文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、専門技術者集団として、少子高齢化といった社会構造の変化や多発・激甚化する自然災害、地球規模での温暖化問題にも深く配慮していかなければならない社会的使命を負っているものと考えております。当社グループは、これらの新たな時代の要請に応えつつ、「顧客満足と社員満足の両立」、「公明正大な企業活動」、「その他全てのステークホルダーへの責任」を念頭に、地球の明日を見つめながら、人の心の優しさと豊かさを育み、安全で安心・快適な生活空間を創造すべく果敢に挑戦し続ける企業を目指しております。
「企業をつくるのは"人"」、「経営を支えるのは"和"」、「技術を高めるのは"心"」の経営理念のもと、私たちは新たな価値の創造の実現に向け、人・社会・自然との調和を科学する先進的な技術者集団へと発展、飛躍をし、社会に貢献してまいります。
当社グループは、2024年11月期における業績目標を、連結売上高80億円、連結営業利益6.0億円、連結経常利益5.9億円、親会社株主に帰属する当期純利益3.3億円としております。
わが国は、気候変動の影響により頻発・激甚化が懸念される気象災害や切迫する巨大地震などから国民の生命と財産を守ることを最重要課題とし、国土強靭化に向けた防災・減災対策を推進するとともに、戦略的な社会インフラの老朽化対策を緊急かつ集中的に講じる必要があります。また、少子高齢化社会の制約を克服し、経済の好循環を拡大しつつ地方経済を活性化するための土台となる社会資本整備を推進する必要もあります。
政府はこれらの課題に対し、「被災地の復旧・復興」、「国民の安全・安心の確保」、「力強く持続的な経済成長の実現」および「豊かな暮らしの礎となる地域づくり」の4分野を重点施策に掲げ、施策効果の早期発現を図るべく、公共事業に対して、2019年度補正予算、前年度比増の2020年度本予算と切れ目のない予算配分を行うこととしており、当社グループを取り巻く環境は今後も堅調な需要が持続するものと予想しております。
当社グループは、総合建設コンサルタントとして複雑・多様化する社会インフラ整備に対応するために持続的な技術力向上と生産体制の拡充に努め、インフラ整備に関する需要を確実に取込み、安定した経営基盤の強化を目指しております。また、現在のコロナ禍においても安定した受注量・生産量を確保すべく適切な事業運営に努めてまいります。
このため、対処すべき課題として新たに次の5点を掲げ、全社一丸となって中長期的な業績向上を目指します。
技術部門ごとに部門を統括する役職を設け、この指揮の下に於いて人材育成と業務量平準化による生産体制
の強化を図る。
国土交通省、防衛省ほか他省庁からの受注拡大に努め安定的な受注確保を図る。
ICTの活用により、新技術への挑戦を推進すると共に、成果品の品質向上と手戻り防止を含めた生産性向上を
図る。
無駄な時間・費用の排除により収益の増加に努める。
再生可能エネルギーを含む周辺事業領域で新たな柱となる事業を創出し、公共事業のみに依存しない安定経
営の実現を図る。
事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスクを認識した上で、当該リスクの防止策を展開するとともに、不測の事態に備えた適切なリスク軽減・移転策を講じております。
当社グループの受注は、国や地方自治体に対する依存度が高く、公的予算の変化が当社グループの受注環境や業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、このリスクへの対策として、建設コンサルタントとしてこれまで培った技術ノウハウを活用して、新たな社会ニーズに対応した新規周辺事業分野へ参入し、リスク分散することで受注環境の変化に対応する方針としております。なお、新規事業推進室は将来の新規周辺事業分への本格参入に向けた調査・企画・研究・提案営業を専属的に行う本社機構の組織であり、再生可能エネルギー関連の取り組みはこの一環として取り組むものであります。
当社グループの主力事業である建設コンサルタント事業は、社会資本整備の調査・計画・設計・施工管理等の各業務において顧客の事業執行を支援する技術サービスを提供しており、顧客や各種関係機関等との協議・調整が業務を進める上で必要不可欠です。新型コロナウイルスの感染予防の観点から、これらの協議・調整に大幅な制約を受けると業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、このリスクへの対応として、リモートワーク環境やWEBミーティング環境を整備し、感染拡大リスク低減と生産性を両立する対策を講じているほか、社内での集団感染リスクを低減するため、時差出勤の実施、飛沫防止設備や検温装置の設置等の対応を行っております。
当社グループの成果品は、納品後も一定の期間にわたり契約不適合責任を有しております。これにより、万一、契約内容に適合しない成果品が発生すると、契約不適合に対する補修費用等の名目で後の業績に負の影響を与える可能性があります。
当社グループは、品質管理に関するリスク対策として、ISO9001に基づく品質管理の徹底によりリスクを軽減することに加え、不測の事態に備える賠償責任保険の継続加入することによりリスクの一部を外部へ移転しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、期初より8月迄は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きかったものの、ワクチン接種の普及や緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の対策により、9月末以降、経済活動が回復に向かいました。しかしながら、対面型サービス業を取り巻く環境は引き続き厳しく、業種間格差が開いた状況にあります。また、11月下旬より新たに発生したオミクロン株に対する懸念が生じたことで、景気の先行きは不透明な状況にあります。
