文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、情報サービス産業において、歴史ある企業として業績の向上に努め、一定の成果をあげるとともに、それに基づくステークホルダーへの利益還元を実施し、中長期的な企業価値の増大を図ることが最も重要であると考えています。加えて、「人々の喜びや社会の豊かさを生み出す力」を「技術」と捉え、「技術をもって顧客の信頼を築く 技術をもって企業価値を増大する 技術をもって社員生活の向上を図る 技術をもって社会に貢献する」という企業理念に基づき、すべてのステークホルダーから信頼され、安心感を与える企業を目指すとともに、情報サービス業界を常にリードする独立系総合情報サービス企業として業界内での存在感を高めることを目標とし、ゆるぎない経営基盤を確立することにより一層の発展を目指していきます。
(2) 目標とする経営指標
「新たな価値を創り出す MADE BY DTS Group」を経営ビジョンに掲げ、その最終ステージとなる中期経営計画(2019年4月~2022年3月)では、連結売上高1,000億円以上、海外売上高50億円以上、営業利益率10%以上を目指していきます。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
情報サービス産業においては、受託型のシステム開発・運用など従来型の事業形態は変革期を迎えており、今後の大きな事業拡大が見込めない環境となりつつあります。代わってサービスやソリューション提供型のビジネス形態における市場の拡大を見込んでいます。
当社グループは、中期経営ビジョン「明日の社会に新たな価値を提供する Next Value Creator」を掲げ、ESGへの取り組みを通して持続可能な社会の実現に向けた新たな価値を生み出すことを目指しています。
以下に示す「持続可能な社会の実現」「新たなSIerへの進化」「自律型人材への変革」を方針として掲げ、企業価値の向上に努めていきます。
■「持続可能な社会の実現」
環境・社会課題を解決するため、事業目標にSDGsを活用していきます。ESGへの取り組み強化として、総務部に設置したESG推進室にて、当社の全プロジェクトを対象にSDGsの調査を行いました。対象のプロジェクトがどのような社会課題に関連し解決できるか整理することで、それぞれの社会的な価値を明確にし、事業推進を図るように改革を進めていきます。
また、社員へのSDGsの理解促進をするため、広報活動や教育・研修などを行いました。引き続き、社内へのSDGs浸透を図り、ESG経営への変革を実現していきます。
■「新たなSIerへの進化」
当社グループが属する情報サービス産業においては、情報技術の進化は激しく、さまざまな顧客ニーズに応えていくため、DXへの対応を求められており、重要な課題と認識しています。
DXへの適応を加速させるため、DX関連の売上高拡大や人材育成をKPIに設定し、社会課題や顧客課題に応じたトータルソリューションの提供を推進していきます。
また、Cloud Computing、AI、Mobility、Big Data、Robotics、IoT、CyberSecurityなどの、いわゆるCAMBRICと総称される技術を活用したデジタルビジネスの中では、特にAIやIoTの分野へ注力していきます。人材育成、新技術を活用した実証実験ならびに国内外企業への出資・提携などによりソリューション創出に向けて取り組んでいきます。
■「自律型人材への変革」
自律型人材への変革を促進し、社員が新しいことに積極的にチャレンジする企業風土への変革のため、人事制度改革に着手するとともに、社員が意欲的に働く事ができる環境を整える「働き方改革」に取り組んでいます。
人事制度改革では、市場価値に応じた多様な処遇制度への変革、チャレンジを促進する評価制度の浸透や運用の徹底、ならびに戦略的な人事配置を実現するための環境整備を推進していきます。
「働き方改革」では、業務効率の向上やワークライフバランスをサポートするため、社内システム・事務の刷新を図り、誰もが活躍できる環境を整えていきます。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大によりIT業界を取り巻く環境は急速に変化しており、新たな社会の行動変容に向けて、人材育成含めたDX関連の施策やソリューション創出、およびリモートワーク推進などの働き方改革の取り組みを加速・強化していきます。
当社グループの経営成績、財務状況などに影響を及ぼす可能性があるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものです。
(1) 事業環境の変動について
情報サービス産業においては、デジタルビジネスの拡大などにより、あらゆる産業からの堅調なIT投資を見込んでいます。
しかし、社会や経済情勢の変動などにより顧客のIT投資動向が変化した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(2) 価格競争について
