第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、以下のとおり経営理念、行動理念や長期ビジョンを掲げ、社会や株主を含むステークホルダーの期待に応え、選ばれ続ける企業となることを目指しております。

 

<経営理念>

わくわく感を大切にするRS

 進化・発展を追求する組織を支援し、相互理解と信頼にもとづく調和のとれた社会を実現します。

わくわく感を大切にするRSは

 様々な情報のやり取りに関するあらゆるしくみによって、より良いリレーションを創造します。

※RS:両毛システムズ

 

<行動理念>

 ・お客さまの笑顔を創造しよう

 ・今日とは違う明日を創造しよう

 ・新たな期待を創造しよう

 

<長期ビジョン>

当社グループは、将来のありたい姿としてビジョン(RSビジョン)を掲げ、「真の情報サービス企業」となることを目指しております。

 

 

 


 

 

<中期経営方針>

当社グループは、ビジョン実現に向けた10次中期経営計画(2023~2027年度)を策定し、「グループの総合力を高め、社会課題の解決に取り組み、お客さまと共に成長する」ことを経営方針とし、取り組んでおります。

 

<10次中期経営方針>

グループの総合力を高め、社会課題の解決に取り組み、お客さまと共に成長する

~「スピード」「変革」「新価値創造」~

強化・拡大

■既存ソリューションを強化・拡大する

■安定した事業基盤を築く

変革・成長

■ITエンジニアリングを磨き、価値を提供する

■公共ビジネスモデルを変革する

■データ活用を推進し、新価値を創造する

構造改革

■人的資本を高める

■体質を改善する

■パートナー戦略を推進する

 

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは、連結営業利益額を経営の最重要指標と考えております。

 

(3) 経営環境及び会社の対処すべき課題

当社グループを取り巻く環境は、老朽化が懸念されるITシステムの刷新、コスト削減や利便性向上に向けたシステムのクラウド化等のニーズの高まりを背景とした積極的なIT投資が継続されるものと見受けられます。また、行政サービスのデジタル化に向けた動きでは、政府が進める地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化への取り組みの進展が見受けられます。

また、当社グループでは、既存ソリューションの強化、品質及び生産性向上に取り組み、お客さまとの信頼関係を強化できたことにより、大規模かつ高度なSI案件につなげることができましたが、人材面では、IT需要の高まりを背景に、技術者が不足するなか、成長に向けた人材確保やクラウドサービスなどのインフラ技術者やDXに必要な技術者の育成が急務となっております。

このような状況のなか、当社グループは、新価値の創造と顧客価値の最大化を目指す経営を推進し、当社グループビジョンの実現を目指してまいります。そして、10次中期経営方針を受け、「強化・拡大」、「変革・成長」、「構造改革」に取り組み、10次中期経営計画達成を目指してまいります。

 

① 研究機能の充実

急速に高度化する技術を取り入れ、既存事業の深化、情報創造ソリューションの創造を図るため、研究機能を充実いたします。

 

② データセンタービジネスの強化

ICTシステムは「所有から利用」へと使用環境が変化し、クラウドサービス利用は拡大しております。サイバー攻撃などの脅威や自然災害に伴うリスクへの対応等、事業継続に関わるソリューションサービスの需要も高まっております。当社グループは、安全なデータセンターを活用して、多様なサービスメニューを、すべてのお客さまに、ワンストップで提供できるようデータセンタービジネスの強化を図ってまいります。

 

 

③ 製品・サービスの品質向上

今後も安定した製品・サービスを提供し続けるために、品質マネジメントシステムの継続的な改善を通して、品質向上に努めてまいります。

 

④ 標準化の推進による生産性向上

ICTシステムの進化により、求められる開発技術や専門知識もより高度化、複雑化いたします。業務プロセスや開発プロセスの標準化を推進し、生産性向上を図ってまいります。

 

⑤ セキュリティソリューションサービスの充実

ネットワーク社会の進化とともに、外部からの侵入防止、内部からの情報漏えい対策など、セキュリティ対策が経営上の重要な課題となっております。当社はセキュリティ対策の様々な経験を活かし、ネットワークを安全かつ効率的に維持するソリューションサービスの充実を図ってまいります。

