文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針と中長期的な経営戦略及びその実行状況
(会社の経営の基本方針と長期ビジョン)
当社グループは既に50年を超える社歴がありますが、今後新たに50年間成長・発展させ、100年企業として存続させることが現経営陣の使命であると考えております。そのために、「企業理念」に沿った活動を実践することで、お客様、取引先、株主、従業員等のすべてのステークホルダーを含む、社会全体と共に当社グループの持続的な成長・発展を実現することを目指してまいります。
当社グループでは、「お客様の企業価値の向上を通して、社会に貢献する」「お客様の発展の原動力となる」「お客様の利益増加に貢献する」を経営理念としています。
次に、経営方針ですが、当社グループに経営方針として定められたものはありません。一方で、創業者山﨑の経営哲学が「創業者の言葉」として、マネジメント層に沁みついています。その中でもグループ全体で連携・協働をはかりながら事業展開・発展を目指す「八ヶ岳経営」、お客様に導入する際に適切な時期に適切なソリューションを提供するための「波乗り経営」、また単純なサービスや商材を提供するのではなくそれらを組み合わせてお客様が本来求める高い次元の価値を提供する「ケーキを売る」など、創業者の言葉を大切にして経営に努めております。
最後にビジネスモデルです。当社グループは、お客様の現状把握や企画などを支援するコンサルティングサービス、実際の情報技術の活用支援やシステムの導入、さらにマネージメントサービスでお客様の業務のアウトソーシングを行っております。これらのサービスをシームレスに提供し、お客様の業務のさらなる改善と効率化を実現する「BBSサイクル」を提供しています。それぞれの事業分野に競合企業は存在しますが、これらのサービスをシームレスに提供できるのは当社グループだけであると考えています。
当社グループは、変化する時代と、変化しない当社グループの基本理念を照らし合わせ、2030年度のゴールをBBSになぞらえたGoal2030を設定しております。また、数値目標として、連結売上収益1,000億円、連結事業利益100億円を設定しております。
(経営環境)
当社グループは、主として日本国内で事業活動を展開しております。日本におけるコンサルティング、システム開発、BPO・アウトソーシング業界については、中長期的なトレンドとして生産年齢人口の減少が進む中で、各企業では、不足人材を、新技術やシステムを活用し省力化を図ること、BPOやアウトソーシング等のサービスを活用し業務を社外に切り出すことにより対応しなければならないことから、安定的に市場は拡大すると見込まれます。
当社グループは、BBSサイクルにより他社との差別化をはかり、市場拡大を上回る成長を目指してまいります。
(関税政策の影響)
経営課題として昨今取り上げられております、いわゆるトランプ関税の影響についてですが、当社は主として日本国内で営業活動を行っており、米国向けの売上はないことから、直接的な影響はありません。
しかし、当社の顧客にはモビリティ分野を構成する自動車関連産業など関税措置の影響を強く受けると見込まれる業種の顧客が含まれております。
一方、各国と米国政府との交渉進捗は予断を許さないことから、今後の当社業績への影響について慎重に見極めてまいります。
(中期経営計画BBS2026 成長戦略/資本財務戦略)
SI市場のマーケット予測によると、SaaS市場は年平均12%の成長率が見込まれるのに対して、パッケージ市場はほぼ横ばいと予測されています。
成長が見込まれるSaaSビジネスとしては、自社開発のツールである「次世代基盤」を基にしたソリューション開発など、新サービスを積極的に投入していきます。
一方横ばいが予測されているパッケージビジネスは、BBSサイクルという当社グループ独自のビジネスモデルを、しっかりと回すことによってSaaSに対抗できるソリューションを提供します。SaaSは、お客様にとって資産や保守体制を社内に持つ必要が無いというメリットがある一方で、カスタマイズの自由度が低いというデメリットもあります。当社グループが提供するソリューションはSaaSに対しても決して負けない競争力があると考えています。
マネージメントサービス(BPO)の成長戦略です。BPOのマーケットは、2~3%の成長が予測されており、安定的なマーケットと言えます。このような環境下で、当社グループは市場成長を超える売上拡大を目指していきます。
短期間でBPOをしたいお客様には、BPaaSによるサービス提供を推進していきます。Bulas等自社システムを強化し、人事給与分野でのBPaaSを拡大するとともに、経理業務のBPaaSにも取り組んでいきます。
一方、大規模BPOのマーケットでは、従来のHigh Value BPOを継続してお客様に提供します。税務、会計、人事等の専門知識に加え、ITのノウハウを活用し、高付加価値、高効率なサービスで競争優位を確立します。
そして将来的には「日本の経理部・人事部」と認知されるような、総合バックオフィスサポーターを目指します。
資本・財務戦略については、資本コストと株価を意識した経営を引き続き推進いたします。
BBSグループでは、従来から、手元資金をM&A等の成長投資に振り向けつつ、配当性向の引き上げや自社株買いの実施など、成長と株主還元のバランスを保った経営を進めてまいりました。
しかし、前期にGSX社の関連会社化に伴い自己資本が大きく膨らんだ結果、資本効率を示す指標に大きな変動がありました。
このためBBS2026では、ROEを12%まで戻すことを目標にしております。
これらのKPIを達成することで、資本効率を示す指標であるROE、PBRの達成をはかってまいります。
(中期経営計画BBS2026の進捗状況)
当社グループは、中期経営計画2026初年度に当たる当連結会計年度にて、受注が404億円(対前連結会計年度比+16.4%)、売上収益は388億円(対前連結会計年度比+13.4%)、事業利益も29億円(対前連結会計年度比+13.2%)と順調に推移いたしました。一昨年に買収した㈱フレスコ、㈱トゥインクルを除いた既存事業においてもそれぞれ高い成長を達成することができました。
中期経営計画BBS2026にて成長・資本効率・投資の3分野でKPIを設定し、戦略的なパフォーマンス管理を実施しております。成長目標に関するKPIは売上高成長率については2023年度でのグローバルセキュリティエキスパート㈱、㈱ミックスの売却によるマイナスから反転し、大きな成長を遂げております。
