第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、高度で良質なコンテンツの制作・提供を通じて幅広い方々に夢と感動をお届けすることを基本方針とし、「最高の「物語」を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献する。」を企業理念として掲げております。また、会社を持続的に成長・発展させ、株主の皆様に報いるため、顧客ニーズと事業環境の変化に即応する柔軟性と効率性を重視した経営の推進により、利益の最大化を図るべく努めてまいります。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、高度で良質なコンテンツ及びサービスの提供を通じて、収益性を維持しつつ中長期的な成長を実現していくことを目指しております。現在、ITや通信環境の発展・普及により、多機能高性能端末とネットワークによって提供されるデジタルエンタテインメントに対する顧客ニーズが高まるとともに、コンテンツの提供形態やビジネスモデルが多様化しています。一方で、ライブエンタテインメントに対するニーズが高まるなど、ユーザーの嗜好やコンテンツ消費のあり方自体に大きな変化が生じています。さらに、事業対象地域も、日本、欧米、東アジア等の既存主要市場に加え、中南米、中近東、南アジアなどに拡大しております。当社グループは、これらの環境変化を成長の好機と捉えて適時・柔軟に即応し、新しい時代のエンタテインメントを切り拓いてまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、利益を伴った収益性に裏付けられた成長を実現することが重要な経営課題と認識しております。当社グループは、売上高3,000~4,000億円、営業利益400~500億円を安定的に達成できる事業構造の確立を当面の経営目標としております。

 

(4) 経営環境

家庭用ゲーム機向けソフト市場では、欧米市場における競争激化・上位集中が進む一方、新ゲーム・プラットフォームや人工/拡張現実(VR/AR)の登場などにより、新たな市場拡大が期待されています。また、「デジタル」と呼ばれるゲーム本編のダウンロード販売や追加コンテンツの提供が急速に普及し、家庭用ゲーム機向けソフト市場の流通形態が変化しつつあります。さらに、ストリーミングがゲームの提供にも拡がろうとしています。

スマートデバイス向けゲーム市場は、スマートフォンの性能向上により、より豊かなゲーム体験に対する顧客ニーズが高まり、ゲーム設計やビジネスモデルが多様化しています。市場規模も、欧米・アジア地域の伸長が牽引して、世界的に拡大を続けています。

アミューズメント市場は、国内のゲーム施設売上高が安定的に推移しております。「eスポーツ」と呼ばれる対戦ゲームイベントの興隆に伴い、アーケードゲームに対する関心が高まりつつあり、ライブエンタテインメントを軸とした新たな事業機会の可能性が拡がっております。

出版市場は、従来の紙媒体の売上高が減少する一方で、電子書籍の売上高が順調に伸長しています。また、アニメーション化、映画化、舞台作品化等のマンガ・コンテンツの二次利用による収益機会も拡大しております。

ライツ・プロパティ市場は、ユーザーの嗜好の多様化に合わせて幅広い商品・サービスを多様なチャネルで展開できるようになってきております。当社は、キャラクターグッズやゲーム音楽などの二次的著作物の提供に加えて、既存IP(知的財産)をアニメーション、舞台作品、音楽出版などへ多面的重層的に展開することによって、ユーザーの多様なニーズに応えることで、継続安定収益の確保に努めてまいります。

上記の通り、当社グループを取り巻く経営環境は、様々な分野において構造的な変化が世界的規模で進行しており、それらを適時的確に把握して迅速かつ柔軟に対応していくことが求められております。

 

(5) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

中長期的な会社の経営戦略を実現するため、新興市場開拓を中心とした国際的な事業展開、多様な顧客ニーズに合致したエンタテインメント・コンテンツ/サービスの提供、それらに対応する人材の育成・獲得等が当社グループの対処すべき重要な課題であります。

 