 

⑥ 人材の確保・育成

新技術の実用化を契機として、ICTインフラは急速に進化するものと予測されています。このような状況のなか、当社グループの成長には、高度な技術者の確保・育成が最重要課題と考え、多様な技術者の確保・育成を推進いたします。

 

⑦  魅力ある職場づくり

社員一人ひとりが豊かで充実した人生を送れるよう、長期にわたり働ける職場をつくることが重要であるとの考え方から、心身の健康の維持・向上だけでなく、働きやすい、働きがいのある職場環境と仕組みづくりを推進いたします。

 

⑧ コンプライアンスの強化

コーポレートガバナンス・コードへの対応等、企業経営の透明性に関する社会的な要請が高まっております。当社グループでは、コーポレート・ガバナンス、内部統制システム及び情報セキュリティ対策等の充実を図り、経営理念及び倫理規範の浸透活動、コンプライアンス教育や情報セキュリティ教育などにより、コンプライアンス強化を進めてまいります。

 

⑨ SDGsへの取り組み

私たちを取り巻く環境は、気候変動問題、人権問題などグローバリゼーションが進むなかで地球規模の社会・環境課題が顕在化し、世界的にこれらの解決に取り組む意識が高まっています。当社グループでは、ICTソリューションを通じて、お客さまの経営課題解決に取り組むとともに、社会課題の解決に努めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティに関する考え方

近年、私たちを取り巻く環境は、気候変動問題、人権問題などグローバリゼーションが進むなかで地球規模の社会・環境課題が顕在化し、世界的にこれらの解決に取り組む意識が高まっております。当社は、1970年1月に地域の受託計算センターとしてスタートし、ICTの発展とともに、当社グループ企業理念のもと、これまで一貫して地域貢献とお客さまの経営課題解決に取り組み、相互理解と信頼にもとづく、調和のとれた社会の実現を目指してまいりました。

当社グループは、これからも、よりよい未来に向けて社会・地球の持続可能な発展に貢献する取り組みを進め、ICTソリューションを通じて、社会課題の解決に取り組み、地域や社会の進化・発展に貢献してまいります。

なお、当社グループは、ITソリューションの提供を生業としており、環境負荷の高い事業は行っておりませんので、現時点では、当社グループの事業活動が気候変動に重大な影響を与えるものとは認識しておりませんが、環境マネジメント活動を通じて、省エネルギー、省資源、廃棄物の削減等の取り組みによって環境負荷低減に努めております。

 

(2) サステナビリティに関する取り組み

当社グループのサステナビリティに関する取り組みは、次のとおりであります。

取り組む課題

基本方針

2030年目標

気候変動への対応

ソリューション提供を通じて、環境負荷低減に取り組み、脱炭素社会の実現に貢献します

・RSのDC利用
「新規展開:500社」
・DXソリューション
「提供数:1,000」

安全・安心な
デジタル社会の実現

サイバーセキュリティ対策ソリューションや災害に強いインフラ構築を通じて、大切な情報資産を守り、安定運用を確保することで安全・安心なデジタル社会の実現に貢献します

・セキュリティサービス
「展開:500社」

働き方改革

既存のお客さまを大切に、新たな働き方で新価値創造と持続的な成長を実現します

・人を活かす

 新たなしくみの取組み

ダイバーシティ推進

多様性を尊重し、全ての社員が心身の健康を保ち、働く場所や時間、従事する業務内容などの制約に関わらず個々の能力を最大限に発揮し続けられる雇用環境を整備します

地域活性化

地域や社会を取り巻く様々な課題解決に向け、地域の皆さまに寄り添って持続可能なまちづくりを支援します

・地域活動参加

・新事業の創出

公正な事業活動の推進

CSRを実践するための行動規範である「私たちの守るべき行動」の実践を通じて、社会の期待に応え、信頼され続ける企業を目指します

・経営理念浸透
・倫理規範浸透

 

