第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、高度で良質なコンテンツの制作・提供を通じて幅広い方々に夢と感動をお届けすることを基本方針とし、「最高の「物語」を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献する。」を企業理念として掲げております。また、会社を持続的に成長・発展させ、株主の皆様に報いるため、顧客ニーズと事業環境の変化に即応する柔軟性と効率性を重視した経営の推進により、利益の最大化を図るべく努めてまいります。

 

(2) 経営戦略等

 当社グループは、高度で良質なコンテンツ及びサービスの提供を通じて、収益性を維持しつつ中長期的な成長を実現していくことを目指しております。現在、ITや通信環境の発展・普及により、多機能高性能端末とネットワークによって提供されるデジタルエンタテインメントに対する顧客ニーズが高まるとともに、コンテンツの提供形態やビジネスモデルが多様化しています。一方で、ライブエンタテインメントに対するニーズが高まるなど、ユーザーの嗜好やコンテンツ消費のあり方自体に大きな変化が生じています。さらに、事業対象地域も、日本、欧米、東アジア等の既存主要市場に加え、中南米、中近東、南アジアなどに拡大しております。当社グループは、これらの環境変化を成長の好機と捉えて適時・柔軟に即応し、新しい時代のエンタテインメントを切り拓いてまいります。

 

(3) 経営環境

 家庭用ゲーム機向けソフト市場では、複数のストリーミングサービスが開始され、さらに家庭用ゲーム機の次世代機の発売が2020年に予定されていることから、市場の一層の拡大が期待されています。また、フリートゥプレイ、ゲーム内課金、サブスクリプションなどの課金形態が家庭用ゲーム機向けソフト市場においても拡がっており、ビジネスモデルが多様化しています。今後、5G(第5世代移動通信システム)のサービス開始がこれらの動きを加速し、本格的なクラウドゲーミングのプラットフォームが立ち上がることにより、新時代の到来が予想されています。

 スマートデバイス向けゲーム市場は、スマートフォンの性能向上により、より豊かなゲーム体験に対する顧客ニーズが高まり、ゲーム設計やビジネスモデルが多様化しています。市場規模も、欧米・アジア地域の伸長が牽引して、世界的に拡大を続けています。一方で、国内においては特定タイトルの上位固定化が目立つ一方で、アジア地域の企業が国内市場に参入したことによって競争がさらに激化し、新作タイトルのヒット率が低下しております。

 アミューズメント市場は、国内のゲーム施設売上高が安定的に推移しております。「eスポーツ」と呼ばれる対戦ゲームイベントの興隆に伴い、アーケードゲームに対する関心が高まりつつあり、ライブエンタテインメントを軸とした新たな事業機会の可能性が拡がっております。

 出版市場は、従来の紙媒体の売上高が減少する一方で、電子書籍の売上高が順調に伸長しています。また、アニメーション化、映画化、舞台作品化等のマンガ・コンテンツの二次利用による収益機会も拡大しております。

 ライツ・プロパティ市場は、ユーザーの嗜好の多様化に合わせて幅広い商品・サービスを多様なチャネルで展開できるようになってきております。当社グループは、キャラクターグッズやゲーム音楽などの二次的著作物の提供に加えて、既存IP(知的財産)をアニメーション、舞台作品、音楽出版などへ多面的重層的に展開することによって、ユーザーの多様なニーズに応えることで、継続安定収益の確保に努めてまいります。

 世界各地で感染が拡大している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関しては、生産・流通・消費活動の停滞による世界経済減速の流れが懸念されております。当社グループの事業領域においては、コンテンツに対する需要の減退、パッケージ製品の製造・流通過程への影響、アミューズメント施設運営の売上高減少などが生じる恐れがあります。その結果、当社グループへの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは顧客、取引先及び従業員の安全を第一に考え、当社グループが主催する各種イベントの中止又は延期、在宅勤務の導入等の施策により感染防止に努めるとともに、従前通りの事業継続を図るため、業務運営プロセスの見直しや情報システムの強化により在宅勤務を基本とした業務運営の努力を継続しております。

