第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済が緩やかな拡大を続ける中、米欧中の政治的な不確実性がリスク要因として懸念されるものの、企業収益の拡大と底堅い個人消費により、概ね緩やかな回復基調で推移しました。

一方、建設コンサルタント業界は、巨大地震など大規模自然災害へ備えるための国土強靱化政策、膨大な社会資本を効率良く維持管理するためのインフラ老朽化対策、少子高齢化社会の到来と持続可能な社会の形成を目指す地方創生事業など、これらの各分野に対する公共事業予算が重点配分されていることから、堅調な需要がありました。しかしながら、人手不足や技術者の高齢化といった生産面における課題は、今なお残されております。

このような状況下、当社グループは、期初に再編成した営業・生産・本社の各部門の連携体制を基盤とし、受注拡大に向けた戦略的な営業活動を積極的に推し進めました。また、再生可能エネルギー関連事業につきましては、展示会出展などの広報活動、地方創生事業と連携した提案営業活動などの積極展開に加え、平成28年10月にはこれまで研究開発活動を続けてまいりました「相反転方式落差型小水力発電機」を製品発表するに至りました。本製品は、わずか1mの低落差水路においても発電を可能とする性能を有すものとなっております。

なお、当期中において、当社が過年度に実施した業務に設計上の瑕疵が発生し、同業務の瑕疵担保条項にもとづく補修費用を特別損失に計上いたしました関係上、当初計画を下回ることとなりましたが、当社グループ全体による一般管理費の徹底削減により、当期純利益で黒字を確保することとなりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、受注高5,857百万円(前年同期比5.9%増)、売上高5,509百万円(前年同期比1.5%減)、経常利益203百万円(前年同期比12.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益25百万円(前年同期比49.7%減)となりました。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

(建設コンサルタント事業)

主力事業であります建設コンサルタント事業は、受注高4,636百万円(前年同期比12.8%増)、売上高4,154百万円(前年同期比1.5%減)、営業利益330百万円(前年同期比15.9%増)となりました。

(情報処理事業)

情報処理事業は、受注高1,217百万円(前年同期比14.1%減)、売上高1,351百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益10百万円(前年同期比42.5%減)となりました。

(不動産賃貸・管理事業)

不動産賃貸・管理事業は、当社子会社が主に連結グループ内企業に対してサービスを提供している事業で、受注高3百万円(前年同期比6.8%減)、売上高3百万円(前年同期比6.8%減)、営業利益30百万円(前年同期比20.6%増)となりました。

 

(注)上記セグメント別の売上高は、外部顧客に対する売上高のみを表示しております。セグメント別の営業利益は、外部顧客に対する額に加え、セグメント間の額を含めて表示しております。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度の現金及び現金同等物は、期首と比べ55百万円増加し、1,553百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって獲得した資金は124百万円(前年同期は使用した資金14百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益87百万円及び未成業務受入金の増加による収入51百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によって使用した資金は79百万円(前年同期は使用した資金45百万円)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出46百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって獲得した資金は、11百万円(前年同期は使用した資金413百万円)となりました。これは主に、短期借入金の純減による支出200百万円、長期借入れによる収入300万円及びリース債務の返済による支出43百万円によるものです。

 

2 【受注及び販売の状況】

(1) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

建設コンサルタント事業計

4,636,753

12.8

3,449,884

16.2

情報処理事業計

1,217,083

△14.1

525,076

△20.4

不動産賃貸・管理事業計

3,673

△6.8

合計

5,857,509

5.9

3,974,961

9.6

 

 

(2) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年12月1日

  至 平成28年11月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

建設コンサルタント事業計

4,154,658

△1.5

情報処理事業計

1,351,529

△1.4

不動産賃貸・管理事業計

3,673

△6.8

合  計

5,509,861

△1.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

今後の経営環境は、国土強靭化政策、インフラ老朽化対策、地方創生事業などに対する公共事業予算の重点配分により、堅調な需要が持続するものと予想しております。一方、当社グループは、高まる需要を確実に取り込む生産体制の強化が急務であることに加え、再生可能エネルギー関連事業の積極的な営業展開が必要と考えております。こうした背景の下、当社は目標とする経営指標の達成を主軸に見据え、揺るがぬ安定した経営基盤の構築を第一に、以下の課題解決に取組みつつ業績向上を目指します。

1.受注拡大に向けた生産体制および営業力の強化

2.品質確保に資する技術力の強化

3.海外事業の拡大

4.再生可能エネルギー関連事業に対する経営資源のさらなる投入

5.新規事業シーズの発掘に向けたマーケティングの強化

 

 

4 【事業等のリスク】

事業状況、経理状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスクを認識した上で、当該リスクの防止策を展開すると共に、不測の事態に備えた適切なリスク軽減策を講じます。

① 受注環境

当社グループの主要事業である建設コンサルタント事業は、国や地方自治体の公共事業に大きく依存する事業であるため、公共事業に関する各種施策や予算措置の動向が当社グループの受注及び売上に影響を与える可能性があります。このため、当社グループは、公共事業に依存する従来型事業に加え、再生可能エネルギー関連事業などの新たな時代のニーズに適合した新規事業分野への参入を図ることで、当該リスクの回避に努めております。

② 品質管理

公共工事に関する設計等の成果品は、納品後も一定期間、瑕疵担保責任を負うこととなります。このため、当社グループは、品質マネジメントシステム(ISO9001)を導入し、品質管理を徹底しております。

万一、重大な瑕疵が生じ、瑕疵担保責任を問われた場合の業績に与える影響を担保するため、当社は賠償責任保険に加入し、当該リスクの低減に努めております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、多様な変化を続ける社会ニーズに対し、産・官・学との連携を強めるほか、地域と一体となって新たな技術開発やビジネスモデルの研究を進めています。

当連結会計年度における研究開発費の総額は、30,982千円であり、その大半は再生可能エネルギー関連事業のうち、小水力発電関連の事業化に関連する経費であります。具体的な取り組みは以下のとおりです。

(1)発電装置の技術研究開発活動

(2)マーケティング活動

(3)発電装置の利活用を含む商品化に向けた活動

・外装デザインの検討

・関連機器接続の検討

・利活用モデルの検討

(4)普及活動

・各種展示会への出展

・各種セミナーでの公演

(5)その他活動

・学術研究機関との連携

・各種民間企業との連携

・特許取得

 

なお、当連結会計年度において、情報処理事業、不動産賃貸・管理事業に関する研究開発の実績はございません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループにおける財政状態及び経営状態の分析は以下のとおりであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積もりが行われており、資産及び負債並びに損益の状況に反映されております。これらの見積もりは継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果は見積もりとは異なることがあります。

 

(2) 財政状態の分析

[資産]

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて271百万円増加し、6,170百万円となりました。主として現金及び預金の増加56百万円、未成業務支出金の増加62百万円などによるものです。

[負債]

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて285百万円増加し、4,396百万円となりました。主として長期借入金の増加280百万円及び未成業務受入金の増加51百万円によるものです。

[純資産]

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて14百万円減少し、1,774百万円となりました。主として退職給付に係る調整累計額の減少10百万円によるものです。

 

(3) 経営成績の分析

「第2 事業の状況」「1 業績等の概要」「(1)業績」に記載したとおりです。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

「第2 事業の状況」「1 業績等の概要」「(2)キャッシュ・フロー」に記載したとおりです。