダック証券取引所」といいます。)が創設されたことに伴い、日本証券業協会への店頭登録を取り消し、ジャスダック証券取引所に株式を上場、2010年4月にはジャスダック証券取引所と株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQに上場、その後2013年7月に東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQへの上場を経て、2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のJASDAQからスタンダード市場に移行し、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しております。
本書提出日現在、当社、子会社20社及び関連会社6社の合計27社により構成される企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)は、総合教育サービス企業として、広域通信制単位制高等学校及び学習塾の運営を主たる業務としております。また、当社グループは、「顧客への貢献」・「社員への貢献」・「社会への貢献」という経営理念に基づき、「社会で活躍できる人づくりを実現できる最高の教育機関をめざす」というコーポレートビジョンを掲げており、生徒のみならず、社員・スタッフを含め、「社会で活躍できる人づくり」に全企業活動を集約して、その実現を目指しております。教育事業を行う企業として、その企業価値を高めるためには、顧客の満足度を高めることが重要であり、そのためには多様化する顧客のニーズに応え続け、「顧客への貢献」を実現することが必要と考えております。そして、当社グループの教員(社員)の教える能力と育む能力が高くなければ、期待される教育成果が上がらず、結果として顧客の満足は得られないと考えております。そのため、当社グループの社員の能力を高めることが必要不可欠であり、当社グループは社員の成長に貢献することが必要と考えております。社員の成長に貢献すれば、社員の満足度と意欲の向上につながり、成長した高い能力を有する社員は、顧客の満足度を高め、満足度が高まった顧客からの紹介、口コミを生み、当社グループの業績の向上をもたらし、企業価値を高めることになると考えております。さらに、当社グループは、広域通信制単位制高等学校の運営を通じて公教育の一翼を担うという役割を果たしており、各地域において健全な公教育の運営の一翼を担っていくために、単に短期的な利益の実現を目指すのではなく、中長期的な経営の安定と社会的貢献の視野に立った経営を行い、持続的に地域貢献を果たすことが、今後さらに少子化が加速する環境であっても、その地域になくてはならない教育機関としての地位の確立につながると考えております。そして、当社グループが、かかる公共的使命を果たすことにより社会的認知度と顧客信頼度を高め、「社会への貢献」を実現していくことが、当社グループの企業価値の向上につながるものと考えております。このようなコーポレートビジョンの下、企業価値向上のため、既存事業のさらなる競争力強化とともに、M&A、資本・業務提携、新会社設立等も含め、積極的な市場開発と新業態・新サービスの提供を経営戦略としており、生涯学習化・グローバル化・少子高齢化に応じたマーケットの拡充に努め、当社グループの事業の拡大を図ってまいりました。
また、当社グループを取り巻く環境について、教育業界全体においては、大学入試制度改革、GIGAスクール構想(注1)によるデジタル化・オンライン化の加速、及び大規模言語モデルに見られる生成AIの急速な普及等により学び方が多様化していることに加えて、国内の人口減少や少子化の急速な進行を背景とした労働人口の減少により、外国人・シニア・女性の活躍の重要度が増しております。独立行政法人日本学生支援機構が行っている令和6年度「外国人留学生在籍状況調査」によると外国人留学生の数は33.6万人(対前年比20.6%増)と過去最高であり、文部科学省の令和5年度「日本語教育実態調査」によると国内の外国人の日本語学習者が約26.3万人とコロナ渦以前の水準まで回復し、今後も増える見通しです。また、閣議決定された国の令和5年度教育振興計画においては、人生100年時代を見据えたリカレント教育(学び直し)の方針として大学等と産業界が連携してリカレント教育の充実を図ると謳われていることから、老若男女を問わない生涯学習のための環境整備が国の施策として強化されることは明らかであり、10~20代の日本人学生以外の世代への教育ニーズが拡大しており、また、これからも拡大していくと考えております。他方、他業種の教育業界への参入による競争激化、学習塾におけるプレイヤーの寡占化の進行、及び複雑化する教育ニーズへの迅速な対応の必要性から、当社グループを取り巻く事業環境は厳しさを増しつつあると認識しております。
(注1) 日本の文部科学省が推進する教育政策で、全ての小中学校において児童生徒一人一台の端末を整備し、インターネット環境を充実させることで、ICTを活用した個別最適化を実現し、創造性を育む教育の質を向上させることを目的とした取り組みを指します。
このように、当社グループを取り巻く事業環境が急速に変化し、当社グループ全体のさらなる持続的成長及び企業価値向上の実現のための収益基盤の構築・強化が急務となる中で、当社グループは、2024年2月頃より検討を開始した中期経営計画「第50~52期 新中期経営計画」(以下「新中期経営計画」といいます。)を、2025年5月13日に公表しました。具体的には、2025年4月をもって当社は創業50周年を迎えるところ、過去50年を総括しつつ今後迎える創業100年に向けての土台作りの実現を目指し、(a)顧客ロイヤルティ(注2)の向上、(b)LTV(注3)極大化、(c)事業ポートフォリオに対応した組織・人材の整備の3つを基本運営方針として、中長期的な企業価値向上に努めております。
(注2) 顧客が特定のブランドや企業に対して持つ忠誠心や愛着を指します。
(注3) 顧客生涯価値(Life Time Value)を指し、顧客が企業との関係を通じて生み出す総利益のことを指します。具体的には、特定の顧客が企業の商品やサービスを利用し続ける期間にわたって、企業がその顧客から得られる収益の合計を表します。
一方、当社は、上記3つの基本方針への取り組みを同時かつ迅速に実行することで足元の事業環境への対処及び収益基盤の強化を行いつつ、当社グループの企業価値を中長期的に向上させていくためには、第三者のパートナーとの提携や事業規模拡大に向けた積極的な投資が必要と認識するに至り、また、当該認識を踏まえ、2024年4月上旬から2025年1月上旬にかけて、当社と取引関係のある野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)との間で、中長期的な観点から当社の企業価値を最大化するための資本政策の在り方についての協議を行ってまいりました。その結果、上記基本方針の実現に向けて必要となる一定額以上の投資は、今後の収益に関する不確実性を伴うものであるため、短期的には、利益水準の低下、キャッシュ・フローの悪化等による財務状況の悪化を招来するリスクがあり、当社が上場を維持したままこれらの施策を実施すれば、短期的には資本市場から十分な評価を得ることができず、その結果として、当社の株価の下落を招き、当社の株主の皆様に対して悪影響を与える可能性を否定できず、他方でこれらの施策を縮小又は先延ばしにすることは、中長期的な当社の収益力を弱めることにつながると考え、当社グループのさらなる企業価値向上及び当社の株主の利益最大化の観点から、当社株式を非公開化することが最適であると判断しました。そして、2025年1月上旬より、当社の事業に関心を示すと考えられる複数社を対象として、当社株式の非公開化を前提とした入札プロセス(以下「本入札プロセス」といいます。)の実施に向けた検討を開始しました。なお、本入札プロセスにおいては、競争環境を醸成しつつ、具体的な買収価格を提示させることを企図しております。
NSSKグループは、日本の企業支援を目的とした投資運営事業を行うための組織として2014年12月にその事業を開始し、最先端の業務改善、人材補強及び財務効率の改善等の経営ノウハウを基礎とし、総合的に会社の成長を支援するための経営改善パッケージである「NSSKバリューアップ・プログラム(以下「NVP」といいます。)」並びにCorporate Philosophy(企業理念)の策定・浸透方法のパッケージである「NSSKフィロソフィー・プログラム」及びNSSKグループのグローバルな知見・ノウハウ・ネットワークを活用した「NSSKグローバリゼーション・プログラム」を提供することで、企業の成長及びフィロソフィーの策定・浸透を支援しているとのことです。
また、NSSKグループは、当社が属する教育業界において豊富な投資・経営支援実績を有していると考えているとのことです。特に、文部科学省の規制下で運営される「教育事業」を手がける投資ファンドとして、多岐にわたる企業への投資・買収・経営支援を行ってきたとのことです。
具体的には、NSSKグループの一員であるWEWORLDは、主に日本語学校を運営する企業であり、2021年10月にNSSKグループが投資を実施しているとのことです。同社は、今後のさらなる成長を視野に入れた際に、組織体制の強化に加えて、M&Aを通じた非連続的な成長を実現することが重要であると考えていたとのことです。特に、日本語学校という業界の社会的認知度が高くないことから、マネジメント層やM&Aを推進できる人材の採用に課題を抱えており、同社の成長ポテンシャルを最大限引き出すことができていないという認識があり、積極的な事業拡大を支援してくれるパートナーを求めていたとのことです。その中で、NSSKグループとの出会いがあり、NSSKグループが提供する業務支援パッケージや国際的なネットワーク、そしてNSSKグループメンバーの人間性が総合的に評価され、NSSKグループによる投資を受け入れているとのことです。現在、WEWORLDは日本語学校業界においてグループ全体で建物収容定員が1万人を超える規模の日本語学校を運営しているとのことです。WEWORLDは、NSSKグループ参画後に経営幹部層の人材採用、新規校舎の設立やデジタルマーケティング改革による顧客獲得単価の改善等のNSSKグループによる経営支援を受けるとともに、NSSKグループのソーシングネットワーク(注4)を活用し、予備校事業を行うニューライン教育株式会社の事業譲受、株式会社TIJ東京日本語研修所からの日本語学校教育事業の事業譲受並びに日本国内の大学・大学院への進学を希望する中国人向けの日本語学校を運営している株式会社東言グループの株式取得といった複数の追加買収を行っているとのことです。NSSKグループ参画後の同社に対する経営幹部の採用・マーケティング改革・追加買収といったNSSKグループの取組が評価され、日本プライベート・エクイティ協会より2021年度JPEAアウォードを受賞したとのことです。さらに、CSR活動としてUNHCRを通じた難民支援や国際協力・国際交流への支援も積極的に行っており、学校教育事業のみならず社会貢献にも注力しているとのことです。
(注4) ソーシングネットワークとは、M&Aを行う際に、買収対象となる企業を探し出す情報網をいうとのことです。
また、シニア世代を主な対象とするパソコン教室を全国に展開する株式会社ミライフは2022年6月に100%株式取得によりNSSKグループ参画した後に、NSSKグループのネットワークを活用した不動産情報の収集や人材情報の提供を通じて教室開拓や人材の強化等の業務改善活動を進めてきているとのことです。株式会社ミライフでは、NSSKグループ参画後に、NSSKグループのネットワークを活用した不動産情報の収集や人材情報の提供を通じて、教室開拓や人材の強化等を実施したことにより、店舗数はNSSKグループ参画当時126店舗であったのに対し、2025年3月末時点では145店舗となっており、大幅に拡大することができたと考えているとのことです。
その中で、NSSKグループは、2025年1月28日に当社のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券より、当社が本公開買付けによる非公開化の検討を開始していること及び複数社による本入札プロセスを行う旨の連絡を受け、NSSKグループが本入札プロセスに関心を示したことから、第一次入札プロセス(以下「本第一次入札プロセス」といいます。)への参加の打診を受けたとのことです。
NSSKグループは上記実績のとおり、教育業界において豊富な投資・経営支援実績を有していると考えていることに加え、当該業界全体として、学び方や進路の多様化、共働き世代の増加に伴う教育サービス活用の早期化、共働きの増加と少子化による子供1人当たりに投下する資金の増加といった社会的な流れが起きており、教育事業者に対してはニーズを的確にとらえた付加価値の高い教育サービスを提供することが求められる時代になっていると認識しているとのことです。このような環境下において、当社の幅広い教育サービスとNSSKグループのノウハウを組み合わせることで、当社のさらなる成長を実現し、社会全体の教育水準向上に寄与できるものと考えるに至り、本入札プロセスへの参加を決定し、2025年2月25日に当社株式に対する公開買付け及びその後のスクイーズアウトを通じた当社株式の取得を提案する法的拘束力を持たない意向表明書を提出したとのことです。
その後、NSSKグループは野村證券を通じて、当社から、2025年3月5日にNSSKグループを含む複数社の本第一次入札プロセス通過の連絡を受けるとともに、第二次入札プロセス(以下「本第二次入札プロセス」といいます。)に招聘され、当社へのインタビューを含むデュー・ディリジェンスの機会を提供する旨の連絡及び法的拘束力を有する公開買付価格の提案要請を受けたとのことです。また、当該通知を受け、NSSKグループはNSSKグループ、公開買付者関係者及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を、会計アドバイザーとしてデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社を、ファイナンシャル・アドバイザー及び公開買付代理人としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を2025年3月7日に選任したとのことです。その後、2025年3月上旬から2025年4月下旬にかけて、NSSKグループは当社の事業に関する本格的なデュー・ディリジェンス、インタビュー等の本第二次入札プロセスを実施し、取得した情報を踏まえて、本取引の意義、買収ストラクチャー、本取引の実現可能性、本取引後のガバナンスや経営方針について、さらなる分析を進めたとのことです。かかる検討の結果、NSSKグループは、2025年4月下旬、当社の通信制高校事業において、NPO法人全国通信制高等学校評価機構が運営する「全国私立通信制高等学校プラットフォーム(https://pf.tsushin-hyoka.jp)」及び各通信制高等学校のホームページの掲載内容によれば、当社の通信制高校事業における第一学院高等学校は、国内で上位10校に入る生徒が在籍しており、1人ひとりの生徒に対する手厚いサポート体制を整えている点や、学習塾事業においては特に大阪の南のエリアで地域の学校のカリキュラムや受験情報、教育方針に精通し、それに対応した指導内容や教材の提供といった地域に根付いた事業運営を行うことで当社が運営する「第一ゼミナール」というブランドが広く認知されていると考えており、直近においては個別指導塾事業の拡大も期待できる点等を高く評価するに至ったとのことです。
一方で、教育業界は現在少子化の影響による学校や生徒数の減少やコロナ禍以降のオンライン教育の普及といった市場環境が大きく変革を遂げようとしている最中であり、このような環境の変化に対応し、今後当社がさらなる企業価値の向上を実現するために、NSSKグループの有する投資実績や投資先企業への成長支援のノウハウを活かして、当社に対しあらゆる施策を支援していくことが必要であると考えているとのことです。具体的には以下のような支援を想定しているとのことです。
(ア)経営の見える化の促進