 上記の通り、当社グループを取り巻く経営環境は、様々な分野において構造的な変化が世界的規模で進行しており、それらを適時的確に把握して迅速かつ柔軟に対応していくことが求められております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、持続的な収益成長を実現するため、継続的な安定収益の拡大を優先的に対処すべき課題と位置付けております。デジタルエンタテインメントの産業構造が大きく変化する中、様々な顧客ニーズやコンテンツの提供形態に対応した新規コンテンツ開発・提供が求められ、相応の投資が必要となります。これまで、主に収益安定化の観点から、多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム(MMO)、スマートデバイス・PCブラウザ、アミューズメント事業、出版事業等において、継続課金収益の基盤を拡充してまいりました。今後、この取り組みを一層強化するとともに、他の事業にも拡大してまいります。安定収益基盤を確立することで大規模かつ革新的なコンテンツ開発への投資が可能となります。そのコンテンツから生まれた継続収益によって当社グループ全体の収益を拡大し、それにより持続的な収益成長を図ってまいります。

 また、当社グループは5Gの普及によって本格化が予想されるクラウドゲーミングへの対応を進めてまいります。ディストリビューション面においては、ストリーミングによって従来のディスク販売からデジタル販売へのシフトを加速させ、サブスクリプションモデルの採用といったビジネスモデルが変容する可能性があります。加えて、従来の家庭用ゲーム機が普及していない新興地域へのコンテンツ提供が可能になることでゲーム市場全体が成長する可能性があります。一方で、開発面においては、クラウド環境ならではのゲーム体験、クラウドネイティブなゲーム開発が求められます。当社グループは、これらの変化に柔軟に対応して今後の成長につなげられるよう取り組んでまいります。

 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高3,000~4,000億円、営業利益400~500億円であります。令和3年3月期以降に安定的に達成できる事業構造の確立を当面の目標としております。

 

(6) ESGへの取り組み

 当社はESG(環境保護・社会的責任・企業統治)への取り組みを通じて社会に貢献し、企業価値の向上と持続的成長の実現を目指しています。

 環境保護への取り組みとして、当社はパッケージゲームのダウンロード販売を促進することにより、パッケージ商品の物流に伴う排出ガスの削減、マニュアルやゲームパッケージの電子化による資源の節約などに取り組んでおります。さらに、パッケージ商品においても、リサイクル可能な素材を使用するなど、環境への負荷を最小限に留める事業活動に努めております。

 社会的責任への取り組みとして、当社は、お客様が安心して遊べるように、国内外で販売される家庭用ゲームソフトについて、各販売国・地域のレーティング制度を遵守しています。日本でのレーティング制度は、特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(略称CERO)が実施し、ゲームの表現内容に基づいて対象年齢を表示しております。また、当社は、当社が加盟する業界団体である一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が制定した「ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン」を遵守し、有料ガチャ(金銭もしくは金銭で購入できる仮想通貨を直接の対価として行うことができるランダム型アイテム提供方式)で提供されるアイテムについて、全てのアイテムとそれらの提供割合を表示することによって、お客様の購入判断に役立てていだだいております。このように、当社は法令や業界ガイドラインを遵守して、お客様により安心・安全なゲームプレイ環境とサービスを提供しております。

 企業統治については、株主のみなさまを始め、当社を取り巻く全てのステークホルダーの利益を尊重し、良好な関係性を維持することが当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値最大化の実現に必要不可欠と考えています。当社は、企業統治の一層の強化を目的として、監査等委員会設置会社制度を採用しております。社外取締役のみで構成する監査等委員会を設置することにより監視機能を強め、経営の健全性の維持を図っております。さらに、経営と執行の分離を明確にするため、業務執行を代表取締役に集約しており、「職務権限・業務分掌規程」に定める客観的基準のもとに、会社経営方針を決定する取締役会と業務執行に係る個別の意思決定を行う経営陣を明確に区分しております。これにより、経営判断の適正化と業務執行の効率化の両立を図っております。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)事業活動に関するリスク

