第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

  当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績に関する説明

 当第1四半期連結累計期間(2020年3月1日~5月31日)の業績は、売上高が735億32百万円(対前年同期比93.0%)、営業利益34億55百万円(同90.9%)、経常利益34億59百万円(同90.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益29億91百万円(同144.5%)となりました。

 新型コロナウイルス感染拡大防止を目的に、事業を展開する各国で実施された顧客施設の一部閉鎖や臨時休業、イベントや外出の自粛要請などが当期間の業績に大きな影響を及ぼしました。

(ご参考)

 連結子会社 株式会社カジタク(現アクティア㈱、KJS㈱)の業績を除いた損益計算書

(百万円)

 

2020年2月期

第1四半期

2021年2月期

第1四半期

対前年同期比

売上高

77,596

72,621

93.6%

売上総利益

9,892

8,928

90.3%

営業利益

4,310

3,600

83.5%

※株式会社カジタクの不正会計処理問題、および当該事案に伴う同社の今後の方向性につきましては、2019年7月22日付「当社連結子会社 株式会社カジタクの不正会計処理問題に対する再発防止策について」、ならびに2019年11月29日付「連結子会社の会社分割(新設分割)に関するお知らせ」をご参照ください。

 

 

[当第1四半期連結累計期間の主な取り組み]

 当社は、更なる持続的成長を目的に2018年10月に、イオンディライト ビジョン2025(以下、「ビジョン2025」)を策定し、アジアにおいて「安全・安心」、「人手不足」、「環境」の3つを成長戦略の柱に社会課題を解決する環境価値創造企業を目指すことを決めました。以降、事業領域とするファシリティマネジメント(以下、「FM」)の提供を通じて「安全・安心」、「人手不足」、「環境」の3つの社会課題解決に向けた取り組みを推進しております。

 

 当期間、新型コロナウイルス感染拡大により国内外で多くの施設で一部閉鎖や臨時休業を余儀なくされる中、当社は地域社会にとってのインフラである施設を支えるため、各種サービスの提供を続けてまいりました。

 加えて、今般のコロナ禍による環境の変化を受け、「ウィズコロナ」に適応し、「アフターコロナ」を見据えた「FMのニューノーマル」構築に向けた取り組みに着手しました。今後、病院をはじめとした医療関連施設のみならず、あらゆる施設で恒常的な感染対策が求められるとともに、オフィスにおけるテレワークの浸透や教育機関におけるオンライン化の促進など、一部施設では求められる機能そのものが変化していくことが考えられます。こうした中、当社では、FM業界において従前からの課題である人手不足を解消し、環境負荷の低減や感染対策を含めた安全・安心を実現していくためにも、かねてより取り組む各種業務のデジタルトランスフォーメーションを加速させるとともに、新たな非接触型サービスの開発・導入をはじめとしたFMの「ニューノーマル」を早期に構築してまいります。

 

<安全・安心>

・新型コロナウイルス感染拡大への対応

 当社では、2020年初頭より事業を展開する日本、中国、アセアンを跨いだ対策本部を立ち上げ、全社をあげて新型コロナウイルス感染拡大への対応に取り組んでまいりました。お客さまへのサービス提供を停止しないためにも従業員の安全や健康の確保を最優先に、協力会社を含めた全従業員の体調管理や感染予防策の徹底、クラスター発生箇所への立ち入り有無の調査、事務所におけるテレワークや時差出勤などの取り組みを続けております。

 また、当社がサービスを提供する各施設に向けては、お客さまのクライシスマネジメントを担う立場から、様々な防疫対策を実施してまいりました。

 商業施設やオフィスビルなどでは、感染拡大防止に向けて、アルコールなどによる予防清掃を実施してきました。陽性反応者が確認された施設では、保健所の指示などに基づき、消毒に関する専門性を有する協力会社との連携のもと、陽性反応者が利用した経路の消毒清掃を行うとともに、利用経路以外で特に不特定多数が手を触れる箇所の除菌を行うなど、迅速かつ適切な対応に努めてまいりました。

 イオングループの各店舗に向けては、ご来館のお客さまや店舗で働く従業員の方々へ「安全・安心」な環境を提供するため、様々な調達ルートを活用し、飛沫防止シートや業務用マスク・手袋・アルコールなど衛生資材の安定的な提供に努めてまいりました。

 加えて、平時より他の施設に比してより高い衛生水準が求められる病院に向けては、感染対策を組み入れた当社独自の清掃サービス「衛生清掃」の提供を続けてまいりました。

 

<人手不足>

・お客さまが抱える課題への最適ソリューション提供に向けた取り組み

 当社が事業を展開する日本や中国では人手不足が深刻化しています。こうした中、当社では、自社はもとより、顧客企業における「人手不足の解消」も視野にイオンディライトプラットフォーム(以下、ADプラットフォーム)の構築を進めています。ADプラットフォームでは、施設内外から得られたデータを収集・蓄積、AIにより分析することで、それぞれのお客さまが抱える課題に最適なソリューションを提供していきます。

