第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

当社は、「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念のもと、戦略・経営、人材開発、セールスプロモーションといった角度から、企業繁栄を実現する広汎なコンサルティングサービスをチームコンサルティングにより提供することを通じて、社会や顧客にとってなくてはならない会社「ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社(FCC)」を創造することをミッションとしております。

(2)経営戦略等

「すべてはクライアントのために」という顧客中心主義の考え方のもと、多様化・専門化する経営ニーズに応えられる体制を構築する「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」(コンサルティング領域の多角化及びプラットフォーム化)を推進することが、当社の中長期的な経営戦略であります。「ドメイン(事業戦略)×ファンクション(組織戦略)×リージョン(地域戦略)」という観点でC&C戦略を推進することにより、顧客創造力の強化、そして顧客基盤の拡大を実現し、全国のFCCづくりを加速させてまいります。また、当社自身の持続的成長も実現してまいります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

上記の経営戦略を推進し、当社の持続的成長、そして中長期的な企業価値の向上を実現していく上で、売上高成長率目標の実現による営業利益額及び売上高営業利益率の向上を目指してまいります。この安定的な利益の確保と共に、高い安定性を備えた最適な資本構成も実現していくことにより、効率性の向上も目指してまいります。そして、収益性・安定性・効率性のバランスの取れた企業を目指してまいります。

(4)経環境

当面の我が国経済は、中国経済の動向や米国政策動向の不確実性、地政学的リスクによるリスクオフ(円高・株安)や英国のEU離脱問題に端を発する海外景気の下振れリスクによる景気動向の不透明感はあるものの、内外需の底堅い推移により、企業部門を中心とした景気回復が続くと見ております。

そのような中、当社を取り巻く経営環境については、持続的成長を実現するための顧客ニーズの多様化・専門化が進んでおり、これらを解決するための多様なコンサルティングメニュー及び高い品質が求められております。

(5)事業所及び財務上の対処すべき課題

上記の経営方針に基づき経営戦略を推進していくにあたり、当社が直面している課題と、対応する主な具体策については、次のとおりであります。

①地域FCC戦略の推進

全国主要10都市にファーム(事業所)を展開し、全国の企業に対して多様なコンサルティングサービスを均質に提供できる点は、他にはない当社の強みであります。引き続き、全地域において当社がFCC(ファーストコールコンサルティングファーム)となることを目標に、大阪本社・東京本社による全国へのサポート体制の更なる強化に加えて、各ファームの組織・人員体制も強化することにより、全社・全事業の力を結集したコンサルティングプラットフォームを構築し、地域企業の発展及び地域経済の活性化(地方創生)に貢献してまいります。

ドメイン・ファンクションコンサルティング戦略の推進

社会的課題解決し、未来を創造するためのドメイン(事業戦略)・ファンクション(組織戦略)を顧客と共にグローバルに研究する「戦略ドメイン&ファンクション研究会」について、現在展開している25テーマから31テーマへと拡大・強化してまいります。また、当該研究会より31テーマの専門コンサルティングチームを立ち上げ、大阪本社・東京本社へと設置することにより、顧客へ専門性の高い価値を提供してまいります。今後も、新規研究会の創造を推進すると共に、研究会から生まれた新規事業の育成・成長も推進してまいります。

③人材開発コンサルティング戦略の推進

「ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社(FCC)」を志す企業向けの学びのプラットフォームとして、「FCCアカデミー(企業内大学)」というコンセプトを推進してまいります。教育体系の構築や教育コンテンツの開発、社内講師プロデュース等を支援する「コンサルティング」、教育コンテンツをデジタル機器で場所と時間を選ばず学習できる「クラウド」、新入社員から社長までを育成できる「FCCセミナー」、ジュニアボード(次世代経営チーム育成)等の「オーダーメイド研修」の提供により、顧客の人材育成・活躍をワンストップでトータルに支援してまいります。

④アライアンスコンサルティング戦略の推進

全国の金融機関等とのアライアンス(提携)を通じた地域企業の発展及び地域経済の活性化支援を強化してまいります。従来からの地域企業の後継者及び金融機関行職員を育成する「金融ドメインコンサルティング」に加え、全国で当社が間接的にサービスを提供しているアライアンス先の顧客(主に中小企業)7,000社を対象に、「ステージアップコンサルティング」を推進してまいります。また、アライアンス先と協働する「M&Aコンサルティング」のメニューを新たに体系化し、顧客の成長支援を推進してまいります。

