当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業業績に加え世界経済の回復が重なって、市場では円安、株高、雇用環境が改善し、金融緩和の継続と経済対策の効果を背景に、息の長い緩やかな景気回復が続きました。
一方、建設コンサルタント業界は、国土強靭化基本計画に基づく防災・減災対策や社会インフラの老朽化対策事業、人口減少・超高齢化社会の下での持続可能な社会の形成を目指す地方創生事業、経済成長を牽引する観光産業創生事業など、設計・施工管理等のハード面と調査・計画等のソフト面の双方で年間を通じて堅調な市場環境にありました。また、当面している熟練技術者の高齢化と人手不足、働き方改革といった人的課題に対しては、ICT技術を活用した生産性の向上、女性技術者の活躍を促進する環境整備などに積極的に取り組んでおります。
このような状況下、当社グループは、高まる需要を着実に取り込み、市場競争力を意識した戦略的提案営業活動を質・量の両面で強力に推進した結果、連結受注高と連結売上高共に前期を上回りました。加えて、再生可能エネルギー関連事業につきましては、小水力発電機本体導入の前段階となる調査業務などの生産活動に並行して、本体導入の受注に向けた提案営業活動を展開いたしました。本事業は、当社グループ主力事業において中長期的な基盤強化に資するものであり、次期以降も重要施策として継続してまいります。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益が前期に比して大幅増となりましたが、これは第2四半期連結累計期間迄に計上いたしました特別利益等が寄与しております。
この結果、当連結会計年度の業績は、受注高6,088百万円(前年同期比3.9%増)、売上高5,778百万円(前年同期比4.9%増)、経常利益207百万円(前年同期比1.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益184百万円(前年同期比632.4%増)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
(建設コンサルタント事業)
主力事業であります建設コンサルタント事業は、受注高4,861百万円(前年同期比4.8%増)、売上高4,546百万円(前年同期比9.4%増)、営業利益320百万円(前年同期比3.1%減)となりました。
(情報処理事業)
情報処理事業は、受注高1,222百万円(前年同期比0.5%増)、売上高1,228百万円(前年同期比9.1%減)、営業利益14百万円(前年同期比37.2%増)となりました。
(不動産賃貸・管理事業)
不動産賃貸・管理事業は、当社子会社が主に連結グループ内企業に対してサービスを提供している事業で、受注高3百万円(前年同期比4.5%増)、売上高3百万円(前年同期比4.5%増)、営業利益33百万円(前年同期比8.0%増)となりました。
(注)上記セグメント別の売上高は、外部顧客に対する売上高のみを表示しております。セグメント別の営業利益は、外部顧客に対する額に加え、セグメント間の額を含めて表示しております。
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、期首と比べ425百万円増加し1,978百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって獲得した資金は640百万円(前年同期は獲得した資金124百万円)となりました。これは、当連結会計年度において税金等調整前当期純利益を307百万円計上したことに加え、売上債権が430百万円減少し未成業務受入金が156百万円増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用した資金は14百万円(前年同期は使用した資金79百万円)となりました。これは、当連結会計年度において保険積立金の積立に24百万円支出した一方で、有形固定資産の売却による収入が11百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用した資金は201百万円(前年同期は獲得した資金11百万円)となりました。これは、当連結会計年度において短期借入金が200百万円純減し、リース債務の返済に45百万円支出したこと等によるものです。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
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建設コンサルタント事業計 |
4,861,481 |
4.8 |
3,765,180 |
9.1 |
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情報処理事業計 |
1,222,969 |
0.5 |
519,236 |
△1.1 |
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不動産賃貸・管理事業計 |
3,838 |
4.5 |
― |
― |
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合計 |
6,088,289 |
3.9 |
4,284,417 |
7.8 |
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
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(自 平成28年12月1日 |
