第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針と中長期的な経営戦略

BBSグループは既に50年を超える社歴がありますが、今後新たに50年間成長・発展させ、100年企業として存続させることが現経営陣の使命であると考えております。そのために、「企業理念」に沿った活動を実践することで、お客様、取引先、株主、従業員等のすべてのステークホルダーを含む、社会全体と共に当社グループの持続的な成長・発展を実現することを目指してまいります。

当社グループでは、「お客様の企業価値の向上を通して、社会に貢献する」「お客様の発展の原動力となる」「お客様の利益増加に貢献する」を経営理念としています。そして、「コンサルティング」「システムインテグレーション」「マネージメントサービス(BPO)」の3つの事業を循環して提供する「BBSサイクル」をビジネスモデルとしております。この3つの事業を一気通貫で提供できることが当社グループの強みであり、「BBSサイクル」によって「経営会計」分野でNo.1になることを目標にしております。当社グループでは、当連結会計年度に2021年度から3年間の中期経営計画を策定いたしましたが、この「企業理念」や「BBSサイクル」に変更はありません。

 

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新たに中期経営計画を策定するにあたり、変化する時代と、変化しない当社グループの基本理念を照らし合わせ、2030年度のゴールをBBSになぞらえて設定をいたしました。また、数値目標として、連結売上収益1,000億円、連結営業利益100億円を設定いたしました。

 

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1つ目の“B”である「企業の総合バックオフィスサポーター」とは、現在のBBSサイクルは基本的に「会計」を中心とした業務が主となっておりますが、当社グループが「経営会計」を支援する企業から、会計にとどまらずバックオフィスのすべての業務を支援していく企業に、更に発展し変化するということであります。人事や総務関係もすでにBBSサイクルに含まれておりますが、それを更に拡充させ、購買や生産管理、情報システムBPOや情報セキュリティなど、企業のバックオフィスに必要なできる限りの支援をより深く行い、お客様の発展に寄与してまいります。

2つ目の“B”の「新しい経営」とは、当社グループが、クラウドやAIの活用、そして企業の新たな資源と言われているデータの活用などの新しい技術への対応や、昨今の新しい働き方に対応して、新しい経営に合致したお客様を支えるパートナーになることであります。

3番目の“S”が「サステナビリティ経営」と「人財強化」です。もはや、企業が独自に利益だけを追求していく時代ではありません。世界中が、社会問題、環境問題の課題に直面しております。そうした中で、社会が持続していくために、企業は、その問題解決の一翼を担わなければなりません。当社グループもサステナビリティ経営を行い、当社の経験とお客様へ提供するソリューションによって、お客様のサステナビリティ経営を支え、広く社会全体のサステナビリティに貢献してまいります。そして、当社グループがこれまでもこれからも大切にしていくのは「人財」であります。サステナビリティにおいて社会全体への貢献とあるように、BBSに限らず広く社会を支えられる人財の確保と育成を行ってまいります。

 

2030年のゴールに向かう最初の3年の計画が、今回策定した中期経営計画-BBS2023「Make Hybrid Innovations」-になります。その重要な3か年計画のテーマに「Make Hybrid Innovations」を定めました。その意味するところは、「デジタルとアナログ」「人財と技術」「クラウドとオンプレ」など、どちらかだけに傾倒するわけではなく、必ずハイブリッドな形でお客様の未来を開拓していく必要があるからであります。そのためには「会計×戦略」「既存サービス×新規サービス」など様々な掛け算によってお客様の課題解決を行っていく必要があります。そのさまざまな掛け算をBBSサイクルに反映し、お客様により深い解決策を提供してまいります。そして解決策の提供に当たっては「品質」がとても重要であると考えております。特にこの3年間は一層の品質強化に努め、お客様からのさらなる信頼向上を図っていきます。

これら基本戦略により中期経営計画の最終年度である2023年度では、連結売上収益400億円、連結営業利益34億円を目指します。

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当社グループでは、この基本戦略に基づきより詳細な戦略を、グループ全体で取り組む「全社戦略」、事業セグメントごとの「事業戦略」、コーポレート部門の「コーポレート戦略」として具体化しております。各戦略の骨子は次のとおりであります。

 

全社戦略:

・グループシナジーの強化・・・BBSグループが保有するソリューションをワンストップでお客様に届ける体制を強化してまいります。

・M&A/アライアンス強化・・クラウド、RPAやAIといった最新技術や企業のバックオフィス業務を支えることのできる人財やソリューションなどを強化してまいります。

・BBS Quality・・・・・・・これまで行ってきた品質の取り組みをさらに強化し、BBSグループすべてのソリューションへの品質強化に繋げてまいります。

事業戦略:

・No.1戦略・・・・・・・・・・コンサルティング・システム開発事業において、事業地域の拡大と新規顧客の獲得に重点を置いた施策を展開いたします。

・RCN2戦略・・・・・・・・コンサルティング・システム開発事業において、得意とする業種(モビリティ、インフラ)において事業ドメインを拡大し、業種内シェアの拡大を目指します。

・Hybrid BPO・・・・・・・・・マネージメントサービス(BPO)事業において、多業務・高価値のBPOへの移行とRPA・AIなどの最新技術の活用による、アナログ×デジタルが融合した「Hybrid BPO」を提供してまいります。

コーポレート戦略:

・「人財強化」キャリアプラン・人財力強化のための制度改革を行ってまいります。

・Back Office DXの推進・・・・自社のバックオフィスにおいても新技術を積極的に採用し、新しい働き方へ対応してまいります。

・サステナビリティ経営・・・・SDGsベストプラクティス賞を制定し社員への啓蒙活動を強化するとともに、サステナビリティ委員会において目標設定を行い、サステナビリティ活動を推進してまいります。