⑤SPコンサルティング戦略の推進

SPコンサルティングにおいても、業種・プロモーションテーマという観点での業務プロセス見直しとチーム組成を推進し、専門性を高めてまいります。プロモーション戦略及びブランディング戦略の立案・実行推進支援においては、Webプロモーションを導入することで顧客価値を高め、プロモーション商品においては、当社ディレクション部門及びデザイン部門が外部のアライアンスパートナーとも連携して専門領域を拡大していくことにより、顧客の販売促進をワンストップでトータルに支援してまいります。

⑥コンサルタント人材の採用とプロフェッショナルへの育成、そして活躍の実現

当社の持続的成長を実現する条件の一つとして、「コンサルタント人材の採用」と高いコンサルティング品質を顧客へ提供できる「プロフェッショナルへの育成」、そして「プロフェッショナルとしての活躍」が重要であると考えております。採用においては、コンサルタントキャリアを複線化しており、新卒採用と中途採用を共に強化していくことで、コンサルタント及びその候補者人数を増やしてまいります。育成においては、自社独自のコンサルタントを養成するビジネススクール「タナベFCCアカデミー」の人材育成プログラムにより、採用した社員の早期戦力化を実現してまいります。そして、活躍においては、個々の成果が反映される人事制度及び賃金制度の導入により、社員のモチベーションアップ及びパフォーマンスアップを推進してまいります。

加えて、今後も当社経営管理部門における人材採用・育成体制を強化すると共に、採用ホームページや広告等への投資により、採用ブランディングも強化してまいります。

2【事業等のリスク】

当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)コンサルタント人材の採用・育成・活躍について

当社では、顧客満足を高めるため、各分野の専門コンサルタントが複数人でチームを組成してコンサルティングを推進するチームコンサルティングを実施しております。コンサルタント人材の採用については、新卒採用のほかに、中途採用を通年で実施しており、各分野や業種における専門性の高いコンサルタント人材の増強を行っております。人材育成については、当社の企業内大学における充実した人材育成プログラムにより、各コンサルタントのスキルアップを常に図ると共に、新卒採用・中途採用の社員の早期戦力化も推進しております。人材活躍については、コンサルタントのモチベーション及びパフォーマンスアップを図るべく個々の成果が反映される人事制度及び賃金制度を導入しております。このように、コンサルタント人材の採用・育成・活躍を推進することにより、顧客の多様化・専門化するニーズにも応えられる体制を整えております。

しかし、万一、重要な人材の流出が発生した場合、又は顧客の評価を得られる人材の採用及び育成・活躍が進まない場合、当社のコンサルティング事業拡大の制約となり、一時的に経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)法的規制等に係る事項

① 経営コンサルティング事業

現在のところ、特に関係省庁の許認可等の制限を受けることはありませんが、今後、法令等の制定改廃により何らかの制限を受けることとなった場合、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業

ⅰ 製造物責任法(PL法)について

商品の欠陥が理由で事故が生じた場合、商品の種類によっては製造物責任法(PL法)により損害賠償請求を受ける可能性があります。当社では、このような事故が生じないように、仕入先の管理を含め品質管理体制の整備に注力すると共に、万一、事故が生じた時のために、製造物賠償責任保険(PL保険)に加入しております。もし当該法律に抵触する事態が生じた場合、当社に対する顧客企業からの信用及び社会的信用の失墜等により、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

ⅱ 著作権等の第三者の知的財産権の侵害について

当社が取り扱うセールスプロモーショングッズについて、当該セールスプロモーショングッズが著作権等の第三者の知的財産権を侵害する可能性があるため、セールスプロモーショングッズを提案する際には知的財産権の有無を確認する必要があります。当社では、当社が知的財産権に係る調査を行うことで、取り扱うセールスプロモーショングッズが、第三者の知的財産権を侵害することがないよう努めておりますが、セールスプロモーショングッズを販売した後に係争が発生した場合、当社に対する顧客企業からの信用及び社会的信用の失墜等により、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3)手帳の生産委託について

当社の販売しているブルーダイアリー(ビジネス手帳)は、当社仕様による生産指示のもとで、原材料を支給し、加工(製本等)は特定の外部における加工業者に委託しております。

当社の委託先において生産が出来ない事態が発生した場合、又は大規模な地震やその他の災害が発生し、委託先の生産設備等が被害を被った場合に備え、代替できる加工場を有しております。しかしながら、万一、当該事象が7月以降に発生した場合、商品の特性上、業界全てにおいて生産時期が7月から12月頃に集中しているために、新たな加工場を早急に確保することは困難な状況にあります。このような事態が発生した場合には、受注した商品の販売ができなくなるため、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4)システムトラブルについて

