第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

わが国は、巨大地震の発生確率の高まりや、自然災害が多発・激甚化していることから、国土強靭化のための防災・減災、社会インフラの老朽化対策が緊急の課題となっております。政府はこの課題に対し、国民の生命・財産を守る基本目標を掲げ、公共事業に対して、平成30年度補正予算、平成31年度本予算と切れ目のない予算配分を行うことを発表しており、建設コンサルタント業界は今後も堅調な需要が持続するものと予想されます。

当社グループは、これらの高まる需要を確実に取り込み、安定した経営基盤を確固たるものとするとともに、社会インフラ整備の一翼を担う企業として、災害時に機動的かつ能動的にその使命を全うする体制づくりが必要であると考えております。加えて、今後ますます複雑・多様化する社会環境に備えることも重要であると認識しております。

つきましては、当社グループは、次の5点を新たな対処すべき課題として掲げ、全社一丸となって中長期的な業績向上を目指すことといたします。

 

1.受注拡大に向けた生産・営業体制の強化

2.技術提案力および品質確保に資する技術力の強化

3.ICTの積極活用による人手不足の解消と働き方改革の実践

4.再生可能エネルギー関連事業の企画力・営業力の強化と新たな社会ニーズの発掘

5.海外事業を含めた幅広い分野にわたる新規顧客の開拓

 

2 【事業等のリスク】

事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスクを認識した上で、当該リスクの防止策を展開するとともに、不測の事態に備えた適切なリスク軽減策を講じます。
1.受注環境
 当社グループの主要事業である建設コンサルタント事業は、国や地方自治体の公共事業に大きく依存しており、公共事業量の増減が、当社グループの受注・売上に影響を与える可能性があります。

当社グループは、受注環境に関するリスク対策として、従来型の公共事業に加え、建設コンサルタントとして培ったノウハウを活用して、新たな社会ニーズに対応した新規周辺事業分野への参入を図ることでリスク回避に努めます。なお、再生可能エネルギー関連事業はこの一環として取り組んでいる新規事業であります。
2.品質管理
 設計図等の建設コンサルタントの成果品は、契約上、納品後の一定の期間にわたり瑕疵担保責任を負うことが通例であります。これにより、成果品の品質にエラーが発生した場合、瑕疵補修費用等の名目で業績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、品質管理に関するリスク対策として、ISO9001に基づく品質管理を徹底していることに加え、不測の事態に備えて賠償責任保険にも継続加入しております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、米中間の貿易摩擦の激化が世界経済に与える影響について懸念されるものの、好調な国内企業業績と消費・設備投資などの活況が内需を喚起し、加えて、政府の経済対策や関連予算の着実な実施効果が相まって、息の長い緩やかな景気回復が持続しました。

一方、建設コンサルタント業界は、9月上旬に発生した台風21号や北海道胆振東部地震などの、多発・激甚化する自然災害から国民の生命・財産を守る国土強靭化関連事業や社会インフラの老朽化対策事業などのハード分野、人口減少・超高齢化社会の下で持続可能な社会の形成を目指す地方創生事業などのソフト分野、共に、年間を通して堅調な市場環境にありました。また、建設コンサルタントの役割が発注者を補助する立場から、PPP(官民連携)やPFI(民間資金を活用した公共施設整備)など、より主体的に社会インフラ整備を担う役割へと変化している点も市場に期待が高まる要因となっております。

このような状況下、当社グループは、営業面では高まる需要を確実に取り込む戦略的提案営業の強化に努め、連結受注高で前年を上回る成果を上げることができました。また、生産面では技術者の高齢化や人手不足といった課題に対して生産性の向上に努め、生産人件費が増加したものの、連結売上高、連結経常利益共に前年を上回る成果を上げることができました。再生可能エネルギー関連事業につきましては、提案営業に並行して第3四半期連結会計期間に実施した小水力発電機の実機を用いたデモンストレーションや、当社が出展した各種展示会での引き合いに対する継続した営業活動のほか、潜在顧客の開拓を目的としてDMによる営業活動を実施いたしました。