 

 

(3) ガバナンス

当社グループは、サステナビリティに関する重要な経営判断を取締役会で決定しております。また、サステナビリティに関する方針の策定や取り組み課題の選定など重要事項は、取締役会から委任された経営に関する重要事項の協議、決定を行う常務会において協議等を行い、取締役会へ適宜報告しております。環境に関する取り組みについては、環境マネジメントシステムであるISO14001認証を取得し、プロセスによる統制管理を行っております。人的資本に関する重要事項については、常務会や人事会議にて協議等を行い、必要に応じて取締役会へ報告しております。

 

(4) リスク管理

当社グループは、サステナビリティに関するリスク管理について、代表取締役社長が議長を務める常務会、関係会社経営会議を通じて、当社グループにおいて発生し得る損失の危険に対応するための取り組みの検討や具体的な指示を、当社グループ内へ展開しております。

 

(5) 人材戦略ならびに指標及び目標

当社は、中長期的に企業価値を向上させ、持続的に成長するために、その原動力となる人材の多様な視点や価値観を尊重し、能力を最大化することが重要と考え、人材の育成と社内環境の整備及び多様な人材の確保を進めてまいります。

当社の人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりであります。

 

①人材の育成に関する方針

当社は、ビジョン実現に向け、お客さまの期待を超える価値を創造するため、多様な人材を確保し、高度な技術者を育成します。そのために、スキルに応じた各種教育を行い、その実践経験を積み、能力を高め、また、目標管理制度(評価とフィードバック)により社員の成長意欲の醸成を図り、自律的かつ持続的な成長を支援してまいります。

 

②社内環境整備に関する方針

当社は、「(2)サステナビリティに関する取り組み」のダイバーシティ推進により、安心して働き続けることのできる働きやすい職場環境を整備するとともに、社員一人ひとりが互いの多様な価値観を認め合い、能力を十分に発揮できる働きがいのある組織づくりに努めます。

 

 

指標

実績(前事業年度)

実績(当事業年度)

目標値(2030年度

正規社員における女性社員比率

24.3%

25.3

30.0

管理職に占める女性労働者の割合

6.4%

6.8

10.0

男性労働者の育児休業取得率

86.7%

90.0

100.0

年次有給休暇の取得日数

16.6日

15.9

17.0

 

 

当社及び国内子会社では、上記方針について関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われておりますが、連結グループに属する全ての会社では行われていないため連結グループにおける記載が困難であります。このため、上記の指標に関する目標は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重大な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

なお、将来に関する事項の記載につきましては、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) プロジェクト管理に関するリスク

当社グループの主力事業の一つであるソフトウェア開発・システム販売分野の商談プロジェクトは、お客さまからの信頼獲得、事業収益を確保する上で、品質(Q)・コスト(C)・納期(D)を厳守することが最重要事項であると認識しております。さらに、昨今、システムの高度化・大型化を背景にプロジェクトマネジメントの質的な向上が不可欠であると認識しております。このようなことから、当社グループが特に重要と判断したプロジェクトについては、通常のプロジェクトマネジメントのほか、全社横断的にプロジェクトをモニタリングしながら、必要に応じて経営資源を再配分してQCDの厳守に努めております。

しかしながら、想定外の事態の発生等により、開発プロジェクトの遅延、中断による採算悪化を招き、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク

当社グループは、お客さまに安心して製品・サービスをご利用いただくために、ソフトウェア開発プロセスの各工程及び運用サービスなど業務の手順に対する標準化、品質管理強化を進め、製品・サービスの品質向上に努めております。

しかしながら、想定外の事態の発生等により、計画通りの品質を確保できない場合、製品補修、リカバリ作業、お客さまへの補償、機会損失等が発生し、当社グループの社会的信用の低下や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 人材の確保・育成に関するリスク