(6) ESGへの取り組み

当社はESG(環境保護・社会的責任・企業統治)への取り組みを通じて社会に貢献し、企業価値の向上と持続的成長の実現を目指しています。

環境保護への取り組みとして、当社はパッケージゲームのダウンロード販売を促進することにより、パッケージ商品の物流に伴う排出ガスの削減、マニュアルやゲームパッケージの電子化による資源の節約などに取り組んでおります。さらに、パッケージ商品においても、リサイクル可能な素材を使用するなど、環境への負荷を最小限に留める事業活動に努めております。

社会的責任への取り組みとして、当社は、お客様が安心して遊べるように、国内外で販売される家庭用ゲームソフトについて、各販売国・地域のレーティング制度を遵守しています。日本でのレーティング制度は、特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(略称CERO)が実施し、ゲームの表現内容に基づいて対象年齢を表示しております。また、当社は、当社が加盟する業界団体である一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が制定した「ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン」を遵守し、有料ガチャ(金銭もしくは金銭で購入できる仮想通貨を直接の対価として行うことができるランダム型アイテム提供方式)で提供されるアイテムについて、全てのアイテムとそれらの提供割合を表示することによって、お客様の購入判断に役立てていだだいております。このように、当社は法令や業界ガイドラインを遵守して、お客様により安心・安全なゲームプレイ環境とサービスを提供しております。

企業統治については、株主のみなさまを始め、当社を取り巻く全てのステークホルダーの利益を尊重し、良好な関係性を維持することが当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値最大化の実現に必要不可欠と考えています。当社は、企業統治の一層の強化を目的として、監査等委員会設置会社制度を採用しております。社外取締役のみで構成する監査等委員会を設置することにより監視機能を強め、経営の健全性の維持を図っております。さらに、経営と執行の分離を明確にするため、業務執行を代表取締役に集約しており、「職務権限・業務分掌規程」に定める客観的基準のもとに、会社経営方針を決定する取締役会と業務執行に係る個別の意思決定を行う経営陣を明確に区分しております。これにより、経営判断の適正化と業務執行の効率化の両立を図っております。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績に影響を与える可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経済環境の変化

 消費者の需要を減退させるような経済情勢の著しい低迷は、当社グループの扱っているエンタテインメント分野における商品・サービスの消費を減退させる恐れがあり、これによって当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(2)エンタテインメント市場における顧客嗜好の変化、技術革新の急速な進展等に対する当社の対応能力

 「中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」に記載した課題に当社グループが適時的確に対応できない場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(3)プラットフォームの変化及び対応

 当社グループの主にデジタルエンタテインメント事業は、家庭用ゲーム機、スマートフォン、PC・クラウドゲーム等のいわゆるプラットフォームの多様化、高機能化、世代交代等に伴い、コンテンツの提供形態やビジネスモデルが大きく変化し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(4)新しいコンテンツ・サービスの創造や海外展開を核とする当社の成長戦略を担う人材の確保

 当社グループの事業環境は大きく変わりつつあります。このような環境変化に当社グループの適時的確な人材の確保が追いつかない場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(5)国際的事業展開

 当社グループは、国際的な事業展開を進めておりますが、当社グループが海外事業を展開している国における市場動向、政治・経済、法律・規制、社会情勢、その他の要因によって、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(6)情報・ネットワークシステム

 当社グループでは業務運営に必要な情報・ネットワークシステムを適切に構築・運用管理しておりますが、システム障害、運用ミスなどにより、業務運営に支障をきたし、機会損失や追加的費用が発生する可能性があります。
また、当社グループでは、情報・ネットワークシステムへのサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウィルス感染などの所謂セキュリティ・インシデントに対する堅固な予防・防御策を導入・構築しておりますが、万一、かかる対策によっても防止し得ないセキュリティ・インシデントが発生した場合、業務運営に支障をきたし、機会損失や追加的費用が発生する可能性があるだけでなく、当社グループの顧客及び従業員の個人情報を含む営業秘密が社外へ漏洩し、追加的費用の発生や当社グループの社会的信用の低下を招くおそれがあります。