NSSKグループとして、当社グループ全体で教育を軸とした事業発展を念頭にカンパニー制を導入しており、グループ横断での経営管理、人事異動等による組織活性化及び当該管理を実行できる経営人材の確保が課題と考えているところ、NVPを通じて経営の見える化を促進し、重要な経営管理指標(KPI)の設定や週次・月次のモニタリング体制強化を通じて、経営環境の変化にも即座に対応できる組織づくりの支援が可能になると考えているとのことです。NSSKグループでは、全ての投資先企業に対して週次レベルでのモニタリングを行っているとのことですが、経営陣がKPI等の経営指標を迅速に把握できるようになることで、経営環境の変化に対して即座に対策をとることが可能になるものと考えているとのことです。当該施策と同様に、当社においても適切なKPIの設定やモニタリング体制の強化により、経営環境の変化に強い組織体制の構築を目指していきたいと考えているとのことです。
(イ)内部管理体制(ガバナンス)の強化
NSSKグループとしては、当社は、近年積極的にM&Aを推進し、事業規模及びグループ会社数を着実に拡大していると考えているとのことです。一方で、PMI(注5)に関する十分な知見やリソースが限られていたことから、グループ各社の会計基準や決算期の統一、バックオフィス業務の集約といった経営管理体制の整備については、未だ道半ばの状況にあると認識しているとのことです。NSSKグループとしては、こうした状況は、グループ全体の業績把握や経営戦略の迅速な意思決定に一定の制約をもたらしており、今後さらにグループ内のシナジーを最大化していく上では、会計・財務を含む内部管理体制の強化が重要な経営課題と認識しているとのことです。NSSKグループでは、データに基づく可視化された経営管理を重視し、投資先企業においては月次での予実管理や事業KPIのモニタリングに基づく経営管理体制を構築するとともに、月次の経営会議・取締役会にて経営課題について報告・協議を行い、適切かつ迅速な経営状況の把握と、早期の課題発見・解決に向けた対応を行っているとのことです。加えて、NSSKグループの人材ネットワークを通じて、企業が適切なガバナンスを維持するための内部管理統括責任者や財務戦略の策定や経営戦略のサポートを行う豊富な知見を有するエキスパートの採用や、項目ごとの外部専門家の起用等、不足する経営リソースの充足も対応可能となるとのことです。また、ESG(環境・社会・ガバナンス)面での取り組み強化についても、NSSKグループの有するESGコミッティーの知見を活用した支援が可能となるとのことです。また、NSSKグループではESGに関する基本方針を策定し、基本方針に沿った方針を推し進めるように推奨しており、具体的にはESGに係るKPIの導入や実行支援、定期的なモニタリングの実施を想定しているとのことです。
(注5) 「PMI」とは、Post Merger Integrationの略称で、M&A成立後の統合プロセスのことをいうとのことです。
(ウ)従業員の定着率の向上
中長期的な成長には、継続的に役員及び従業員の定着率を上げていくこと、新規に優秀な人材を採用していくこと、並びに従業員の習熟度の向上及びノウハウの積み上げを行うことが不可欠であると考えているとのことです。当社は、2025年5月13日に開示した新中期経営計画において、従業員のエンゲージメント向上を経営戦略・人材戦略として重要視しており、具体的には、年間休日の増加や事業特性に応じた勤務体制(一部フレックス制の導入)等の労働環境の整備及び従業員の処遇改善を行う予定であるところ、NSSKグループでは、業務改善ノウハウの一環として、従業員の定着率向上に向けた独自のプログラムを有しており、必要に応じて各投資先に対して導入した結果、退職率の改善を成功させた事例も複数存在するとのことです。このような経験を活かし、当社においても必要に応じて定着率向上に向けて施策を実施し、離職率の低減を実現していきたいと考えているとのことです。また、個々の技術・技能系社員のスキルの定量化及び定期的なモニタリングやフィードバックの拡充を図るために、社員のスキルを把握するための制度を構築し、各人のスキルと人事考課を紐づけることによって、より透明性の高い人事評価制度の構築を目指すとのことです。このような透明性の高い人事・評価制度は、従業員の満足度向上につながり、結果として従業員の定着率向上につながるものと考えているとのことです。
(エ)M&A及び事業提携による非連続的な成長の実現
通信制高校やその他教育サービスを提供している企業・学校法人へのM&Aによって事業規模を拡大し、規模の経済の実現により経営効率の改善を図ることは今後の当社の成長に向けた1つの有効な選択肢になり得ると考えているとのことです。NSSKグループは多数のソーシングネットワークを保有しており、日々様々な業界のM&A案件の紹介を受けていることから、ロールアップ(注6)や新規事業買収による成長戦略も積極的に検討することが可能と考えているとのことです。そして、検討を踏まえたM&Aの実施による市場シェアの拡大やシナジー効果の活用によって競争優位性を高め、非連続的な成長を実現することが出来ると考えているとのことです。その際には、NSSKグループがグローバルなM&A経験で培った専門知識をもとに、M&A戦略の立案、案件のソーシング、実行、そのための資金調達、その後の経営・事業統合までを一気通貫で支援可能となるとのことです。
(注6) ロールアップとは、複数の小規模企業を連続的に買収・統合することで、規模の経済を活かして企業価値を向上させる戦略を指すとのことです。
さらに上記に加え、教育業界への投資実績の経験を活用した、学校としての生徒募集の支援や新規校舎の探索、それに伴う設備投資等、学校運営の各側面において全面的なサポートが可能と考えているとのことです。
上記の分析及び結果を踏まえ、公開買付者は2025年5月2日に当社に対して、当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得し、当社を完全子会社化することを前提として、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を3,207円、本新株予約権については、当社の役職員に対してストックオプションとして発行されたものであり、権利行使の条件として、当社の取締役、執行役員又は使用人のいずれの地位をも喪失したことを要するとされており、公開買付者が本新株予約権を取得したとしても行使することができないことを踏まえ、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)を1円とすることを含む提案書(以下「本提案書」といいます。)を提出したとのことです。なお当該公開買付価格は、本提案書提出日である2025年5月2日の前営業日である、2025年5月1日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式終値2,447円に対して31.06%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算について同じです。)、同日までの直近1ヶ月間の終値の単純平均値2,216円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値について同じです。)に対して44.72%、同日まで直近3ヶ月間の終値の単純平均値2,252円に対して42.41%、同日まで直近6ヶ月間の終値の単純平均値2,156円に対して48.75%のプレミアムを加えた価格とのことです。
その後、NSSKグループは野村證券を通じて、当社から、2025年5月19日に、公開買付者を最終候補者に選定し、また、本入札プロセスの最終協議を実施する旨の連絡を受けたとのことです。
その後、本提案書における価格提案に対し、同月20日、公開買付者は、本特別委員会(下記「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」において定義します。以下同じです。)より、本提案書における本公開買付価格は、当社の一般株主の皆様が享受すべき正当な利益の確保という観点も踏まえた上での提案であり、当社の本源的価値を一定程度評価した価格であると理解している一方で、キャッシュ・フローに基づく当社の本源的価値に加え、一般株主の皆様の利益の最大化に向けたマーケット・チェックを踏まえた公正性担保の観点、直近の当社の市場株価との比較及び公開買付者以外の第三者による公開買付けの可能性も考慮した上で、本取引の成立の蓋然性を最大化する観点等も重要であると考えており、一般株主の皆様の利益の最大化及びより多くの一般株主の皆様から本取引への賛同を得るためとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同月23日、公開買付者は、改めて、本公開買付価格を3,207円(公開買付者が第2回提案(以下において定義します。)を行った2025年5月23日の前営業日である同月22日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値2,591円に対して23.77%のプレミアム、同月22日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,558円に対して25.37%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,318円に対して38.35%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,249円に対して42.60%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とする再提案(以下「第2回提案」といいます。)を行ったとのことです。その後、同月26日、公開買付者は当社と独占交渉に関する合意書を締結し、同日、公開買付者は本特別委員会より、最終的な意思決定は2025年6月9日の当社取締役会での決議によること、並びに当社及び公開買付者の間で現在協議中の公開買付契約書について当社として満足できる内容で合意できることを前提に内諾の連絡を受けたとのことです。
上記の当社との交渉と並行して、公開買付者は、本公開買付けの成立の可能性を高める目的で、2025年5月14日、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズとの間で本応募契約(スイスアジア)の締結に向けた交渉を開始し、同年6月9日まで、本応募契約(スイスアジア)の条件についての協議を行ったとのことです。当該協議の中で、公開買付者は、2025年6月3日、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズより、かかる時点の本応募契約(スイスアジア)の条件を前提に、本公開買付価格を、同日時点において当社に提案していた3,207円から3,260円以上に引き上げるよう要請されたとのことです。また、本応募契約(スイスアジア)の条件の中には、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズが本公開買付けに応募する義務を免れる条件の一つとして、本対抗公開買付け(下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本応募契約(スイスアジア)」に定義します。以下同じです。)の公開買付価格又は本対抗公開買付けに係る法的拘束力のある提案(条件付きの提案を含みます。)に係る買付価格が本公開買付価格を一定額(以下「本閾値」といいます。)上回ることが定められていますが、公開買付者は、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズより、かかる本公開買付価格の引き上げの要請とともに、本閾値を100円とすることを要請されたとのことです。これを受けて、同月4日、公開買付者は、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズに対し、既に入札手続を実施しており、マーケット・チェックも踏まえた十分に高い価格となっていることに加え、公開買付者による詳細なデュー・ディリジェンスを経て、本取引の成立に向けて最大限引き上げた上限価格であることから、価格の引き上げは困難である旨を伝達し、また、本閾値については321円とすることを提案したとのことです。これに対し、公開買付者は、2025年6月5日、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズより、かかる時点の本応募契約(スイスアジア)の条件を前提に、本閾値を321円とするのであれば、本公開買付価格を、同日時点において当社に提案していた3,207円から3,307円に引き上げるよう要請されたとのことです。これを受けて、同日、公開買付者は、同様の理由により、価格の引き上げは困難である旨を伝達したとのことです。その後、公開買付者は、2025年6月6日、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズとの間で、合意可能な本公開買付価格の水準及び本応募契約(スイスアジア)の条件について協議を行い、本閾値について259円とすることを含む下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本応募契約(スイスアジア)」に記載の本応募契約(スイスアジア)の条件を前提に、本公開買付価格を、同日時点において当社に提案していた3,207円から3,237円に引き上げることで実質的に合意し、同日、SMBC日興証券より野村證券を通じて当社に対してもその旨を伝達したとのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けの成立の可能性を高める目的で、2025年5月14日、本応募契約(創業家)の締結に向けた交渉を開始したとのことです。公開買付者は、2025年5月28日、創業家より本公開買付けへの応募の前提条件として、(下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本応募契約(創業家)」の(a)を定めることを要請されたとのことです。これを受けて、公開買付者は、同月30日、創業家のかかる要請に応じる旨を返答したとのことです。その後も、公開買付者及び創業家は、「② 本応募契約(創業家)」のその他条件について協議を行い、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「(2)本応募契約(創業家)」に記載の内容を合意したとのことです。また、公開買付者は、2025年6月7日、創業家に対し、本公開買付価格を3,237円とする旨を伝達したとのことです。
以上の交渉を経て、公開買付者は2025年6月9日、本公開買付価格を3,237円、本新株予約権買付価格を各1円とし、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
(ⅱ)本公開買付け成立後の経営方針
本公開買付け後は、NSSKグループは、当社役職員とともに、今まで当社が築き上げてきたブランド・事業基盤を活かしつつ、NSSKグループが有する経営資源、教育業界における知見及びネットワークの提供により、当社の企業価値向上に資する経営を推進していく予定とのことです。
本公開買付け成立後の当社の役員体制に関しては、公開買付者が指名する取締役が当社の取締役会の過半数以上を構成すること及びNSSKグループから社外監査役を派遣することや、公開買付者が指名したものが当社の取締役に選任されるまでの間、当社の取締役会及び経営会議並びにその他の公開買付者及び当社が別途合意する重要な会議体にオブザーバーとして出席させることを予定しているとのことですが、現時点においては、その具体的な人数、時期及び候補者等については未定とのことです。なお、NSSKグループは、現経営陣に引き続き経営に関与することを希望しているとのことです。現経営陣の今後の処遇については、今後当社と協議の上、決定する予定とのことですが、公開買付者及び当社役職員が一丸となって、当社の長期的な企業価値の向上を図る体制を構築する予定とのことです。
