当連結会計年度におけるわが国経済は、中国やアジア新興国経済の先行きに不安感があったものの、政府の経済対策や金融政策を下支えとして、円安や株高を背景に企業の良好な収益環境が持続し雇用所得環境も改善に向かうなど、概ね緩やかな回復基調で推移いたしました。
一方、建設コンサルタント業界は、国土強靱化政策、インフラ老朽化対策、地方創生等の公共事業分野へ重点的に予算が配分されていることもあり、需要増がみられました。しかしながら、人手不足などにより内部生産体制が整わず一部を外部生産に頼らざるを得ない状況が続いており、結果として生産コストの増加を招いております。
このような状況下、当社グループは発注のずれ込み等により、わずかに受注の減少がありましたが、利益確保を最優先課題として取り組んでまいりました。さらに、将来の業容拡充に向け、市場環境の変化に柔軟に対応できる受注生産体制の整備、新規事業分野として推進している再生可能エネルギー関連の早期事業化に対しても積極的に取り組んでまいりました。
生産体制の整備という点に多少の手直しが必要となりましたが、当初計画は概ね順調に進捗しております。
この結果、当連結会計年度の業績は、受注高5,531百万円(前年同期比3.8%減)、売上高5,594百万円(前年同期比2.0%減)、経常利益181百万円(前年同期比7.3%減)、当期純利益50百万円(前年同期比354.1%増)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
(建設コンサルタント事業)
主力事業であります建設コンサルタント事業は、受注高4,109百万円(前年同期比7.7%減)、売上高4,219百万円(前年同期比5.5%減)、営業利益285百万円(前年同期比4.0%増)となりました。
(情報処理事業)
情報処理事業は、受注高1,417百万円(前年同期比10.1%増)、売上高1,371百万円(前年同期比10.6%増)、営業利益18百万円(前年同期比52.4%減)となりました。
(不動産賃貸・管理事業)
不動産賃貸・管理事業は、当社子会社が主に連結グループ内企業に対してサービスを提供している事業で、受注高3百万円(前年同期比32.1%減)、売上高3百万円(前年同期比32.1%減)、営業利益25百万円(前年同期比8.9%増)となりました。
(注)上記セグメント別の売上高は、外部顧客に対する売上高のみを表示しております。セグメント別の営業利益は、外部顧客に対する額に加え、セグメント間の額を含めて表示しております。
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、期首資金残高と比べ473百万円減少し、1,497百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは14百万円の支出(前年同期は656百万円の収入)となりました。これは主に、売上債権の増加及び仕入債務の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは45百万円の支出(前年同期は22百万円の収入)となりました。これは主に、保険積立金の積立による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、413百万円の支出(前年同期比27.2%増)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額によるものです。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
建設コンサルタント事業計 | 4,109,930 | △7.7 | 2,967,789 | △3.6 |
情報処理事業計 | 1,417,221 | 10.1 | 659,523 | 7.5 |
不動産賃貸・管理事業計 | 3,940 | △32.1 | ― | ― |
合計 | 5,531,092 | △3.8 | 3,627,312 | △1.7 |
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 | |
(自 平成26年12月1日 | ||
至 平成27年11月30日) | ||
金額(千円) | 前年同期比(%) | |
建設コンサルタント事業計 | 4,219,454 | △5.5 |
情報処理事業計 | 1,371,101 | 10.6 |
不動産賃貸・管理事業計 | 3,940 | △32.1 |
合 計 | 5,594,496 | △2.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
今後の経営環境は、政府の成長戦略にもとづく経済・金融政策の追い風はあるものの、人手不足の解消などを含めてその実質効果が表れるまでもう暫く時間を要するものと想定しております。こうした背景の下、当社は中期経営計画の達成を主軸に見据え、揺るがぬ安定した経営基盤の構築に邁進してまいります。第56期の経営施策としては、これまで推進してきた以下の諸施策を手直ししつつ、着実に実行し、業績向上を期すことといたします。
1.組織力の強化・活用
2.人材確保と人材育成および技術継承
3.新たな受注戦略の構築・実行
4.生産構造改革の実施
5.海外市場向け戦略の再構築
6.新規事業の早期事業化
事業状況、経理状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の防止に努めると共に、発生した場合の適切な対応を図る所存であります。
① 受注環境
当社グループの主要事業である建設コンサルタント事業は、国や地方自治体の公共事業に大きく依存しており、公共事業の規模の増減は、当社グループの売上に影響を与える可能性があります。公共事業に対する国民の反応や予算投下の仕組みにより、受注環境は大きく変化します。この為、当社グループは、従来型の公共事業のみならず、これからの時代の要求に応えられる新規事業分野への参入を図ることでリスク回避に努める所存です。
② 品質管理
公共工事に関する設計等の成果品は、納品後も一定の期間、瑕疵担保責任を問われることとなり、品質管理の重要性が高まっております。これに対して当社グループは、ISO9001に基づく品質管理を徹底しております。
また、不測の事態に備えて賠償責任保険にも加入しておりますが、万一、重大な瑕疵が生じ、瑕疵担保責任を問われた場合は、業績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。
当社グループは、多様に変化し続ける社会ニーズに対して、産・官・学との連携を強めるほか、地域の協力を得て新たな技術開発やビジネスモデルの研究を進めています。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、44,778千円であり、その大半は再生可能エネルギー分野の内、小水力発電の事業化に関連する経費であります。具体的には、発電装置の研究開発、マーケティング活動の他、以下の取り組みを行いました。
(1)補助事業による開発・実証実験
①平成27年度小水力発電導入促進モデル事業(新エネルギー導入促進協議会)
・相反転方式小水力発電装置と運転管理装置の開発・実証事業
(2)啓蒙啓発活動
①市と工業高校と連携した小水力発電の学習支援およびフィールド実験(日光市)
②対外セミナー講演、論文投稿、展示会出展による啓蒙啓発活動
(3)商品化に向けた検討
①商品規格、デザイン、ロゴ等の検討
(4)国内・国際特許取得
なお、当連結会計年度において、情報処理事業、不動産賃貸・管理事業に関する研究開発の実績はございません。
当社グループにおける財政状態及び経営状態の分析は以下のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積もりが行われており、資産・負債や損益の状況に反映されております。これらの見積もりについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は見積もりには不確実が伴うため見積もりとは異なることがあります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べて437百万円減少し、5,899百万円となりました。主として現金及び預金の減少473百万円、受取手形・完成業務未収入金等の増加43百万円などによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度に比べて462百万円減少し、4,110百万円となりました。主として短期借入金の返済による減少200百万円、業務未払金の減少79百万円、1年内償還予定の社債の減少76百万円などによるものです。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度に比べて25百万円増加し、1,789百万円となりました。主として利益剰余金の増加32百万円によるものです。
当連結会計年度の経営成績については、「第2 事業の状況」「1 業績等の概要」「(1)業績」に記載したとおりです。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況」「1 業績等の概要」「(2)キャッシュ・フロー」に記載したとおりです。