当社グループが属する情報サービス産業においては、お客様からの情報化投資に対する要求はますます厳しさを増しており、価格面、サービス面の双方から常に同業他社と比較評価されています。
特に、他業種からの新規参入、海外企業の国内参入やソフトウェアパッケージの拡大などにより、価格面での競争激化を見込んでいます。
当社の見込みを超えた何らかの外的要因による価格低下圧力を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。
(3) 海外事業について
当社グループは事業戦略の一環として、海外取引の拡大、海外現地法人の設立や資本提携を推進するなど、海外事業の拡大を進めるとともにガバナンス強化を図ります。
海外事業においては、海外取引における輸出管理法などの内国法および現地法・商慣習の知識・調査不足や相違によるトラブル、海外現地法人の設立、株式取得や運営における現地の法律・会計処理・労務管理・契約・プロジェクト管理などに適切に対応できないなど、さまざまなリスクが想定されます。
現地の法的規制などに適切に対応できない場合には損害賠償責任を負う可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。
(4) ビジネスモデル、技術革新について
情報サービス産業において、受託型のシステム開発・運用など従来型の事業形態は変革期を迎えており、サービスやソリューション提供型のビジネス形態における市場の拡大を見込んでいます。それらの市場やさまざまな顧客ニーズに応えていくため、DXへの適応力を求められており、重要な課題と認識しています。
しかし、急速な顧客ニーズの変化や技術革新に対する当社グループの適応が遅れた場合、当社グループの業績に影響を受ける場合があります。
(5) 法的規制について
当社グループは、会社法、金融商品取引法、個人情報保護法などの法令等の遵守を最優先に事業を推進しています。
しかし、重大なコンプライアンス違反や法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下や業績に影響を与える可能性があります。
(6) 訴訟等について
当社グループが提供するサービスの不具合、瑕疵や納期遅延、第三者の権利侵害、個人情報を含む顧客情報の漏えいもしくは毀損、不適切な人事労務管理等に関連して、損害賠償請求等の訴訟を起こされる可能性があります。これらの内容および結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 知的財産権等について
当社グループの事業が他社の知的財産権を侵害したとして、損害賠償請求を受ける可能性や、第三者により当社グループの知的財産権が侵害される可能性があり、いずれの場合も、当社グループの事業および業績等に影響が生じる可能性があります。
(8) 人材等について
当社グループの持続的成長に不可欠な要素の一つとして、高い技術力や専門性を有する人材の確保および育成があげられますが、人材確保が想定どおりに進まない場合、あるいは労働環境の悪化により人材流出や生産性が低下した場合、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(9) ソフトウェア開発のプロジェクト管理について
お客様自らの競争優位性を確保することを目的としたシステム開発期間の短縮、いわゆる短納期化に対する要求はますます厳しさを増しており、プロジェクト管理および品質管理の重要性はこれまで以上に高まっています。
不測の事態が発生した場合、採算の悪化するプロジェクトが発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。
(10) セキュリティについて
当社グループの主力の事業である情報サービス事業は、業務の性質上、多くのお客様の重要な情報に接することになり、セキュリティ管理が経営上の重要課題となっています。
万が一にも重大な情報漏洩が発生した場合には、当社が損害賠償責任を負う可能性があるとともに、お客様からの信頼失墜を原因とする契約解消などが発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。
(11) 事業継続について
当社グループは、本社を含めた多くの拠点が国内の大都市圏に集中しており、大規模な自然災害や伝染病の流行などの想定を超える事象が発生した場合、復旧にかかるサービス提供の遅延など、当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。
(12) 新型コロナウイルス感染症の影響