③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「(ⅰ)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、(a)顧客ロイヤルティの向上、(b)LTV極大化、(c)事業ポートフォリオに対応した組織・人材の整備という3つの基本運営方針への取り組みを同時かつ迅速に実行することで、足元の事業環境への対処及び収益基盤の強化を行いつつ、当社の企業価値を中長期的に向上させていくためには、第三者のパートナーとの提携や事業規模拡大に向けた積極的な投資が必要と認識するに至り、また、当該認識を踏まえ、2024年4月上旬から2025年1月上旬にかけて、当社と取引関係のある野村證券と、中長期的な観点から当社の企業価値を最大化するための資本政策の在り方についての協議を行ってまいりました。その結果、上記基本方針の実現に向けて必要となる一定額以上の投資は、今後の収益に関する不確実性を伴うものであるため、短期的には、利益水準の低下、キャッシュ・フローの悪化等による財務状況の悪化を招来するリスクがあり、当社が上場を維持したままこれらの施策を実施すれば、短期的には資本市場から十分な評価を得ることができず、その結果として、当社の株価の下落を招き、当社の株主の皆様に対して悪影響を与える可能性を否定できず、他方でこれらの施策を縮小又は先延ばしにすることは、中長期的な当社の収益力を弱めることにつながると考え、当社グループのさらなる企業価値向上及び当社の株主の利益最大化の観点から、当社株式を非公開化することが最適であると判断しました。そして、2025年1月上旬より当社の事業に関心を示すと考えられる複数社を対象として、当社株式の非公開化を前提とした本入札プロセスの実施に向けた検討を開始しました。なお、本入札プロセスにおいては、競争環境を醸成しつつ、具体的な買収価格を提示させることを企図しております。
そこで、当社は、野村證券と当社のパートナー候補先について協議を行い、2025年1月中旬より、当社が営む教育事業に関心を示していると考えられる、NSSKグループを含む8社のパートナー候補先(以下「本第一次候補先」といいます。)に対し、当社株式の非公開化を前提とした本入札プロセスの参加について打診しました。その結果、本第一次候補先が本入札プロセスへの参加に関心を示していることを確認したことから、これらの本第一次候補先から守秘義務誓約書の差入を受け、2025年1月25日に本第一次入札プロセスを開始し、その際に、当社が作成した2026年3月期から2028年3月期までの3期分の事業計画(以下「本事業計画」といいます。)を本第一次候補先に提出しております。
また、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅰ)設置等の経緯」に記載のとおり、本取引の是非を審議・決議するに先立ち、上場会社である当社の本取引に係る意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確立すること等を目的として、2025年1月22日、当社、公開買付者関係者並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家からの独立性を有し、特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスが確保された特別委員会を構成するべく、大澤純子氏(当社独立社外取締役)、鷹野正明氏(当社独立社外取締役)、成瀬圭珠子氏(当社独立社外監査役、弁護士)及び木下純氏(当社独立社外監査役、公認会計士・税理士)の4名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。なお、独立社外取締役である大山真未氏は、2024年6月27日付で取締役に就任しており、他の社外取締役と比べて在任期間が短いこと、及び上記4名を本特別委員会の委員とすることが当社に対する理解や各氏の専門分野の点において適切と考えたことから本特別委員会委員に選任していません。)を設置し、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか等について諮問しました。さらに、当社は、2025年1月22日、当社、公開買付者関係者並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家から独立した、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、当社のリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所をそれぞれ正式に選任しており、また、本特別委員会は、下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係」、及び下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した法律事務所からの助言」に記載のとおり、野村證券及びTMI総合法律事務所について、当社、公開買付者関係者並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家からの独立性に問題がないことを確認しております。また、本特別委員会は、2025年4月中旬、本特別委員会独自のリーガル・アドバイザーとして、当社、公開買付者関係者並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家から独立した、西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ」といいます。)を選任する旨を決定しております。
そして、当社は、2025年2月25日に、本第一次入札プロセスへ参加した本第一次候補先のうちNSSKグループを含む3社より第一次意向表明書を受領しました。当社は、本取引の目的、本取引後の当社の経営方針や事業戦略の方向性、当社の中長期的な成長に向けた貢献可能性、従業員の処遇、提示された当社株式1株当たりの希望取得価格等について慎重に検討した上で、同年3月5日、当該3社のうち、NSSKグループを含む候補先2社(以下「本第二次候補先」といいます。)を本第二次入札プロセスに招聘しました。
その後、当社は、本第二次入札プロセスへ参加した本第二次候補先に対して、2025年3月上旬から同年5月上旬にかけて当社経営陣へのインタビュー及び当社従業員への実務者インタビューを含むデュー・ディリジェンスの機会を提供しました。また、本第二次入札プロセスにおいて、本特別委員会は、本第二次候補先に対し、本取引の背景・目的、本取引のストラクチャー、本取引後の経営方針等に関する質問事項を送付し、本第二次候補先からそれぞれ当該質問事項に対する書面による回答を受けるとともに、本第二次候補先との間で当該回答の内容を踏まえた質疑応答を行っております。
そして、2025年4月25日に、本第二次候補先の2社から法的拘束力のない第二次意向表明書を受領しましたが、同年5月2日に、公開買付者のみから、法的拘束力を有する最終意向表明書を受領しました。なお、本第二次候補先のうち、公開買付者でない候補先からは上記の法的拘束力のない第二次意向表明書の受領以降、法的拘束力の有無を問わず、新たな提案書は受領しておりません。
2025年4月25日に受領した公開買付者でない候補先からの提案及び2025年5月2日に受領した公開買付者からの提案内容について当社及び本特別委員会として慎重に比較・検討した結果、(ⅰ)公開買付者の提案のみが法的拘束力を有するものであること、(ⅱ)公開買付者は、法的拘束力のある最終提案において、公開買付者への優先交渉権の付与を要求していたものの、公開買付者は最終意向表明書の提出時点においては外部の金融機関からのコミットメント・レターを提出しておらず、2025年5月16日に提出する見込みである旨を明示していたことを踏まえ、当社は公開買付者に対し、少なくともコミットメント・レターが提出されるまでは優先交渉権を付与することはできない旨を説明し、公開買付者はその点を承諾していた一方、他の候補者は、優先交渉権の付与に加え、当該付与後に追加のデュー・ディリジェンスを実施することを要求していたこと、(ⅲ)公開買付者は、当社株式1株当たり3,207円を提案したのに対し、他の候補者は、当該候補者が作成したベースケースの事業計画を前提にした場合に1株当たり3,200円、アップサイドケースの事業計画を前提とした場合には1株当たり3,450円を提案したものの、①当該候補者の価格算定の前提となった事業計画は、ベースケース・アップサイドケースのいずれも、本事業計画を上回るものであり、実現可能性には疑義が残ること、②当該候補者の提案は法的拘束力を有するものでなかったこと等を踏まえると、上記の提案価格が維持されるかは疑義が残ること、(ⅳ)公開買付者による提案内容は、他の候補者による提案内容と比較して、当社の事業に対するより深い理解に基づく提案であり、かつ、より具体的なシナジーや施策(その内容については、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「(ⅰ)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程」をご参照ください。)を提案するものであったこと、(ⅴ)本公開買付けに必要な資金の確保について、公開買付者及び他の候補者ともに資金証明となる書類を提出していないものの、公開買付者からは同年5月16日に外部の金融機関からのコミットメント・レターを提出する旨明示されているため、公開買付者の方が資金調達の蓋然性が高いと考えられること、(ⅵ)公開買付者は既にデュー・ディリジェンスを完了しており、本第二次入札プロセスにおいて当社が作成したスケジュールに沿うことができる見込みである一方、他の候補者は、法的拘束力のある提案をするためには、優先交渉権の付与後に3週間程度の追加のデュー・ディリジェンスを実施することを希望しており、スケジュールの遅延の可能性があること等を考慮し、公開買付者から2025年5月2日に受領した最終意向表明書に基づいて本入札プロセスを次に進めることが、当社の企業価値向上及び株主の利益の観点で適切であると考えました。また、当社は、本特別委員会から、可能な限り他の候補者に対し追加的なデュー・ディリジェンスを行わせる機会を与えるべきという要請を受けたことを踏まえ、他の提案者のアップサイドケースの事業計画を前提とした提案価格(1株当たり3,450円)の実現可能性の検証の必要性は認められる一方、公開買付者の最終意向表明書の有効期限は2025年5月19日17時とされており、他の提案者の希望に沿って3週間程度の追加デュー・ディリジェンスの機会を付与した場合、一般株主が公開買付者の提案した条件に沿って当社株式を売却する機会が損なわれるリスクがあること等も考慮して、公開買付者の最終意向表明書の有効期限満了日の前営業日までの期間(具体的には、2025年5月16日まで)に限定した上で、他の提案者に追加のデュー・ディリジェンスの機会を付与し、他の提案者からも法的拘束力のある提案を得られるよう試みましたが、2025年5月12日、当該提案者からは同日までに法的拘束力のある提案の提出は難しいとの連絡があり、また、実際に同日までに法的拘束力のある提案は提出されなかったため、当該提案者は本入札プロセスから撤退したと判断し(なお、他の候補者からの正式な撤退の連絡は受けておりません。)、本特別委員会の承認を得た上で、2025年5月19日、公開買付者を最終候補者として本入札プロセスの最終協議を実施することを公開買付者に通知しました。
その後、本特別委員会は、公開買付者から2025年5月2日に受領した最終意向表明書による提案価格である3,207円について、当社の第三者算定機関による当社株式の株式価値の試算結果等を勘案すると、少数株主の利益の保護の観点から一定程度評価できる水準にあると認識しているものの、一般株主の皆様の利益の最大化及びより多くの株主の皆様から本取引への賛同を得る観点から、2025年5月20日、公開買付者に対しさらなる引き上げ余地がないか改めて検討を要請する書面を野村證券を通じて提出しました。これに対して、公開買付者から、同月23日、改めて本公開買付価格を3,207円(公開買付者が第2回提案を行った2025年5月23日の前営業日である同月22日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値2,591円に対して23.77%のプレミアム、同月22日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,558円に対して25.37%、同月22日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,318円に対して38.35%、同月22日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,249円に対して42.60%のプレミアムを加えた価格です。)とする第2回提案を受領しました。第2回提案を受け、当社及び本特別委員会は、本公開買付価格について検討し、本入札プロセスを通じて競争環境が醸成された中で提案された価格であること、及び野村證券の株式価値の試算結果に照らしてディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)の中央値を上回っていることを踏まえ、最終的な意思決定は本取引に係る当社取締役会での決議によること、及び当社と公開買付者の間で協議中の公開買付契約書について当社として満足できる内容で合意できることを前提として、本公開買付価格の3,207円について内諾することを公開買付者に返答しました。その後、当社は、野村證券を通じて2025年6月6日に、公開買付者より、公開買付者とスイスアジア・フィナンシャル・サービシズとの間での本応募契約(スイスアジア)の締結に向けた交渉の結果、本公開買付価格を3,237円に引き上げる旨の伝達を受けました。
そして、本特別委員会は、上記の本入札プロセスに関する情報の共有、公開買付者との協議・交渉の結果、野村證券、TMI総合法律事務所及び西村あさひから受けた助言並びに2025年6月9日付で野村證券から取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。詳細は、下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」をご参照ください。)の内容を踏まえて、本諮問事項(下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」において定義します。)について検討し、2025年6月9日、当社取締役会が、本取引を行う旨の意思決定を行うことは、当社の少数株主にとって不利益なものでなく、また、当社取締役会が、本取引の一環として行われる本公開買付けに関して、賛同意見を表明すること、及び当社の株主に対しては本公開買付けへの応募を推奨し、当社の本新株予約権者に対しては本公開買付けへの応募を本新株予約権者の判断に委ねる旨の意見表明を行うことは妥当であると考えられる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)を当社に提出しました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
以上の経緯の下、当社は、2025年6月9日開催の当社取締役会において、野村證券から2025年6月9日付で取得した本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会における検討及び本特別委員会から提出を受けた本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本取引における本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
その結果、当社は、以下のとおり、本取引を通じて、新中期経営計画の実現に向けて、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「(ⅰ)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のNSSKグループの有する投資実績やノウハウを活用することは、当社グループ全体のさらなる持続的成長と企業価値向上の実現に貢献すると判断いたしました。
(ⅰ)経営環境の変化に即座に対応できる経営体制の構築