当社は、各会員サービス、契約先金融機関及び金融機関の会員に対し、当社のコンピュータシステムとインターネットを通し、各種の経営情報を提供しております。

当社では、通常の運用において、想定されるシステム障害に対する対応策(外部アクセス制御、認証、ウイルスチェック、データのバックアップ等)と障害時の復旧体制を講じており、システムへの信頼性向上に努めております。

万一、災害や停電等で通信ネットワークにシステム障害が発生し、長期化した場合、経営情報の提供ができず、顧客の離反を招き、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)顧客情報管理について

当社は、提携先やコンサルティングを通じて顧客から得た機密情報の他に、過去に当社と取引を行った企業に関する情報を収集、整理し顧客情報として管理しております。当社は「情報管理」を経営の最重要事項と位置付け、情報管理体制の強化、情報管理に対する社内啓発及び意識向上の活動を推進する等、様々な角度から顧客情報及び機密情報の漏洩防止策を検討し実行しております。また、社内では個人情報保護規程、情報システム管理規程及び情報システム利用者規程等に則した情報管理に関する社員への意識付けを行うと共に、インサイダー取引に関する教育を実施し、データを取り扱う外部委託先に対して秘密保持の契約を取り交わしております。

万一、外部からの不正手段によるコンピュータ内への侵入や、会社関係者の過誤等により、機密情報や顧客情報が漏洩し、当社の信用の低下を招いた場合、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)季節変動について

SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業において、手帳の販売が毎年10月から12月に集中することから、例年の傾向として同期間における売上高及び利益が増加する傾向にあり、通期の業績に占める第3四半期の比重が高くなっております。このため、特定の四半期業績のみをもって当社の通期業績見通しを判断することは困難な状態にあります。

なお、前事業年度及び当事業年度における四半期別のSP(セールスプロモーション)コンサルティング事業の売上高及びセグメント利益又は損失の推移は下表のとおりであります。

 

前事業年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

売上高(千円)

652,410

635,248

1,615,385

774,721

3,677,767

構成比(%)

17.7

17.3

43.9

21.1

100.0

セグメント利益

又は損失(△)(千円)

△47,807

△48,250

268,761

△15,394

157,308

 

 

当事業年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

売上高(千円)

688,880

714,339

1,627,878

744,921

3,776,019

構成比(%)

18.2

18.9

43.1

19.7

100.0

セグメント利益

又は損失(△)(千円)

△29,679

△21,151

263,338

△9,865

202,641

 

(7)重大な不良品の発生について

当社は、外部における加工業者に委託してセールスプロモーショングッズや手帳を製造し、顧客や一般消費者に提供しております。不良品の発生防止のため、品質管理、生産管理等には十分注意しておりますが、何らかの事情により不良品が発生した場合、値引きや製品の再生産、再検品、回収、廃棄等の負担が発生し、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におきましては、米国・アジア地域では着実に、ヨーロッパ地域では緩やかに景気が回復しており、国内でも各種政策の効果もあって、企業収益や雇用情勢の改善が続き、経済全体としては緩やかな回復基調で推移いたしました。

このような経済環境のもと、経営ミッションである「『ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社』の創造」の実現のため、「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」(コンサルティング領域の多角化及びプラットフォーム化)を推進してまいりました。

経営コンサルティング事業におきましては、戦略ドメイン&マネジメント研究会のテーマ拡大を進めると共に、「食品・フードサービス」「ヘルスケア」「住まいと暮らし」の3つのテーマを研究するコンサルタントで構成される専門部門を東京本社内に新設し、ドメイン(事業戦略)における専門コンサルタントの活動領域の拡大を図ってまいりました。

SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業におきましては、経営コンサルティング事業のコンサルタントと連携し、SPチームコンサルティングを開発・ブランディングすることで、全社チーム連携モデルの構築に尽力すると共に、戦略総合研究所「デザインラボ」の機能を活かし、より付加価値の高い提案を行ってまいりました。

また、長年ご愛顧いただいた会員組織「イーグルクラブ」を2017年4月より「FCCアカデミー会員」とし、クラウドを活用した学習動画コンテンツという新たな価値を提供する組織にリニューアルすると共に、この教育プラットフォームと従来のリアルな研究会・ブランディングセミナー等を組み合わせた新たな学習環境を「FCCアカデミー」とし、中堅・中小企業でも独自の企業内大学をスピーディーに設立できるコンサルティングサービスとして提供を開始いたしました。これにより、顧客の人材や組織の「学び方改革」を推進することで「働き方改革」を支援してまいりました。