当社グループは、持続可能な社会の実現に貢献するため、新たに中期経営計画(2019年4月~2022年3月)を策定し、ESGへの取り組みをとおして新たな価値を生み出すことを目指し、目標達成に向け、「営業力・SI力の強化」、「社内システム・事務の刷新」、「新規事業の創出」、「働き方改革の実践」、および「グループ経営基盤の強化」の5つの重点施策を推進しています。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより世界的規模で景気が減速しているため、顧客の業績悪化に伴うIT投資の抑制や延期などの影響により、2021年3月期上半期の売上高は軟調に推移することを想定しています。しかし、下半期においては新型コロナウイルス感染症の収束による経済活動の回復を前提に、2021年3月期の業績見通しとして、増収増益を想定しています。ただし、新型コロナウイルス感染症の収束が長期化した場合など、その見通しを変更する可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社および連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善が続くなかで、米国の保護主義的政策や東アジア・中東の地政学的リスクによる海外経済の動向と政策に関する不確実性、および消費税率引上げ後の消費者マインドの動向が懸念されるなか、当第4四半期における、新型コロナウイルスのパンデミックにより世界的規模で景気が減速しており、今後、どこまで影響が広がるか見通せない状況です。
情報サービス産業を取り巻く環境については、Cloud Computing、AI、Mobility、Big Data、Robotics、IoT、CyberSecurityなどの、いわゆるCAMBRICと総称される技術を活用したデジタルビジネスの拡大や、人手不足の解消に向けた、生産性向上・働き方改革関連への情報化投資の増加により、堅調に推移していくことが見込まれていましたが、顧客の業績悪化に伴うIT投資の動向について十分に見極めていく必要が生じています。
このような状況下において当社グループは、中期経営計画(2019年4月~2022年3月)として、「明日の社会に新たな価値を提供する Next Value Creator」をビジョンに掲げ、財務目標としては、連結売上高1,000億円以上、海外事業売上高50億円以上、連結営業利益率10%以上、ROE12%以上、ならびに総還元性向45%以上を目指します。
上記目標を実現するため、「持続可能な社会の実現」、「新たなSIerへの進化」ならびに「自律型人材への変革」の3つの基本方針を策定し、取り組みを開始しました。重点施策としては、「営業力・SI力の強化」、「新規事業の創出」、「グループ経営基盤の強化」、「社内システム・事務の刷新」ならびに「働き方改革の実践」を推進しています。
■「営業力・SI力の強化」
顧客への提案価値向上を図るために、組織的な営業活動強化に取り組んでいます。具体的には、顧客課題に対してソリューションを含めた幅広い解決策を提案するため、営業本部のソリューション営業機能を拡充するとともに、CAMBRICなどの新技術を活用した提案強化のため、営業本部にDX推進室を設置しました。営業力強化の施策としては、営業活動の可視化や効率化を図るため、SFAシステムを刷新しました。
また、大連思派電子有限公司、DTS SOFTWARE VIETNAM CO., LTD.など、当社オフショア拠点の積極的な活用・育成を推進するとともに、SAP開発案件においてインドのパートナー企業を開拓して発注を開始するなど、IT人材基盤の強化およびSI競争力の向上に努めています。
さらに、デジタルビジネスやSoE型ビジネス拡大のため、アジャイル開発や「GeneXus(ジェネクサス)」(注1)などのアプリケーション自動生成ツールの活用に取り組み、開発期間の短縮や品質向上を実現しています。今後も最新技術を積極的に活用し、顧客ニーズをとらえたITサービスの提供に注力していきます。
■「新規事業への取り組み」
CAMBRICなどの新技術を活用したデジタルビジネスへの取り組みを強化すべく、DX推進室を中心として、当社グループを横断したワーキンググループを発足しました。当社グループにおける共通課題を整理し、解決に向けた取り組みを検討・発信するなど、DX戦略の立案、および新規事業の創出を推進し、売上高に占めるDX関連事業の比率は23%(前年同期比9ポイント増)に拡大しました。また、より高いレベルのDX人材の育成を喫緊の課題と捉え、組織別に設定した人材育成計画を進めるとともに、AIを活用した提案を推進するため、管理職研修を実施するなど意識変革を促進しています。当期、DX関連資格保有者は前期比約3倍の200名超となりました。
<金融社会セグメント>
AIプラットフォーム「DAVinCI LABS」では、自動車保険契約の継続率予測などにて導入・引き合いが拡大しており、引き続き顧客ニーズを捉えた提案を推進していきます。
<法人ソリューションセグメント>