BPO売上比率については㈱トゥインクルの買収により大きく改善し、目標数値に近づいております。
また当社独自のKPIとして設定したBBSサイクル率においては年度目標を達成しております。
イノベーションを促進するための女性管理職比率については、伸び悩んでおりますが、比率を上げるために次世代の管理職育成プログラムを実施し、改善に努めています。
資本効率、投資に関するKPIにおいては、資本効率ではROE、ROICは自己株式買付による向上を図ってまいりましたが、事業利益率の向上が進まなかったこともあり大きな改善には至っておりません。
M&A投資は積極的に活動を進めておりますが、当期において大きな進展はありませんでした。
一方、研究開発投資においては新たな製品に注力しており、当社独自のローコードフレームワークにて、外部環境の変化に対応可能な新たなシステム基盤を開発いたしました。いわゆるFit to Standardでは対処できない、お客様に寄り添ったソリューションを提供し、さらなる成長に寄与するものと考えております。
(2) 優先的に対処すべき課題と対処方法
当社グループでは、2024年4月から3年間の新中期経営計画『BBS2026 - Evolving Innovations - 』をスタートしております。この中期経営計画により飛躍的な成長への道筋を構築し、Goal2030の達成を確かなものにしたいと考えております。
第59期は、この新中期経営計画の2年目として、『Goal2030達成に向けて事業面のイノベーションを加速し、BBSサイクルを促進しよう』をテーマに掲げております。第58期にはDX・人財・品質のイノベーションを発揮いたしましたので、第59期は更に発展させ、当社グループ全体で特に事業面のイノベーションを活性化することに注力してまいります。BBS2026の達成に道筋をつけるべく、グループ各社、グループ社員全員でイノベーションを継続的に起こし、グループで連携し、サステナブルな企業基盤を構築してまいります。
Goal2030 売上高1,000億円に向け大きく飛躍するためにも当社グループ一丸となって取り組んでまいります。
1.重点項目(2つのキーワード)
① イノベーション
当社グループ一体でDXを推進し、Goal2030達成に向けたイノベーションを更に活発化させてまいります。新サービス及び事業を創造し、DXサービスの市場浸透をはかるとともにデータドリブン経営によりデータに基づいたリアルタイムな意思決定支援の実現をはかります。
② BBSサイクル
BBSサイクルを更に強化するため、人財、情報、品質でのグループ連携・シナジーを発揮させてまいります。人的資本への投資や品質強化などのソフト面に積極的に投資し、Goal2030を実現するための基盤を確立します。
2.事業戦略
① RCN2戦略
コンサルティング、SI、BPO事業横断的な戦略として、当社グループとして最も重要なお客様であるロイヤルカスタマーとの取引を拡大するとともに、ロイヤルカスタマーの社数を増加させます。
② No.1戦略
当社グループの強みである経営会計を中心に、顧客基盤、エリア、事業領域を拡大します。社会課題や最新テクノロジーをタイムリーに捉え、半歩先行くソリューション展開をはかってまいります。
③ High Value BPO × BPaaS戦略
High Value BPOにより業務改善を伴う専門領域への大規模BPOを展開いたします。BPaaSによりDXとBPOを融合した生産性が高く機動的なBPOサービスを展開いたします。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、以下の通りです。
なお、文中の将来に関する記載事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(当社グループのマテリアリティ)
現在進めております中期経営計画 BBS2026を策定するに当たり、当社グループにとって重要度が高く、ステークホルダーにとっても重要度が高い項目からマテリアリティ、すなわち重要課題を特定しております。
事業を進める上での基盤として、第一に重要なのはガバナンスであると考えています。そして、環境対策があげられます。これは、地球環境もそうですが、サービス業である当社は社員が活躍できる社内環境の整備も重要になっています。
事業基盤を強化したうえで、価値を生み出す資本をさらに拡充していく必要があります。ここのレイヤーは、技術やノウハウといったものになりますが、具体的には高品質サービスの提供体制やそれを司る人的資本の拡充、DXの推進が課題になります。
これらの資本を活用して、新規ビジネスを創造し、未来を創る価値を提供することで、社会に貢献し、我々BBSグループも成長していくことを目指しています。
(サステナビリティ方針)
当社グループは「サステナビリティ方針」を以下の通り定め、推進に取り組んでおります。
当社グループは「お客様の企業価値の向上を通して、社会に貢献すること」を経営理念に掲げ、創業以来社訓の精神である「創造」・「責任」・「連帯」を遵守して経営を進めています。
お客様にIT技術と経営コンサルティングの融合による経営イノベーションを提唱することで、お客様とともに成長・発展し、社会に貢献してきました。
一方、2015年の国連サミットにおいて、グローバルな社会課題を解決し持続可能な世界を実現するための国際目標であるSDGsが採択される等、企業を取り巻く環境は大きく変化し、サステナビリティが非常に重要な課題となっています。
当社グループは、この大きな変化の中で、自社のサステナビリティ活動を経営の重要項目と位置づけます。また、同じ問題意識を持つ企業に対しては、その問題解決のためのソリューションを提供し、事業を通じて貢献していきます。
具体的には、気候変動や労働と人権の問題などのSDGs(持続可能な開発目標)に示された世界全体の様々な課題が引き起こすリスクを認識し、それらの課題を悪化させないための対策をとります。また課題解決のためにイノベーションを創出することが、ビジネスの成長機会になると捉えて、活動を行います。
当社グループ企業はもとより、サプライチェーン全体の中で、サステナビリティの対応を適切に進めることを、中長期の目標とします。
当社では、社員へのサステナビリティ経営の啓蒙活動の一環として、「ベストプラクティス賞」を制定し表彰しております。「ベストプラクティス賞」は年間を通じてサステナビリティ推進に貢献した社員・チームを表彰する制度で、期初に年間計画を作成しエントリーした上で、期末に活動成果の報告を受け、審査の上表彰を行います。
