(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業収益を背景に、設備投資の持ち直しや、雇用・所得環境にも明るい兆しがみられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米国や欧州各国の政治情勢不安定化による経済への影響、中東・アジアの各地域における地政学的リスクなど、不確実性に留意が必要な状況が続きました。
当社グループが関連する建設業界におきましては、公共投資は底堅く推移し、民間建設投資も企業収益の改善を背景に持ち直すなど総じて堅調に推移しました。
このような状況のなか、当社グループでは、中期経営計画(2015年10月期~2017年10月期)の完遂に向け都市圏深耕による体制強化やレンタル用資産の最適な再配置と更なる稼働率向上等々の施策推進により、将来の確かな収益と安定した経営基盤の構築に努めました。
2017(平成29)年10月期の連結業績につきましては、連結売上高は1,584億28百万円(前年同期比9.4%増)となりました。利益面につきましては、営業利益は166億65百万円(同10.1%増)、経常利益は171億93百万円(同19.4%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は107億44百万円(同32.7%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 建設関連
当社の主力事業である建設関連におきましては、東北地区の復興需要は漸減傾向にあったものの、他の地区での需要は比較的堅調に推移し、全体として建設機械のレンタル需要は底堅い状況にありました。2016年に発生した熊本地震、鹿児島や北海道の台風災害、2017年に発生した各地の豪雨災害の復旧・復興活動の支援強化のために経営資源を集中させるなど、継続的な支援体制の構築を進めました。
なお、同事業における地域別売上高の前年同期比は、北海道地区16.7%増、東北地区7.7%減、関東甲信越地区7.5%増、西日本地区8.1%増、九州沖縄地区54.9%増でありました。前連結会計年度の第3四半期から㈱ニシケンの業績が連結に加わったこと、また同社を含む九州地区においてシナジー効果が表れたことから、当連結会計年度における九州地区の売上高及び営業利益はともに大きく伸長いたしました。
また、中古建機販売につきましては、適正な資産構成の維持を目的として、一定期間を経年したレンタル用資産の計画的な売却を引き続き実施しております。売上高に含まれる中古建機販売高は前年同期比9.1%増となりました。
以上の結果、建設関連事業の売上高は1,424億14百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益は154億15百万円(同9.7%増)となりました。
② その他
その他の事業につきましては、鉄鋼関連、情報通信関連ともに堅調に推移したほか、新たに㈱ニシケンにおける福祉関連事業が加わったことから、売上高は160億13百万円(前年同期比17.2%増)、営業利益は8億56百万円(同29.7%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当期末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は351億60百万円となり、前期末に比べて20億91百万円増加致しました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は377億88百万円(前期比42.0%増)となりました。
これは主に、「税金等調整前当期純利益」を169億40百万円、「減価償却費」を244億28百万円、「仕入債務の増減額」を19億15百万円、「未払金の増減額」を12億76百万円それぞれ計上した一方で、「法人税等の支払額」が44億4百万円、「レンタル用資産の取得による支出」を27億31百万円計上したことが要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は47億47百万円(前期は89億40百万円の支出)となりました。
これは主に、「有形固定資産の取得による支出」27億31百万円、「子会社株式の取得による支出」9億17百万円、「貸付けによる支出」7億42百万円をそれぞれ計上したことが要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は309億60百万円(前期は207億26百万円の支出)となりました。
これは主に、「割賦債務の返済による支出」が225億82百万円、「長期借入金の返済による支出」が156億67百万円、「リース債務の返済による支出」が17億44百万円並びに「配当金の支払額」を15億91百万円それぞれ計上した一方で、「長期借入れによる収入」109億円計上したことが要因であります。
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年11月1日 至 平成29年10月31日) |
前年同期比 (%) |
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建設関連(百万円) |
142,414 |
8.5 |
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その他(百万円) |
16,013 |
17.2 |
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セグメント間取引消去(百万円) |