2019年4月より大手自動車部品メーカーとスマートファクトリーソリューションの取り組みにおいて協業を開始しました。工場設備の稼働、出来高、ならびに作業員をマネジメントするシステムの開発に携わるとともに、データを見える化する機能として当社のBIダッシュボード「GalleriaSolo」やデータ収集機能を担うセンサーおよび送信機を提供しています。
また、2020年3月、住宅メーカーと共同で基幹業務システムを開発し提供しました。今後は自社ソリューション化し、住宅関連業務のさらなる充実に向けた機能追加やカスタマイズを柔軟に加えることで、顧客のニーズにあわせた販売を展開していきます。
<運用基盤BPOセグメント>
2019年12月、社内ヘルプデスク業務をデジタル技術でサポートするサービスとして、「ServiceNow」(注2)を基盤に採用した「ReSM plus」を販売開始しました。顧客企業のすべての社員にサポートポータルを提供し、社内業務における問題の迅速な解決を支援します。
<地域・海外等セグメント>
2019年10月よりLGWAN(総合行政ネットワーク)上で利用できる多言語AIチャットボットサービス(注3)「kotosora for LGWAN」を開始しました。今後も販売拡大へ向けた取り組みを積極的に実施していきます。
■「グループ経営基盤の強化」
ESGへの取り組み強化として、総務部に設置したESG推進室にて、当社の全プロジェクトを対象にSDGsの調査を行うとともに、ステークホルダーとの建設的な対話に向けて統合報告書を作成しました。
当社グループのグローバルビジネスへの取り組みとしましては、金融事業分野のインドにおける業務および東南アジアのマーケット拡大に向けて、Nelito Systems Limitedを連結子会社化しました。
また、2020年4月、コーポレートサイトをリニューアルし、当社が強みとする技術やソリューションなどの情報の充実化、および利便性の向上を図ったほか、組織間連携強化ならびに生産性向上を目的とした新センタの開設を推進しています。
なお、当社は第47回定時株主総会後、役員13名のうち、独立役員は7名となり過半数を占めることとなりました。加えて、2019年7月~8月に取締役会の実効性の分析・評価を実施し、全ての役員から肯定的な評価を得ています。引き続き、コーポレート・ガバナンスの実効性確保に努めていきます。
■「社内システム・事務の刷新」
ワークスタイルの変革や業務効率の改善に向けて、業務プロセスの見直しによる合理化および社内システムの再構築に着手しました。
また、多様な働き方へのインフラ整備、およびセキュリティ強化や管理作業軽減などを目的として、社内PCをシンクライアント化し、テレワークの推進に取り組んでいます。
なお、社内システムについては、事業継続性向上を目指しデータセンタの移設などを実施するとともに、サーバーの性能を強化しました。
■「働き方改革」
健康経営への取り組みとして、ワークライフバランスの実現に向け、女性の職場での活躍、および男性の育児への主体的な参画を促進するため、産業医や経験者を交えた次世代育成支援セミナーを定期的に開催しています。
また、2019年10月、「女性活躍推進法」に基づく認定制度「えるぼし」の2段階目を取得し、2020年3月、「健康経営優良法人2020(大規模法人部門)」の認定を受けました。当社グループ会社の株式会社DTS WESTは、2020年2月、子育てサポート企業として「くるみん」の認定を受けました。今後も社員が安心して働くことができ、ワークライフバランスや健康経営を考慮した環境の整備を続けていきます。
さらに、自律型人材への変革を促進し、社員が新しいことに積極的に挑戦する企業風土を醸成するため、チャレンジや変革を評価する人事制度改革に引き続き取り組んでいます。
■「新型コロナウイルス感染拡大への対応」
当社では、業務を推進するにあたり、社員の安心・安全を最優先としつつ顧客の意向を汲み取りながら、次のような対策を取り組んでいます。
・対策本部の設置
・テレワーク推進、時差出勤の推進
・ビデオ会議の導入、採用面接のリモート化
・消毒液の完備、マスクの配布
・渡航、出張の制限
・懇親会の自粛
■「その他、株主還元など」
2019年5月、資本効率の向上、ならびに株主への一層の利益還元を推進するため、177,600株の自己株式を取得しました。
また、2019年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割を行いました。当社株式の投資単位当たりの金額を引き下げ、より投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的としています。
(注1)GeneXus(ジェネクサス)とは、業務要件を記述することで、業務システムを自動生成する開発ツール。
(注2)ServiceNowとは、問い合わせやワークフローなどを支援するサービスマネジメントプラットフォーム。
(注3)AIチャットボットサービスとは、AIチャットエンジンを活用することにより、人と会話しているような自然なやりとりでFAQを利用できるサービス。
