第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、足元の企業業績や設備投資は底堅く推移し、雇用・所得環境も緩やかな改善傾向にあるものの、英国のEU離脱問題や米国の新大統領就任による為替変動等の金融市場の混乱等、海外経済の影響を中心に先行き不透明な状況が続いております。
 当社グループが属する情報サービス業界は、IT技術のイノベーションによる「IoT(Internet of Things)」、「FinTech」等が新たな社会基盤として活用され始め、従来以上にIT技術に対する期待・需要が高まるとともに、企業向けシステム開発についても「所有から利用へ」の顧客ニーズの変化のなか「クラウド」に代表されるサービス型ビジネスへの転換が進んでおり、業界全体は緩やかな成長基調で推移しました。一方で、このような状況のもと優秀な技術者の不足及び高コスト化等、重要な事業リソースに係る課題も顕在化しており、最新テクノロジーやITイノベーションに対応できる優秀な技術者の育成及び確保が急務となっております。
 このような経営環境のもと当社グループは、主に生活者向けに利便性、快適性及び心の豊かさを提供する企業に対して、システム開発及びデータセンターを活用した情報処理サービス、「HULFT(ハルフト)」を中心としたパッケージ製品の販売及びサポートサービス等を提供してまいりました。また、パッケージ製品の更なるグローバル展開、最新テクノロジー(「IoT」「FinTech」等)の研究開発及び活用、先端的なクラウドソリューションやクラウドプラットフォームサービスの活用・連携、全社的な技術戦略を推進する人材の育成等に積極的に取組み、事業基盤の拡大を図っております。これらに加え、当社における対処すべき課題として、前連結会計年度までに発生した大型システム開発案件の開発遅延等から、当社において、本件開発業務に関する技術的難易度が高まったことへの認識及びこれに対応できるレベルの技術力が不足していたこと、多様な仕様変更等へも対応できるプロジェクトマネジメント力を有していなかったこと、並びに、社内及びお客様に対してコミュニケーションが十分に行われなかったことが本件開発遅延等の主な原因と考えており、その再発防止策として、「技術レベルの向上」「プロジェクトマネジメントの改善・強化」「組織風土改革~風通しの良い企業風土の構築と社員のマインドセットの刷新」を掲げて、同様の問題が生じることの無いよう抜本的な対応に取組んでおります。
 当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は31,024百万円(前連結会計年度比4.1%増)、営業利益は3,351百万円(同26.3%増)、経常利益は3,177百万円(同23.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,366百万円(前連結会計年度は6,094百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
 なお、前連結会計年度において、大型システム開発案件の開発遅延問題に係る条件付和解に伴う損害賠償費用6,646百万円を損害賠償引当金として損失処理しておりますが、平成28年7月29日付で第三者機関であるソフトウェア紛争解決センターより中立評価を受領したことにより、本和解の停止条件が成就し、本和解は直ちに効力を生じたため、当該損失額は前連結会計年度に計上済の金額で確定いたしましたので、当該和解金の支払いによる当連結会計年度の損益に与える影響はありません。また、前連結会計年度の報告セグメントにおいて分類表示していた「BPO事業」は、平成28年2月1日付で会社分割及び株式譲渡を行ったため、当連結会計年度において、「BPO事業」はありません。
 当連結会計年度におけるセグメント別の業績は次のとおりであります。以下、セグメント間取引については相殺消去しておりません。
 なお、当連結会計年度より、重点顧客マーケットビジネスへのフォーカスを推進し、また、「選択と集中」によるカテゴリートップを目指すべく組織変更を行っております。これにより、従来「エンタープライズ・ソリューション事業」に含まれていた一部クレジットカード関連事業を「カードシステム事業」に統合集約し、「エンタープライズ・ソリューション事業」は流通小売業界及びその他新規顧客、新サービスの提供に注力することとし、その報告セグメントを「流通・ITソリューション事業」に変更しております。前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分により行っております。

 

 

 (カードシステム事業)

売上面においては、前連結会計年度において製品保証対応等により一時的に減少したシステム開発及び情報処理サービスが回復したこと等により、当連結会計年度のカードシステム事業の売上高は15,658百万円(前連結会計年度比14.1%増)となりました。
 利益面においては、売上高の回復に伴い収益性が改善したこと等により、当連結会計年度の営業利益は2,535百万円(同89.7%増)となりました。

 

 (流通・ITソリューション事業)