(1)ガバナンス
当社グループは、グループ全体のサステナビリティと関連のある業務執行のための経営意思決定機関として、「サステナビリティ委員会」を設置しています。当社代表取締役社長が委員長となり、環境や人的資本(人財の多様性を含む)に関連する取組みを統括するとともに、当社グループの当該事項における経営意思決定の最終責任を負っています。
サステナビリティの課題は任命された担当役員が指揮を執り、方針策定、意思決定、教育、仕組みの構築、運営、モニタリングを実践しています。
原則年4回開催される「サステナビリティ委員会」において、サステナビリティ戦略の方針の審議・決定、関連事項のリスクと機会の把握・特定・評価、KPIの設定、モニタリングを実施しています。取締役会が「サステナビリティ委員会」に対し監督機能を発揮できるよう、委員の任命においては業務執行取締役を必須とし、監査等委員には陪席を求めております。また取締役会にて審議が必要な事項については適宜付議・報告することとしております。
(2)環境面に関する戦略
① 基本的な考え方
当社グループは、気候変動問題を含む環境課題への対応が重要な経営課題のひとつであると強く認識しています。
パリ協定の枠組みや、日本政府が掲げた2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標のもと、持続可能な社会を実現する為に企業が果たすべき役割を認識し、ビジネスを通じてこの課題解決を実現することが、BBSグループの持続的成長に繋がると考えます。
② 目標と取り組み
・BBSグループの事業が及ぼす環境へのマイナス要素の削減に取り組みます。
(1) 気候変動問題への対応として、温室効果ガスの排出を削減します。
(2) グループ全拠点における水リスクへの対応を進めます。
(3) 地球の生態系を自然資源と捉え、その健全な保護に努めます。
・環境マネジメントの仕組みを構築し、適切な運用と継続的な改善に努めます。
・持続可能な社会づくりのために、様々なステークホルダーと対話し、地域社会との共生を重視します。
・環境関連の法令や原則を遵守し、すべての役員と社員に環境方針を周知します。
・環境方針や実践の過程とその結果は、広く開示します。
③ 気候変動に関連するシナリオの概要
当社グループは、気候変動に関連するリスク・機会の要因とその財務への影響、リスク・機会への対応施策の立案を目的とし、シナリオ分析を実施しています。
・1.5℃未満シナリオ ・・・ 「パリ協定」にて採択された産業革命前からの気温上昇2℃の目標をさらに抑制した平均気温の上昇を1.5℃未満に抑える目標を想定したシナリオ
・4℃シナリオ ・・・ 新たな政策・制度が導入されず、公表済の政策・規制が達成されることを想定した世界の温室効果ガス排出量が現在より増加するシナリオ
④ リスクと機会の概要
リスクにおいては自然災害などにより、自社やビジネスパートナー、取引先の事業活動の縮小、停止による販売機会や売上の損失が大きなリスクとして認識しております。
当社グループにおいては、当社グループのサステナビリティへの対応、お客様へのサステナビリティ経営へのサポートを通じた社会全体へのサステナビリティへの貢献を重要な経営戦略の一つと考えております。
当社グループが提供するESG関連サービスの価値を高め、お客様、社会のサステナビリティ対応へのニーズに貢献することが機会となると考えております。
⑤ 当社グループの気候関連リスク・機会とその財務へのインパクト
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リスク・機会の種類 |
リスク・機会の概要 |
財務 インパクト |
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リスク |
移行 |
政策・法規制 |
〔カーボンプライシング(炭素税)の導入〕 |
小 |
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再生可能エネルギー調達による光熱費の上昇などに伴う費用増加 |
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〔環境法令及び行政の環境政策の強化〕 |
大 |
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外部委託先の脱炭素対応に伴う委託コスト増 |
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市場 |
〔ESG関連ソリューションの競争力低下〕 |
中 |
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知見やノウハウの不足によるESG関連ソリューションの競争力が低下することによる販売・受注機会の低下・逸失 |
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物理 |
急性 |
〔自社拠点の被災〕 |
大 |
|
|
自社拠点の被災に伴う営業活動の停止による販売機会逸失や売上減少 |
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|
〔ビジネスパートナー、取引先の被災〕 |
大 |
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ビジネスパートナーや取引先が被災することによる事業停止や縮小 |
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機会 |
エネルギー源 |
〔再生可能エネルギー活用の進展〕 |
小 |
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エネルギー効率のよいテナントオフィスへの移転や低コストの再生可能エネルギーを活用することによる、経費削減 |
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|
市場 |
〔ESG情報開示の必要性の増加〕 |
中 |