当社グループは、持続的な拡大成長を目指して、2019年4月から開始する新たな中期経営計画を策定しまし
た。長期経営目標の最終ステージとして、「明日の社会に新たな価値を提供する Next Value Creator」をビジョンに、2021年度売上高1,000億円以上、営業利益率10%以上の継続を目指します。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、946億18百万円(前年同期比9.1%増)となり、政府系金融機関向けの基幹システム更改、証券会社向けのイントラネット更改案件、ならびに住宅関連の開発案件などが順調に推移しました。売上総利益は、187億5百万円(同6.8%増)となり、売上高の増加や不採算案件の減少を背景として増加しています。販売費及び一般管理費は80億30百万円(同3.9%増)であり、この主な増加要因はNelito Systems Limitedを連結対象とした影響によるものです。この結果、営業利益は、106億74百万円(同9.0%増)、経常利益は、108億49百万円(同9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の増加などにより、73億17百万円(同7.3%増)となりました。なお、当連結会計年度では新型コロナウイルス感染症拡大により、サーバー等のプロダクトビジネスにおいて若干の影響があったものの、業績への影響は軽微でした。
|
|
(単位:百万円) |
|
|
連結 |
|
個別(参考) |
|
|
|
対前年同期増減率 |
|
対前年同期増減率 |
|
|
売上高 |
94,618 |
9.1% |
67,700 |
10.1% |
|
営業利益 |
10,674 |
9.0% |
8,632 |
12.5% |
|
経常利益 |
10,849 |
9.3% |
9,228 |
14.0% |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
7,317 |
7.3% |
- |
- |
|
当期純利益(個別) |
- |
- |
6,495 |
12.6% |
<売上高の内訳>
第1四半期連結会計期間において報告セグメントの区分を一部変更しており、以下、対前年同期増減率については、変更後の区分方法に基づき作成した前年同期の数値を用いております。
|
|
(単位:百万円) |
|
|
連結 |
|
|
対前年同期増減率 |
||
|
金融社会 |
30,835 |
4.1% |
|
法人ソリューション |
27,649 |
8.4% |
|
運用基盤BPO |
24,879 |
10.5% |
|
地域・海外等 |
11,253 |
23.9% |
|
合計 |
94,618 |
9.1% |
各セグメントにおける営業概況は、次のとおりです。
金融社会セグメント
政府系金融機関向けの基幹システム更改案件や証券会社向けのイントラネット更改案件、ならびにその他金融機関のOA案件などが堅調に推移し、売上高は308億35百万円(前年同期比4.1%増)となりました。
法人ソリューションセグメント
住宅関連の開発案件やSAPを活用した開発案件などが順調に推移し、売上高は276億49百万円(前年同期比8.4%増)となりました。
運用基盤BPOセグメント
運用管理案件や卸売業・小売業のシステム運用設計などの案件が堅調に推移し、デジタルテクノロジー株式会社の決算期変更影響などにより、売上高は248億79百万円(前年同期比10.5%増)となりました。
地域・海外等セグメント
地域分野の開発案件が好調に推移し、Nelito Systems Limitedを連結対象とした影響などにより、売上高は112億53百万円(前年同期比23.9%増)となりました。
財政状態としては、総資産は705億98百万円となりました。商品及び製品が7億55百万円減少いたしましたが、現金及び預金が31億88百万円、受取手形及び売掛金が6億29百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ総資産が36億16百万円増加いたしました。
負債は155億9百万円となりました。流動負債のその他に含まれる未払消費税等が3億51百万円、前受金が1億32百万円それぞれ増加いたしましたが、賞与引当金が2億30百万円、未払法人税等が2億9百万円、買掛金が2億7百万円それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ負債が1億19百万円減少いたしました。