- |
- |
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合計(百万円) |
158,428 |
9.4 |
(注)本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループでは、「顧客の利益が我々の利益である」ことを念頭に、常に変革を求めて会社の活性化を図り、持続的に事業を推し進めることが株主をはじめとするステークホルダー全ての期待に応え、利益の拡大につながるものと考えております。そして、このことを通じ、社会に貢献できる企業集団となることを目標にグループ運営を実践しております。
(2)経営戦略
当社グループの中長期的な経営戦略は、長期ビジョン「BULL55」で示しているとおり、リニア中央新幹線、東京五輪関連のインフラ整備や再開発事業など、大型プロジェクトが計画されている関東甲信越地区の営業基盤の拡充を積極的に推し進め、中長期的な需要見通しを踏まえた首都圏での収益強化に向け体制構築を図ってまいります。また、長期的な成長エンジンとして潜在需要の高い、ASEAN諸国を中心とした海外営業基盤の構築についても戦略的に進めます。なお、国土交通省が進めている現場の生産性向上策「i-Construction」等のイノベーション分野へも積極的に対応してまいります。一方で、事業環境の変化へも即応可能なリスク耐久力の向上のため、一層の業績管理の高度化、ガバナンス体制の強化を行い、長期にわたり持続的に成長可能な経営体制の構築に努めます。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、中長期的な株式価値向上に向け、各事業収益の向上に加えて資本効率の向上に取り組むことにより、ROE(自己資本利益率)10%以上の水準を維持することを目標としております。また、主力事業である建設関連は、固定資産のウエイトが高いため、自己資本比率につきましては45%以上の目標を設定し更に向上を目指してまいります。
なお、従前から当社で資産効率の重要指標としているROI(投下資本回収率)、レンタル用資産を始めとする新規設備投資の判断基準としているEBITDA+(減価償却前営業利益)も引き続き重要な指標のひとつに据えております。一方、連結売上高、連結営業利益も企業規模、収益力を表す数値であることから、これらの順調な増加が会社の成長性を示す指標として重視しております。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループの主力事業が建設関連であることから、国内建設投資の多寡によって業績が大きく左右されない事業領域、資産保有規模、資産構成を追求することにより、強靭な収益体制ときめ細かな営業体制を構築する必要があります。
① 人材育成と、グループ、アライアンスの強化
建機レンタル業界においては、業者間競争の激化により、この数年で一段と峻別・淘汰が進むと想定されます。建機レンタル業界の主導的企業としてふさわしい知識とスキルを持つ社員育成に努め、さらに国内、海外の事業拡大に即応した人材教育を図ります。また、事業領域、エリアの拡大にはグループ企業との連携、アライアンス企業との関係強化は必須であり、総合的な企業活力の充実に努めてまいります。
② 財務戦略の強化
レンタル用資産、社用設備等の投資計画を踏まえつつ、タイムリーかつ最適な資金調達を図るとともに、資産の流動化等も取り入れ、資金効率の向上を図ることで、極力、有利子負債の圧縮を推し進め、財務内容の改善に努めてまいります。
③ コスト削減の継続
資産導入にあたっては徹底したベンチマーク制度をとっていますが、さらに資産運用方針に基づくメンテナンスコストの適正化を実現することで資産価値の維持を図ります。
④ 海外拠点管理の強化
海外展開の推進に合せ、営業面の強化はもちろん、資産管理、業績管理等の管理体制の強化に努めてまいります。そのための人材配置、人材育成の体制を早急に構築してまいります。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めてまいります。経営者の問題認識と今後の方針につきましては、上述に加え「4 事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、引き続き市場動向の変化を迅速に把握し的確な経営を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経済情勢について
当社グループの主力事業である建設関連は、官需・民需を問わず国内建設投資動向により、収益が大きく左右されます。よって、公共事業の大幅な削減、民間工事の落ち込み等が発生した場合、又は受注競争の激化によるレンタル用資産の貸出価格や運用状況の悪化によるレンタル用資産の稼働率が低下した場合には、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、海外向け中古建機販売は売却時期によってはその時点での世界経済、為替動向にも影響を受けます。
(2)業績の季節変動について
公共事業は、毎年4月に予算決定がなされてから実際に工事が着工されるまで概ね6ケ月のタイムラグが生じます。したがって、当社グループの主力事業である建設関連は、毎期10月頃から3月にかけて最盛期を迎え、この期間に建設機械のレンタル需要が最も大きくなるというトレンドがあります。このため当社グループの売上高及び利益は上期(11~4月の6ケ月間)に集中する傾向があります。
(3)金利動向について