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非財務情報やESG情報開示の必要性が高まることによる、ESGコンサルティング事業やESG関連ソリューションなどの市場拡大 |
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[財務へのインパクト]
大:事業及び財務への影響が大きいことが想定される。
中:事業及び財務への影響がやや大きいことが想定される。
小:事業及び財務への影響が軽微であることが想定される。
(3)人的資本に関する戦略
人的資本に関する基本的な考え方として、当社グループは、自らの事業活動において影響を受けるすべての人々の人権が尊重されなければならないことを理解し、国際人権章典(世界人権宣言と国際人権規約)、国際労働機関(ILO)の宣言、国連グローバルコンパクト、国連のビジネスと人権に関する指導原則に沿って、人権を尊重する取り組みを推進しています。
当社グループにとって人的資本の重要性は高く、人権への配慮はすべての活動の基礎とすべき課題と認識しています。社員が持つ知見・ノウハウや技術力が何よりも重要であることから、グループ社員一人ひとりに対する教育・研修を拡充するとともにイノベーションを創出する明るく働きやすい職場環境の整備も進めております。
これを実現するため、「BBSグループ人権方針」、「ダイバーシティ&インクルージョン」に関する基本的な考え方を公表し推進しております。
(「人権宣言」URL:https://www.bbs.co.jp/sustainability/social/policy.html、
「ダイバーシティ&インクルージョン」に関する基本的な考え方 URL:
https://www.bbs.co.jp/sustainability/social/diversity.html)
採用後の育成や環境整備の取り組みについては当社ホームページ(https://recruit.bbs.co.jp/system/)にて公開しております。
(4)調達に関する戦略
① 基本的な考え方
当社グループでは、ビジネスパートナーの皆様とのパートナーシップの構築は、持続可能な社会の実現に向けて重要なことと認識し、「調達方針」を制定しております。
ビジネスパートナーの皆様のご理解とご賛同を頂きながら、ビジネスパートナーの皆様とともに、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
② 目標と取り組み
(1)パートナーシップの構築
ビジネスパートナーの皆様と対等な立場でパートナーシップを構築し、ともに発展するため、相互理解と信頼関係の構築、その維持に努めます。
(2)公平・公正で適切な取引の遂行
公平・公正な競争機会を提供し、製品・サービスの品質、納期、価格、環境・社会・ガバナンスへの取り組み状況などを総合的に勘案して、公平・公正・適切な取引の遂行に努めます。
(3)当社グループにおけるサステナビリティの取り組みへの賛同
ビジネスパートナーの皆様に、当社ホームページに公開の「環境への取り組み」「社会への取り組み」「ガバナンスへの取り組み」にご理解とご賛同を頂き、法令や社会規範を遵守するとともに、環境・人権・安全等に配慮した取引活動を行います。
これらを実現するため、「パートナーシップ構築宣言」「マルチステークホルダー方針」を公表するとともに、「責任ある企業行動に関する取り組み」を当社HPに掲示し、具体的な目標・取り組み内容についてに表明するとともに、ビジネスパートナーの皆様へのはたきかけを行っております。
「パートナーシップ構築宣言」URL:
https://www.bbs.co.jp/sustainability/.assets/75732-07-00-tokyo.pdf
「マルチステークホルダー方針」URL:
https://www.bbs.co.jp/sustainability/.assets/multi-stakeholder_policy_20241220.pdf
「責任ある企業行動に関する取り組み」URL:
https://www.bbs.co.jp/sustainability/management/liability.html
(5)リスク管理
当社グループでは、リスクを全社的に管理する体制として「リスクマネジメント委員会」を設置しております。
環境及び人的資本に関連するリスク全般については「サステナビリティ委員会」が主体となって管理しており、「リスクマネジメント委員会」と連携を図りながら全社のリスク戦略を実行しております。
「サステナビリティ委員会」では環境、人的資本に関連するリスク及び機会について把握・特定・評価を行うとともに、対応に向けた施策の実施、モニタリングをしております。
(6)環境面に関する指標及び目標
当社グループは気候変動に対する方針に基づき、「パリ協定」にて採択された産業革命前からの気温上昇2℃の目標をさらに抑制した1.5℃を目指しております。
この取り組みを確たるものとするため、当期(2025年2月)にSBT認定を取得いたしました。これに伴い、基準年度を2023年度に変更するとともに、2030年度目標を以下の通り変更しております。なおこの度認定を受けた対象は2030年度目標となります。
温室効果ガス削減目標
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区分 |
2030年度目標 |
2050年度目標 |
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Scope1+2 |
BBSグループ温室効果ガス排出量を対2023年度(基準年度)比42%削減 |
BBSグループの温室効果ガス排出量ネットゼロ |
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Scope3 |
BBSグループ温室効果ガス排出量を対2023年度(基準年度)比25%削減 |
目標への進捗状況を検証すべく、2017年度からはScope1、Scope2の温室効果ガス排出実績の算定を開始し、2019年度からはScope3温室効果ガス排出量実績の算定に取り組んでおります。
2023年度からはSBTイニシアチブ(Science Based Targets Initiative)より示された温室効果ガス排出量算定のガイドラインに基づき算定方法を変更しております。
Scope1+2の温室効果ガス排出量実績は以下の通りです。
(単位:t-CO2)