純資産は550億89百万円となりました。自己株式が8億円増加いたしましたが、利益剰余金が剰余金の配当により23億23百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益により73億17百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ純資産が37億35百万円増加いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の残高である351億40百万円に比べ31億35百万円増加し、382億76百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況についての前連結会計年度との比較は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは75億51百万円となり、前連結会計年度に比べ得られた資金が6億3百万円増加いたしました。主な要因は、法人税等の支払額が7億92百万円増加したこと、仕入債務の増減額が増加から減少へ転じたことにより7億66百万円の支出が増加した一方で、たな卸資産の増減額が増加から減少に転じたことにより15億69百万円の支出が減少し、かつ、税金等調整前当期純利益が8億62百万円増加したことにより収入が増加したことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは△13億60百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が4億9百万円減少いたしました。主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が4億56百万円、有形固定資産の取得による支出が2億64百万円それぞれ増加した一方で、投資有価証券の取得による支出が8億23百万円減少したこと、投資有価証券の償還による収入が2億円増加したことなどによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは△30億47百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が5億69百万円増加いたしました。主な要因は、配当金の支払額が4億54百万円増加したこと、自己株式の取得による支出が1億98百万円増加したことなどによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度において、地域・海外等事業における受注残高が前年同期に比べ、著しく増加いたしました。これは、第1四半期連結会計期間より、株式を追加取得したことに伴い、Nelito Systems Limitedを連結の範囲に含めたことによるものであります。
なお、第1四半期連結会計期間において報告セグメントの区分を一部変更しており、以下、対前年同期増減率については、変更後の区分方法に基づき作成した前年同期の数値を用いております。
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
対前年同期増減率(%) |
|
金融社会 |
30,835,667 |
4.1 |
|
法人ソリューション |
27,649,638 |
8.4 |
|
運用基盤BPO |
24,879,647 |
10.5 |
|
地域・海外等 |
11,253,878 |
23.9 |
|
合計 |
94,618,831 |
9.1 |
(注) 上記金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
対前年同期 増減率(%) |
受注残高 (千円) |
対前年同期 増減率(%) |
|
金融社会 |
30,071,207 |
△0.9 |
14,658,266 |
△5.0 |
|
法人ソリューション |
27,898,306 |
6.1 |
7,545,445 |
3.4 |
|
運用基盤BPO |
26,978,242 |
14.9 |
15,395,179 |
15.8 |
|
地域・海外等 |
11,155,162 |
21.4 |
3,030,605 |
57.1 |
|
合計 |
96,102,919 |
7.6 |
40,629,497 |
7.1 |
(注) 上記金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
対前年同期増減率(%) |
|
金融社会 |
30,835,667 |
4.1 |
|
法人ソリューション |
27,649,638 |
8.4 |
|
運用基盤BPO |
24,879,647 |
10.5 |
|
地域・海外等 |
11,253,878 |
23.9 |
|
合計 |
94,618,831 |
9.1 |
(注) 上記金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺
消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社および連結子会社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期は、中期経営計画の初年度として5つの重点施策に取り組んだ結果、売上高は前期比9.1%の成長となる946億18百万円、営業利益は長期経営目標の2年前倒しとなる106億74百万円、ならびに営業利益率は11.3%となり4期連続営業利益率10%以上を達成しました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因に関するリスク軽減策