 

(2) サステナビリティ経営の推進

当社は、2020年10月に、サステナビリティ経営の推進体制を整えるため、サステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ方針・環境方針・人権方針・腐敗防止に関する方針を定め、当社ホームページにて公開しております。また2021年2月には、環境への取組として当社グループのCO2排出量を測定し、また、ダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みの一環として、当社グループの女性従業員比率、女性管理職比率、女性役員比率、障がい者雇用数などを収集して、当社グループの現状を把握し、当該データを公開しております。更に、2021年5月には、次のとおり、環境目標とダイバーシティ&インクルージョン目標を設定しました。今後は、当該目標を達成するための活動を推進してまいります。

(環境目標)

・ 温室効果ガス削減目標(Scope1及び2)

2030年度目標…当社グループの温室効果ガス排出量30%削減(2019年度比)

2050年度目標…当社グループの温室効果ガス排出量ネットゼロ

(ダイバーシティ&インクルージョン目標)

・ 女性採用比率(新卒)………………………50%程度

・ 女性管理職比率………………………………20%以上

・ 平均勤続年数の男女比(注)………………70%以上

・ 女性役員比率(執行役員、理事を含む)…12%以上

 

(注)平均勤続年数の男女比(%)=女性の平均勤続年数÷男性の平均勤続年数×100

 

(3) 当社グループを取り巻く経営環境

当社グループは主として日本国内で事業を展開しているため、国内の経営環境について記載しております。

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症感染拡大を受け、期初に1度目の緊急事態宣言が発出され、経済活動が大きく制限されました。同宣言解除のあと、Go To トラベルキャンペーンなどの景気刺激策により一時上向く気配もあったものの、年末に向け再び感染者が増加し2度目の緊急事態宣言が発出され、3月まで延長されました。結果として、年間を通して新型コロナウイルス感染症感染拡大による影響を受け先行きが不透明な状態が続いた年度でありました。

当連結会計年度のコンサルティング・システム開発業界は、特に製造業において新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響が大きく、上半期においては新規設備投資計画が凍結されました。下半期において、新型コロナウイルス感染症対策の整った一部の企業では投資再開の動きがありましたものの、多くの企業においては、感染拡大状況を見ながらの対応となりました。当社グループの主力である会計システムへの投資についても、昨今の人手不足による潜在的なシステム投資ニーズはあるものの、投資決定に至るプロセスが長期化しております。

一方で、「新しい働き方」の実践などデジタルトランスフォーメーション(DX)等を用いた業務改善へのニーズが顕在化しました。特に在宅勤務の常態化等により情報セキュリティ対策の重要性に関する社会的な意識が高まり、情報セキュリティコンサルティング事業の需要が急拡大しております。情報セキュリティ分野においては、既に大企業においては一定の対策がなされておりましたが、中規模以下の企業においては対策が遅れておりました。当社グループでは、中規模以下の企業をターゲットとした情報セキュリティコンサルティングや情報セキュリティスペシャリストの育成事業を展開しており、当該ビジネスの拡大が続いております。また、ペーパーレス化コンサルティング等の「新しい働き方」に対応したコンサルティングの需要も拡大しております。

BPO、アウトソーシング業界については、従来から働き方改革や人手不足の影響により企業のBPO需要は高まっておりましたが、新型コロナウイルス感染症感染拡大により新たに事業継続(BCP)の観点からの需要が生まれております。当社グループが主として行っているBPO、アウトソーシングは、経理業務や給与計算業務であります。これらの業務はバックオフィス業務の中でも特に優先度の高い支払業務を含みます。顧客企業にとってこれら業務を外部委託することにより、より安定的に運用することが可能になります。当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が比較的緩やかな地方にBPOセンターを設置しており、都市部で緊急事態宣言が発出された状況下でも継続してサービスを提供できたことを顧客から高く評価されております。

 

(4) 優先的に対処すべき課題と対処方法

当連結会計年度は、2018年度に定めた中期経営計画の最終年度であり、当該中期経営計画の柱である基本戦略、 (1) コンサルティング事業の強化、(2) 顧客志向の経営、(3) 事業基盤の強化 を推進してまいりました。当連結会計年度に課題としておりました各項目の成果は次のとおりであります。

 

① コンサルティング事業の強化

情報セキュリティコンサルティングやペーパーレス化コンサルティングなど、コロナ禍における「新しい働き方」に対応したサービスメニューの提供を行いました。また、RPA研究所の機能強化など最新技術への取り組みを強化いたしました。

一方で、高度人財の確保や優秀パートナーの開拓については、一定の成果が出ているものの、社内の人財要求を十分に満たすまでには至っておらず、今後の課題となっております。

M&A/アライアンスについても、適切な案件の創出ができませんでした。

 

② 顧客志向の経営

アカウントコミッティによる個社別営業プランの策定・実行については、アカウントコミッティ活動が定着化してきており、成果が出始めております。また、アカウントコミッティ活動やグループ営業会議等を通した点から面へのサービス展開についても成果が出ております。

顧客密着型サービスの拡大については、人材派遣等のビジネスにおいては成果が出ているものの、SESビジネスは芳しくありませんでした。

 

③ 事業基盤の強化

当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症感染拡大により、事業運営の変化を大きく求められました。その様な環境下でありましたが、当社グループはいち早くテレワーク等の「新しい働き方」に順応し、生産性や品質の低下もなく業務遂行できました。また、「新しい働き方」を前提とした人事制度の見直しなども進めてまいりました。