 当期間は、ADプラットフォームの構築に向けて、テクノロジーの活用による各種サービス、及び業務のデジタルトランスフォーメーションを加速させるとともに、今般のコロナ禍による環境の変化にも適応する新たなビジネスモデルを構築していくため、外部より専門性を有する人材を招聘し、部門横断的な専従組織として、「ビジネスモデル変革PT」を組成しました。

 

・巡回型エリア管理モデル構築に向けた取り組み

 当社は、人手不足の解消に向けて常駐型から巡回型の施設管理モデルへの移行を構想し、2019年度より北海道にて取り組みを開始しております。2019年度下期をフェーズ1と位置付け、大型商業施設複数店舗を対象に、業務の棚卸しや集約化を通じて顧客コストの削減を実現しました。同時に常駐管理契約の要員ポストを削減することで対象店舗における従来比約2割の設備管理員を新たなリソースに転換し、増設した3つの営業所へ再配置しております。

 2020年度はフェーズ2として、中小型商業施設における常駐設備管理員の無人化に向けた遠隔監視システムの導入に着手しました。

 

<環境>

 当社は、事業の新たな柱として、地域社会に必要なエネルギー供給から施設管理の省エネオペレーションまでを含めたエネルギーマネジメントサービスの確立を目指しています。その一環として、経済産業省・資源エネルギー庁の外郭団体である一般社団法人環境共創イニシアチブによる「令和2年度 需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント※1構築実証事業費補助金(バーチャルパワープラント構築実証事業)」(以下、「同実証事業」)の公募に応募し、2020年5月29日に実証事業者として採択されました。同実証事業では、関西電力㈱を中心としたコンソーシアム(共同事業体)に参画し、イオンモール㈱

と協業のうえ、イオンモール神戸北において、当社が導入を進めるエネルギーマネジメントシステムを活用し、送水ポンプ、及び空調機の電力需給調整力の制御方法について検証してまいります。当社は同実証事業への参画を通じて、バーチャルパワープラント構築を加速させるとともに、2021年度からの「需給調整市場※2」の開設を見据え、イオングループ内における電力需給調整力の整備を進めてまいります。

 

※1 バーチャルパワープラント(VPP)

 太陽光や風力の発電設備、蓄電池や電気自動車などのエネルギーストレージ(貯蔵媒体)までを含めた各地に分散するエネルギーリソースをIoTを活用した制御により、あたかも一つの発電所のように機能させる技術。天候に大きく左右される再生可能エネルギーによる発電量の需給バランスを安定化させる技術として構築が進められています。

 

※2 需給調整市場

 一般送配電事業者(電力会社)が最終的に電力の需要と供給を一致させる際に使う供給力を「調整力」と呼び、この調整力を取引する「需給調整市場」が2021年度より開設されます。同市場の開設によりエネルギーに関する更なる技術開発と市場開発の進展が期待されています。

 

 

[アジアでの事業展開]

<中国>

 永旺永楽(江蘇)物業服務有限公司では重点ターゲットとする中高級ショッピングセンターや病院・養老院、インフラ、再開発エリアといった施設の受託拡大に注力することで堅調に事業を拡大しました。

 2019年末に新型コロナウイルスによる感染が初めて確認された湖北省武漢市を本拠とする武漢小竹物業管理有限公司では、2020年1月下旬から2020年4月上旬にかけての事実上の都市封鎖が業績に影響しました。一方で、同期間中もお客さま、地域社会を支えるFM企業として、従業員の健康と安全に細心の注意を払いながら、イオングループの現地店舗などへサービスを提供し続けました。また、非常時の対応として臨時医療施設の建設準備業務を受託し、新型コロナウイルス感染者の治療のために派遣された医療チームが宿泊するホテルの事前清掃や室内のセッティング業務を迅速に遂行するなど、平時とは異なるサービス提供にも積極的に対応してきました。こうした取り組みが評価され、同社は、2020年3月11日に武漢市江夏区より「感染症予防先進不動産管理サービス企業」の称号を付与されました。足元では、企業活動の段階的な再開や都市機能の回復に伴い平時の営業状態への速やかな移行を進めております。

 

<アセアン>

 アセアンでは、一部で新型コロナウイルスによる影響が発生したものの、イオンディライトベトナムにおける新規顧客開拓や2019年10月より現地イオンモール2号店、2020年2月より同1号店において総合施設管理サービスの提供を開始したインドネシアのPT Sinar Jernih Saranaの成長により、アセアン事業全体として堅調に事業を拡大しました。

 

 これらの結果、海外事業は売上ベースで前年同期比108.9%、営業利益ベースで前年同期比111.9%となりました。

なお、アセアン事業におきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて各国で実施された一部施設の閉鎖や外出禁止などの影響が、第2四半期以降の業績に発生してくることを見込んでおります。

 

(2)当第1四半期連結累計期間における主要事業の概況

[セグメント別業績]

<売上高>

セグメントの名称

売上高(百万円)

構成比(%)

前年同期比(%)

設備管理事業

14,511

19.7

97.2

警備事業

10,843

14.8

97.3

清掃事業

15,008

20.4

97.4

建設施工事業

11,523

15.7

95.9

資材関連事業

12,957

17.6

99.8

自動販売機事業

4,725

6.4

61.4

サポート事業

3,963

5.4

81.4

(ご参考)