売上面においては、既存顧客向けのシステム開発及び情報処理サービスが減少したこと等により、当連結会計年度の流通・ITソリューション事業の売上高は4,898百万円(同8.8%減)となりました。一方で、前連結会計年度より新たに取組み始めた経費精算やデータ分析領域等における先端的なソリューションを活用したサービスは、顧客開拓やマーケティング活動の進展等の成果が出始めております。また、最新テクノロジーである「IoT」や「ブロックチェーン」を活用した「本人のみ受け取り可能な宅配ボックス」の実証実験等、事業の将来展開を見据えた新たな取組みを積極的に行っております。
 利益面においては、生産性の向上等により収益性は向上しているものの、売上高の減少及び一部プロジェクトの開発中止に係る解約損失引当金繰入額728百万円を計上したこと等により、当連結会計年度は720百万円の営業損失(前連結会計年度は438百万円の営業損失)となりました。なお、前述のプロジェクトの開発中止に係る損失計上や既存顧客の取引規模減少等により将来の事業収益の低下が見込まれることから、当連結会計年度において176百万円の減損損失を計上しております。

 

 (HULFT事業)

通信ミドルウェアのデファクトスタンダードである当社の主力製品「HULFT」の累計出荷本数は、前連結会計年度末から約7,800本増加し約189,600本となり、導入社数は前連結会計年度末から約300社増加し8,700社を超えました。
 売上面においては、「HULFT」「DataSpider」及び「HULFT Series」製品等のサポートサービスは順調に推移したものの、「HULFT」等のライセンス販売について前連結会計年度は大型案件の受注があったこと、グローバル製品戦略の見直しがあったこと等により、当連結会計年度のHULFT事業の売上高は7,081百万円(前連結会計年度比2.5%減)となりました。一方で、平成28年9月より販売を開始した戦略製品である「HULFT IoT」は大手企業向けの受注が決まる等、着実に案件が増加しており、他社との提携による共同サービス展開も進展しております。
 利益面においては、更なる事業拡大を狙い、製品開発体制及びテクニカルサポート体制の強化、グローバル展開強化のための次世代製品の研究開発、ブランド力向上に向けたマーケティング活動の推進等、先行投資として位置付ける施策を講じていることにより、販売費及び一般管理費が増加し、当連結会計年度の営業利益は1,256百万円(同54.5%減)となりました。

 

 (その他)

その他には㈱フェス等を分類しており、売上面においては、医療機関向けシステム運営管理受託及びITサービスマネジメントの標準である「ITIL」関連事業が順調に進捗したこと、また、特定顧客への情報処理サービスの提供が加わったこと等により、当連結会計年度のその他の売上高は4,388百万円(同35.2%増)となりました。
 利益面においては、売上高の増加及び収益性の向上等により、当連結会計年度の営業利益は459百万円(同18.4%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より2,446百万円増加し、7,903百万円となりました。各キャッシュフローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は1,394百万円(前連結会計年度は452百万円の収入)となりました。

主な減少要因は、大型システム開発案件の開発遅延問題に係る損害賠償金6,646百万円を支払ったこと等によるものであります。また、主な増加要因は、減価償却費2,739百万円を計上したこと、税金等調整前当期純利益2,691百万円を計上したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は800百万円(前連結会計年度比77.9%減)となりました。

主な減少要因は、サーバー・通信機器及びソフトウェア等に660百万円を支出したこと、関係会社株式317百万円を取得したこと等によるものであります。また、主な増加要因は、有価証券100百万円が償還になったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は4,640百万円(同354.0%増)となりました。

主な増加要因は、コミットメント期間付タームローンによる長期借入の実行により7,000百万円の収入があったこと等によるものであります。また、主な減少要因は、セール・アンド・割賦バックの返済により1,416百万円を支出したこと等によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 
 なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分により作成したものを記載しております。また、BPO事業については、平成28年2月1日付で会社分割及び株式譲渡を行ったため、前連結会計年度における数値は株式譲渡時点までの10ヶ月間の実績となっております。
 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

増減

生産高(千円)

生産高(千円)

生産高(千円)

増減率(%)

カードシステム事業

13,736,415

15,678,020

1,941,604

14.1

流通・IT
ソリューション事業

5,469,270

4,759,784

△709,485

△13.0

BPO事業

1,188,408

△1,188,408

HULFT事業

7,261,282

7,081,935

△179,347

△2.5

その他

3,788,976

3,846,255

57,279

1.5

合計

31,444,353

31,365,995

△78,357

△0.3

 

(注) 1  金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しておりません。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

増減

受注高(千円)

受注残高
(千円)

受注高(千円)

受注残高
(千円)

受注高(千円)

受注残高
(千円)