当社グループは、お客さまに選ばれる製品・サービス及びソリューションを提供し続けるため、優秀な従業員の確保・定着を図ることが重要となります。

このため、当社グループでは、専門的な知識や高度なスキルを有する人材の採用や育成に注力しております。

また、福利厚生の充実、職場環境の整備を通して働きやすい環境の向上に努めております。

しかしながら、優秀な人材が多数離職したり、新規に採用することができなかった場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 情報セキュリティに関するリスク

サイバー攻撃等による情報漏えい・消失等の脅威は年々複雑化・巧妙化し、セキュリティ技術の高度化も引き続き求められております。当社グループは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)やPMS(個人情報保護マネジメントシステム)認証を取得し、プロセスによる統制管理や情報セキュリティ会議での情報セキュリティリスクへの対応、CSIRT(シーサート)活動による当社グループ内の情報セキュリティインシデントへの対応など、情報セキュリティに関する取り組みを行っております。

しかしながら、サイバー攻撃等による情報漏えい、改ざんなどが発生した場合、当社グループの社会的信用の低下や事後対応、損害賠償など多額の費用の発生により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) コンプライアンスに関するリスク

当社グループは、コーポレート・ガバナンス、内部統制システム及び情報セキュリティ対策等の強化を進め、また、経営理念及び倫理規範の浸透活動、情報セキュリティ教育などにより、コンプライアンス強化を進め、役員、従業員の不正行為や不法行為の発生を未然に防ぐ取り組みを継続して行なっております。

しかしながら、悪意または重大な過失により損失が発生する可能性や、社会に対する迷惑行為により、当社グループの信用を失墜させ、お客さまとの取引が継続できなくなった場合、当社グループの社会的信用の低下や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 新価値創造に関するリスク

当社グループは、デジタル技術を活用して、お客さまの経営課題解決に最適なソリューションを提供しております。デジタル技術革新によりデジタルを前提とした社会が構築される中、お客さまに新たな価値を提供することが求められており、10次中期経営計画では戦略課題として情報創造ソリューションの展開を推進しております。

しかしながら、新たな価値を提案できる情報創造ソリューションが生み出せなかった場合は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当社及び連結子会社(以下、「当社グループ」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資には引き続き持ち直しの動きがみられ、企業収益も総じて改善されるなど、緩やかな回復基調が見受けられました。しかしながら、円安を背景とした原材料やエネルギー価格をはじめとした諸物価の上昇、不安定な国際情勢、地政学リスクへの警戒など、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。

情報サービス産業におきましては、老朽化が懸念されるITシステムの刷新、コスト削減や利便性向上に向けたシステムのクラウド化等のニーズの高まりを背景に、積極的なIT投資が見受けられました。また、行政サービスのデジタル化に向けて、政府が進める地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化への取り組みが進展し、一部の自治体で標準準拠システムへの移行が開始されました。

このような状況のなか、当社グループでは、10次中期経営計画(2023~2027年度)の2年目を迎え、「グループの総合力を高め、社会課題の解決に取り組み、お客さまと共に成長する」という方針のもと、「スピード」「変革」「新価値創造」をキーワードとして、「強化・拡大」、「変革・成長」、「構造改革」の3つの重点施策に取り組み、受注拡大、製品・サービス強化、ならびに収益構造の改善を推進してまいりました。

「強化・拡大」では、公共事業セグメント、社会・産業事業セグメントともに堅調に推移し、売り上げ、利益に貢献いたしました。具体的には、地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化対応として、標準準拠システムに移行するためのプロジェクト体制を整備し、一部の自治体でシステムが稼働いたしました。また、ガス事業者向け「GIOS®(ジーオス)」のシステム拡販によって、市場シェアを拡大するなど、既存事業の深化を推進し、事業基盤の安定化に取り組んでまいりました。

「変革・成長」では、新たな技術や市場ニーズに対応するため、技術者の確保と育成に取り組み、車載系組込ソフトウェア開発支援業務や製造業向けAMOサービス※1などのITエンジニアリングサービスの拡大につなげました。また、データを活用した新価値創造の取り組みでは、テレメータリングサービスの展開に加え、電力スマートメーター通信網を活用した水道使用量の自動検針及びデータ利活用に関する共同実証実験に、継続して参画してまいりました。