 

④ 公正・適切な企業活動を通じた社会貢献

当社グループでは、当連結会計年度にサステナビリティ委員会を創設し、サステナビリティ方針を制定しました。また、環境、社会、ガバナンスの3分野について、BBSグループ環境方針、BBSグループ人権方針、BBSグループ腐敗防止に関する方針を定めました。さらに、当社内にサステナビリティ推進室を設置し、温室効果ガス排出量等各種データを収集しホームページにて公表いたしました。今後はそれぞれの指標の目標値を定め活動を一層推進してまいります。

 

翌連結会計年度については、中期経営計画を実現するに当たり、大きな課題として以下3つを認識し、各々の課題に対処してまいります。

 

① 人財の確保と充実した育成・教育

当社グループでは従前より人材を最も重要な経営資源だと捉え、“人財”と表記をしてまいりました。10年後の当社グループのあるべき姿を踏まえ、サステナブルに成長・発展していくためには、人財の確保と充実した育成・教育が欠かせません。

人財の採用につきましては、インターンシップの拡大やキャリアチェンジ採用の導入など、戦略的な採用を強化します。

今回の中期経営計画の策定に当たっては、社員の育成・教育の意味も含めて、将来の当社グループを支える中堅社員の一部も参画しました。今後は世代ごとの研修カリキュラムの充実化やe-Learningの刷新を行うなど、社員の育成・教育に更に注力してまいります。

 

② サービス提供品質の更なる向上

お客様へのサービス提供に当たり、品質を高めていくことは永遠のテーマだと考えています。

コンサルティング・システム開発事業につきましては、特に“事前”品質という観点での品質向上に取り組みます。プロジェクト立ち上げ時のソリューション品質の確認やプロジェクト計画の品質管理ガイドラインを見直すなど、事前品質(プロセス品質)の標準化に取り組むとともに、各工程の品質が次工程の事前品質に当たるという観点で品質の更なる強化を行います。

マネジメントサービス(BPO)事業につきましては、障害管理プロセスの状況把握など品質保証本部によるモニタリングを強化します。

 

③ 最新技術・トレンド技術への取り組み

お客様により良いサービスを提供するためには、最新技術・トレンド技術への取り組みが不可欠だと考えています。

当社独自の開発支援ツールであるACT-MBB(Method of Building Block)のマルチデバイス化・高セキュリティ化・クラウド対応を進め、高品質・高パフォーマンスでスピーディなシステム開発を実現します。

RPA技術の活用については、チャットbotや音声認識などの技術強化を進め、ビジネスモデル構築による早期マネタイズ化に取り組みます。

 

(5) 目標とする経営指標

当社グループが目標とする経営指標は以下のとおりです。

・ 連結営業利益率 7%

・ 自己資本利益率(ROE) 10%

・ マネージメントサービス事業売上の連結売上収益に対する比率 30%

 

当社グループは継続して安定的に成長することを目指しており、成長の指標として連結営業利益率を採用しております。当社グループは、コンサルティング・システム開発事業とマネージメントサービス(BPO)事業を営んでおりますが、コンサルティング・システム開発事業については、高い利益率が期待できるものの景気の影響を受けやすく不安定さを伴う一方で、マネージメントサービス(BPO)事業は安定的な収益を期待できるものの利益率は低くなる傾向があります。当社グループとしては、これら事業のミックスとして連結営業利益率7%を目標に経営してまいります。また、前述のとおり、当社グループはコンサルティング、システム開発の業界に属し、総体的に景気の影響を受けやすい状態にあるため、安定して業績を確保できるマネージメントサービス事業の売上収益を全社売上収益の30%以上にすることを目標に置くことにより、安定成長の指針としております。

継続して安定的に成長するためには、財務的な安定性も重要であると考えます。一方で、過度に財務的な安定性を求めることは非効率な経営に繋がります。当社グループでは、自己資本利益率(ROE)10%を目標にし、財務的な安定性を維持しつつ効率的な運営を行ってまいります。

なお、当社グループでは、当連結会計年度から国際会計基準(IFRS)を採用しております。当該基準の採用により、連結営業利益率及び自己資本利益率(ROE)が低下する傾向にありますが、目標とする経営指標については、新基準においても同様の水準としてまいります。

また、当社グループでは、自社のサステナビリティ活動も経営の重要項目と位置づけております。当社グループでは、グループ全体のサステナビリティと関連のある業務執行のための経営意思決定機関として、「サステナビリティ委員会」を設置し、環境目標とダイバーシティ&インクルージョン目標を設定しました。当該目標については、「(2) サステナビリティ経営の推進」に記載のとおりです。

 

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月28日)において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 新型コロナウイルス感染症について

 当社グループにおいては、新型コロナウイルス対策本部を立ち上げ、当社グループ従業員やビジネスパートナーの健康状況・勤務状況、各プロジェクトの遂行状況、お客様の対応等関連情報を一元管理し、お客様や従業員の健康・安全確保を第一としたうえで、事業継続のための各種施策を展開しております。

 新型コロナウイルス対策本部では、従業員に対し、テレワークによる業務遂行やフレックスタイム制度の利用を推奨するなど、新型コロナウルス感染症の感染拡大の状況に対応して感染予防対策を行っております。しかしながら、今後の感染拡大の状況によっては、以下の事業上のリスクがあります。