 ①ゲーム開発費の高騰

 家庭用ゲーム機、PC、スマートフォン等、当社がゲームを提供するプラットフォームの高性能化・高機能化によって、コンテンツ体験が多様化・高度化しております。このような体験に対する顧客の期待は年々高まっており、それを満たすコンテンツ提供を行う必要があることから、ゲームの開発費は上昇傾向にあります。2020年後半には、家庭用ゲーム機の次世代機が発売予定であり、今後もゲーム開発費は高い水準を維持すると予想されています。当社グループは、タイトル毎の開発管理や収益管理を厳格化するとともに、広告宣伝・販売促進活動を積極的に行うことにより、開発費の適正水準の維持と売上規模の拡大に努めております。しかし、販売本数が当初の想定を下回り、開発費を十分回収できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、AAAタイトルと中小型タイトルの最適なプロダクトミックスによって、タイトルポートフォリオの充実とリスク分散を図っています。さらに、デジタルを中心としたリピート販売拡大、GaaS(Game as a Service)による追加収益機会の獲得などにより、継続的な収益基盤を拡充し、HDゲームの収益性改善に努めています。また、多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム(MMO)、スマートデバイス・PCブラウザ等、アミューズメント事業、及び出版事業において、継続課金収益の基盤を拡充することで、当社グループ事業全体の収益安定化に努めています。

 

 ②多様な顧客嗜好の変化、ビジネスモデルの多様化に対する当社の対応能力

 高速通信環境の普及・発展、ストリーミングなどのクラウド環境におけるコンテンツ提供などにより、コンテンツの提供形態やビジネスモデルが多様化し、デジタルエンタテインメントの産業構造が大きく変化しています。当社グループがそれらの変化に適時適格に対応できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、顧客の多様なニーズに対応するため、当社の既存IP(知的財産)をデジタルエンタテインメント事業、アミューズメント事業、出版事業及びライツ・プロパティ等事業のすべてに展開することはもちろん、ライブエンタテインメントやeコマースなどの新規事業分野にも応用することで、ユーザー層の拡大とユーザーエンゲージメントの向上による収益の最大化を図ってまいります。

 

 ③新しいコンテンツ・サービスの創造や海外展開を核とする当社の成長戦略を担う人材の確保

 当社グループを取り巻く事業環境は大きく変わりつつあります。このような環境変化に適時的確に対応するためには、優秀な人材の確保が不可欠となりますが、必要な人材の確保が追いつかない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす能性があります。

 当社グループは、優秀な人材を採用し、それぞれの能力を最大かつ最適な形で発揮できることが持続的な成長を実現する原動力と考え、魅力的な企業風土の醸成、競争力ある処遇条件の維持、公平公正な人事評価制度の運用などに努めています。

 

 ④国際的事業展開

 当社グループは、国際的な事業展開を進めておりますが、当社グループが海外事業を展開している国における市場動向、政治・経済、法律・規制、社会情勢、その他の要因によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)経済環境に関するリスク

 ①経済環境の変化

 消費者の需要を減退させるような経済情勢の著しい低迷は、当社グループの扱っているエンタテインメント分野における商品・サービスの消費を減退させる恐れがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ②為替リスク

 当社グループは、北米・欧州・アジアに在外連結子会社を所有しております。当該子会社において獲得した現地通貨は、主として現地での決済に使用するほか、現地での投資に振り向けることから、実質的な為替リスクは軽減されております。しかしながら、外貨建ての在外連結子会社の売上、費用、資産等は、連結財務諸表の作成時に円換算するため、換算時の為替レートが予想を越えて大幅に変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)法的規制・訴訟に関するリスク

 ①情報・ネットワークシステム

 当社グループでは事業推進及び業務運営に必要な情報・ネットワークシステムを適切に構築・運用管理しておりますが、システム障害、運用ミスなどにより、業務運営に支障をきたし、機会損失や追加的費用が発生する可能性があります。
 また、当社グループでは、情報・ネットワークシステムへのサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウィルス感染などの所謂セキュリティ・インシデントに対する堅固な予防・防御策を構築・運用管理しておりますが、万一、かかる対策によっても防止し得ないセキュリティ・インシデントが発生した場合、事業推進又は業務運営に支障をきたし、機会損失や追加的費用が発生する可能性があります。さらに、当社グループの顧客及び従業員の個人情報を含む営業秘密が社外へ漏洩し、追加的費用の発生や当社グループの社会的信用の低下を招くおそれがあります。

 

 ②個人情報の管理

 個人情報保護法やEU一般データ保護規則の施行に伴い、個人情報の厳重な社内管理体制を整備するとともに、役員・従業員に対する個人情報保護に係る教育訓練も随時実施しております。しかし、上記「①情報・ネットワークシステム」で述べたようなセキュリティ・インシデントの結果、個人情報が社外へ漏洩した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③風俗営業法