この結果、当連結会計年度の業績は、受注高6,547百万円(前年同期比7.5%増)、売上高5,917百万円(前年同期比2.4%増)、経常利益212百万円(前年同期比2.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益107百万円(前年同期比41.6%減)となり、昨年1月に開示した連結業績予想に比べ僅かながら減収となりましたが、営業利益においては予想どおり、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益においては予想をそれぞれ大幅に上回る結果となりました。

なお、親会社株主に帰属する当期純利益が前年同期と比して減益となった要因は、前連結会計年度に、損害保険金受領額が特別利益に計上されている影響によるものであります。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

 

(建設コンサルタント事業)

主力事業であります建設コンサルタント事業は、受注高5,250百万円(前年同期比8.0%増)、売上高4,729百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益326百万円(前年同期比1.7%増)となりました。

(情報処理事業)

情報処理事業は、受注高1,293百万円(前年同期比5.8%増)、売上高1,184百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益17百万円(前年同期比16.5%増)となりました。

(不動産賃貸・管理事業)

不動産賃貸・管理事業は、当社子会社が主に連結グループ内企業に対してサービスを提供している事業で、受注高3百万円(前年同期比4.0%減)、売上高3百万円(前年同期比4.0%減)、営業利益32百万円(前年同期比3.5%減)となりました。

(注)上記セグメント別の売上高は、外部顧客に対する売上高のみを表示しております。セグメント別の営業利益は、外部顧客に対する額に加え、セグメント間の額を含めて表示しております。

 

 

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて197百万円減少し6,029百万円となりました。これは現金及び預金の減少227百万円、受取手形・完成業務未収入金等の減少69百万円及び未成業務支出金の増加84百万円等によるものです。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて277百万円減少し3,996百万円となりました。これは短期借入金の減少200百万円、未成業務受入金の減少67百万円等によるものです。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて79百万円増加し2,032百万円となりました。これは利益剰余金の増加90百万円等によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物は、期首と比べ228百万円減少し1,750百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって獲得した資金は109百万円(前年同期は獲得した資金640百万円)となりました。これは当連結会計年度において税金等調整前当期純利益を211百万円、減価償却費を79百万円計上した一方、法人税等の支払が143百万円あったこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によって使用した資金は38百万円(前年同期は使用した資金14百万円)となりました。これは当連結会計年度において保険積立金の積立に21百万円支出したこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって使用した資金は299百万円(前年同期は使用した資金201百万円)となりました。これは当連結会計年度において短期借入金が200百万円純減し、リース債務の返済に48百万円支出したこと等によるものです。

 

設備投資等の資本的支出につきましては営業活動による収入で賄うことを基本としておりますが、当社の財務戦略を鑑み、銀行借入またはリースを併用する場合があります。設備の新設等の計画につきましては「第3 設備の状況」「3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。

 

 

(2) 受注及び販売の実績

① 受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比増減(%)

受注残高(千円)

前年同期比増減(%)

建設コンサルタント事業計

 5,250,254

 +8.0

 4,285,941

 +13.8

情報処理事業計

1,293,803

+5.8

628,527

+21.0

不動産賃貸・管理事業計

3,684

△4.0

合計

6,547,742

+7.5

4,914,468

+14.7

 

 

② 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年12月1日

  至 平成30年11月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

建設コンサルタント事業計

4,729,494

 4.0

情報処理事業計

1,184,513

△3.6

不動産賃貸・管理事業計

3,684

△4.0

合  計

5,917,691

2.4

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、多様な変化を続ける社会ニーズに対し、産官学との連携を強めるほか、地域と一体となって新たな技術開発やビジネスモデルの研究を進めています。当連結会計年度における研究開発費の総額は、34,834千円であり、その大半は再生可能エネルギー関連事業のうち、小水力発電関連の事業化に関連する費用であります。具体的な取り組みは以下のとおりであります。
1.小水力発電装置に付随する関連機器の研究(蓄電設備)
2.小水力発電装置を活用した地域活性化モデルの研究(観光、農業、防災)
3.その他の新分野の開発研究(インフラ長寿命化技術、ICTを活用した新商品開発)
 なお、当連結会計年度において、情報処理事業、不動産賃貸・管理事業に関する研究開発の実績はございません。