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|
2023年度 (前連結会計年度) |
2024年度 (当連結会計年度) |
|
Scope1+2 |
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(注) 算定対象は当社グループ企業(連結売上収益99%以上)となっております。
(7)人的資本に関する指標及び目標
当社グループは、全ての人々の人権への配慮を基盤とした上で、全ての人財が個々の持つ能力を最大限に活かし多様な価値観を共有することができる、働きやすくやりがいのある会社、組織を目指すダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。
多様な価値観や働きかた(ダイバーシティ)によって、幅広いソリューションを創造する土台ができます。さらに当社グループのすべての行動にその考え方が浸透し包含される(インクルージョン)ことで、今までにない結合(イノベーション)を生み出すことが可能になります。
今後、脱炭素やサステナブルな社会への移行の中で、ビジネスのニーズが大きく変化していくことをいち早く捉え、ご提案できる企業でありたいと考えています。
また達成状況の指標として、当社グループは2016年に施行された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)に基づき、以下の目標を設定しております。
目標及び実績は次のとおりです。
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目標項目 |
目標値 |
実績 |
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2023年度 (前連結会計年度) |
2024年度 (当連結会計年度) |
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39.3% |
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71.7% |
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17.2% |
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|
7.2% |
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(注)1.目標値の対象期間は2021年度~
2.対象会社は当社及び国内子会社。海外子会社については事業規模が僅少であることから対象外としております。
3.取締役、監査役及び執行役員、理事を含みます。
目標達成に向け、前期より当社を皮切りに役員交流会、いわゆるタウンホールミーティングを開始しました。日常業務では触れることの少ない社長をはじめ役員から経営や従業員に対する思いなどを語りかけながら、従業員からも率直な意見が飛び交い、実施後のアンケートからも当社へのエンゲージメント醸成に効果が認められました。このことから、当期は当社グループに広げて実施し、当社グループ全体で効果を高めることができたものと考えております。
また当社における社内環境整備においては、会社主導の取り組みとしては「BBS Smile Work Style」として在宅勤務支援、多様な働き方を認め合う職場環境の構築の推進、社内制度・運用ルールの見直しを行っております。従業員主導の取り組みとしては社員活躍推進委員会を前期よりスタートし、働きやすい職場環境の整備に向け闊達な意見交換が行われ、規程の見直しやPoCの実施が行われております。また全社アンケートを実施し社員の声を収集し課題・要望を把握し改善策を会社へ提案するとともに社員へのフィードバックを行っております。
前述までのサステナビリティ推進等の効果もあり、当社グループにおいては以下の外部認定・評価を受けております。
・女性活躍推進法に基づく「えるぼし」認定:
当社、㈱ファイナンシャルブレインシステムズ、㈱ジョイワークス
・次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」認定「くるみん」:
当社、㈱ファイナンシャルブレインシステムズ
・健康経営優良法人:従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践している企業の認定制度
当社、㈱テクノウェアシンク、㈱BBSアウトソーシング熊本、㈱BSC
・スポーツエールカンパニー:スポーツ庁による健康増進やライフパフォーマンスを高めるため、従業員のスポーツ活動の促進に積極的に取り組む企業・団体の認定制度
当社
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月20日)において当社グループが判断したものであります。
(1) 情報セキュリティ、機密情報及び個人情報の漏洩について
当社グループが顧客へ提供するサービスでは顧客の機密情報や個人情報を扱っており、一部のサービスにおいては、当社の情報システムにおいてこれらの情報を処理しております。当社の情報システムに対する外部からの不正アクセスにより、これらの情報が漏洩した場合やシステムが利用できなくなった場合には、当社グループの信用が毀損するばかりでなく顧客からの受託業務の履行遅延や履行が出来ない状況に陥り、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、一部のサービスにおいては、顧客の情報システムを当社グループ社員が操作し業務を行っております。これらのサービスでは、当社グループ社員の不適切な操作により顧客企業の情報システムに同様の損害を与える可能性があります。
当社グループでは、これらのリスクに対応するために、機密保護管理に関する社内規程の整備及び社員教育の徹底や各種サイバーセキュリティ対策を実施し、リスク発現の可能性を低下させるとともに、サイバーセキュリティ保険に加入しリスク発現時の金銭的負担の低減を行っております。
(2) 景気動向について
当社グループが展開するコンサルティング・システム開発事業は、景気変動に伴う顧客企業等の設備投資動向の影響を大きく受けやすく、景気が悪化した場合、売上収益の減少や利益率の低下、回収サイトの長期化など、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 価格競争について