当社として、当社グループ全体で教育を軸とした事業発展を念頭にカンパニー制を導入しており、グループ横断での経営管理、人事異動等による組織活性化及び当該管理を実行できる経営人材の確保が課題と考えているところ、NSSKグループが保有する豊富な人材ネットワーク及び過去の投資経験に裏打ちされた経営管理ノウハウを活用することで、経営の見える化を促進し、経営環境の変化に即座に対応できる経営体制を構築できると考えております。
(ⅱ)M&A及び事業提携による非連続的な成長の実現
当社は、各事業の成長に寄与する企業の買収・アライアンスによって一定の成長を実現してきたところ、NSSKグループの豊富なソーシングネットワークを利用することで、M&A及び事業提携による既存事業の強化及び新規事業への参入を通じた非連続的な成長を加速することができると考えております。
(ⅲ)経営基盤を支えるグループ人材のエンゲージメントの向上
中長期的な成長には、継続的に従業員の定着率を上げていくこと、経営人材だけでなく新規に優秀な人材を採用していくこと並びに従業員の習熟度の向上及びノウハウの積み上げを行うことが不可欠であるところ、公開買付者を含むNSSKグループは、従業員の定着率向上に向けた独自のプログラムに加えて、より透明性の高い人事評価制度の構築のノウハウを有しており、これらのノウハウを当社に活用することで、従業員の満足度向上につながり、経営基盤を支えるグループ人材のエンゲージメントの向上に資すると考えます。
なお、一般的に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が挙げられます。もっとも、当社の現在の財務状況を踏まえると、当面の間エクイティ・ファイナンスの必要性は高くなく、また、当社グループの社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等は事業活動を通じて獲得される部分が大きくなっております。このように、今後も継続して株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあり、近時の上場維持コストの上昇を踏まえると、株式の上場を維持する必要性は相対的に減少していることから、株式の非公開化のメリットはそのデメリットを上回ると考えるに至りました。
また、当社は、以下の点から、本公開買付価格は当社の株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(ⅰ)本公開買付価格は、当社において、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が採られており、当社の少数株主への配慮がなされていると認められる状況で決定された価格であること
(ⅱ)本公開買付価格は、本入札プロセスを実施することにより、複数の候補者間における競争原理に晒された中で提案された価格であること。また、公開買付者は、当社株式1株当たり3,207円を提案したのに対し、他の候補者は、当該候補者が作成したベースケースの事業計画を前提にした場合に1株当たり3,200円、アップサイドケースの事業計画を前提とした場合には1株当たり3,450円を提案したものの、①当該候補者の価格算定の前提となった事業計画は、ベースケース・アップサイドケースのいずれも、本事業計画を上回るものであり、実現可能性には疑義が残ること、②当該候補者の提案は法的拘束力を有するものでなかったこと等を踏まえると、上記の他の候補者の提案価格が維持されるかは疑義が残ること
(ⅲ)本公開買付価格は、下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」に記載の本株式価値算定書における市場株価平均法及び類似会社比較法による算定結果のレンジの上限を上回り、かつDCF法による算定結果のレンジの中央値を上回る価格であることからすれば、本公開買付価格は本株式価値算定書における株式価値算定の結果との関係で妥当な範囲内であると評価できること
(ⅳ)本公開買付価格は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から提出を受けた本答申書においても、野村證券による当社の株式価値の算定結果との関係で高い水準の価格であり、当社の本源的価値に照らし十分な水準であると評価されていること
(ⅴ)本公開買付価格は、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズが当社に対して株式の非公開化提案を行った旨の報道(以下「本報道」といいます。)が行われた日である2024年12月26日を基準として(本報道により、当社の非公開化の実現に関する期待が2024年12月27日以降の当社の株価に一定程度含まれている可能性を否定できないと考えられることから、その影響を排除する観点で本報道(2024年12月26日の引け後)前の株価を基準としたプレミアムを検討することが合理的であると考え、本報道が行われた2024年12月26日をプレミアムの検討に際しての基準日としています。)、2024年12月26日の終値2,200円に対して47.14%、過去1ヶ月(2024年11月27日から同年12月26日)の終値の単純平均値2,039円に対して58.75%、過去3ヶ月(2024年9月27日から同年12月26日)の終値の単純平均値1,807円に対して79.14%、過去6ヶ月(2024年6月27日から2024年12月26日)の終値の単純平均値1,576円に対して105.39%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっており、2023年1月1日以降に公表され、2025年6月6日までに決済の開始日が到来している、国内の上場会社を対象とした他社株公開買付けのうち、本取引と類似している事例(公開買付者の対象者に対する議決権所有割合(公開買付者の特別関係者の所有割合を含みます。)が公開買付け開始前時点で15%未満の事例。但し、対抗的な公開買付けとして実施された事例、同意なき公開買付けとして実施された事例、及び公開買付け公表時において対象者が公開買付けに対し応募推奨を決議していない事例を除きます。)(以下「類似事例」といいます。)46件におけるプレミアムの水準との比較において、遜色ないプレミアムが付されており、合理性が認められること(注)
(注) 類似事例について、公表日の前営業日、但し、憶測報道があったものについてはその前営業日を基準日として計算されるプレミアムの平均値及び中央値は、同日終値に対してそれぞれ59.40%と51.21%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値に対してそれぞれ60.08%と53.28%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値に対してそれぞれ61.78%と51.13%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値に対してそれぞれ61.89%と54.10%です。
(ⅵ)本取引の対価の種類については、NSSKグループが投資ファンドであり、公開買付者が、本取引のために設立された非上場会社であることを踏まえると、対価を公開買付者の株式とすることは考えられず、対価を現金とすることについて合理性が認められること
(ⅶ)公開買付期間について、公開買付期間を法定の最短期間である20営業日より長期の30営業日とすることにより、当社の株主及び本新株予約権者に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会及び公開買付者以外の者にも当社株式の買付け等を行う機会が確保されているといえること
(ⅷ)本取引において、株式等売渡請求(下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」において定義します。)又は株式併合をする際に株主に対価として交付される金銭は、本公開買付価格に当該各株主(当社及び公開買付者を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定される予定であることから、一般株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮されていること
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格は当社の株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年6月9日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。また、本新株予約権については、買付価格が1円とされていることから、本新株予約権者の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしました。
また、当社は、2023年6月28日開催の第47回定時株主総会における承認に基づき「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本対応策」といいます。)を更新しておりますが、本取引の実施は当社の企業価値向上に資するものであると判断したことから、2025年6月9日開催の当社取締役会において、本公開買付けに対して本対応策を適用せず、対抗措置を発動しないことを決議いたしました。
上記当社取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
(3)算定に関する事項
① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、当社、公開買付者関係者並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年6月9日付で、本株式価値算定書を取得しました。
なお、当社は、当社及び公開買付者において本取引に際して実施されている他の本公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を踏まえ、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。また、野村證券は、当社、公開買付者関係者、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
なお、本取引に係る野村證券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行、本取引の報酬が全て成功報酬というわけではないこと、野村證券の同種の取引における助言実績及び社会的評価等を踏まえると、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではなく、また、本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系を採用することによるデメリットに鑑み、上記報酬体系について当社にも経済合理性があると考え、上記の報酬体系により野村證券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会において、野村證券の独立性に問題がないことが確認されております。
(ⅱ)算定の概要
野村證券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提のもと、当社株式の価値を多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから市場株価平均法を、当社と比較的類似する上場会社が複数存在し、類似会社との比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて当社株式の株式価値の算定を行いました。
野村證券によれば、当社株式の株式価値の算定にあたり、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価平均法 2,319円~2,724円
類似会社比較法 1,241円~2,041円
DCF法 2,338円~3,328円
市場株価平均法においては、2025年6月6日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における算定基準日の終値2,724円、直近5営業日の終値の単純平均値2,691円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値2,664円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値2,386円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値2,319円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,319円から2,724円と算定しております。
類似会社比較法においては、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社の株式価値を算定し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,241円から2,041円と算定しております。
DCF法においては、当社が作成した2026年3月期から2028年3月期までの本事業計画に基づく収益予測や投資計画等、合理的と考えられる前提を考慮した上で、当社が2026年3月期第1四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを基に、事業リスクに応じた一定の割引率で現在価値に割り戻して企業価値を評価し、さらに当社が保有する現金同等物や有利子負債等の価値を加減算する等財務上の一定の調整を行って、株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,338円から3,328円と算定しております。なお、DCF法の前提とした本事業計画について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年3月期において減損損失及び投資有価証券評価損等による特別損失を計上していたものの、2026年3月期以降においては、当該要因による特別損失を見込んでいないことによる業績の改善を計画していることから、2026年3月期における親会社株主に帰属する当期純利益(約8.4億円)の大幅な増減益(2025年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益(約4.1億円)に対して約104%の増益)を見込んでおります。また、2026年3月期において、IT設備の強化等を目的とした大型の設備投資等を見込んでいるところ(2026年3月期のフリー・キャッシュ・フロー(約7.1億円))、2027年3月期以降は当該設備投資を見込んでおらず設備投資額が減少する見込みであること等から、2027年3月期及び2028年3月期におけるフリー・キャッシュ・フロー(それぞれ約10.8億円と約17.4億円)の大幅な増加(前年に対してそれぞれ約52%と約61%の増加)を見込んでおります。なお、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、算定時点において具体的に見積もることが困難であるため、本事業計画には加味されておりません。さらに、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」に記載のとおり、本特別委員会は、本事業計画の内容及び作成経緯等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行うことを通じて、本事業計画の合理性について確認しております。
(注) 野村證券は、当社株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び当社から提供を受けた一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。本事業計画については、当社の経営陣により算定時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は2025年6月6日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、当社取締役会が当社株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