 マネージメントサービス(BPO)事業のうち一部の業務は、その業務の性格上テレワークに適さないため出社しての業務遂行が必要になっております。当該プロジェクトチームのメンバーに感染者が出た場合には、事業場の一時的な閉鎖や当該業務を他の事業場へ移管するなどの対応が必要になり、プロジェクトの遅延や、品質低下による損害が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 コンサルティング・システム開発事業におきましては、原則としてテレワークによる業務遂行が可能であるため、プロジェクトチームメンバーの大多数が感染しプロジェクトが停止してしまうリスクは低いと考えております。しかし、チームメンバーの一部が感染した場合には、プロジェクトの遅延や品質低下による損害が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 景気動向について

 当社グループが展開するコンサルティング・システム開発事業は、景気変動に伴う顧客企業等の設備投資動向の影響を大きく受けやすく、景気が悪化した場合、売上収益の減少や利益率の低下、回収サイトの長期化など、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 価格競争について

 当社グループが提供するサービスのうちSI及びシステム開発は、顧客の品質要求が高い反面、価格志向も強く、同業他社との価格競争が激しくなっております。当社グループでは、プロジェクト生産性向上を重要な課題として認識し、生産性向上ツールの開発及びプロジェクトマネージメント力強化を図っておりますが、価格面での圧力又は競争力の低下に伴う顧客離れは、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、マネージメントサービス(BPO)事業も同様に同業他社との価格競争が激しくなっております。当社グループでは、High Value BPOと称し、より専門的かつ高度な分野に展開することで差別化を図っておりますが、一部サービスにおいては低採算化や価格競争力の低下による顧客流出等の影響を受ける可能性があり、当該事象が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼします。

 

(4) 開発プロジェクトの管理について

 当社グループのコンサルティング・システム開発事業では、大型SIサービスを提供するために、顧客と請負契約を締結し、開発プロジェクトの進捗管理を行っております。しかし、ソフトウェアの欠陥等によりシステムが当初計画通りに稼動しないことや、大幅な手戻り作業の発生等によるプロジェクトの採算性の悪化、納期遅れ等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、マネージメントサービス(BPO)事業においては、契約当初に受託業務量を見積り受託価額を決定しますが、当該見積りの正確性を欠いた場合、あるいは想定された業務改善に失敗した場合には、顧客との間で長期の不採算契約が締結されることになり、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) キーパーソンの確保や育成について

 当社グループの成長と発展は人材に依存しており、当社グループでは「社員が最大の経営資源」と認識しております。そのため、社員をプロフェッショナルなキーパーソンとして育成するための人事制度を導入し社員教育を充実させております。しかしながら、キーパーソンの確保及び育成が十分に出来なかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 技術革新について

 当社グループの属する業界は、技術革新のスピードが速くかつその変化が著しい業界であり、新技術、新サービスが次々と生み出されております。当社グループにおいても、当該技術革新の動向を捉え、当社グループの事業との関連性を勘案しつつ対応を講じておりますが、すべての技術革新に対応できているわけではありません。当社グループの想定を超える技術革新による著しい環境変化等が生じた場合、当該変化に対応することができず、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)機密情報及び個人情報の漏洩について

 当社グループが顧客へ提供するサービスにおいて、顧客の機密情報や個人情報を取り扱う場合があります。そのため、機密保護管理に関する社内規程整備及び社員教育の徹底やコンピュータシステムのセキュリティ対策等を実施しておりますが、不測の事態等によりこれらの情報が外部に漏洩された場合には、信用の低下等により当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)労働者派遣事業について

 主として当社グループのマネージメントサービス(BPO)事業セグメントにおいて行っている労働者派遣事業は、厚生労働省からの許可(一般労働者派遣事業の場合)、若しくは同省への届出(特定労働者派遣事業の場合)により行っております。当社グループでは、社員教育を徹底し法令順守に努めておりますが、法令違反等に起因して事業の許可の取り消し又は業務の全部若しくは一部の停止が命ぜられた場合や、今後の重要な法改正とその対応等の要因により事業遂行に大きな影響が出る場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。

 

(9)法改正等による需要の変動について

 当社グループのコンサルティング・システム開発事業においては、会計分野を中心としたコンサルティングやソフトウェアの開発を行っているその事業の特性上、会計制度をはじめとする法改正等に起因した外部環境の変化に伴う需要が一時的に発生する場合があります。このような需要が発生した場合、及びその需要が一巡した場合においては、急激な需要の変化に伴い当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。

 

(10) 災害について

 当社グループのマネージメントサービス(BPO)事業では、浜松市、新潟市、熊本市などにBPOセンターを設け、人事・経理等の業務を受託しております。各BPOセンターでは、各種災害に備え事業継続・復旧計画を策定し、災害時での事業継続や早期の復旧が出来るように体制を整えております。しかし、想定を超える大規模災害が発生し、復旧に長期の時間を要する場合には、顧客からの受託業務の履行遅延や履行が出来ない状況となり、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況と経営者による分析

 当社グループは、当連結会計年度から従来の日本基準に替えて国際会計基準(以下「IFRS」という。)を適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。

① 経営成績

 当期の経営成績の概況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症感染拡大を受け、期初に1度目の緊急事態宣言が発出され、経済活動が大きく制限されました。同宣言解除のあと、Go To トラベルキャンペーンなどの景気刺激策により一時上向く気配もあったものの、年末に向け再び感染者が増加し2度目の緊急事態宣言が発出され、3月まで延長されました。結果として、年間を通して新型コロナウイルス感染症感染拡大による影響を受け先行きが不透明な状態が続いた年度でありました。