「構造改革」では、両毛システムズデータセンター(以下、RSDC)を2024年4月に稼働したこと等により、減価償却費が増加いたしましたが、データセンターを活用したクラウドサービスの推進等の取り組みにより、収益が平準化され、安定した収益確保に貢献いたしました。また、人を活かすしくみづくりの一環として、既存のお客さまを大切に、新たな働き方で新価値創造と持続的な成長を実現するための整備に努めてまいりました。

その結果、売上高は22,486,427千円(前期比23.8%増)、営業利益は2,179,484千円(前期比17.8%増)、経常利益は2,145,414千円(前期比15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,569,534千円(前期比66.1%増)となりました。

なお、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比 66.1%増となった主な要因は、2024年3月期に訴訟に関する特別損失として訴訟損失引当金繰入額(566,458千円)を計上いたしましたが、2025年3月18日付「当社に対する訴訟の和解に関するお知らせ」に記載のとおり、2025年3月17日付で和解が成立し、本和解に伴う支払額との差額を特別利益として計上したこと等によるものであります。

当社グループは連結営業利益額を経営の最重要指標と考えております。

 

※1 AMO(Application Management Outsourcing)サービス :お客さまの業務システムを企画・設計から運用・保守までのシステムライフサイクルを通してサポートするサービス

 

セグメントごとの業績は、以下のとおりです。

 

(公共事業セグメント)

公共事業セグメントは、政府が進める地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化対応、戸籍システムの法改正対応や警察向けのシステム等によりソフトウェア開発・システム販売が堅調に推移したほか、大型リプレース案件によりシステム機器・プロダクト関連販売が好調に推移いたしました。また、クラウドサービスやグループの総合力を活かしたアウトソーシング・サービスにより情報処理サービスも堅調に推移したこと等が売り上げ、利益に貢献いたしました。

その結果、売上高は12,454,243千円(前期比38.9%増)、セグメント利益は2,086,706千円(前期比25.1%増)となりました。

 

(社会・産業事業セグメント)

社会・産業事業セグメントは、車載系組込ソフトウェア開発支援業務や製造業向けAMOサービスなどのITエンジニアリングサービス、ガス事業者向け「GIOS®(ジーオス)」のシステム販売等により、ソフトウェア開発・システム販売が堅調に推移いたしました。また、RSDCの減価償却費の増加はありましたが、売上高の増収に加え生産性向上の取り組み等により利益を確保いたしました。

その結果、売上高は10,032,184千円(前期比9.0%増)、セグメント利益は2,086,607千円(前期比0.9%減)となりました。

 

(2) 財政状態

(資産、負債、純資産)

当連結会計年度末における資産合計は24,735,870千円(前連結会計年度末21,840,198千円)となり、2,895,671千円増加しました。流動資産は3,241,082千円増加し、13,783,684千円となりました。固定資産は345,410千円減少し、10,952,185千円となりました。

流動資産の増加要因は、リース投資資産が1,727,998千円、現金及び預金が594,003千円、契約資産が552,374千円、売掛金が539,789千円それぞれ増加したこと等によるものです。固定資産の減少要因は、減価償却費の計上等により有形固定資産が621,218千円減少したこと等によるものです。

当連結会計年度末における負債合計は11,105,759千円(前連結会計年度末9,548,552千円)となり、1,557,207千円増加しました。流動負債は2,428,834千円減少し、5,700,785千円となりました。固定負債は3,986,042千円増加し、5,404,973千円となりました。

流動負債の減少要因は、未払金が713,715千円増加しましたが、1年内返済予定の長期借入金が3,000,000千円減少したこと等によるものです。固定負債の増加要因は、リース債務が2,213,772千円、長期借入金が1,500,000千円それぞれ増加したこと等によるものです。

当連結会計年度末における純資産合計は13,630,110千円(前連結会計年度末12,291,646千円)となり、1,338,464千円増加しました。純資産の増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が1,429,588千円増加したこと等によるものです。

 

(公共事業セグメント)