イ.事業環境の変動について
当社グループの事業は、業務知識と情報技術に基づいた品質をベースに幅広い業種・業態の顧客ニーズに応えITサービスを提供しているため、特定産業における投資動向の影響を受けにくい構造となっており、今後も事業環境の変動を注視していきます。
ロ.価格競争について
当社においては、プロジェクトの採算管理を徹底し、生産性の向上を図り、DX人材の育成に取り組むとともに、新技術を活用した高付加価値なサービスを提供することにより、単なるコストダウンのみの価格競争の影響を最小限にとどめるように努めています。
ハ.海外事業について
当社においては、海外取引における輸出管理法などの内国法および現地法・商慣習の知識・調査不足や相違によるトラブル、海外現地法人の設立、株式取得や運営における現地の法律・会計処理・労務管理・契約などに適切に対応できないなど、さまざまなリスクが想定されます。当社はこれらのリスクを認識するとともに、担当部署を定めてリスク管理の強化を進めています。
ニ.ビジネスモデル、技術革新について
当社グループでは、CAMBRICなどの新技術を活用したソリューションを提供するため、社員研修、新技術を活用した実証実験ならびに国内外企業への出資・提携などに取り組んでいます。
ホ.法的規制について
当社グループでは、グループのコンプライアンス基本原則や行動規範等を制定するとともに、役員・社員およびパートナー企業社員へのコンプライアンス教育、啓蒙活動を実施し、法令遵守に取り組んでいます。
ヘ.訴訟等について
当社グループは、コーポレートガバナンスの強化・充実を経営上の重要課題として認識し、コンプライアンス、情報セキュリティ、品質管理等の必要な体制を備えており、現時点において、財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のある訴訟は提起されていません。
ト.知的財産権等について
当社グループは事業活動において、第三者の特許・商標・著作権等の知的財産権を侵害することのないよう常に留意するとともに、研修等を通じて知的財産権に対する社員の意識向上に努め、必要となる技術やビジネスモデルについては、各種特許や商標を出願・登録しています。
チ.人材等について
当社グループにおいては、個性や多様性を尊重し、働き方改革に向けた諸制度の導入や適正な労働時間管理、積極的な休暇取得など、ワークライフ・バランスの推進や労働環境の整備に注力しています。
また、人材確保については、中長期的視点での新卒採用や、優れた専門性を有したキャリア人材の採用を実施するとともに、DX領域の新技術習得や専門資格支援など、人材の育成にも注力しています。
リ.ソフトウェア開発のプロジェクト管理について
当社においては、DTS独自の開発標準の浸透や一定金額以上の一括受託案件についての受注可否およびプロジェクトの進捗状況を定期的に審議することを目的としたプロジェクト推進会議を設置し、不採算案件の発生を抑止しており、現時点では当社グループに大きな影響を与えるおそれのある不採算はありません。
ヌ.セキュリティについて
当社においては、情報の取り扱いと管理についての社内規程を整備するとともに、個人情報保護活動の一つとしてプライバシーマークを取得し、社員および協力会社社員に向け、情報の取り扱いについて意識向上のための啓発教育を実施しています。また、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証取得を受け、セキュリティ管理体制のさらなる強化を図ります。また、国内外グループ共通のコンプライアンスガイドを制定し、グループ各社の社内規程の整備や社員のセキュリティ情報の取り扱いに対する意識向上などに取り組んでいます。
ル.事業継続について
当社では、テレワークや時差勤務などの就労制度を活用し、社員の安心・安全を最優先としつつ、顧客の意向を汲み取りながら業務の継続に取り組んでいます。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主たる財源は、好調な業績に基づく営業キャッシュ・フローであり、当期末において適切な事業活動のための資金の流動性は十分に確保されています。
現時点で、具体的に用途が決定している多額の設備投資などはありませんが、今後の事業拡大に向け、積極的にM&Aや研究開発活動に資金を活用していく方針です。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等