 

(7)個人情報の管理

 個人情報保護法やEU一般データ保護規則の施行に伴い、個人情報の厳重な社内管理体制を整備するとともに、役員・社員に対する個人情報保護に係る教育も随時実施しております。しかし、上記(6)で述べたようなセキュリティ・インシデントの結果、個人情報が社外へ漏洩した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(8)為替リスク

 当社グループは、北米・欧州・アジアに在外連結子会社を所有しております。当該子会社において獲得した現地通貨は、主として現地での決済に使用するほか、現地での投資に振り向けることから、実質的な為替リスクは軽減されております。しかしながら、外貨建ての在外連結子会社の売上、費用、資産等は、連結財務諸表の作成時に円換算するため、換算時の為替レートが予想を越えて大幅に変動した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(9)風俗営業法

 ゲーム施設運営事業は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」及びその関連法令により規制を受けております。その内容は、店舗開設及び運営に関する許認可、営業時間帯の制限、入場者の年齢制限、出店地域の規制、施設の構造・内装・照明・騒音等に関する規制などです。当社グループは、同法を遵守しつつ適正な店舗運営を行っておりますが、同法の規制が強化された場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(10)事故・災害

 当社グループは、地震その他の大規模自然災害、火災、停電、システム・ネットワーク障害、テロ、感染症の流行、その他の事故・災害による影響を最小化するために、定期的な災害防止検査、設備点検、防災訓練などの対策を行っておりますが、激甚な事故・災害が発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(11)訴訟等

 当社グループは、事業の遂進にあたり、法令遵守及び第三者の権利尊重を徹底しておりますが、国内外の事業展開に伴い、争訟の当事者となるリスクを不可避的に負っております。当社グループを相手取った訴訟などの法的手続きが提起された場合、当社グループに有利な条件で早期に解決する努力にも拘わらず、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

財政状態及び経営成績の状況

当社グループは、報告セグメントをデジタルエンタテインメント事業、アミューズメント事業、出版事業及びライツ・プロパティ等事業と定め、各々のセグメントにおいて、事業基盤の強化と収益力の向上に努めております。

当連結会計年度の業績は、売上高は271,048百万円(前期比8.2%増)、営業利益は24,531百万円(前期比35.7%減)、経常利益は28,312百万円(前期比21.6%減)となりました。

なお、当社完全子会社である株式会社Luminous Productionsについて、事業方針の抜本的見直しを行う決定をしました。これにより、主に同事業に係るコンテンツ制作勘定の処分等3,638百万円を特別損失として計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は18,463百万円(前期比28.5%減)となりました。

 

当連結会計年度の報告セグメント別の状況は次のとおりであります。

 

a .デジタルエンタテインメント事業

ゲームを中心とするデジタルエンタテインメント・コンテンツの企画、開発、販売及び運営を行っております。デジタルエンタテインメント・コンテンツは、顧客のライフスタイルにあわせて、家庭用ゲーム機 (携帯ゲーム機含む)、PC、スマートデバイス等、多様な利用環境に対応しています。

当事業における当連結会計年度の売上高は204,590百万円(前期比6.9%増)となり、営業利益は29,062百万円(前期比33.1%減)となりました。

家庭用ゲーム機向けタイトルにおいては、「KINGDOM HEARTS III」、「SHADOW OF THE TOMB RAIDER」、「JUST CAUSE 4」等の新作を発売したことから、前期比で増収となりました。一方で、新作タイトル投入に伴う各種費用の増加により、前期比で減益となりました。

スマートデバイス・PCブラウザ等をプラットフォームとしたコンテンツにおいては、前期及び上期にサービスを開始したタイトルの多くが当社の想定を下回り、既存有力タイトルの売上高に上乗せをするに至りませんでした。また、ライセンス収入の減少によって、前期比で減収減益となりました。