このような経営環境の中、当社グループの受注高は、第2四半期連結会計期間以降堅調に推移してまいりましたが、第3四半期連結会計期間に入り若干落ち込んだことにより、前連結会計年度を下回る結果となりました。一方で、売上収益に関しては、前連結会計年度末の受注残高の積み上げ等により前連結会計年度を上回る実績を確保しております。また、売上総利益は、上半期における利益率の改善及び利益率の高い情報セキュリティコンサルティング事業が伸長したことや売上収益の増加により、前連結会計年度を上回る結果となりました。販売費及び一般管理費については、新型コロナウイルス感染症感染拡大を受けた出張規制、テレワークの推奨により旅費交通費等の経費発生が抑制されたものの、広告宣伝活動に伴う費用や人件費が増加し、さらにIFRS固有の処理である株式報酬費用や従業員給付費用の増加により前連結会計年度と比較し増加しております。

その結果として、当連結会計年度における業績は、売上収益29,159百万円(前連結会計年度比2.5%増)、営業利益2,200百万円(前連結会計年度比0.6%減)、税引前利益2,312百万円(前連結会計年度比4.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,554百万円(前連結会計年度6.4%増)となりました。また、当社グループの目標とする経営指標である連結営業利益率は7.5%(前連結会計年度比0.3ポイント減)、自己資本利益率(ROE)は、15.6%(前連結会計年度比1.2ポイント減)となり、目標値(それぞれ7%、10%)を上回りました。

なお、当社は、2020年10月開催の取締役会において、本社移転に関する決議をいたしました。これに伴い、一部の固定資産について耐用年数を短縮するとともに、資産除去債務の費用配分期間について変更しております。この変更により、従来の方法と比べて、当連結会計年度の営業利益、税引前利益はそれぞれ63百万円減少しております。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 

なお、第1四半期連結会計期間において連結子会社である(株)EPコンサルティングサービスの一部事業をグローバルセキュリティエキスパート(株)へ事業譲渡しております。これに伴い、従来「マネージメントサービス(BPO)」に含まれていた該当事業を「コンサルティング・システム開発」に含めております。

また、前連結会計年度のセグメント情報は変更後のセグメント区分に基づき作成しております。

 

[コンサルティング・システム開発事業]

(単位:百万円)

事業の内容

売上収益

セグメント利益

2020年

3月期

2021年

3月期

対前年

同期増減

2020年

3月期

2021年

3月期

対前年

同期増減

会計システムコンサルティング及びシステム開発

13,297

13,329

32

1,342

1,224

△118

金融業界向けシステム開発

5,221

4,824

△397

169

119

△50

情報セキュリティコンサルティング

2,253

2,916

663

137

231

94

PLM支援ソリューション

920

875

△45

145

118

△27

(セグメント内事業別

売上収益)

△218

△264

△46

△22

△1

21

セグメント計

21,473

21,680

207

1,771

1,691

△80

 

 コンサルティング・システム開発事業の当連結会計年度は売上収益21,680百万円(前連結会計年度比1.0%増)、セグメント利益1,691百万円(前連結会計年度比4.5%減)となりました。

 

 会計システムコンサルティング及びシステム開発事業の受注につきましては、当初は堅調でしたが第3四半期連結会計期間に入り顧客の投資判断が慎重になったことにより、前連結会計年度を下回る実績となりました。売上収益につきましては、前連結会計年度末の受注残高の積み上げ等により、前連結会計年度並みの実績を確保しております。利益につきましては、前連結会計年度に受注した大型案件の利益貢献やコロナ禍における経費削減の効果もありましたが、株式報酬等のIFRS固有処理の増加により前連結会計年度を下回る結果となりました。

 銀行・証券・生損保等の金融業界向けのシステム開発事業の受注につきましては、金融業界の収益構造の変化に伴う投資抑制により需要が減少傾向であったうえに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け案件が縮小しており、前連結会計年度を下回る結果となりました。売上収益につきましても受注案件の縮小により前連結会計年度を大きく下回る結果となりました。利益につきましては、経費削減を強力に推進しましたが、従業員給付費用等のIFRS固有の処理の増加により前連結会計年度を下回る結果となりました。

 情報セキュリティコンサルティング事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるテレワークの導入など社会全体の情報セキュリティに対する意識の高まりにより好調に推移し、前連結会計年度を上回る実績となりました。売上収益につきましても好調な受注環境を背景に前連結会計年度を大きく上回る実績となりました。利益につきましても、事業拡大に伴う費用の拡大やIFRS固有の処理の増加はあったものの、前連結会計年度を上回る結果となりました。なお、第1四半期連結会計期間において、連結子会社である(株)EPコンサルティングサービスの一部事業を当事業を営むグローバルセキュリティエキスパート(株)へ事業譲渡しており、この事業譲渡による効果も出ております。

 PLM(Product Lifecycle Management)支援ソリューション事業につきましては、製造業を中心とした製品設計の効率化をもたらすソリューションを提供しており、従来のPLMパッケージでは実現出来なかった製品管理を可能にしたソリューションである「PLMconsole」を中心に案件を獲得しております。当事業の顧客は製造業が中心であり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による世界的な経済環境悪化の影響を強く受けております。その為、新規投資の抑制や延期など当事業の受注活動にも影響が出ており、当連結会計年度の受注は前連結会計年度と比較し減少しております。売上収益・利益につきましても前連結会計年度を下回る結果となりました。

 

[マネージメントサービス(BPO)事業]

(単位:百万円)