管理面におきましても、「Tanabe Vision 2020」の推進体制を更に強化するために、経営管理本部の本社機能の一部と戦略総合研究所を東京にも設置して東京本社とすると共に、戦略総合研究所をコンサルティング戦略本部から独立させ、経営コンサルティング事業とSP(セールスプロモーション)コンサルティング事業に対するサポート機能の更なる充実を図ってまいりました。

このような取り組みの結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

当事業年度末における資産合計は、128億4百万円となり、前事業年度末比2億72百万円増加いたしました。

当事業年度末における負債合計は、23億69百万円となり、前事業年度末比39百万円減少いたしました。

当事業年度末における純資産合計は、104億34百万円となり、前事業年度末比3億12百万円増加いたしました。

b.経営成績

当事業年度の売上高は、87億97百万円(前期比4.9%増)となり、営業利益は9億36百万円(前期比6.6%増)、経常利益は9億65百万円(前期比5.5%増)当期純利益は6億75百万円(前期比5.8%増)の増収増益となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前事業年度比較については、前事業年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

<経営コンサルティング事業>

(経営コンサルティング)

顧客課題に応じて、「ドメイン(事業戦略)×ファンクション(組織戦略)×リージョン(地域戦略)」の視点でチームを編成し、コンサルティングを実施してまいりました。「中期経営計画(ビジョン)策定・推進」「人材採用・育成・活躍」「事業承継・次世代経営チーム(ジュニアボード)育成」等のテーマの安定した受注に加えて、それ以外にも「アカデミー(企業内大学)設立」「ビジネスモデルデザイン」「ブランディング」「働き方・生産性改革」等のテーマも増えた結果、経営コンサルティング契約数は期中平均457契約(前期436契約)となり、1件当たりの平均単価も伸長いたしました。その結果、売上高は前事業年度を上回りました。

(人材育成コンサルティング)

企業戦略に適合させるオーダーメイドの教育(研修)は、企業ビジョンを推進するリーダー育成等のニーズが高く、伸長いたしました。提携先の金融機関・会計事務所等を対象とした人材育成も、融資先・顧問先等の成長を実現できるコンサルティングスキルの習得というニーズが高く、伸長いたしました。その結果、売上高は前事業年度を上回りました。

(セミナー)

2017年4月、2018年3月に開催した新入社員向けのスタートアップセミナーや、7月から開催したチームリーダースクールでは、開催会場を増やしたこと等により、受講者数が前事業年度を上回りました。また、5月から全国10拠点で開催した次期のリーダー候補の育成を目的としたセミナーでは、参加社数が前事業年度を上回りました。さらに、11月から12月にかけて開催した経営戦略セミナーについては、過去最高受講者数2,688名を達成いたしました。その結果、売上高は前事業年度を上回りました。

(FCC研究会)

戦略ドメイン&マネジメント研究会では、2017年9月から「尖端技術」「新規事業開発」「教育・学習ビジネス」、10月から「一番に選ばれる金融機関を目指す」をテーマとした研究会が加わり、既存のテーマと合わせて開催実施数が増加いたしました。その結果、売上高は前事業年度を上回りました。

(アライアンス(提携))

全国の地域金融機関・会計事務所等とのアライアンス(提携)戦略につきましては、引き続き金融機関・会計事務所等の提携先の顧客支援を目的とした勉強会「経営塾」を実施し、中堅・中小企業を支援するオリジナルプログラムやサービスを提供してまいりましたが、提携数は139と前事業年度に比べ減少いたしました。また、各種会員組織の会費収入は、会員数が減少したことで伸び悩む結果となりました。その結果、売上高は前事業年度を下回りました。

このような取り組みの結果、経営コンサルティング事業の売上高は、50億21百万円(前期比6.6%増)となり、セグメント利益は13億36百万円(前期比5.7%増)となりました。

<SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業>

(SPコンサルティング)

前事業年度において、セールスプロモーションコンサルティングとSPデザインを区分して表記しておりました。しかしながら、顧客のプロモーション戦略・ブランディング戦略の立案から実行推進までを支援するセールスプロモーションコンサルティングと、当社の専門コンサルタントがデザインしたプロモーション商品であるSPデザインを、顧客に対して一つのコンサルティングサービスとして提案することで、顧客ニーズを充足し、当該事業を拡大する方針であります。したがって、当事業年度より、両者を一体として、SPコンサルティングと表記することといたしました。