② 公開買付者による算定方法
(ⅰ)普通株式
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、当社が有価証券報告書及び決算短信等で公表している2025年3月期財務情報や新中期経営計画等の資料、NSSKグループが2025年3月上旬から同年4月下旬まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえ、当社の事業及び財務の状況を多面的・総合的に分析した上で、当社との協議及び交渉を行い、最終的に2025年6月9日に本公開買付価格を3,237円と決定したとのことです。なお、公開買付者は、上記の要素を総合的に考慮し、かつ、当社との協議及び交渉を経て本公開買付価格を決定していることから、第三者算定機関からの算定書や意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
本公開買付価格3,237円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年6月6日の当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における終値2,724円に対して18.83%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,664円に対して21.51%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,386円に対して35.67%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,319円に対して39.59%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。また、本公開買付価格3,237円は、2025年6月9日の当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における終値2,743円に対して18.01%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
(ⅱ)本新株予約権
本新株予約権は、いずれも当社の取締役及び執行役員に対して株式報酬型新株予約権として発行されたものであり、その権利行使の条件として、行使期間内において、当社の取締役、執行役員及び使用人のいずれの地位も喪失した日から10日間(10日目が休日にあたる場合には翌営業日)以内に行使することができるとされており、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないことを考慮し、公開買付者は、2025年6月9日に本新株予約権買付価格をいずれも1円とすることを決定したとのことです。
なお、公開買付者は、上記のとおり本新株予約権買付価格を決定したことから、第三者算定機関から算定書や意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
(4)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。
また、本公開買付けの成立時点で当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実施することを予定しておりますので、その場合、当社株式は東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得し、当社を完全子会社化するための本取引の一環として本公開買付けを実施するため、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
① 株式売渡請求
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(但し、公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)するとともに、併せて、本新株予約権者(但し、公開買付者を除きます。)の全員(以下「売渡新株予約権者」といいます。)に対し、その有する本新株予約権の全部を売り渡すことを請求(以下「新株予約権売渡請求」といい、「株式売渡請求」と併せて「株式等売渡請求」と総称します。)する予定とのことです。
株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定であり、また、新株予約権売渡請求においては、本新株予約権1個当たりの対価として、本新株予約権買付価格と同額の金銭を当社の売渡新株予約権者に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して株式等売渡請求の承認を求めるとのことです。当社が取締役会の決議により株式等売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主及び売渡新株予約権者の個別の承認を要することなく、公開買付者は、株式等売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主からその所有する当社株式の全部を取得し、売渡新株予約権者からその所有する本新株予約権の全部を取得するとのことです。そして、公開買付者は、当該売渡株主の所有していた当社株式1株当たりの対価として、各売渡株主に対して本公開買付価格と同額の金銭を交付するとともに、当該売渡新株予約権者の所有していた本新株予約権1個当たりの対価として、当該売渡新株予約権者に対し、本新株予約権買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。なお、当社は、公開買付者から株式等売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会にてかかる株式等売渡請求を承認する予定です。
株式等売渡請求に関連する一般株主や新株予約権者の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、売渡株主及び売渡新株予約権者は、裁判所に対して、その所有する当社株式又は本新株予約権の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式及び本新株予約権の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
② 株式併合
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。また、本書提出日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2025年9月下旬を予定しています。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、当社の株主の皆様は、株式併合がその効力を生ずる日において、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、当該端数の株式を所有する当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該当社の株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。なお、株式併合の割合は、本書提出日現在において未定とのことですが、公開買付者は、当社の株主が公開買付者のみとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう当社に要請する予定とのことです。なお、当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
株式併合に関する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性がありますが、その場合でも、本公開買付けに応募しなかった当社の各株主(但し、公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合において、本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に対して、本新株予約権の取得及び消却、本新株予約権者による放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実施することを要請し、又は実施することを予定しているとのことです。なお、当社は、当該要請を受けた場合にはこれに協力する意向です。
以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
なお、本譲渡制限付株式については、割当契約書において、譲渡制限期間中に、(a)株式併合に関する事項が当社の株主総会で承認された場合又は会社法第179条第2号に規定する株式等売渡請求に関する事項が当社の取締役会で承認された場合には、当社取締役会の決議により、株式併合の効力発生日又は会社法第179条の2第1項第5号に規定する取得日(以下「スクイーズアウト効力発生日」といいます。)の前営業日の直前時をもって、本譲渡制限付株式の全てについて譲渡制限を解除するとされており、(b)上記(a)に規定する場合は、当社は、スクイーズアウト効力発生日の前営業日をもって、同日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全部を当然に無償で取得するとされております。そのため、本スクイーズアウト手続においては、上記割当契約書の(a)の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時において譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式については、株式等売渡請求又は株式併合の対象とし、上記割当契約書の(b)の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日の前営業日をもって譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式については、当社において無償取得される予定です。
本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任において税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置
本書提出日現在、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注)にも該当いたしませんが、公開買付者及び当社は、公開買付者が本取引を通じて当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することにより、当社を完全子会社化することを目的としており、また、公開買付者は、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズとの間において、GESファンドが所有する当社株式について、本応募契約(スイスアジア)を締結しており、また、創業家との間で本応募契約(創業家)を締結していることからスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家と当社の一般株主の利害が必ずしも一致しない可能性があることを考慮して、公開買付者及び当社は、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。
(注) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が当社の役員との合意に基づき公開買付けを行うものであって当社の役員と利益を共通にする取引をいいます。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本入札プロセスの実施
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、当社グループのさらなる企業価値向上及び当社の株主の利益最大化の観点から、当社株式を非公開化することが最適であると判断し、2025年1月25日より、当社株式の非公開化を前提とした本入札プロセスを開始しました。なお、本入札プロセスは、競争環境を醸成しつつ、具体的な買収価格を提示させることを企図して実施されました。その結果、2025年4月25日に、本第二次候補先の2社から法的拘束力のない第二次意向表明書を受領しましたが、同年5月2日に、公開買付者のみから、法的拘束力を有する最終意向表明書を受領したことを踏まえ、公開買付者から2025年5月2日に受領した最終意向表明書に基づいて本入札プロセスを次に進めることが、当社の企業価値向上及び少数株主の利益の観点で適切であると考えました。そこで、当社は、2025年5月19日、公開買付者を最終候補者として本入札プロセスの最終協議を実施することを公開買付者に通知しました。
以上のとおり、当社は本入札プロセスを実施し、幅広く当社の戦略的選択肢の提案を受ける機会を確保しております。
② 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係」に記載のとおり、当社、公開買付者関係者並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年6月9日付で、本株式価値算定書を取得いたしました。本株式価値算定書の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」をご参照ください。
③ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、当社、公開買付者関係者並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、本公開買付け及びその後の一連の手続に対する当社取締役会の意思決定方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、TMI総合法律事務所は、当社、公開買付者関係者並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家のいずれの関連当事者にも該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
また、本特別委員会は、TMI総合法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを確認しております。TMI総合法律事務所の報酬は、時間単位の報酬のみとしており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。
④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯
当社は、当社取締役会において、本取引の是非を審議・決議するに先立ち、上場会社である当社の本取引に係る意思決定に慎重を期し、また、取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、当社取締役会において本取引を行う旨の決定をすること(本公開買付けに対して、当社が特定の内容の意見表明を行うことを含みます。)が、当社の少数株主にとって不利益なものであるかどうかについての意見を取得すること等を目的として、2025年1月22日、当社、公開買付者関係者並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家からの独立性を有し、特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスが確保された特別委員会を構成するべく、大澤純子氏(当社独立社外取締役)、鷹野正明氏(当社独立社外取締役)、成瀬圭珠子氏(当社独立社外監査役、弁護士)及び木下純氏(当社独立社外監査役、公認会計士・税理士)の4名から構成される本特別委員会(なお、独立社外取締役である大山真未氏は、2024年6月27日付で取締役に就任しており、他の社外取締役と比べて在任期間が短いこと、及び上記4名を本特別委員会の委員とすることが当社に対する理解や各氏の専門分野の点において適切と考えたことから本特別委員会委員に選任していません。)を設置し、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか等について諮問しました。なお、本特別委員会の委員の互選により、当社の独立社外取締役である大澤純子氏が本特別委員会の委員長に就任しております。