事業の内容

売上収益

セグメント利益

2020年

3月期

2021年

3月期

対前年

同期増減

2020年

3月期

2021年

3月期

対前年

同期増減

人事給与関連アウトソーシング

3,112

3,272

160

370

410

40

グローバル企業向けアウトソーシング

1,394

1,421

27

△82

△62

20

外資企業向けアウトソーシング

859

875

16

64

64

0

オンサイトBPO

2,061

2,301

240

67

102

35

(セグメント内事業別

売上収益)

△93

△46

47

△1

△12

△11

セグメント計

7,333

7,823

490

418

502

84

 

 マネージメントサービス(BPO)事業の当連結会計年度は売上収益7,823百万円(前連結会計年度比6.7%増)、セグメント利益502百万円(前連結会計年度比20.1%増)となりました。

 人事・給与業務関連アウトソーシングサービス事業につきましては、大型案件の受注等により、受注、売上収益、利益共に前連結会計年度を上回る実績を確保しました。

 グローバル企業向けアウトソーシング事業の受注につきましては、第4四半期連結会計期間に大型案件の受注が増加したことにより、前連結会計年度を大幅に上回る結果となりました。売上収益につきましては良好な受注状況等により前連結会計年度を上回る実績をとなりました。損益につきましては、第2四半期連結会計期間に一部の業務改善が遅れていたプロジェクトに関して今後発生が見込まれる損失について引当金を計上しましたが、当該引当金計上により新たな損失が生じていないことや一昨年買収した連結子会社の事業構造改善効果が徐々に出つつあることから、前連結会計年度を上回る実績を確保いたしました。

 外資系企業向けアウトソーシング事業につきましては、全体的に需要は堅調であり売上収益・利益共に概ね前連結会計年度並みの実績を確保しております。

 オンサイトBPO事業につきましては、一部の取引先から大型の受注があり、受注・売上収益共に前連結会計年度を大幅に上回る結果となりました。利益につきましても、人財採用など費用は増加しているものの、好調な売上収益のため前連結会計年度を上回る結果となりました。

 

② 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期増減率(%)

コンサルティング・システム開発事業(千円)

21,485,732

1.7

マネージメントサービス(BPO)事業(千円)

7,633,462

7.7

合計(千円)

29,119,194

3.2

 (注)1. 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度より、報告セグメントの変更を行っており、「前年同期増減率(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えて算出しております。

ロ.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(千円)

前年同期増減

率(%)

受注残高

(千円)

前年同期増減

率(%)

コンサルティング・システム開発事業

20,607,476

△9.2

4,791,168

△15.9

マネージメントサービス(BPO)事業

7,555,348

4.3

5,156,182

△1.8

合計

28,162,824

△6.0

9,947,350

△9.1

 (注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3. 前期以前に受注した案件で、契約の変更等によりその内容に変更のあるものについては、当連結会計年度の受注高にその増減額を含んでおります。

4.当連結会計年度より、報告セグメントの変更を行っており、「前年同期増減率(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えて算出しております。

ハ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期増減率(%)

コンサルティング・システム開発事業(千円)

21,502,519

0.7

マネージメントサービス(BPO)事業(千円)

7,656,077

8.1

合計(千円)

29,158,596

2.5

 (注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度より、報告セグメントの変更を行っており、「前年同期増減率(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えて算出しております。

③ 目標とする経営指標の達成状況

 当社グループが目標とする経営指標の達成状況は以下のとおりです。

決算期

2020年

3月期

2021年

3月期

連結営業利益率

7.8%

7.5%

自己資本利益率(ROE)

16.8%

15.6%

マネージメントサービス事業売上の連結売上収益に対する比率

25.5%

26.5%

 

(参考:日本基準による指標)

決算期

2017年

3月期

2018年

3月期

2019年

3月期

2020年

3月期

2021年

3月期

連結営業利益率

3.6%

4.9%

6.9%

7.5%

8.3%

自己資本利益率(ROE)

6.5%

10.0%

12.3%

15.7%

15.8%

マネージメントサービス事業売上の売上高に対する比率

26.5%

28.5%

29.2%

(注)27.7%

26.6%

(注)当連結会計年度に実施した連結子会社間の事業譲渡の影響を調整した場合、25.6%になります。

 

 連結営業利益率につきましては、前連結会計年度比0.3ポイント減少し7.5%となりましたが、目標の7.0%を達成しております。これは、売上収益や売上総利益率は堅調に推移したものの、株価の上昇等により株式報酬費用等が大幅に増加したためであります。

 自己資本利益率(ROE)につきましても、前連結会計年度比1.2ポイント減少し15.6%となりましたが、前連結会計年度に引き続き目標値(10.0%)を達成しております。これは、主として連結営業利益率の低下によるものであります。

 マネージメントサービス(BPO)事業売上の売上収益に対する比率につきましては、事業譲渡の影響調整後で前連結会計年度比1.0ポイント増加し、当連結会計年度は26.5%と目標の30.0%に届きませんでした。当連結会計年度に実施した連結子会社間の事業譲渡の影響により、事業譲渡前に比較して2%程度比率を下げてしまいましたが、マネージメントサービス(BPO)事業の売上収益は前連結会計年度比6.7%増と順調に伸長しております。

 

④ 財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は22,786百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,135百万円の増加となりました。

流動資産は、15,966百万円と前連結会計年度末に比べ1,947百万円増加しました。主な要因としては、売上収益が堅調に推移したことにより、現金及び現金同等物が1,822百万円増加、契約資産が531百万円増加した一方、営業債権及びその他の債権が302百万円減少したことによるものです。