 ゲーム施設運営事業は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」及びその関連法令により規制を受けております。その内容は、店舗開設及び運営に関する許認可、営業時間帯の制限、入場者の年齢制限、出店地域の規制、施設の構造・内装・照明・騒音等に関する規制などです。当社グループは、同法を遵守しつつ適法適正な店舗運営を行っておりますが、同法の規制が強化された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④訴訟等

 当社グループは、法令遵守及び第三者の権利尊重を含む行動規範を制定し、役員及び従業員に周知徹底しておりますが、国内外の事業展開に伴い、争訟の当事者となるリスクを不可避的に負っております。当社グループを相手取った訴訟などの法的手続きが提起された場合、当社グループに有利な条件で早期に解決する努力にも拘わらず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)災害等に係るリスク

 ①事故・災害

 当社グループは、地震その他の大規模自然災害、火災、停電、システム・ネットワーク障害、テロ、感染症の流行、その他の事故・災害による影響を最小化するために、定期的な災害防止検査、設備点検、避難誘導体制の整備、適切な防災・避難訓練などの対策を行っておりますが、激甚な事故・災害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ②新型コロナウイルス感染拡大の影響

 世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、当社グループでは、顧客、取引先及び従業員の安全を第一に考え、当社グループが主催する各種イベントの中止又は延期、在宅勤務の導入等の施策により感染防止に努めるとともに、従前通りの事業継続を図るため、業務運営プロセスの見直しや情報システムの強化により、在宅勤務を基本とした業務運営の努力を継続しております。

 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大による影響で、生産・流通・消費活動の停滞による世界経済減速の流れが懸念されております。当社グループの事業領域においては、コンテンツに対する需要の減退、パッケージ製品の製造・流通過程への影響、アミューズメント施設運営の売上高減少などが生じる恐れがあります。その結果、当社グループへの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

財政状態及び経営成績の状況

当社グループは、報告セグメントをデジタルエンタテインメント事業、アミューズメント事業、出版事業、及びライツ・プロパティ等事業と定め、各々のセグメントにおいて、事業基盤の強化と収益力の向上に努めております。

当連結会計年度の業績は、売上高は260,527百万円(前期比4.0%減)、営業利益は32,759百万円(前期比33.0%増)、経常利益は32,095百万円(前期比12.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21,346百万円(前期比10.2%増)となりました。

 

当連結会計年度の報告セグメント別の状況は次のとおりであります。

 

a .デジタルエンタテインメント事業

ゲームを中心とするデジタルエンタテインメント・コンテンツの企画、開発、販売及び運営を行っております。デジタルエンタテインメント・コンテンツは、顧客のライフスタイルにあわせて、家庭用ゲーム機 (携帯ゲーム機含む)、PC、スマートデバイス等、多様な利用環境に対応しています。

当連結会計年度は、家庭用ゲーム機向けタイトルにおいて「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S」の発売や、令和2年4月に発売した「FINAL FANTASY VII REMAKE」の先行出荷分の計上があったものの、前期は複数の新規大型タイトルが発売されたため、その反動により前期比で減収となりました。また、前期に発売された大型タイトルのリピート販売が弱かったことや、コンテンツ制作勘定に係る評価減を計上したことなどから営業損失となりました。

スマートデバイス・PCブラウザ等をプラットフォームとしたコンテンツにおいては、「ロマンシング サガ リ・ユニバース」や令和元年9月より配信を開始した「ドラゴンクエストウォーク」の好調により、前期比で増収増益となりました。

多人数参加型オンラインロールプレイングゲームにおいては、「ファイナルファンタジーXIV」と「ドラゴンクエストX」の拡張パッケージ発売とそれに伴う月額課金会員数の増加により、前期比で増収増益となりました。

当事業における当連結会計年度の売上高は188,687百万円(前期比7.8%減)となり、営業利益は35,357百万円(前期比21.9%増)となりました。

 

b .アミューズメント事業

アミューズメント施設の運営、並びにアミューズメント施設向けの業務用ゲーム機器・関連商製品の企画、開発及び販売を行っております。

当連結会計年度は、店舗運営が堅調に推移したものの、アミューズメント機器の売上高が減少したことによって前期比で減収減益となりました。

当事業における当連結会計年度の売上高は45,673百万円(前期比1.2%減)となり、営業利益は1,480百万円(前期比24.4%減)となりました。

 