その上で、当社は、(ⅰ)本入札プロセスにおける買付者の選定に係る当社の判断及びその過程が不合理でないか否か、(ⅱ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)、(ⅲ)本取引の取引条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の種類の妥当性を含みます。)、(ⅳ)本取引の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含みます。)、(ⅴ)上記を踏まえ、取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する意見表明を含みます。)を決定することが当社の少数株主にとって不利益なものでないこと、(ⅵ)その他、特別委員会設置の趣旨に鑑み、当社取締役会又は当社代表取締役が必要と認めて諮問する事項(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問し、本諮問事項についての本答申書を当社に提出することを委嘱しました。
さらに、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)必要と認めるときは、委員長の選定その他の特別委員会の運営に関する事項を、その過半数の決議により定めることができること、(ⅱ)当社の費用負担の下、本取引に係る調査(本取引に関係する当社の役員若しくは従業員又は本取引に係る当社のアドバイザーに対し、本諮問事項の検討に必要な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含みます。)を行うことができること、(ⅲ)当社に対し、(ア)特別委員会としての提案その他の意見又は質問を買付者又は買付候補者に伝達すること、及び(イ)特別委員会自ら買付者又は買付候補者(本取引に関与するその役職員及び本取引に係るそのアドバイザーを含みます。)と協議する機会の設定を要望することができ、特別委員会よりかかる要望を受領した場合には、当社は、特別委員会の要望を実現するよう最大限努力すること、(ⅳ)特別委員会において答申に係る意見が全員一致により調わなかった場合は、委員の過半数により承認された結論を特別委員会の答申内容とするが、かかる答申内容の全部又は一部について異なる意見を有する委員は、自らの意見を答申内容に付記するよう求めることができること、(ⅴ)議事運営上の便宜の観点から、特別委員会に当社の役員若しくは従業員又は本取引に係る当社のアドバイザーが陪席する場合であっても、特別委員会は、当該陪席者に対し、適宜、退席を求めることができること、及び(ⅵ)必要と認めるときは、当社の費用負担の下、特別委員会独自の弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを選任することができるとともに、また、特別委員会は、本取引に係る当社のアドバイザーを指名し、又は変更を求めることができるほか、当社のアドバイザーに対して必要な指示を行うことができることについて権限を付与することを決議しております。なお、本特別委員会は、上記の権限に基づき、2025年4月中旬、当社、公開買付者関係者並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家から独立した、本特別委員会独自のリーガル・アドバイザーとして西村あさひを選任する旨を決定しております。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2025年1月22日から2025年6月9日までの間に合計20回にわたって開催され、本諮問事項についての協議及び検討が行われたほか、各会日間においても、本特別委員会の委員の間で随時電子メール等による意見交換が行われました。具体的には、本特別委員会は、当社、野村證券及びTMI総合法律事務所並びに西村あさひから、本取引の背景・経緯、当社の事業概要、本取引のストラクチャー、各アドバイザーの独立性、本入札プロセスの概要及び状況、公開買付者の選定手続の確認、本公開買付価格の算定手法の合理性、公開買付者との間の協議・交渉の経緯及び内容(公開買付者とスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家の間の協議・交渉の内容も含みます。)等について適時に報告・説明を受けた上で、本特別委員会において質疑応答を行っております。また、本特別委員会は、当社から本事業計画の説明を受け、質疑応答を行った上で本事業計画の合理性について確認を行い、その上で当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券から、当社株式の株式価値算定に係る算定手法及び結果に関する説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行った上で、その合理性を確認しております。加えて、当社のリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所及び特別委員会独自のリーガル・アドバイザーである西村あさひから、当社における本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての法的留意点に関して説明を受け、検討を行いました。なお、本特別委員会は、本入札プロセスにおいて、当社、野村證券及びTMI総合法律事務所から、適宜その状況について報告を受け、本第二次候補先及び最終候補先の選定に関する当社の判断の合理性について確認しており、その内容を審議・検討し意見を述べることにより、本第二次候補先及び最終候補先の選定等の重要な局面において実質的に関与しております。
(ⅲ)判断内容
第1 結論
① 本入札プロセスにおける買付者の選定に係る当社の判断及びその過程には、不合理な点は見当たらない。
② 本取引は、当社の企業価値向上に資するものと認められ、その目的に合理性は認められると考えられる。
③ 本取引における取引条件の妥当性は確保されているものと考えられる。
④ 本取引に係る手続の公正性は確保されているものと考えられる。
⑤ 当社取締役会が本取引を行う旨の意思決定を行うことは、当社の少数株主にとって不利益なものでないと考えられる。また、当社取締役会が、本取引に対して賛同意見を表明すること、及び当社の株主に対しては本公開買付けへの応募を推奨し、当社の新株予約権者に対しては本公開買付けへの応募を新株予約権者の判断に委ねる旨の意見表明を行うことは妥当であると考えられる。
第2 理由
1 本入札プロセスにおける買付者の選定に係る当社の判断及びその過程が不合理でないか否か
(1)本入札プロセスが、公正M&A指針における積極的なマーケット・チェックとしての意義を有すること
本取引においては、本入札プロセスが実施されており、下記(2)のとおり、本入札プロセスにおける買付者の選定に係る当社の判断及びその過程に不合理な点は見当たらないことを踏まえると、令和元年6月28日付で経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「公正M&A指針」という。)における積極的なマーケット・チェックが行われたものといえる。
(2)本入札プロセスの評価
ア 本入札プロセス全体に関する評価
本取引及び本入札プロセスの経緯を踏まえると、本入札プロセスは、当社が、独立した専門家である野村證券をアドバイザーとして選任した上で、当社が営む教育事業に関心を示していると考えられる8社に打診し、当社グループのさらなる企業価値向上及び当社の株主の利益最大化を目的として実施したものと認められる。
また、入札過程において、特定の候補者を恣意的に排除したことや、候補者同士を不公平に取り扱ったことは窺われない。
さらに、本入札プロセスにおいては、本特別委員会が、当社、野村證券及びTMI総合法律事務所から、公開買付者と当社の間の協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会を都度開催し、本特別委員会のリーガル・アドバイザーである西村あさひのアドバイスも受けながら、本入札プロセスの進め方に関して意見を述べ、当社は本特別委員会の意見を踏まえて、本入札プロセスにおける各種判断を行っており、本第一次入札プロセス及び本第二次入札プロセスのいずれにおいても、当社の対応について特段不合理な点は見当たらない。
これらを踏まえると、本入札プロセスにおける買付者の選定に係る当社の判断及びその過程には、不合理な点は見当たらない。
イ 本第一次入札プロセスに関する評価
本第一次入札プロセスにおいて、当社は、当社を完全子会社化する取引に対して関心を示した候補者へ参加打診を行っており、特定の候補者を意図的に排除したものではないとのことであるから、本第一次入札プロセスの参加者の選定について不合理な点は見当たらない。また、本第一次入札プロセスの通過者の選定についても、各候補者の提案内容や条件等を踏まえると不合理な点は見当たらない。以上を踏まえると、本第一次入札プロセスにおける当社の対応は不合理なものとはいえないと考えられる。
ウ 本第二次入札プロセスに関する評価
本第二次入札プロセスにおける公開買付者及び他の候補者の提案内容、法的拘束力の有無、他の候補者が提案の前提とした事業計画の実現可能性が低いこと等に加え、当社が他の候補者に対して追加のデュー・ディリジェンスの機会を付与する等可能な限り他の候補者から法的拘束力のある提案を得るよう努力を尽くしたことを踏まえると、法的拘束力もなく不確実性の高い他の候補者の提案よりも、法的拘束力があって確実性があり、かつ、相応の条件を提示する公開買付者の提案を優先して公開買付者を最終候補者として選定することは不合理ではなく、本第二次入札プロセスにおける当社の対応は不合理なものとはいえないと考えられる。
2 本取引の目的の合理性(本取引が当社企業価値の向上に資するかを含む。)
当社における本取引の目的は、①顧客ロイヤルティの向上、②LTV極大化、及び③事業ポートフォリオに対応した組織・人材の整備、という3つの基本運営方針への取り組みを同時かつ迅速に実行することで、足元の事業環境への対処及び収益基盤の強化を行いつつ、当社グループの企業価値の中長期的な向上を目指すこと、そのために、当該基本方針の実現に向けて、短期的な利益水準の低下、キャッシュ・フローの悪化等による財務状況の悪化に囚われずに、中長期的な当社の収益力の向上に向けて必要な投資を行えるようにすべく、当社株式を非公開化することにあると考えられるところ、本取引の実行により、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」及び「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のシナジーが生じ、また、企業価値向上策を講じることが可能となり、これによって当社の3つの基本運営方針への取り組みを実現でき、ひいては当社グループ全体のさらなる持続的成長と企業価値向上の実現に資するものと判断できる。そのため、本取引の目的の合理性は認められ、また、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと判断できる。
なお、一般的に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、①資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、②上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による、優れた人材の確保及び取引先の拡大等に悪影響を及ぼす可能性が挙げられる。
この点、本特別委員会が当社経営陣に対して行ったヒアリング等によれば、①当社の現在の財務状況を踏まえると、当面の間、資本市場からのエクイティ・ファイナンスの必要性は高くなく、また、②当社グループの社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等は、当社が上場会社であることにより獲得される部分より、事業活動を通じて獲得される部分が大きくなってきているとのことである。
このように、今後も継続して株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあり、近時の上場維持コストの上昇を踏まえると、株式の上場を維持する必要性は相対的に減少していることから、株式の非公開化はそのデメリットを上回ると考えるに至ったとのことであり、かかる考えに不合理な点は認められず、本取引の目的の合理性を否定する事情にはならない。
以上からすれば、本取引は、当社の企業価値向上に資するものと認められ、その目的に合理性は認められると考えられる。
3 本取引の取引条件の妥当性
(1)取引条件に係る協議・交渉過程について
本取引の取引条件に関する協議・交渉の過程は、独立した当事者間の交渉として公正なものと認められるものであり、企業価値を高めつつ少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指した合理的な努力が行われる状況が確保されていたものと認められる。
(2)株式価値算定結果について
野村證券が、各手法に基づき算定した当社株式の1株当たりの株式価値はそれぞれ以下のとおりである。
市場株価平均法:2,319円~2,724円
類似会社比較法:1,241円~2,041円
DCF法 :2,338円~3,328円
本公開買付価格である3,237円は、市場株価平均法及び類似会社比較法による算定結果のレンジの各上限をいずれも上回り、DCF法による算定結果のレンジでは第3四分位数を上回り上限に近いものであり、野村證券による当社の株式価値の算定結果との関係で高い水準の価格であるといえる。
本特別委員会は、野村證券がDCF法による算定に用いた本事業計画に基づく財務予測について、その前提及びそれに基づく数値等について当社から説明を受けたが、野村證券がDCF法による算定に用いた本事業計画に基づく財務予測について、特段不合理な点は認められなかった。
また、野村證券が当社株式価値の算定にあたり採用した手法及び算定の過程並びに株式価値の算定結果について、特段不合理な点は認められなかった。
加えて、当社は、当社及び公開買付者において本取引に際して実施されている他の本公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を踏まえ、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことであるが、①公正M&A指針でもフェアネス・オピニオンの取得は必須とされておらず(公正M&A指針3.3.2.2)、上記のとおり本特別委員会としては、本公開買付価格は、野村證券による当社の株式価値の算定結果との関係で高い水準の価格であり、当社の本源的価値に照らし十分な水準であると評価していること、②本取引は独立した当事者の間で行われるものであり、類型的に構造的な利益相反の問題が生じる取引ではないこと、及び③フェアネス・オピニオン以外に実行されている公正性担保措置を勘案すると、フェアネス・オピニオンを取得せずに本取引への賛同の可否の判断をすることも、不合理なものではないと認められる。
(3)プレミアムの水準
本公開買付価格は、(ⅰ)本答申書提出日である2025年6月9日の前営業日である、2025年6月6日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式終値2,724円に対して18.83%、同日までの直近1ヶ月間の終値の単純平均値2,664円に対して21.51%、同日まで直近3ヶ月間の終値の単純平均値2,386円に対して35.67%、同日まで直近6ヶ月間の終値の単純平均値2,319円に対して39.59%のプレミアムを加えた価格となっている。