アクティア・KJSの業績を除くサポート事業

3,052

89.2

合計

73,532

100.0

93.0

(ご参考)

アクティア・KJSの業績を除く合計

72,621

93.6

 

<セグメント損益>

セグメントの名称

セグメント損益

(百万円)

構成比(%)

前年同期比(%)

設備管理事業

1,256

23.2

87.7

警備事業

763

14.1

104.6

清掃事業

1,646

30.4

95.5

建設施工事業

1,139

21.0

104.1

資材関連事業

612

11.3

86.1

自動販売機事業

△10

△0.1

サポート事業

8

0.1

(ご参考)

アクティア・KJSの業績を除くサポート事業

153

39.6

合計

5,417

100.0

93.0

(ご参考)

アクティア・KJSの業績を除く合計

5,562

87.8

 

<設備管理事業>

 設備管理事業は、売上高145億11百万円(対前年同期比97.2%)、セグメント利益12億56百万円(同87.7%)となりました。収益性の低下が課題となる中、低収益物件の改善に加え、省力化・省人化に向けた業務プロセスの改革に取り組むものの、既存業務における外注費の上昇などにより、事業全体での数値改善には至りませんでした。

 収益性の向上に向けて、引き続き、低収益物件の改善に取り組むとともに、新設の「ビジネスモデル変革PT」により、業務プロセスの改革を加速させてまいります。

 

<警備事業>

 警備事業は、売上高108億43百万円(対前年同期比97.3%)、セグメント利益7億63百万円(同104.6%)となりました。同事業では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う施設の一部閉鎖や臨時休業などにより、施設警備や雑踏警備、交通警備における売上高が減少しました。一方、労働需給の逼迫感が強まる中、価格交渉を通じた単価の適正化と収益性の改善に取り組むとともに、入退店管理や閉店業務のシステム化を進めることで収益性を改善しました。

 

<清掃事業>

 清掃事業は、売上高150億8百万円(対前年同期比97.4%)、セグメント利益16億46百万円(同95.5%)となりました。収益性の低下が課題となる中、低収益物件の改善や現場単位の改善好事例の水平展開などにより生産性向上に一定の成果を得られたものの、商業施設の休業などの影響で連結子会社の収益性が悪化しました。

 引き続き、低収益物件の改善に取り組むとともに、現場単位の改善活動や自動走行型清掃ロボットの導入拡大などにより、連結子会社や協力会社を含めた生産性向上を図ってまいります。

 

<建設施工事業>

 建設施工事業は、売上高115億23百万円(対前年同期比95.9%)、セグメント利益11億39百万円(同104.1%)となりました。売上高は、各種改装工事の受託を拡大する一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響により一部工事の進捗に遅れが発生し減収となったものの、利益面におきましては各工事の仕様や工程の最適化を通じた原価低減により収益性を改善し増益となりました。

 引き続き、市場規模の大きな関東や関西を重点エリアに、設計・デザインといった川上からのプロジェクト参画案件を増やすことで大型工事の受託拡大を図るとともに、連結子会社や協力会社との連携によりサービスネットワークを整備することで小型工事の着実な取り込みを図ってまいります。

 

<資材関連事業>

 資材関連事業は、売上高129億57百万円(対前年同期比99.8%)、セグメント利益6億12百万円(同86.1%)となりました。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、業務用マスク・手袋・アルコールや飛沫防止シートなど、防疫関連資材の受注を拡大しました。

 引き続き、イオングループが扱う資材を包括的に提供できるサプライヤーを目指し、取扱高の拡大を図るとともに、課題とする収益性の改善に向けて、スケールメリットを活かした原価低減と物流効率の向上に取り組んでまいります。

 

<自動販売機事業>

 自動販売機事業は、売上高47億25百万円(対前年同期比61.4%)、セグメント損失10百万円(前年同期はセグメント利益2億56百万円)となりました。同事業では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛要請や主な設置先である商業施設の臨時休業などの影響により、飲料による売上高が大幅に減少しました。こうした中、一台当たりの収益力を高めるために、各飲料メーカーの商品を取り揃えた自社混合機の設置拡大を進めるとともに、自動販売機の立地環境の見直しに取り組みました。

 

<サポート事業>

 サポート事業は、売上高39億63百万円(対前年同期比81.4%)、セグメント利益8百万円(前年同期はセグメント損失1億24百万円)となりました。旅行関連事業を展開するイオンコンパス㈱では、旅行を含めた各種イベントの中止や外出自粛要請が影響し、業績が前年同期を大幅に下回りました。

 その他、同事業では、お客さまの施設とその周辺環境の管理運営に関するアウトソーシングニーズに応える様々なサービスの提供拡大に取り組みました。

※(ご参考)カジタクの業績を除いたサポート事業の業績は、売上高30億52百万円(対前年同期比89.2%)、セグメント利益1億53百万円(同39.6%)となりました。

 

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

  当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

 

(4)研究開発活動

  特記事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

  当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。