 

c .出版事業

コミック雑誌、コミック単行本、ゲーム関連書籍等の出版、許諾等を行っております。

当連結会計年度は、マンガアプリの「マンガUP!」や電子書籍等のデジタル媒体での販売が大幅に増加いたしました。また、紙媒体での販売も好調に推移し、前期比で増収増益となりました。

当事業における当連結会計年度の売上高は19,452百万円(前期比36.0%増)となり、営業利益は7,250百万円(前期比75.1%増)となりました。

 

d .ライツ・プロパティ等事業

主として当社グループのコンテンツに関する二次的著作物の企画・制作・販売及びライセンス許諾を行っております。

当連結会計年度は、自社コンテンツの新規キャラクターグッズ等の投入があったことから、前期比で増収増益となりました。

当事業における当連結会計年度の売上高は8,737百万円(前期比18.1%増)となり、営業利益は1,021百万円(前期比9.5%増)となりました。

 

当連結会計年度の財政状態の概要は次のとおりであります。

 

a .資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べて、6.9%増加し、250,896百万円となりました。これは主としてコンテンツ制作勘定が20,858百万円増加したこと、現金及び預金が6,018百万円減少したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて、8.2%増加し、51,737百万円となりました。これは主に有形固定資産が2,658百万円及び投資その他の資産が993百万円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて、7.1%増加し、302,634百万円となりました。

b .負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べて、2.8%増加し、69,344百万円となりました。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて、30.3%増加し、11,360百万円となりました。

の結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて、6.0%増加し、80,705百万円となりました。

c .純資産

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、7.5%増加し、221,928百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益21,346百万円の計上、配当金の支払5,602百万円によるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ5,870百万円減少して、121,311百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

a .営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得られた資金は18,005百万円前期比48.4%)となりました。

  これは主として、税金等調整前当期純利益30,793百万円、たな卸資産22,632百万円の増加、減価償却費7,417百万円によるものであり、全体としては資金が増加しました。

b .投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は10,039百万円前期比22.0%)となりました。

 これは主として、有形固定資産の取得による支出5,827百万円によるものであります。

c .財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は14,048百万円前期比83.5%)となりました。

 これは主として、短期借入金の返済による支出8,525百万円及び配当金の支払額5,599百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a .生産実績

当社グループの生産は同種の商製品であっても一様でないため、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 

b .仕入実績

仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成31年4月1日

至 令和2年3月31日)

前期比(%)

デジタルエンタテインメント事業(百万円)

8,001

△57.3%

アミューズメント事業(百万円)

12,523

△12.0%

出版事業(百万円)

2,359

11.6%

ライツ・プロパティ等事業(百万円)

4,190

33.4%

合計(百万円)

27,075

△29.2%

(注)上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

c .受注実績

当社グループは受注による生産は行っておりません。

 

d .販売実績

販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成31年4月1日

至 令和2年3月31日)

前期比(%)

デジタルエンタテインメント事業(百万円)

188,640

△7.8%

アミューズメント事業(百万円)

44,832

△2.7%

出版事業(百万円)

19,393

35.9%

ライツ・プロパティ等事業(百万円)

7,660

19.5%

合計(百万円)

260,527

△4.0%

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

・「当連結会計年度の経営成績等」及び「セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況」に関する認識及び分析・検討内容

「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

・経営成績に重要な影響を与える要因

 「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおり、当該事業リスクが発生した場合、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

 

 新型コロナウイルス感染拡大の影響

「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの事業領域においては、コンテンツに対する需要の減退、パッケージ製品の製造・流通過程への影響、アミューズメント施設運営の売上高減少などが生じる恐れがあり、その結果当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。現段階では、その影響範囲・程度が不透明なため、通期業績を予想することは困難であると判断し、令和3年3月期の連結業績予想は未定といたします。影響範囲・程度の見通しが立ち、当社グループの連結業績予想が適正かつ合理的に算出可能となった時点で速やかに開示いたします。

 

 為替変動の影響

 当連結会計年度において主に円と米ドル及びユーロによる為替レートの変動の影響により1,173百万円の為替差損を計上しております。

 

・経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループが目標とする経営指標は、売上高3,000~4,000億円、営業利益400~500億円であります。令和3年3月期以降に安定的に達成できる事業構造の確立を当面の目標としております。