公共事業セグメントの資産は、10,761,429千円(前連結会計年度末5,633,456千円)となり5,127,973千円増加しました。この主な要因は、リース投資資産の増加等によるものです。

 

(社会・産業事業セグメント)

社会・産業事業セグメントの資産は、6,666,065千円(前連結会計年度末5,777,832千円)となり888,233千円増加しました。この主な要因は、リース資産の増加等によるものです。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ594,002千円増加し、4,114,639千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、2,209,488千円(前期は737,413千円)となりました。この主な要因は、売上債権の増加額817,459千円、訴訟損失引当金の減少額566,458千円の資金の減少等はありましたが、税金等調整前当期純利益2,224,065千円、減価償却費915,252千円、無形固定資産償却費402,279千円の計上等の資金の増加があったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、768,346千円(前期は3,419,940千円)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出541,341千円の資金の減少があったこと等によるものです。

 

営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローをあわせたフリー・キャッシュ・フローは1,441,142千円の増加(前期は2,682,527千円の減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、842,066千円(前期は1,663,011千円の収入)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入2,000,000千円の資金の増加はありましたが、長期借入金の返済による支出3,500,000千円の資金の減少があったこと等によるものです。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的としての資金需要は、設備投資、ソフトウェア開発投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は6,483,804千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,114,639千円となっております。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

 

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

公共事業

9,752,213

137.0

社会・産業事業

7,850,542

118.1

17,602,755

127.9

 

 

(2) 受注状況

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

公共事業

12,000,726

130.4

1,267,785

73.7

社会・産業事業

10,417,459

116.2

1,950,619

124.6

22,418,185

123.4

3,218,404

97.9

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

公共事業

12,454,243

138.9

社会・産業事業

10,032,184

109.0

22,486,427

123.8

 

(注)1. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の
とおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

本田技研工業㈱

2,293,250

12.6

2,416,964

10.7

 

 2. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が
10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

 

(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、経営理念に基づき、「RSビジョン」の実現に向けて、持続可能な成長及び10次中期経営計画達成を目指し、ICTソリューションを通じて社会課題の解決に取り組み、地域や社会の進化・発展に貢献することをテーマとして研究開発活動を進めております。

当連結会計年度における、研究開発費の総額は、65,075千円であり、主な研究開発は次のとおりであります。

 

(1)DX(デジタル・トランスフォーメーション)に関する研究開発

様々な情報通信インフラを活用したIoTの進化を背景としたICTの裾野の拡がりや生成系AI(人工知能)、クラウドサービスなどの高度化する技術を取り入れ、既存事業の深化、情報創造ソリューションの創出を目指し、仮説立案・検証、要素技術に関する研究、プロトタイプの開発及び人材育成に取り組んでおります。

 

(2)次世代モビリティに関する研究開発(社会・産業事業セグメント)

人の暮らしに快適な移動手段を提供するモビリティや物流分野におけるモビリティに関する環境技術、自動運転技術、自律走行技術の研究、検証、プロトタイプの開発及び人材育成に取り組んでおります。

群馬大学との産学連携による共同研究、MBD推進センターへの参画などを通して、自動運転を含めた制御システムの技術を経験したエンジニアの育成を図りながら、次世代モビリティ社会の実現と地域への貢献を目指しております。

※MBD推進センター:2015年度より経済産業省主導で「自動車産業におけるモデル利用のあり方に関する研究会」として活動し、とりまとめてきた「SURIAWASE2.0の深化」 -自動車産業におけるモデルベース開発 の産学官共同戦略的プロジェクト の方針-を民間主体で継承し、全体最適で高度なモノづくりを、手戻りなく高効率で行える、モビリティ社会の最先端の開発コミュニティの実現を目的として設立。

 

(3)デジタル社会実現に向けた研究開発

情報を利活用して豊かで暮らしやすいまちづくり及び生産性の高いものづくりを支援するソリューションビジネスの創出を目指し、仮説立案・検証、要素技術に関する研究、プロトタイプの開発及び人材育成に取り組んでおります。