多人数参加型オンラインロールプレイングゲームにおいては、前期に「ファイナルファンタジーXIV」と「ドラゴンクエストX」の拡張パッケージの発売があった反動により、前期比で減収減益となりましたが、当連結会計年度の継続課金収入は好調を維持しております。

 

b .アミューズメント事業

アミューズメント施設の運営、並びにアミューズメント施設向けの業務用ゲーム機器・関連商製品の企画、開発及び販売を行っております。

当事業における当連結会計年度の売上高は46,243百万円(前期比10.8%増)となり、営業利益は1,958百万円(前期比18.5%減)となりました。

店舗運営が堅調に推移したことに加えて、アミューズメント機器の新作を発売したことにより、前期比で増収となりました。一方で、店舗での新機種導入に伴う償却費の増加等により、前期比で減益となりました。

 

c .出版事業

コミック雑誌、コミック単行本、ゲーム関連書籍等の出版、許諾等を行っております。

当事業における当連結会計年度の売上高は14,031百万円(前期比27.0%増)となり、営業利益は3,970百万円(前期比60.7%増)となりました。

コミック単行本は紙媒体での販売が前期と同じ水準だったものの、電子書籍形式での販売が大幅に増加いたしました。さらに、マンガアプリの「マンガUP!」が好調だったことから、前期比で増収増益となりました。

 

d .ライツ・プロパティ等事業

主として当社グループのコンテンツに関する二次的著作物の企画・制作・販売及びライセンス許諾を行っております。

当事業における当連結会計年度の売上高は7,397百万円(前期比2.3%減)となり、営業利益は932百万円(前期比50.6%減)となりました。

前期において有力コンテンツの新規キャラクターグッズ等の投入があった反動や、新規事業への展開を目的とした先行投資等によって、前期比で減収減益となりました。

 

当連結会計年度の財政状態の概要は次のとおりであります。

 

a .資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べて、6.4%増加し、229,888百万円となりました。これは主として受取手形及び売掛金が10,999百万円及びコンテンツ制作勘定が6,543百万円増加したこと、現金及び預金が7,316百万円減少したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて、10.0%増加し、47,968百万円となりました。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて、7.0%増加し、277,856百万円となりました。

b .負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べて、12.0%増加し、65,906百万円となりました。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて、16.1%増加し、8,719百万円となりました。

の結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて、12.5%増加し、74,626百万円となりました。

c .純資産

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、5.1%増加し、203,230百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益18,463百万円の計上、配当金の支払7,741百万円によるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ7,173百万円減少して、127,181百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

a .営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得られた資金は12,135百万円前期比60.4%)となりました。

  これは、税金等調整前当期純利益23,028百万円、仕入債務7,385百万円の増加、減価償却費6,801百万円、法人税等の支払額12,683百万円及び売上債権10,649百万円の増加等によるものであり、全体としては資金が増加しました。

b .投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は12,875百万円前期比57.2%増)となりました。

 これは主として、有形固定資産の取得による支出8,450百万円によるものであります。

c .財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は7,656百万円前期比49.9%)となりました。

 これは主として、配当金の支払額7,735百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a .生産実績

当社グループの生産は同種の商製品であっても一様でないため、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 

b .仕入実績

仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日)

前期比(%)

デジタルエンタテインメント事業(百万円)

18,735

35.3

アミューズメント事業(百万円)

14,231

18.3

出版事業(百万円)

2,113

0.9

ライツ・プロパティ等事業(百万円)

3,141

△6.1

合計(百万円)

38,222

22.1

(注)上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

c .受注実績

当社グループは受注による生産は行っておりません。

 

d .販売実績

販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日)

前期比(%)

デジタルエンタテインメント事業(百万円)

204,572

6.9

アミューズメント事業(百万円)

46,066

10.4

出版事業(百万円)

14,000

27.3

ライツ・プロパティ等事業(百万円)

6,409

3.0

合計(百万円)