 非流動資産は、6,819百万円となり、前連結会計年度末に比べ188百万円増加しました。主な要因としては、株価上昇等によりその他金融資産が588百万円増加したことや繰延税金資産が233百万円増加した一方、有形固定資産や使用権資産が償却等により、それぞれ111百万円、497百万円減少したこと等によるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末の負債合計額は11,743百万円となり、前連結会計年度末に比べ683百万円の増加となりました。

 流動負債は、6,968百万円と前連結会計年度末に比べ815百万円増加しました。この主な要因としては、売上収益の増加に伴う契約負債、営業債務及びその他の債務及び未払法人所得がそれぞれ375百万円、197百万円及び365百万円増加した一方、リース負債の減少171百万円等によるものであります。

 非流動負債は、4,775百万円と前連結会計年度末に比べ131百万円減少しました。この主な要因としては、株式報酬に係る負債の増加138百万円の一方、リース負債の減少335百万円等によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の資本合計は11,043百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,452百万円増加しました。この主な要因としては、好調であった業績に伴う利益剰余金の増加によるものであります。

 

⑤ キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末比1,822百万円増額の8,262百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、3,075百万円(前連結会計年度末比110.8%増)となりました。この主な要因としては、業績が堅調に推移し税引前利益が前連結会計年度末比94百万円増加し2,312百万円となったことに加え、減価償却費及び償却費の調整による増加が846百万円あり、営業債権・債務等及び契約資産・負債の増減による資金増加361百万円、法人所得税の支払による資金減少604百万円によるものであります

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は529百万円(前連結会計年度末比10.5%増)となりました。この主な要因としては、余資運用としての有価証券の取得に伴う支出1,706百万円の一方、償還等による収入1,359百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は720百万円(前連結会計年度末比7.9%減)となりました。この主な要因としては、リース負債の返済による支出524百万円配当金支払の380百万円等によるものであります。

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性

資金需要と流動性の確保

 当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、社員の給与や賞与等の人件費、ビジネスパートナーに支払う外注費等の通常の営業費用になります。さらに、当社グループでは、安定的に事業を拡大することを目指しており、そのために必要な人財の確保に要する費用やM&A投資、人員増に伴うオフィス関連投資等、事業拡大に向けて積極的に資金を投入する予定です。

 これらの資金需要に備えるため当連結会計年度末に8,262百万円の現金及び現金同等物を有しております。さらに、預入期間が3か月を超える定期預金や有価証券・投資有価証券を保有し、中長期的に流動性を確保しつつ効率的な運用を行っております。また、取引銀行2行と当座貸越契約(極度額1,830百万円)を締結し、一時的な資金需要に備えております。

 

財政政策

 当社グループは、事業運営上必要な流動性の確保と経常的に安定した資金源泉の確保を基本としております。短期的な資金調達については銀行借入によりますが、長期にわたる投資資金は銀行借入及び増資にて調達する方針です。

 なお、当連結会計年度末に358百万円の借入金がありますが、これは、当社において、従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引(信託型従業員持株インセンティブ・プラン「従業員持株E-Ship信託」)の導入に伴い、同スキームで設定された「BBSグループ従業員持株会信託」が行った借入金で、当社は保証を行っているもの等です。

 

(2) 重要な会計上の見積り

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定及び、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に係る仮定に関しては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

 

(3) 並行開示情報

 連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。

 なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

 

① 要約連結貸借対照表(日本基準)

(単位:千円)

 

 

前連結会計年度

(2020年3月31日)

当連結会計年度

(2021年3月31日)

資産の部

 

 

流動資産

13,812,281

15,786,831

固定資産

 

 

有形固定資産

328,432

285,328

無形固定資産

560,299

454,081

投資その他の資産

2,925,593

3,624,809

固定資産合計

3,814,324

4,364,218

資産合計

17,626,605

20,151,049

 

 

 

負債の部

 

 

流動負債

4,695,662

5,648,024

固定負債

2,887,453

2,940,943

負債合計

7,583,115

8,588,967

 

 

 

純資産の部

 

 

株主資本

9,733,000

11,065,939

その他の包括利益累計額

△29,473

65,516

非支配株主持分

339,963

430,627

純資産合計

10,043,490

11,562,082

負債純資産合計

17,626,605

20,151,049

 

② 要約連結損益及び包括利益計算書(日本基準)

(単位:千円)

 

 

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

売上高

28,351,168

29,087,308

売上原価

22,317,306

22,528,199

売上総利益

6,033,862

6,559,109

販売費及び一般管理費

3,903,805

4,150,913

営業利益

2,130,057

2,408,196

営業外収益

142,563

94,415

営業外費用

16,635

10,686

経常利益

2,255,985

2,491,925

特別利益

140,718

特別損失

22,586

142,996

税金等調整前当期純利益

2,233,399

2,489,647

法人税等合計

769,886

789,397

当期純利益

1,463,513

1,700,250

(内訳)

 

 

親会社株主に帰属する当期純利益

1,427,333

1,650,494

非支配株主に帰属する当期純利益

36,180

49,756

その他の包括利益合計

△33,679

95,775

包括利益

1,429,834

1,796,025

(内訳)

 

 

親会社株主に係る包括利益

1,392,184

1,745,483

非支配株主に係る包括利益

37,650

50,542

 

③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)

前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

(単位:千円)

 

 

株主資本

その他の包括利益

累計額

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

8,521,419

5,675

274,265

8,801,359

当期変動額合計

1,211,581

△35,148

65,698

1,242,131

当期末残高

9,733,000

△29,473

339,963

10,043,490

 