当社グループが提供するサービスのうちSI及びシステム開発は、顧客の品質要求が高い反面、価格志向も強く、同業他社との価格競争が激しくなっております。当社グループでは、プロジェクト生産性向上を重要な課題として認識し、生産性向上ツールの開発及びプロジェクトマネージメント力強化を図っておりますが、価格面での圧力又は競争力の低下に伴う顧客離れは、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、マネージメントサービス(BPO)事業も同様に同業他社との価格競争が激しくなっております。当社グループでは、High Value BPOと称し、より専門的かつ高度な分野に展開することで差別化を図っておりますが、一部サービスにおいては低採算化や価格競争力の低下による顧客流出等の影響を受ける可能性があり、当該事象が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼします。
(4) 開発プロジェクトの管理について
当社グループのコンサルティング・システム開発事業では、大型SIサービスを提供するために、顧客と請負契約を締結し、開発プロジェクトの進捗管理を行っております。しかし、ソフトウェアの欠陥等によりシステムが当初計画通りに稼動しないことや、大幅な手戻り作業の発生等によるプロジェクトの採算性の悪化、納期遅れ等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、マネージメントサービス(BPO)事業においては、契約当初に受託業務量を見積り受託価額を決定しますが、当該見積りの正確性を欠いた場合、あるいは想定された業務改善に失敗した場合には、顧客との間で長期の不採算契約が締結されることになり、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) キーパーソンの確保や育成について
当社グループの成長と発展は人材に依存しており、当社グループでは「社員が最大の経営資源」と認識しております。そのため、社員をプロフェッショナルなキーパーソンとして育成するための人事制度を導入し社員教育を充実させております。しかしながら、キーパーソンの確保及び育成が十分に出来なかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 技術革新について
当社グループの属する業界は、技術革新のスピードが速くかつその変化が著しい業界であり、新技術、新サービスが次々と生み出されております。当社グループにおいても、当該技術革新の動向を捉え、当社グループの事業との関連性を勘案しつつ対応を講じておりますが、すべての技術革新に対応できているわけではありません。当社グループの想定を超える技術革新による著しい環境変化等が生じた場合、当該変化に対応することができず、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)労働者派遣事業について
主として当社グループのマネージメントサービス(BPO)事業セグメントにおいて行っている労働者派遣事業は、厚生労働省からの許可(一般労働者派遣事業の場合)、若しくは同省への届出(特定労働者派遣事業の場合)により行っております。当社グループでは、社員教育を徹底し法令順守に努めておりますが、法令違反等に起因して事業の許可の取り消し又は業務の全部若しくは一部の停止が命ぜられた場合や、今後の重要な法改正とその対応等の要因により事業遂行に大きな影響が出る場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(8)法改正等による需要の変動について
当社グループのコンサルティング・システム開発事業においては、会計分野を中心としたコンサルティングやソフトウェアの開発を行っているその事業の特性上、会計制度をはじめとする法改正等に起因した外部環境の変化に伴う需要が一時的に発生する場合があります。このような需要が発生した場合、及びその需要が一巡した場合においては、急激な需要の変化に伴い当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(9) 気候変動(災害等)について
当社グループのマネージメントサービス(BPO)事業では、札幌市、浜松市、新潟市、熊本市、名護市などにBPOセンターを設け、人事・経理等の業務を受託しております。各BPOセンターでは、各種災害に備え事業継続・復旧計画を策定し、災害時での事業継続や早期の復旧が出来るように体制を整えております。しかし、想定を超える大規模災害が発生し、復旧に長期の時間を要する場合には、顧客からの受託業務の履行遅延や履行が出来ない状況となり、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、気候変動に伴うリスクについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」にて詳細に記載しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度に係る各数値につきましては、暫定的な会計処理の確定の内容を踏まえ分析しております。
(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況と経営者による分析
① 経営成績
当期の経営成績の概況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用、所得環境の改善、インバウンド消費の増加などにより緩やかな回復傾向が見られました。今後につきましてはアメリカの政策動向、中国経済の先行き懸念、ロシア・ウクライナ情勢など、依然として景気の見通しが不透明な状況にあります。
このような経済環境の中ではありますが、当社グループにつきましては、全体として受注が順調に推移しました。
当連結会計年度における当社グループの受注高は40,377百万円(前連結会計年度比16.4%増)、受注残高は12,998百万円(前連結会計年度比13.8%増)となりました。
売上収益は、コンサルティング・システム開発事業、マネージメントサービス(BPO)事業ともに、(株)トゥインクル等前期に取得した子会社の売上が通年で寄与したことや、既存事業が好調に推移した結果、全体で13.4%の増加となりました。