当連結会計年度の経営成績は売上高2,605億円、営業利益327億円となっており、令和3年3月期以降における目標の達成に向けた取り組みを強化しております。

目標達成に向けて、安定的な収益基盤の確立と新規IP向けの継続投資に取り組んでまいります。

 

(億円)

指標

第37期

第38期

第39期

第40期

第41期以降

 

平成29年3月期

平成30年3月期

平成31年3月期

令和2年3月期

令和3年3月期以降

売上高

2,568

2,503

2,712

2,605

3,000~4,000

営業利益

312

381

246

327

400~500

 

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

・「当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況」に関する認識及び分析・検討内容

「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

・資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものには、デジタルエンタテインメント事業及びアミューズメント事業におけるソフトウェア制作に係る人件費及び外注開発費のほか、家庭用ゲームソフトのディスク製造費、アミューズメント事業のプライズ商材、出版事業の印刷物、ライツ・プロパティ等事業のグッズ等の商材、TVコマーシャル等の広告宣伝費があります。

当社グループでは、運転資金及び設備資金は内部資金より資金調達をしております。

また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は121,311百万円となっており、当社グループの事業を推進していく上で充分な流動性を確保しております。

 

 

 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要な項目は以下のとおりであります。

 

a .コンテンツ制作勘定

当社グループは、コンテンツ制作勘定の推定される将来需要及び市場状況に基づく時価の見積額が簿価を下回っていると判断した場合には評価減を行い、たな卸資産評価損を計上しております。また、実際の将来需要又は市場状況が経営者の見積りより悪化した場合は追加のたな卸資産評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

b .その他の無形固定資産(ブランド)

当社グループは、その他の無形固定資産(ブランド)について、年1回第4四半期に市場環境の変化等減損の判定が必要となる兆候が発生した場合及び当該ブランドに係る新規ゲームタイトルが当連結会計年度において発売された場合に減損の判定を行っております。当該評価にあたっては、独立した外部の評価機関を利用しております。帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを上回る場合には、減損損失の認識を行います。減損の判定により減損損失を計上する場合には、回収可能価額まで帳簿価額を引き下げております。なお、回収可能価額の算定にあたっては正味売却価額または使用価値により測定しております。また、実際の将来需要又は市場状況が経営者の見積りより悪化した場合は追加の減損の計上が必要となる可能性があります。

 

c .返品調整引当金

当社グループは、出版物の返品による損失に備えるため、当連結会計年度以前の実績に基づき必要額を計上しております。また、ゲームソフトの返品等による損失に備えるため、タイトルごとに将来の返品等の可能性を勘案して、損失の見込額を計上しております。実際の将来需要又は市場状況が経営者の見積りより悪化した場合は追加の返品調整引当金の計上が必要となる可能性があります。

 

d .貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒による損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、将来、取引先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

 

e .投資の減損

当社グループは、販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しております。これらには株式市場の価格変動リスクを負っている公開会社の株式及び株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれております。これら株式の連結会計年度末における時価が取得価額に比べ50%以上下落した場合には下落した価額の減損処理を行い、30%から50%程度下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。また、将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合は追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

f投資事業有限責任組合の運用損

当社グループは、保有するコンテンツをベンチャーの有する新技術と結合させ新しい事業を創出することを目的として、投資事業有限責任組合に出資しております。これについては、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な決算書を基礎として持分相当額を純額で取り込む方法により運用損益を計上しております。当該出資が対象とする未公開企業の事業が計画通りに進捗しない場合及び市場環境の変化等により期待した成果を上げることができず業績が悪化した場合には、追加の運用損の計上が必要となる可能性があります。

 

g .繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額を計上しております。将来の課税所得の見通しを含め慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に計上金額を上回る繰延税金資産を今後回収できると判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整により費用が減少します。

 

h .新型コロナウイルス感染拡大の影響

当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大の影響について、第5 経理の状況 の連結財務諸表の「注記事項の(追加情報)」に記載のとおり、会計上の見積りを実施しております。当該感染の影響が経営者の見積りの期間よりも長期となった場合には、追加の損失が発生する可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、ゲーム開発プロセスの効率化・高品質化を目的とした研究開発、ゲーム開発に係る先端的技術の調査・研究を行っております。また、ゲームの新作タイトルの開発にあたっては、企画段階において様々な先端的技術を用いた試作を行っております。

当連結会計年度においては、デジタルエンタテインメント事業において2,224百万円の研究開発費を計上しております。