271,048

8.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものであります。

 

 ①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。

 

a .収益の認識基準

当社グループの売上高は、販売基準に基づき、通常、商製品が出荷された時点又はサービスが提供された時点において、ロイヤリティ収入についてはライセンシーからの計算報告書に基づいて、各々計上されております。ある特定のケースにおける売上計上基準の適用は、取引先との契約書の内容及び取扱商製品の種類に応じて決定しております。

 

b .貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒による損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、将来、取引先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

 

c .コンテンツ制作勘定

当社グループは、コンテンツ制作勘定の推定される将来需要及び市場状況に基づく時価の見積額が簿価を下回っていると判断した場合には評価減を行い、たな卸資産評価損を計上しております。また、実際の将来需要又は市場状況が経営者の見積りより悪化した場合は追加のたな卸資産評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

d .投資の減損

当社グループは、販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しております。これらには株式市場の価格変動リスクを負っている公開会社の株式及び株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれております。これら株式の連結会計年度末における時価が取得価額に比べ50%以上下落した場合には下落した価額の減損処理を行い、30%から50%程度下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。また、将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合は追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

e投資事業有限責任組合の運用損

当社グループは、保有するコンテンツをベンチャーの有する新技術と結合させ新しい事業を創出することを目的として、投資事業有限責任組合に出資しております。これについては、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な決算書を基礎として持分相当額を純額で取り込む方法により運用損益を計上しております。当該出資が対象とする未公開企業の事業が計画通りに進捗しない場合及び市場環境の変化等により期待した成果を上げることができず業績が悪化した場合には、追加の運用損の計上が必要となる可能性があります。

 

f .繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額を計上しております。将来の課税所得の見通しを含め慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に計上金額を上回る繰延税金資産を今後回収できると判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整により費用が減少します。

 

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

・「当連結会計年度の経営成績等」及び「セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況」に関する認識及び分析・検討内容

「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

・経営成績に重要な影響を与える要因

「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおり、当該事業リスクが発生した場合、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

 

 為替変動の影響

 当連結会計年度において主に円と米ドル及び英ポンドによる為替レートの変動の影響により3,459百万円の為替差益を計上しております。

 

・資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものには、デジタルエンタテインメント事業及びアミューズメント事業におけるソフトウェア制作に係る人件費及び外注開発費のほか、家庭用ゲームソフトのディスク製造費、アミューズメント事業のプライズ商材、出版事業の印刷物、ライツ・プロパティ等事業のグッズ等の商材、TVコマーシャル等の広告宣伝費があります。

当社グループでは、運転資金及び設備資金は主として内部資金及び借入により資金調達をしております。このうち、借入による資金調達は短期の運転資金に使用しております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債は9,032百万円であります。

また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は127,181百万円となっており、当社グループの事業を推進していく上で充分な流動性を確保しております。

 

・経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループが目標とする経営指標は、売上高3,000~4,000億円、営業利益400~500億円であります。令和3年3月期以降に安定的に達成できる事業構造の確立を当面の目標としております。

当連結会計年度の経営成績は売上高2,710億円、営業利益245億円となっており、令和3年3月期以降における目標の達成に向けた取り組みを強化しております。

目標達成に向けて、安定的な収益基盤の確立と新規IP向けの継続投資に取り組んでまいります。

 

(億円)

指標

第36期

第37期

第38期

第39期

第41期以降

 

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

平成31年3月期

令和3年3月期以降

売上高

2,141

2,568

2,503

2,710

3,000~4,000

営業利益

260

312

381

245

400~500

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、ゲーム開発プロセスの効率化・高品質化を目的とした研究開発、ゲーム開発に係る先端的技術の調査・研究を行っております。また、ゲームの新作タイトルの開発にあたっては、企画段階において様々な先端的技術を用いた試作を行っております。

当連結会計年度においては、デジタルエンタテインメント事業において2,008百万円の研究開発費を計上しております。