また、当社株価は、本報道が行われた2024年12月26日の翌営業日以降、高止まりしている状況であるところ、(ⅱ)本公開買付価格は、2024年12月26日の終値2,200円に対して47.14%、過去1ヶ月(2024年11月27日から同年12月26日)の終値の単純平均値2,039円に対して58.75%、過去3ヶ月(2024年9月27日から同年12月26日)の終値の単純平均値1,807円に対して79.14%、過去6ヶ月(2024年6月27日から2024年12月26日)の終値の単純平均値1,576円に対して105.39%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっている。
(ⅰ)のプレミアムの水準については、2024年12月26日の本報道以降、当社の市場株価が本報道以前と比べて高止まりしていることを考慮すると、上記(ⅰ)のプレミアムの水準に係る期間の株価は、上記の本報道の影響を一定程度受け、非公開化への期待が一定程度織り込まれたものと判断するのも必ずしも不合理ではなく、必ずしも上記(ⅰ)のプレミアム水準と上記の過去の類似事例のプレミアム水準とを単純に比較するべきではなく、上記(ⅱ)のプレミアムの水準も、過去の類似事例のプレミアムの水準との比較において参照すべきであるという考え方も、不合理なものとはいえない。
そして、上記(ⅱ)のプレミアムの水準は、当該プレミアムの水準の平均値及び中央値と比較して相応の水準にあるといえるため、本公開買付けの公表日に近接した日を起算点とする(ⅰ)のプレミアムの水準が、過去の類似事例のプレミアム水準と比較して必ずしも十分でないとしても、この点が、本公開買付価格の妥当性を否定する事情にはならないと考えられる。
(4)本新株予約権の買付価格
本新株予約権は、行使期間内において、当社の取締役、執行役員及び使用人のいずれの地位も喪失した日から10日間(10日目が休日にあたる場合には翌営業日)以内に行使することができるとされており、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないと解されることから、本新株予約権買付価格をいずれも1円とすることも、不合理ではないと考えられる。
(5)その他取引条件の妥当性
本取引に係るその他の取引条件について、公正性・妥当性を欠く条件は認められなかった。
(6)小括
上記(1)乃至(5)を踏まえると、本取引における取引条件の妥当性は確保されているものと考えられる。
4 本取引の手続の公正性に関する事項(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)
(1)独立した特別委員会の設置
本特別委員会の設置の時期、本特別委員会の委員の構成、本特別委員会の設置・委員選定のプロセス、本特別委員会のアドバイザー等の指名等に係る権限、本特別委員会の取引条件の交渉過程への関与、本特別委員会による情報の取得状況、本特別委員会に係る報酬、当社の取締役会における本特別委員会の判断の取扱い、及び、当社の社内検討体制を踏まえると、本取引の検討に際しては、特別委員会の実効性を高める工夫に関する公正M&A指針の指摘事項に配慮した上で、独立性を有する特別委員会が設置されており、これが有効に機能していることが認められる。
(2)外部専門家の独立した専門的助言等の取得
ア 独立したリーガル・アドバイザーの選任及び助言の取得
本取引においては、当社は、2025年1月22日開催の取締役会においてTMI総合法律事務所をリーガル・アドバイザーに選任する旨決議し、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けていたことが認められる。なお、TMI総合法律事務所は、当社、公開買付者関係者並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家から独立しており、本取引に関して重要な利害関係を有していないことが認められる。また、TMI総合法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれていない。
イ 第三者算定機関からの株式価値算定書等の取得
本取引においては、当社は、2025年1月22日開催の取締役会において野村證券をファイナンシャル・アドバイザーに選任する旨決議し、本取引のストラクチャーや代替手段、代替取引の検討、価格交渉等についての助言を得たほか、同社に対して当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年6月9日付で株式価値算定書を取得している。なお、野村證券は、当社、公開買付者関係者並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家から独立しており、本取引に関して、重要な利害関係を有していないことが認められる。
また、本取引に係る野村證券の報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行、本取引の報酬が全て成功報酬というわけではないこと、野村證券の同種の取引における助言実績及び社会的評価等を踏まえると、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬であることをもって独立性が否定されるわけではなく、また、本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系を採用することによるデメリットに鑑み、上記報酬体系について当社にも経済合理性があると判断の上、上記の報酬体系により野村證券を当社の第三者算定機関として選任しているとのことであり、かかる判断に不合理な点は見当たらない。
(3)他の公開買付者による買収提案の機会の確保
本入札プロセスの実施、本取引における公開買付期間、本公開買付契約(下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本公開買付契約」において定義します。)の内容等を踏まえると、本取引においては、積極的なマーケット・チェック及び一定の間接的なマーケット・チェックが行われているものと認められる。
(4)一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上
本取引における当社の開示資料の内容を踏まえると、本取引においては、公正M&A指針が開示を期待するその他の情報については、当社の一般株主に適切に開示される予定であることが認められる。
(5)強圧性の排除
一般株主は、本公開買付けに応募するか否かにあたって、仮に本公開買付けに応募しなかった場合に、不利に取り扱われることが予想される状況には陥らないような配慮がなされていると評価でき、本取引においては、一般株主に対する強圧性を生じさせないような配慮がなされており、手続の公正性の確保に資する対応が取られていると認められる。
(6)小括
以上のとおり、本取引においては公正M&A指針に定められる主要な各公正性担保措置に則った適切な対応が行われており、その内容に不合理な点は見当たらない。
したがって、本取引に係る手続の公正性は確保されていると認められる。
5 当社の取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する意見表明を含む。)を決定することが当社の少数株主にとって不利益なものでないか
上記1乃至4の検討を踏まえると、当社取締役会が本取引を行う旨の意思決定を行うことは、当社の少数株主にとって不利益なものでないと考えられる。
また、当社取締役会が、本取引に対して賛同意見を表明すること、及び当社の株主に対しては本公開買付けへの応募を推奨し、当社の新株予約権者に対しては本公開買付けへの応募を新株予約権者の判断に委ねる旨の意見表明を行うことは妥当であると考えられる。
⑤ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言
本特別委員会は、上記「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅰ)設置等の経緯」に記載のとおり、当社、公開買付者関係者並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家から独立した、本特別委員会独自のリーガル・アドバイザーとして西村あさひを選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る本特別委員会の審議の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。
なお、西村あさひは、当社、公開買付者関係者、並びにスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ及び創業家の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、西村あさひに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、野村證券から取得した本株式価値算定書の内容及びTMI総合法律事務所から受けた法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引について、当社の企業価値の向上、少数株主の皆様の利益保護を含む本取引に関する諸条件の妥当性等の観点から、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2025年6月9日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨すること、また、本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。
上記の当社取締役会においては、当社の取締役7名の全員による審議の上、全員一致により決議を行っており、また、当社の監査役3名全員が上記取締役会に出席し、出席した監査役の全員が上記決議を行うことについて異議のない旨の意見を述べております。
⑦ 本公開買付けの公正性を担保するための客観的状況の確保
公開買付者は、法令において定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日に設定しております。公開買付期間を法定の最短期間より比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。
(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
① 本応募契約(スイスアジア)
公開買付者は、本公開買付けの成立の可能性を高める目的で、2025年5月14日に、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズとの間で、本応募契約(スイスアジア)についての協議を開始し、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズとの間で、2025年6月9日付で本応募契約(スイスアジア)を締結し、GESファンドの所有する本応募株式(スイスアジア)(所有株式数:1,806,500株、所有割合:19.79%)について、本公開買付けに応募する旨の合意をしているとのことです。なお、本応募契約(スイスアジア)において、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズの本公開買付けへの応募の前提条件は定められておらず、また、本応募契約(スイスアジア)を除いて、公開買付者とスイスアジア・フィナンシャル・サービシズとの間で本取引に関する合意は締結されておらず、本公開買付価格の支払を除き、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズに対して本公開買付けの成立に際して付与される利益はないとのことです。
a)スイスアジア・フィナンシャル・サービシズは、本応募契約(スイスアジア)締結日から公開買付期間の満了日までの間に、(ⅰ)第三者により本応募株式(スイスアジア)を対象とする公開買付け又は公開買付け開始の予告(以下「本対抗公開買付け」といいます。)(但し、当社の非公開化を目的とし、買付予定数の上限を定めず、かつ、成立した場合に当社の非公開化を確実に実現できるような買付予定数の下限を定めたものであることを要します。)が開始若しくは公表され、又は(ⅱ)スイスアジア・フィナンシャル・サービシズ若しくは当社が、本対抗公開買付けに係る法的拘束力のある提案(条件付きの提案を含みます。)を第三者から受領した場合であって、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズが本公開買付けに応募することが、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズがその投資家に対して負う受託者責任に違反する可能性があるとスイスアジア・フィナンシャル・サービシズが合理的に判断した場合、本対抗公開買付けの公開買付価格又は当該提案に係る買付価格が本公開買付価格を259円以上上回る場合には、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズは、書面にて公開買付者に通知することにより、本対抗公開買付けの公開買付価格又は当該提案に係る買付価格が本公開買付価格を259円以上上回っている間に限り、本公開買付けに応募する義務を免れることができることとされているとのことです。なお、既にスイスアジア・フィナンシャル・サービシズが本公開買付けに応募している場合においても、上記の条件を満たす場合には、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズは当該応募を撤回することができるものとされているとのことです。但し、当社株主及び一般投資家への適時開示の観点から、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズは、応募撤回の決定については、決定後実務上可能な限り速やかに公開買付者及び当社に通知するものとされているとのことです。
b)スイスアジア・フィナンシャル・サービシズは、本応募契約(スイスアジア)締結日後、本応募契約(スイスアジア)において別途明示的に規定される場合を除き、決済開始日までの間、本応募株式(スイスアジア)の全部又は一部について、譲渡、担保設定その他の処分(本公開買付け以外の公開買付けへの応募を含むがこれに限られません。)を行わないものとされ、また、当社株式等又は当社株式等に係る権利の取得を行わないものとされているとのことです。但し、上記a)に基づき本公開買付価格を259円以上上回る価格での売却を妨げるものではないとのことです。
c)スイスアジア・フィナンシャル・サービシズは、本応募契約(スイスアジア)締結日後、決済開始日までの間、自ら又は他の者をして、公開買付者以外の者との間で、直接又は間接に、本公開買付けその他本応募契約(スイスアジア)で企図される取引と競合、矛盾若しくは抵触し、又はそのおそれのある一切の行為(第三者との合意、合意に向けた申込み、申込みの誘引、承諾、協議、交渉、勧誘又は情報提供を含むがこれらに限られません。)を行わないものとされ、公開買付者以外の第三者から当該行為に関する勧誘、提案、情報提供又は申込みを受けた場合には、直ちに公開買付者にその旨及びこれらの内容を通知し、かかる第三者への対応について公開買付者と誠実に協議するものとするものとされているとのことです。但し、上記a)に基づき本公開買付価格を259円以上上回る価格での売却を妨げるものではないとのことです。
d)スイスアジア・フィナンシャル・サービシズは、Global ESG Strategyが当社の第49回定時株主総会に対して提出した株主提案(以下「本株主提案」といいます。)について、(ⅰ)本応募契約(創業家)が締結されていること、及び(ⅱ)スイスアジア・フィナンシャル・サービシズが上記a)に基づき応募義務が免除されていないことを条件として、当社の第49回定時株主総会の前日までに、Global ESG Strategyをして、当社に対し本株主提案の取下げの申出をさせるものとされているとのことです。