「新たな価値を創り出す MADE BY DTS Group」を経営ビジョンに掲げ、その最終ステージとなる中期経営計画(2019年4月~2022年3月)では、連結売上高1,000億円以上、海外事業売上高50億円以上、営業利益率10%以上を目指しています。当期は、政府系金融機関向けの基幹システム更改、証券会社向けのイントラネット更改案件、ならびに住宅関連の開発案件などが順調に推移し、売上高、営業利益ともに過去最高を更新しました。また、プロジェクト管理の強化や生産性向上に向けた取り組みなどにより、4期連続で営業利益率10%を達成しました。
⑥ セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
金融社会セグメント
政府系金融機関向けの基幹システム更改案件や証券会社向けのイントラネット更改案件、ならびにその他金融機関のOA案件などが堅調に推移し、売上高は308億35百万円(前年同期比4.1%増、業績予想比0.5%減)となりました。
法人ソリューションセグメント
住宅関連の開発案件やSAPを活用した開発案件などが順調に推移し、売上高は276億49百万円(前年同期比8.4%増、業績予想比1.3%増)となりました。
運用基盤BPOセグメント
運用管理案件や卸売業・小売業のシステム運用設計などの案件が堅調に推移し、デジタルテクノロジー株式会社の決算期変更影響などにより、売上高は248億79百万円(前年同期比10.5%増、業績予想比3.6%減)となりました。
地域・海外等セグメント
地域分野の開発案件が好調に推移し、Nelito Systems Limitedを連結対象とした影響などにより、売上高は112億53百万円(前年同期比23.9%増、業績予想比19.7%増)となりました。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(1) 金融社会事業(研究開発費:
インターバル速歩アプリ開発にかかるサービス化計画の研究開発
高齢化社会が急速に進む中、膨大となっている医療費削減の観点から健康寿命の延伸に注目が集まっております。
当社グループでは、ITという視点でこの要求に応えるため、速歩きとゆっくり歩きを繰り返すことにより無理なく体力負荷をかけるインターバル速歩に着目しました。このインターバル速歩をモバイルアプリで手軽に実施可能とするため、インターバル速歩の考案元であるJTRCと共同研究を実施しております。
(2) 法人ソリューション事業(研究開発費:
① adviceRebootの研究開発
組込機器に搭載されるマイコンのマルチコア化、高性能化が進み、ソフトウェアの開発規模も年々大規模化しており、デバッグツールにも高機能化、高パフォーマンス化が求められています。
当社グループでは、この要求に応えるため、大規模ソフトウェア開発のデバッグ効率向上を実現するために必要なデバッグツールの研究開発を実施しております。
② フラッシュプログラマの研究開発
書き込み仕様が多様な各社のフラッシュメモリ内蔵マイコンを、ユーザーシステムにはんだ付け実装した状態でプログラミングするための、汎用インサーキットプログラマが市場で要求されております。
当社グループでは、この要求に応えるため、生産ラインおよびフィールドにおいてお客様に最適なフラッシュメモリ内蔵マイコン向けのインサーキットプログラマを提供するための研究開発を実施しております。
③ RAMScope計測ツールの研究開発
自動車の付加価値は飛躍的に進化しており、新時代の自動車には「環境」「安全」「快適」「コネクティブ」が求められています。新たな付加価値の実現には自動車に実装される多くのマイコンが貢献しており、今後の車載マイコン環境では複雑化する制御処理(モデル/IP化)、処理性能向上(マルチコア化)、協調する制御(車載ネットワーク)、安全性の担保(機能安全)の検証が課題となっております。
当社グループでは、この要求に応えるため、「環境・安全性」に向かって進化する車載ソフトウェアの動的検証ツールの研究開発を実施しております。
④ 放送局向けデジタル信号の監視・同録装置の研究開発
放送波はその全ての記録が義務付けられておりますが、デジタル化された放送波には画音のみならず様々な情報が重畳されており、膨大な信号データをリアルタイムで自動監視しつつ、長時間に渡って収録することへのニーズが高まっております。
当社グループでは、この要求に応えるため、局内ベースバンド信号の収録・自動監視を可能とする技術および信号データの長時間に渡る収録を可能とする技術の研究開発を実施しております。
(3) 運用BPO事業(研究開発費:
RPA技術活用研究
政府が提唱する働き方改革を推進するために業務の効率化や自動化を進めることで、社員の稼働やストレスを軽減することが期待できる技術であるRPAについてのビジネスを検討しております。
(4) 地域・海外等事業(研究開発費:
FireWeb クラウド化の検証
当社グループの製品である消防支援情報管理システム「FireWeb」はオンプレミス版であり、現行システムの運用コスト、新システムへの移行予算削減要求に応えるため、クラウド版を提供するための検証をしております。