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至 平成29年11月30日) |
||
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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建設コンサルタント事業計 |
4,546,185 |
9.4 |
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情報処理事業計 |
1,228,809 |
△9.1 |
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不動産賃貸・管理事業計 |
3,838 |
4.5 |
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合 計 |
5,778,833 |
4.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
建設コンサルタント業界は、公共事業の好調な需要に支えられ、活況を呈しております。当社は、このような需要の追い風の時こそ将来の逆風時に備え、以下の経営戦略に取り組みつつ、将来の揺るがぬ安定した経営基盤を構築することが肝要であると考えております。
1.受注拡大に向けた生産体制および営業力の強化
2.品質確保に資する技術力の強化
3.海外事業の拡大
4.再生可能エネルギー関連事業に対する営業活動の強化
5.新規事業シーズの発掘に向けたマーケティングの強化
また、今後増大する社会インフラの老朽化対策、毎年頻発する大規模自然災害に対処する防災・減災対策などわが国が抱える課題に対しても、従来の延長線上ではなく、技術革新を含む新たな技術とこれまでに蓄積したノウハウを駆使して、経済合理性と効果・効能を追求した新たな提案活動を行ってまいります。
当社は、こうした時代の趨勢を的確に捉えつつ、今後も社会インフラ整備の一翼を担う企業としての使命を全社一丸となって全うする所存です。
事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスクを認識した上で、当該リスクの防止策を展開すると共に、不測の事態に備えた適切なリスク軽減策を講じます。
① 受注環境
当社グループの主要事業である建設コンサルタント事業は、国や地方自治体の公共事業に大きく依存する事業であるため、公共事業に関する各種施策や予算措置の動向が当社グループの受注及び売上に影響を与える可能性があります。このため、当社グループは、公共事業に依存する従来型事業に加え、再生可能エネルギー関連事業などの新たな時代のニーズに適合した新規事業分野への参入を図ることで、当該リスクの回避に努めております。
② 品質管理
公共工事に関する設計等の成果品は、納品後も一定期間、瑕疵担保責任を負うこととなります。このため、当社グループは、品質マネジメントシステム(ISO9001)を導入し、品質管理を徹底しております。
万一、重大な瑕疵が生じ、瑕疵担保責任を問われた場合の業績に与える影響を担保するため、当社は賠償責任保険に加入し、当該リスクの低減に努めております。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。
当社グループは、多様な変化を続ける社会ニーズに対し、産官学との連携を強めるほか、地域と一体となって新たな技術開発やビジネスモデルの研究を進めております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は32,812千円であり、その大半は再生可能エネルギー関連事業のうち、小水力発電関連の事業化に関連する費用であります。具体的な取り組みは以下のとおりであります。
(1) 小水力発電装置に付随する関連機器の研究(蓄電設備)
(2) 小水力発電装置を活用した地域活性化モデルの研究(観光、農業、防災)
(3) その他の新分野の開発研究(インフラ長寿命化技術、ICTを活用した新商品開発)
なお、当連結会計年度において、情報処理事業、不動産賃貸・管理事業に関する研究開発の実績はございません。
当社グループにおける財政状態及び経営状態の分析は以下のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積もりが行われており、資産及び負債並びに損益の状況に反映されております。これらの見積もりは継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果は見積もりとは異なることがあります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて56百万円増加し6,227百万円となりました。これは、現金及び預金の増加426百万円、受取手形・完成業務未収入金等の減少430百万円及び未成業務支出金の増加104百万円等によるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて122百万円減少し4,274百万円となりました。これは、短期借入金の減少200百万円、未成業務受入金の増加156百万円及び業務未払金の減少77百万円等によるものです。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて178百万円増加し1,953百万円となりました。これは、利益剰余金の増加167百万円等によるものです。
「第2 事業の状況」「1 業績等の概要」「(1)業績」に記載したとおりです。
「第2 事業の状況」「1 業績等の概要」「(2)キャッシュ・フロー」に記載したとおりです。