一方、建設コンサルタント業界は、国内業務においては、新型コロナウイルスの影響を若干受けたものの、社会インフラの点検・補修・補強業務等の防災・減災、国土強靭化関連の需要を中心に、安定した市場環境が継続しました。また、海外業務においては、業務対象国における新型コロナウイルスの感染拡大による業務の一時中断等の影響が生じたものの、現在は概ね正常な状態に戻っております。
このような状況下、当社グループは、安定した市場環境の中で受注量の確保を最優先とする営業活動を展開しつつ、ICTの積極活用により生産性を高めたことで、全セグメントで受注高・売上高ともに前年同期を上回る成果をあげることができました。また、社内外の打合せに際しWEB会議システムを積極活用したこと等により、当社グループ全体で旅費交通費予算が大幅に圧縮できたほか、その他経費においても最大限のコスト削減に努めた結果、前年同期を大きく上回る利益をあげることができました。この他、当期の再生可能エネルギー関連の取り組みとしては、従前より継続実施する提案営業活動に加え、農林水産省が公募する「令和3年度官民連携新技術開発事業」に応募し、発電装置の開発や発電された電力の利用方法に関する研究提案等を行いました。
この結果、当連結会計年度の業績は、受注高7,703百万円(前年同期比4.0%増)、売上高7,329百万円(前年同期比10.8%増)、経常利益463百万円(前年同期比45.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益269百万円(前年同期比54.8%増)となりました。
なお、新型コロナウィルス感染症の感染拡大による当連結会計年度の業績への大きな影響はありません。
次期以降の経営目標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。また、当該経営目標の達成に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
主力事業であります建設コンサルタント事業は、受注高6,130百万円(前年同期比1.9%増)、売上高5,848百万円(前年同期比12.0%増)、営業利益568百万円(前年同期比36.8%増)となりました。
情報処理事業は、受注高1,569百万円(前年同期比13.0%増)、売上高1,477百万円(前年同期比6.3%増)、営業利益43百万円(前年同期比20.3%増)となりました。
不動産賃貸・管理事業は、当社子会社が主に連結グループ内企業に対してサービスを提供している事業で、受注高3百万円(前年同期比4.3%増)、売上高3百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益34百万円(前年同期比1.2%増)となりました。
(注)上記セグメント別の売上高は、外部顧客に対する売上高のみを表示しております。セグメント別の営業利益は、外部顧客に対する額に加え、セグメント間の額を含めて表示しております。
セグメントごとの受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて111百万円増加し7,104百万円となりました。これは受取手形・完成業務未収入金の増加95百万円等によるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて132百万円減少し4,555百万円となりました。これは短期借入金の減少200百万円等によるものです。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて244百万円増加し2,549百万円となりました。これは利益剰余金の増加252百万円等によるものです。
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、期首と比べ5百万円増加し2,863百万円となりました。
営業活動によって獲得した資金は315百万円(前年同期は獲得した資金717百万円)となりました。これは当連結会計年度において税金等調整前当期純利益を463百万円計上した一方で、売上債権が95百万円増加し未成業務受入金が95百万円減少したこと等によるものです。
投資活動によって使用した資金は22百万円(前年同期は使用した資金70百万円)となりました。これは当連結会計年度において保険積立金の積立に19百万円支出したこと等によるものです。
財務活動によって使用した資金は286百万円(前年同期は使用した資金85百万円)となりました。これは当連結会計年度においてリース債務の返済に42百万円支出したこと、長短借入金が220百万円純減したこと等によるものです。
設備投資等の資本的支出につきましては営業活動による収入で賄うことを基本としておりますが、当社の財務戦略を鑑み、銀行借入またはリースを併用する場合があります。設備の新設等の計画につきましては「第3 設備の状況」「3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。
当社グループは、本社機構の新規事業推進室を中心に、多様な変化を続ける社会ニーズに対して建設コンサルタントとしてこれまで培った技術ノウハウを活用し、産官学の連携を強化するほか、地域と一体となって新たな技術開発や新規事業に関する調査・研究を進めています。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は
具体的な取り組みは以下のとおりであります。
1.小水力発電機の導入促進に向けた農村漁村エネルギーマネジメントシステム(VEMS)に対する研究
※VEMS:農林水産省ほか関係府省が普及を進める地域経済循環につながるエネルギーの地産地消モデル
2.小水力発電機の製造コスト低減に向けた研究(装置構造の見直し)
3.小水力発電機の利活用方法に関する研究(農業用ハウスでの利用、地域防災での利用)
4.その他(VEMS対応のための制御システムの研究)
なお、当連結会計年度において、情報処理事業、不動産賃貸・管理事業に関する研究開発の実績はございません。