e)スイスアジア・フィナンシャル・サービシズは、本応募契約(スイスアジア)に明示的に定める事項を除き、公開買付者の事前の書面による承諾なく、当社の株主総会の招集請求権、株主提案権その他の株主権を行使してはならないとされているとのことです。
f)スイスアジア・フィナンシャル・サービシズは、本応募契約(スイスアジア)締結日以降に開催される当社の株主総会において議決権を行使できる場合、本応募株式(スイスアジア)に係る当該株主総会における議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の選択に従い、(ⅰ)公開買付者若しくは公開買付者の指定する者に対して包括的な代理権を授与するか、又は(ⅱ)公開買付者の指示に従って権利を行使するものとされているとのことです。但し、上記(ⅰ)の場合において、代理権の授与後、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズが上記a)に基づき応募義務が免除された場合、又は当該株主総会の前日までに本応募契約(スイスアジア)が終了した場合には、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズはかかる代理権の授与を撤回することができるものとされているとのことです。
その他、本応募契約(スイスアジア)においては、(ⅰ)相手方当事者につき、本応募契約(スイスアジア)に基づく義務の重大な違反があった場合、(ⅱ)相手方当事者につき、本応募契約(スイスアジア)に定める表明及び保証(注1)の重大な違反があった場合、(ⅲ)公開買付者が本公開買付けを撤回した場合、(ⅳ)本公開買付けに係る応募株券等の総数が買付予定数の下限に満たなかった場合が解除事由として規定されているとのことです。
(注1) 本応募契約(スイスアジア)においては、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズは、公開買付者に対して、①権利能力等、②契約の締結及び履行、③強制執行可能性、④許認可等の取得、⑤法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、⑦反社会的勢力等との取引の不存在、⑧反収賄等、⑨株式の所有及び投資権限等について表明及び保証を行っているとのことです。また、公開買付者は、スイスアジア・フィナンシャル・サービシズに対して、①権利能力等、②契約の締結及び履行、③強制執行可能性、④許認可等の取得、⑤法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、⑦反社会的勢力との取引の不存在、⑧反収賄等、⑨資金調達等について表明及び保証を行っているとのことです。
② 本応募契約(創業家)
公開買付者は、本公開買付けの成立の可能性を高める目的で、2025年5月14日に、創業家との間で、本応募契約(創業家)についての協議を開始し、2025年6月9日付で本応募契約(創業家)を締結し、本応募株式(創業家)(合計1,828,200株、所有割合:20.02%)について、本公開買付けに応募する旨の合意をしているとのことです。なお、本応募契約(創業家)を除いて、公開買付者と創業家との間で本取引に関する合意は締結されておらず、本公開買付価格の支払を除き、創業家に対して本公開買付けの成立に際して付与される利益はないとのことです。
a)創業家の所有する当社株式の本公開買付けへの応募は、本公開買付けの開始日(但し、⑥については⑥において定める日)において以下①から⑥が充足されていることが前提条件とされています。なお、以下の各前提条件のいずれかが充足されない場合でも、創業家は、書面によりその充足を放棄することができるとのことです。
① 本公開買付けが適法かつ有効に開始されていること。
② 本応募契約(創業家)に基づく公開買付者の表明及び保証が重要な点において真実かつ正確であること。
③ 本公開買付けを制限又は禁止する旨の法令等又は司法・行政機関等の判断等が存在しないこと。
④ 公開買付者が、本応募契約(創業家)により、本公開買付けの開始日前に履行すること又は遵守することが要求されている全ての合意、誓約及び条件を重要な点において履行し、又は遵守していること。
⑤ 当社の特別委員会において、当社の取締役会が本公開買付けに賛同する旨の意見表明を行うことについて賛同する内容の答申が変更又は撤回されていないこと、及び、当社の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見表明が変更又は撤回されていないこと。
⑥ 創業家による本公開買付けへの応募の日において、公表されていない当社に係る業務等に関する重要事実、並びに当社の株券等の公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実であって創業家が知っているものが存在しないこと。
b)創業家は、本応募契約(創業家)の締結日から、決済開始日までの間、公開買付者の事前の書面による承諾なく、当社の株主総会の招集請求権、株主提案権その他の株主権を行使してはならないとされているとのことです。
c)創業家は、本応募契約(創業家)の締結日以降に開催される当社の株主総会において議決権を行使できる場合、本応募株式(創業家)に係る当該株主総会における議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の選択に従い、(ⅰ)公開買付者若しくは公開買付者の指定する者に対して包括的な代理権を授与するか、又は(ⅱ)公開買付者の指示に従って権利を行使するものされているとのことです。
その他、本応募契約(創業家)においては、(ⅰ)相手方当事者につき、本応募契約(創業家)に基づく義務の重大な違反があった場合、(ⅱ)相手方当事者につき、本応募契約(創業家)に定める表明及び保証(注1)の重大な違反があった場合、(ⅲ)公開買付者が法令等に従い本公開買付けを撤回した場合、(ⅳ)本公開買付けに係る応募株券等の総数が買付予定数の下限に満たなかった場合が解除事由として規定されているとのことです。
(注1) 本応募契約(創業家)においては、創業家は、公開買付者に対して、①権利能力等、②契約の締結及び履行、③強制執行可能性、④許認可等の取得、⑤法令等との抵触の不存在、⑥破産手続等の不存在、⑦反社会的勢力等との取引の不存在、⑧反収賄等、⑨株式の所有等について表明及び保証を行っております。また、公開買付者は、創業家に対して、①権利能力等、②契約の締結及び履行、③強制執行可能性、④許認可等の取得、⑤法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、⑦反社会的勢力との取引の不存在、⑧反収賄等、⑨資金調達等について表明及び保証を行っているとのことです。
③ 本公開買付契約
公開買付者は、当社との間で、2025年6月9日付で本取引の実行に関する以下の内容を含む公開買付契約(以下「本公開買付契約」といいます。)を締結しております。
a)当社は、本公開買付契約締結日に、当社の取締役会において、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨し、本新株予約権者に対して本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の判断に委ねる旨の意見表明(以下「賛同意見表明」といいます。)を行い、かつ、公開買付期間中、本公開買付けにできる限り多くの株主の応募が得られるよう必要な協力を誠実に行うものとされております。なお、当社は、本公開買付契約締結日から公開買付期間の末日(以下「公開買付期間満了日」といいます。)までの間、賛同意見表明を維持し、これを撤回又は変更する取締役会決議を行わないものとされております。但し、公開買付者以外の者(但し、当社の非公開化のために2025年に開始された入札手続に参加した者を除きます。)により、公開買付期間満了日の7営業日前までに(ⅰ)(a)当社株式を対象とする公開買付け(但し、当社の非公開化を目的とし、買付予定数の上限を定めず、かつ、成立した場合に当社の非公開化を合理的に実現できるような買付予定数の下限を定めたものであって、当該公開買付けにおける当社株式の公開買付価格が、本公開買付価格を上回る金額であることを要します。以下「適格対抗公開買付け」といいます。)が開始され、又は、(b)適格対抗公開買付けその他本取引と実質的に競合、矛盾若しくは抵触し、又はそのおそれのある一切の取引(組織再編、事業譲渡、当社の株式等を取得する取引その他の方法を問いませんが、当社の非公開化又は実質的な全部買収を企図したものに限ります。但し、公開買付けを除きます。)であって、その対価が本公開買付価格を実質的に上回るものに係る、実現可能性が合理的に認められる法的拘束力のある真摯な内容及び条件の提案(以下「対抗提案」といいます。)が当社に対してなされた場合であって、かつ、(ⅱ)適格対抗公開買付けが開始され又は対抗提案を受けているにもかかわらず、なお賛同意見表明を維持することが、当社の取締役としての善管注意義務違反を構成する可能性が高いと当社が合理的に判断する場合には、当社は、本公開買付契約に定める自らの義務の重大な違反がない場合に限り、公開買付者に対して、本公開買付価格の変更について協議を申し入れることができるものとされ、当社が公開買付者に対して当該申入れを行った場合、当社は、公開買付者が本公開買付価格に関する再提案を行う機会を確保できるよう、速やかに公開買付者との間で誠実に協議を行うものとされております。公開買付者が、公開買付者に対して当該申入れが行われた日から5営業日後の日又は公開買付期間満了日の2営業日前の日のいずれか早い日までに、本公開買付価格を適格対抗公開買付けに係る買付価格若しくは対抗提案に係る対価以上の金額に変更する旨の再提案を行わない場合であって、かつ、賛同意見表明を維持することが当社の取締役としての善管注意義務違反を構成する可能性が高いと当社が合理的に判断した場合、当社は、賛同意見表明を撤回又は変更する取締役会決議を行うことができるものとされております。
b)当社は、本公開買付けが成立し、公開買付者が本公開買付けによって当社株式の全て及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合、公開買付者からの合理的な要請に応じて、本スクイーズアウト手続を実施するために合理的に必要な協力を行うものとされております。
c)当社は、本公開買付契約締結日から本スクイーズアウト手続の完了までの間、直接又は間接に、(ⅰ)公開買付者以外の者との間で本取引と実質的に競合、矛盾若しくは抵触し、又はそのおそれのある一切の取引(公開買付け、組織再編その他方法を問わず、当社の株式等を取得する取引、当社グループの株式又は事業の全部又は重要な一部を処分する取引を含み、以下「競合取引」といいます。)に関連する合意(当該取引に対する賛同又は応募推奨の意見表明を含みます。)を行ってはならず、(ⅱ)公開買付者以外の者に対し、競合取引に関連して当社グループに関する情報その他の情報を提供してはならず、かつ(ⅲ)かかる競合取引の提案、勧誘、申込若しくは協議申入れ又はかかる競合取引に関するいかなる協議若しくは交渉も行ってはならないものとされております。但し、当社が上記a)に従って賛同意見表明を撤回又は変更することができる場合、当該適格対抗公開買付けを開始し又は対抗提案をした第三者との間では、この限りでないとされております。また、(ⅰ)(a)適格対抗公開買付けを開始し若しくは対抗提案をした第三者、又は(b)公開買付期間満了日の7営業日前までに適格対抗公開買付けを開始する又は対抗提案を行う蓋然性が高いと客観的に認められる第三者であって、かつ、(ⅱ)当該第三者に対して当社グループに関する情報を提供し、又は当該第三者との間で協議若しくは交渉を行わないことが当社の取締役としての善管注意義務違反を構成する可能性が高いと当社が合理的に判断した場合、当社の取締役としての善管注意義務を果たす観点から合理的に必要な範囲で、当該第三者に対して当社グループに関する情報を提供し、又は当該第三者との間で協議若しくは交渉を行うことは、この限りでないとされております。
d)当社は、本公開買付契約締結日から本スクイーズアウト手続の完了までの間、公開買付者以外の者から競合取引の提案、勧誘、情報提供又は申込を受けた場合、直ちに、公開買付者に対し、その旨及び当該提案等の内容を通知するものとされ、その対応について公開買付者との間で誠実に協議するものとされております。
e)公開買付者及び当社は、本公開買付契約に基づく自らの義務の違反又は表明及び保証(注1)の違反に起因又は関連して相手方が被った損害、損失又は費用(合理的な弁護士費用その他のアドバイザー費用を含みます。)(以下「損害等」といいます。)について、相手方に対して補償するものとされていますが、公開買付者は、当社の表明及び保証の違反に起因又は関連して公開買付者が被った損害等については、公開買付者が自己の費用と負担で本公開買付契約を対象とし公開買付者を被保険者及び保険契約者とする表明保証保険の保険者に対してのみ補償請求をすることができ、当社に対して補償請求することはできないこととされております。
(注1) 本公開買付契約においては、当社は、公開買付者に対して、①権利能力等、②契約の締結及び履行、③強制執行可能性、④法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力等との取引の不存在、⑦当社株式等の発行等、⑧子会社・関連会社、⑨組織再編等、⑩計算書類等、⑪後発事象の不存在、⑫資産、⑬不動産、⑭知的財産権、⑮契約等、⑯保険、⑰人事労務、⑱公租公課、⑲商品等、⑳データ保護、㉑ITシステム、㉒法令等の遵守・許認可、㉓訴訟・紛争等、㉔環境、㉕仲介業者との取り決めの不存在、㉖未公表の重要事実の不存在、㉗開示書類の正確性及び㉘情報開示について表明及び保証を行っております。また、公開買付者は、当社に対して、①権利能力等、②契約の締結及び履行、③強制執行可能性、④法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在及び⑥反社会的勢力等との取引の不存在について表明及び保証を行っております。
(1)普通株式
|
氏名 |
役職名 |
所有株式数(株) |
議決権の数(個) |
|
生駒 富男 |
代表取締役社長 |
88,300 |
883 |
|
竹下 淳司 |
常務取締役 経営戦略本部長 |
22,600 |
226 |
|
赤川 琢志 |
常務取締役 統括支援本部長 |
20,000 |
200 |
|
阿野 孝 |
取締役 高校・大学事業 カンパニー長 |
19,431 |
194 |
|
太田 善邦 |
常勤監査役 |
24,600 |
246 |
|
計 |
- |
174,931 |
1,749 |
(注) 役職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。
(2)新株予約権
|
氏名 |
役職名 |
所有個数(個) |
株式に換算した数 (株) |
株式に換算した議決権の数(個) |
|
生駒 富男 |
代表取締役社長 |
579 |
57,900 |
579 |
|
竹下 淳司 |
常務取締役 経営戦略本部長 |
125 |
12,500 |
125 |
|
赤川 琢志 |
常務取締役 統括支援本部長 |
32 |
3,200 |
32 |
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太田 善邦 |
常勤監査役 |
125 |
12,500 |
125 |
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計 |
- |
861 |
86,100 |
861 |
(注) 役職名、所有個数、株式に換算した数及び株式に換算した議決権の数は、本書提出日現在のものです。
上記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、2023年6月28日開催の第47回定時株主総会における承認に基づき本対応策を更新しておりますが、本取引の実施は当社の企業価値向上に資するものであると判断したことから、2025年6月9日開催の取締役会において、本公開買付けに対して本対応策を適用せず、対抗措置を発動しないことを決議いたしました。
該当事項はありません。
以 上