セールスプロモーションコンサルティングでは、経営コンサルティング事業との連携による提案等により契約数が増加いたしました。

SPデザインでは、当事業年度より、SPコンサルティング本部内の「SPデザインラボ」を「デザインラボ」として戦略総合研究所に移管し、その連携活用の範囲が広がりました。同時に、「デザインラボ」が発足して2年目を迎え、社内で機能の定着が進んだことで、独自性の高いプロモーションツールとして付加価値の高い提案が可能になり、大型案件の受注にも繋がりました。

SP領域の研究会では、2016年9月に当該事業で初めて開催した「こども・子育てファミリーマーケット成長戦略」をテーマとした研究会の第2期を開催いたしました。また2017年10月より、新たに「食品販売促進戦略」と「住宅マーケット集客プロモーション」をテーマとした研究会を発足させ、経営コンサルティング事業の研究会と同様に、顧客へ専門性の高い付加価値を提供いたしました。

その結果、売上高は前事業年度を上回りました。

(SPツール)

SPツールでは、継続した安定受注はあるものの、顧客開拓において、独自性のある付加価値の高い提案商品である上記のSPデザインに注力し、重点的な拡販に取り組みました。その結果、売上高は前事業年度を下回りました。

(ダイアリー)

前事業年度においては、ビジネス手帳・カレンダーと表記しておりましたが、当社のビジネス手帳の代表的なブランドであるブルーダイアリーの名称を明確に表現するため、当事業年度より、ダイアリーと表記することといたしました。

当事業年度より、2019年に発行60周年を迎えるブルーダイアリーのリ・ブランディング活動を進めております。その一環としてロゴマークの変更、ブランディングブックの製作やホームページのリニューアルを行うことで、10月から12月に販売が集中するダイアリーは、安定した継続受注を得ることができました。その結果、売上高は前事業年度並みで推移いたしました。

このような取り組みの結果、SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業の売上高は、37億76百万円(前期比2.7%増)となり、セグメント利益は2億2百万円(前期比28.8%増)となりました。

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、49億94百万円となり、前事業年度末比6億10百万円増加いたしました。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払による3億18百万円の減少等がありましたが、税引前当期純利益が9億63百万円となり、減価償却費が80百万円となったこと等により7億35百万円の収入(前期8億59百万円の収入)となりました。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出49億99百万円等がありましたが、有価証券の売却及び償還による収入49億99百万円や投資有価証券の売却及び償還による収入2億円等により、2億25百万円の収入(前期10億49百万円の支出)となりました。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

 当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金3億46百万円の支払等により、3億50百万円の支出(前期3億29百万円の支出)となりました。

③仕入及び売上実績

a.商品仕入実績

当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年4月1日

  至 平成30年3月31日)

 前期比(%)

金額(千円)

経営コンサルティング事業

46,251

107.6

SP(セールスプロモーション)

コンサルティング事業

2,577,219

103.3

合計

2,623,471

103.4

 (注)1.仕入品目が複雑多岐にわたるため数量表示は省略しております。

2.仕入金額には原材料費を含んでおります。

3.上記金額には消費税等は含まれておりません。

4.セグメント間の取引については、内部振替前の数値によっております。

SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業での商品仕入のうち、ビジネス手帳は特定の仕入先より購入しておりますが、当社は原材料(手帳用紙)をこれら各社に無償で支給し、各社は当社の指示する仕様に基づいて加工製本を行い、当社に商品として納入しております。なお、仕入先各社とは、当社の仕様による商品を第三者には販売しない旨の契約を締結しております。

b.売上実績

当事業年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年4月1日

  至 平成30年3月31日)

 

 

前期比(%)

金額(千円)

経営コンサルティング事業

5,021,953

106.6

SP(セールスプロモーション)

コンサルティング事業

3,776,019

102.7

合計

8,797,973

104.9

 (注)1.数量については、形態が多岐にわたるため記載しておりません。

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

3.セグメント区分の売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者より一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りに不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(資産の部)

 当事業年度末における資産合計は、128億4百万円となり、前事業年度末比2億72百万円増加いたしました。
 流動資産は、有価証券や売掛金の減少等がありましたが、売上高の伸びによる現金及び預金の増加等により、前事業年度末比2億16百万円増加いたしました。

 固定資産は、投資有価証券の時価評価の洗い替えによる減少等がありましたが、前払年金費用や役員生命保険の増加等により、前事業年度末比55百万円増加いたしました。

(負債の部)