売上総利益につきましても、売上収益の増加同様に9.1%の増加となりました。
販売費及び一般管理費については、上記子会社の影響等により、コスト抑制に努めたものの前連結会計年度に比べ7.0%増加しております。
その結果として、当連結会計年度における業績は、売上収益38,804百万円(前連結会計年度比13.4%増)、事業利益2,871百万円(前連結会計年度比13.2%増)、営業利益2,872百万円(前連結会計年度比86.1%減)、税引前利益3,352百万円(前連結会計年度比83.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,469百万円(前連結会計年度82.5%減)となりました。
事業利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いて算出しております。
なお、今般の米国の関税措置に関して、当社は主として日本国内で営業活動を行っており米国向けの売上は無いため直接的な影響はありません。しかし、当社の顧客には自動車産業など関税措置の影響を強く受けると見込まれる業種の顧客が含まれております。これら間接的な影響については、現在調査中であります。
[コンサルティング・システム開発事業]
コンサルティング・システム開発事業の当連結会計年度は売上収益27,705百万円(前連結会計年度比7.1%増)、セグメント利益2,211百万円(前連結会計年度比21.6%増)となりました。
当連結会計年度の売上収益につきましては、会計システムコンサルティング及びシステム開発事業において弊社の注力業種であるインフラ系顧客への売上が伸長したことや、グループ会社間におけるシナジー効果の拡大等により増加しております。また、PLM支援ソリューション事業では、前期発生した不調プロジェクトへの対応が終息し回復に向かっていることに加え、前期に取得した(株)フレスコの売上が通年で寄与した結果による増収314百万円により、全体として大きく増収となっております。金融業界向けシステム開発事業は、概ね前期並みとなり、結果として、セグメント全体で前連結会計年度を上回る結果となりました。
セグメント利益につきましては、会計システムコンサルティング及びシステム開発事業、PLM支援ソリューション事業が順調に回復した結果、前連結会計年度を大きく上回る結果での着地となりました。
[マネージメントサービス(BPO)事業]
マネージメントサービス(BPO)事業の当連結会計年度の売上収益は、11,451百万円(前連結会計年度比31.1%増)、セグメント利益661百万円(前連結会計年度比9.9%減)となりました。
当連結会計年度の売上収益につきましては、オンサイトBPO事業において前期に取得した(株)トゥインクルの売上が通年で寄与した結果による増収2,086百万円や、グローバル企業向けアウトソーシング事業における新規顧客獲得による増収により大きく伸長することとなりました。
セグメント利益につきましては、オンサイトBPO事業が(株)トゥインクルの寄与により増益となりましたが、人事給与関連アウトソーシング事業の再編費用等の影響により、全体として前連結会計年度を下回る結果となりました。
② 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期増減率(%) |
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コンサルティング・システム開発事業(千円) |
27,784,535 |
7.6 |
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マネージメントサービス(BPO)事業(千円) |
11,444,723 |
31.1 |
|
合計(千円) |
39,229,258 |
13.5 |
(注)1. 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
ロ.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前年同期増減 率(%) |
受注残高 (千円) |
前年同期増減 率(%) |
|
コンサルティング・システム開発事業 |
28,942,265 |
12.1 |
6,228,566 |
27.4 |
|
マネージメントサービス(BPO)事業 |
11,434,901 |
28.7 |
6,769,807 |
3.6 |
|
合計 |
40,377,166 |
16.4 |
12,998,373 |
13.8 |
(注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。
2. 前期以前に受注した案件で、契約の変更等によりその内容に変更のあるものについては、当連結会計年度の受注高にその増減額を含んでおります。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期増減率(%) |
|
コンサルティング・システム開発事業(千円) |
27,602,150 |
7.3 |
|
マネージメントサービス(BPO)事業(千円) |
11,201,482 |
31.9 |
|
合計(千円) |
38,803,632 |
13.4 |
(注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。
③ 目標とする経営指標の達成状況
当社グループが目標とする経営指標の達成状況は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針と中長期的な経営戦略及びその実行状況」に記載の通りであります。
④ 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は45,323百万円となり、前連結会計年度末に比べ519百万円の増加となりました。
流動資産は、18,251百万円と前連結会計年度末に比べ238百万円増加しました。
主な要因としては、契約資産の増加933百万円、その他の流動資産の増加235百万円、現金及び現金同等物等の増加2百万円、その他の金融資産の減少793百万円、売上収益の減少等に伴う営業債権及びその他の債権の減少146百万円等によるものであります。
非流動資産は、27,072百万円となり、前連結会計年度末に比べ281百万円増加しました。