当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

(単位:千円)

 

 

株主資本

その他の包括利益

累計額

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

9,733,000

△29,473

339,963

10,043,490

当期変動額合計

1,332,939

94,989

90,664

1,518,592

当期末残高

11,065,939

65,516

430,627

11,562,082

 

④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)

(単位:千円)

 

 

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

938,411

2,666,914

投資活動によるキャッシュ・フロー

△468,344

△669,375

財務活動によるキャッシュ・フロー

△269,019

△186,355

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

201,048

1,811,184

現金及び現金同等物の期首残高

6,206,579

6,407,627

現金及び現金同等物の期末残高

6,407,627

8,218,811

 

⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)

 

(会計上の見積りの変更)

 (耐用年数の変更)

  当社は、2020年10月30日開催の取締役会において、本社移転に関する決議をいたしました。この本社移転に関する決議に伴い、移転後利用見込みのない固定資産について耐用年数を短縮し、将来にわたり変更をしております。また、同様に本社オフィスの不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務の資産除去債務の費用配分の期間について見積りの変更を行っております。

  これにより、従来の方法と比べて、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ63,197千円減少しております。

 

(4) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。

 

前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

 「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 39.初度適用」に記載のとおりであります。

 

当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

 

連結範囲の差異に対する調整

 移行日時点においては、日本基準で非連結子会社としておりましたBBS (Thailand) Co.,Ltd.、BUSINESS BRAIN SHOWA-OTA VIETNAM CO.,LTD.、BBS CONSULTING SERVICE CO.,LTD.は、IFRSの適用にあたり連結子会社としております。また、移行日時点においては、日本基準で持分法非適用関連会社としておりましたニュー・リレーション・インフォ・ビズ㈱は、IFRSの適用にあたり持分法適用関連会社としております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて売上収益が71,287千円増加し、営業利益が3,982千円減少し、税引前利益が29,601千円増加しております。

 

未消化の有給休暇及び退職給付を除く長期従業員給付に対する債務

 日本基準では会計処理をしていなかった未消化の有給休暇及び退職給付を除く長期従業員給付に対する債務について、IFRSでは人件費として認識しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて営業利益及び税引前利益が115,939千円それぞれ減少しております。

 

株式報酬制度

 役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託による株式報酬制度のうち持分決済型の株式報酬制度として会計処理している部分について、日本基準ではポイント付与時に付与したポイントに相当する額を人件費として一時に認識しておりましたが、IFRSでは付与したポイントに相当する額をポイント付与後制度終了もしくは退職時までの期間にわたり人件費として認識しております。また、これらの株式報酬制度のうち現金決済型の株式報酬制度として会計処理している部分について、日本基準ではポイント付与時に付与したポイントに相当する額を人件費として一時に認識しておりましたが、IFRSでは将来の現金支払額の公正価値の増加額を人件費として認識しております。

 従業員持株E-Ship信託による株式報酬制度について、日本基準では費用認識をしておりませんでしたが、IFRSでは現金決済型の株式報酬制度として会計処理しており、将来の現金支払額の公正価値の増加額を人件費として認識しております。

 この影響により、IFRSでは日本基準に比べて営業利益が202,772千円、税引前利益が201,563千円それぞれ減少しております。

 

のれんの計上額の調整

 日本基準ではのれんについて償却しますが、IFRSでは非償却であるため、移行日以降の既償却額を遡及修正しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて営業利益及び税引前利益が7,914千円それぞれ増加しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

1.当社と株式会社日立ソリューションズは、両者の経営資源を相互に活用することにより、両者の企業価値の極大化と事業基盤及び経営基盤の拡充を図ることを目指して、当初2005年12月28日付で締結した資本・業務提携を2013年2月27日付にて改正しております。

2.当社とJFEシステムズ株式会社(以下、「JFEシステムズ」という)は、2013年5月23日付にて業務・資本提携契約を締結しております。

業務提携の内容は、以下の通りであります。

(1)相互の顧客基盤・サービスをベースとしたソリューション拡販協力

・共同セミナー開催、相互顧客への紹介を通じた相互保有ソリューションの拡販協力

・相互保有ソリューションの連携による差別化商品の創出

(2)システム開発案件における共同受注・相互補完

・システム開発案件における共同受注

・JFEシステムズの案件に対する当社による会計・経営管理領域でのコンサルティング・開発支援

・当社の案件に対するJFEシステムズによる生産・販売・物流領域でのコンサルティング・開発支援

(3)相互の得意分野・ノウハウによる新規提携分野の開拓

3.当社と株式会社プロネクサスは、2015年8月25日付にて業務提携契約を締結しております。

業務提携の内容は、以下の通りであります。

(1)経理、決算、開示業務に関わるシステム・サービス分野における協業

・上場企業の決算~開示業務を効率化するシステムの開発、導入

・投資信託・J-REIT等金融商品運用会社向け業務支援システムの開発、導入

(2)相互の顧客、技術、人財等の情報交換と相互補完による協業

(3)相互の得意分野・ノウハウの活用による新規提携分野の開拓

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発は顧客の利益増加に貢献することを基本理念として、「顧客ニーズへの対応」にフォーカスした開発を中心に実施する方針であります。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動に伴う研究開発費は18百万円であります。当連結会計年度における主要な研究開発の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費等は次のとおりであります。

(コンサルティング・システム開発事業)

 DSS(意思決定支援システム)の構築とビジネスへの積極的活用に向けたソリューションモデルの作成を行っております。当該活動に係る研究開発費は18百万円であります。