 当事業年度末における負債合計は、23億69百万円となり、前事業年度末比39百万円減少いたしました。
 流動負債は、未払金や前受金の増加等がありましたが、未払法人税等や買掛金の減少等により、前事業年度末比65百万円減少いたしました。
 固定負債は、リース債務や役員退職慰労引当金の増加等により、前事業年度末比26百万円増加いたしました。

(純資産の部)

 当事業年度末における純資産合計は、当期純利益による利益剰余金の増加により、104億34百万円となり、前事業年度末比3億12百万円増加いたしました。

2)経営成績

(売上高)

 売上高の概況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

(営業利益)

 売上高が増加し、売上原価が、前事業年度並みの推移となったことで、売上総利益は、前事業年度比2億26百万円(5.8%)増加し、41億57百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、退職金や広告宣伝費等は減少しましたが、給料や福利厚生費等の増加により、前事業年度比1億68百万円(5.5%)増加し、32億21百万円となりました。

このような結果、営業利益は、前事業年度比57百万円(6.6%)増加し、9億36百万円となりました。

(経常利益)

営業外収益は、有価証券利息や受取配当金等の減少により、前事業年度比29百万円(50.6%)減少し、28百万円となりました。

営業外費用は、有価証券評価損の発生がなく雑損失が減少したことにより、前事業年度比21百万円(100.0%)減少し、0百万円となりました。

このような結果、売上高経常利益率は11.0%と前事業年度比0.1ポイントの増加となり、経常利益は、前事業年度比49百万円(5.5%)増加し、9億65百万円となりました。

(税引前当期純利益)

特別利益は、発生いたしませんでした。

特別損失は、固定資産除売却損1百万円を計上いたしましたが、前事業年度比1百万円(51.0%)減少いたしました。

このような結果、税引前当期純利益は、前事業年度比51百万円(5.6%)増加し、9億63百万円となりました。

(当期純利益)

法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用が、前事業年度比14百万円(5.2%)増加し、2億88百万円となりました。

このような結果、当期純利益は、前事業年度比37百万円(5.8%)増加し、6億75百万円となりました。

3)キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

上記記載のとおり、当事業年度の経営成績につきましては前事業年度に比べ増収増益の結果となりました。

経営コンサルティング事業では、「戦略ドメイン&マネジメント研究会」のテーマ数を増やすことに加え、「食品・フードサービス」「ヘルスケア」「住まいと暮らし」の3分野の戦略を研究する専門部門を東京本社内に新設し、同分野の専門性を高めると共に、専門コンサルタントが全国のクライアントへより一層、コンサルティングを提供しやすい体制を構築してまいりました。

SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業では、戦略総合研究所の「デザインラボ」の機能を活かしてSPコンサルティングメニューを強化すると共に、経営コンサルティング事業のコンサルタントとの連携を強化し、全社一体でのチームコンサルティングにより、全国規模で付加価値の高い提案を行ってまいりました。

顧客課題が高度化・専門化している中で、中期事業戦略でもある「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」を推進し、このように顧客ニーズを満たすコンサルティングメニューを拡大かつ強化してきたことが、顧客創造力の強化及び顧客基盤の拡大に繋がったと考えております。

なお、当社の経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

c.資本の財源及び資金の流動性

資金需要

当社の事業活動における資金需要は大きく分けて運転資金需要と設備資金需要となります。運転資金需要の主なものは、経営コンサルティング事業では、コンサルタントの人件費やセミナー等を開催する際の会場費、SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業では、セールスプロモーショングッズ等の商品仕入、ビジネス手帳の生産のための原材料仕入やそれらに係る外注加工費と、両事業に共通するものとして事務所の維持費(家賃)や新規採用・育成費用に関わる人材募集費の管理費があります。また、設備投資需要の主なものは、事務所の建物や器具備品等固定資産購入によるものであります。

 

財務政策

当社の運転資金及び設備資金については、内部資金より充当しております。

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、経営戦略の推進と当社の持続的成長及び中長期的な企業価値の向上を実現していく上で、「売上高」「営業利益」「売上高営業利益率」「株主資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置づけております。当事業年度における「売上高」は87億97百万円(前期比4.9%増)、「営業利益」は9億36百万円(前期比6.6%増)、「売上高営業利益率」は10.6%(前期比0.1ポイント改善)「株主資本利益率(ROE)」は6.5%(前期比0.2ポイント改善)でした。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

該当事項はありません。