主な要因としては、持分法で会計処理されている投資の増加337百万円、連結子会社の取得によるのれんの増加95百万円、使用権資産の償却による減少88百万円、繰延税金負債との相殺による繰延税金資産の減少86百万円等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計額は15,711百万円となり、前連結会計年度末に比べ305百万円の増加となりました。
流動負債は、7,940百万円と前連結会計年度末に比べ108百万円減少しました。
主な要因としては、営業債務及びその他の債務の減少505百万円、未払法人所得税等の減少243百万円、その他の流動負債の増加299百万円、契約負債の増加135百万円等によるものであります。
非流動負債は、7,770百万円と前連結会計年度末に比べ413百万円増加しました。
主な要因としては、資産除去債務の増加による引当金の増加205百万円、退職給付に係る負債の増加127百万円、繰延税金負債の増加91百万円や、リース負債の減少125百万円等によるものであります。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は29,612百万円となり、前連結会計年度末に比べ214百万円増加しました。
この主な要因としては、利益剰余金の増加1,554百万円や自己株式取得による減少1,559百万円等によるものであります。
⑤ キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末比2百万円増加の9,908百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,746百万円(前連結会計年度は3,150百万円の収入)となりました。この主な要因としては、税引前利益3,352百万円に加え、減価償却費及び償却費の調整による資金増加1,370百万円、利息及び配当金の受取による資金増加208百万円の一方、法人所得税の支払による資金減少974百万円、契約資産の増加による資金減少933百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、552百万円(前連結会計年度は2,067百万円の支出)となりました。この主な要因としては、投資の売却及び償還等による収入715百万円、定期預金の払戻による収入400百万円の一方、定期預金の預入による支出310百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3,295百万円(前連結会計年度は1,397百万円の支出)となりました。この主な要因としては、自己株式の取得1,601百万円、配当金の支払額881百万円、リース負債の返済による支出818百万円の一方、自己株式の売却による収入25百万円等によるものであります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
資金需要と流動性の確保
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、社員の給与や賞与等の人件費、ビジネスパートナーに支払う外注費等の通常の営業費用になります。さらに、当社グループでは、安定的に事業を拡大することを目指しており、そのために必要な人財の確保に要する費用やM&A投資等、事業拡大に向けて積極的に資金を投入する予定です。
これらの資金需要に備えるため当連結会計年度末に9,908百万円の現金及び現金同等物を有しております。さらに、預入期間が3か月を超える定期預金や有価証券・投資有価証券を保有し、中長期的に流動性を確保しつつ効率的な運用を行っております。また、取引銀行2行と当座貸越契約(極度額1,500百万円)を締結し、一時的な資金需要に備えております。
財政政策
当社グループは、事業運営上必要な流動性の確保と経常的に安定した資金源泉の確保を基本としております。短期的な資金調達については銀行借入によりますが、長期にわたる投資資金は銀行借入及び増資にて調達する方針です。
(2) 重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
1.当社と株式会社日立ソリューションズは、両者の経営資源を相互に活用することにより、両者の企業価値の極大化と事業基盤及び経営基盤の拡充を図ることを目指して、当初2005年12月28日付で資本・業務提携を締結しておりましたが、最近の環境を踏まえ2025年2月13日に、資本提携を解消し、業務提携を継続することを合意しました。
2.当社とJFEシステムズ株式会社(以下、「JFEシステムズ」という)は、2013年5月23日付にて業務・資本提携契約を締結しております。
業務提携の内容は、以下の通りであります。
(1)相互の顧客基盤・サービスをベースとしたソリューション拡販協力
・共同セミナー開催、相互顧客への紹介を通じた相互保有ソリューションの拡販協力
・相互保有ソリューションの連携による差別化商品の創出
(2)システム開発案件における共同受注・相互補完
・システム開発案件における共同受注
・JFEシステムズの案件に対する当社による会計・経営管理領域でのコンサルティング・開発支援
・当社の案件に対するJFEシステムズによる生産・販売・物流領域でのコンサルティング・開発支援
(3)相互の得意分野・ノウハウによる新規提携分野の開拓
3.当社と株式会社プロネクサスは、2015年8月25日付にて業務提携契約を締結しております。
業務提携の内容は、以下の通りであります。
(1)経理、決算、開示業務に関わるシステム・サービス分野における協業
・上場企業の決算~開示業務を効率化するシステムの開発、導入
・投資信託・J-REIT等金融商品運用会社向け業務支援システムの開発、導入
(2)相互の顧客、技術、人財等の情報交換と相互補完による協業
(3)相互の得意分野・ノウハウの活用による新規提携分野の開拓
当社グループの研究開発は顧客の利益増加に貢献することを基本理念として、「顧客ニーズへの対応」にフォーカスした開発を中心に実施する方針であります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動に伴う研究開発費は
なお、当連結会計年度に実施した研究開発活動は、各セグメント間に共通した基礎技術に関するものがほとんどであるため、特定のセグメントに区分して記載しておりません。