当社グループは、レンタル用資産等の取得、営業所出店に係る設備投資需要や事業活動に係る運転資金需要に対し、内部資金を充当する他、外部から資金を調達しております。これらの外部資金については、極力金利固定化等により金利変動による影響の軽減に努めておりますが、短期間の大幅な金利変動によっては、当社グループの業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)債務保証について
当社グループは、関係会社の借入金、ファイナンス・リース債務及び割賦契約に基づく債務の一部に対しての債務保証契約を金融機関との間で締結しております。将来、債務保証の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)固定資産の減損会計について
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。今後の経営環境の著しい悪化等により固定資産の収益性が悪化した場合には、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成において、損益及び資産の状況に影響を与える見積りは、過去の実績やその時点での情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
見積り及び判断に影響を及ぼす重要な会計方針としては以下のものがあると考えております。
① 貸倒引当金
当社グループの保有する債権に係る損失が見込まれる場合、その損失に充てる必要額を見積り引当計上しておりますが、将来、債務者の財政状態が著しく悪化し、その支払能力が低下した場合等は、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
② 投資有価証券
当社グループが保有する時価のある有価証券については、下落率等の一定の基準により、時価のない有価証券については、投資先の純資産額等による実質価値の下落率や業績予想等による回収可能性等により総合的に判断し処理しておりますが、将来、保有する株式の時価の下落や投資先の財務状況が悪化した場合には、評価損を計上する可能性があります。
③ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績及び財政状態の分析
① 経営成績
当連結会計年度における経営成績の概況については、「1 業績等の概要」に記載しております。
② 財政状態
当連結会計年度末の総資産は2,275億45百万円と、前連結会計年度末と比べ67億8百万円増加しました。主な要因として「現金及び預金」が20億11百万円、営業活動に供する「建設機材」は19億27百万円、「投資有価証券」が15億6百万円とそれぞれ増加した一方で、「レンタル用資産」が12億84百万円減少したことによるものであります。
負債合計は1,357億56百万円となり、前連結会計年度末と比べ36億45百万円の減少となりました。これは、主に「支払手形及び買掛金」が17億87百万円、「未払法人税等」が11億94百万円とそれぞれ増加した一方で、「1年内返済予定の長期借入金」が19億22百万円、「長期借入金」が27億97百万円、「長期未払金」が17億42百万円とそれぞれ減少したことによるものであります。
純資産合計は、917億88百万円となり、前連結会計年度末と比べて103億54百万円の増加となりました。これは、主に「親会社株主に帰属する当期純利益」を107億44百万円計上した一方で、「剰余金の配当」を15億90百万円計上したことによるものであります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ111億69百万円増加し、377億88百万円の収入となりました。主な増加要因として、「法人税等の支払額」が前連結会計年度より25億66百万円減少したこと並びに、「税金等調整前当期純利益」が30億96百万円、「減価償却費」が23億31百万円、「仕入債務の増減額」が35億70百万円とそれぞれ増加した一方で、「売上債権の増減額」が11億99百万円、「建設機材の取得による支出」が5億80百万円とそれぞれ減少したこと等によります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より41億93百万円支出が減少し、47億47百万円の支出となりました。これは主に、前連結会計年度より「投資有価証券の取得による支出」が5億61百万円、「子会社株式の取得による支出」を9億17百万円、「貸付けによる支出」が7億5百万円とそれぞれ増加した一方で、「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」が当連結会計年度に発生が無かったことから58億6百万円支出が減少したこと等によります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度から102億34百万円支出が増加し、309億60百万円の支出となりました。これは主に、「長期借入れによる収入」が90億60百万円減少し、「長期借入金の返済による支出」が10億29百万円、「割賦債務の返済による支出」が12億77百万円とそれぞれ増加したこと等によります。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から20億91百万円増加し、351億60百万円となりました。
② 財務政策
レンタル用資産購入等の設備投資計画を踏まえながら、より有効かつ安価な資金調達手段を模索しており、資金調達と資金運用の多様化・効率化を図りつつ、さらには受取手形等の債権について流動化等を行うことで、資産・負債バランスの軽量化に取り組んでまいります。