カードシステム事業

17,325,872

8,710,363

13,944,248

6,995,962

△3,381,623

△1,714,400

流通・IT
ソリューション事業

5,043,058

3,786,736

3,720,504

2,608,958

△1,322,554

△1,177,778

BPO事業

205,983

△205,983

HULFT事業

7,383,498

3,067,769

7,513,338

3,499,171

129,839

431,402

その他

3,290,053

1,637,487

3,926,300

1,175,429

636,246

△462,057

合計

33,248,467

17,202,356

29,104,391

14,279,523

△4,144,075

△2,922,833

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しておりません。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

増減

販売高(千円)

販売高(千円)

販売高(千円)

増減率(%)

カードシステム事業

13,721,613

15,658,649

1,937,035

14.1

流通・IT
ソリューション事業

5,370,283

4,898,282

△472,000

△8.8

BPO事業

1,205,754

△1,205,754

HULFT事業

7,261,692

7,081,935

△179,756

△2.5

その他

3,245,630

4,388,357

1,142,727

35.2

合計

30,804,974

32,027,225

1,222,251

4.0

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。また、セグメント間の振替高を含めて表示しております。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱クレディセゾン

10,267,453

34.5

10,631,412

34.3

㈱キュービタス

3,225,624

10.4

 

     (注) 前連結会計年度の㈱キュービタスについては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略して
         おります。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、経営の基本方針として、次の企業理念(ミッションステートメント)、ビジョン及び目指すべき企業像を掲げております。

<企業理念(ミッションステートメント)>

 生活者向けに利便性、快適性、及び心の豊かさを提供する企業に対し、事業維持・成長・拡大に必要不可欠かつ時代環境に適応したITサービスの提供を通じて、イノベーションを加速させ、近未来社会に貢献する。

<ビジョン>

 カテゴリートップの具現!~特定分野において、ダントツの存在感を発揮する~

<目指すべき企業像>

  特定分野において時代の最先端を行き、お客様のビジネス成長・発展に貢献するIT企業
  ・独創的かつ高品質な自社製品サービスを送り出すマーケットリーダー
  ・グローバルで存在感ある稀有な国産ITベンダー
  ・創造性豊かで、意欲が高く、実行力のある、変革リーダーや真の自律人材が溢れ集まる会社
 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、中長期において魅力的で稀有な高収益IT企業となり、企業価値を向上させていくことを経営の目標としており、具体的にはROE15%以上を恒常的に達成することを経営指標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

  当社グループは「(1)会社の経営の基本方針」のもと平成31年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画を掲げ、財務基盤の強化とともに、戦略的投資等により長期で飛躍的・非連続的な成長を遂げるための事業基盤の整備を進め、更なる事業の成長を目指しております。対処すべき課題にあたるこの中期経営計画実現のための、主な戦略及び施策は以下のとおりです。

① New Businessの創造(中期経営計画策定時の施策「重点顧客マーケットビジネスへのフォーカス」を進化)

 カードシステム事業においては最重要顧客における顧客内でのITシェアの拡大を通じ特化得意分野の創出、流通・ITソリューション事業においては競争優位性を担保する「繋ぎ・連携・ビッグデータ」に関連する独自ソリューションの創出、HULFT事業においてはサービス型ビジネスへのモデル転換を図り、顧客利用領域の拡大や国内外の新規顧客開拓の加速の実現、及び全社的な技術統括組織であるテクノベーションセンターと各事業のコラボレーションによる新規ビジネスの発掘に取組んでまいります。

② HULFT事業の成長加速

 戦略的投資により、事業のグローバル化を一層推進するとともに、国内潜在マーケットの開拓に取組んでまいります。そのために、競争優位性のある魅力的な製品・サービスを継続的且つタイムリーに開発・提供し続ける体制の構築を強化します。また、HULFTブランドを再興させ、認知度の向上を図ってまいります。

③ 技術戦略の明確化と開発力強化

 CTO(最高技術責任者)直轄のテクノベーションセンターによる活動を一層活発化させ、技術戦略の浸透、開発力、技術力向上、製品サービスの品質向上に取組むとともに、先端テクノロジー(「IoT」「FinTech」等)の研究開発・活用を推進してまいります。この活動においては、自社内に限らず、積極的に社外とのオープンイノベーションの推進や実証実験を通じたお客様業務への取組みの推進を図ってまいります。

④ 財務基盤の整備・強化

 安定的な財務基盤の整備を進めるため、各種施策を講じてまいります。単年度の損益だけではなく、ROIC(投下資本利益率)やバランスシートを重要な経営指標としてマネジメントに活用するとともに、事業投資の判断に関する基準を明確化し、キャッシュフロー重視の経営に転換してまいります。また各事業の更なる成長のための柔軟かつ安定的な資金調達実現を通じて、財務基盤の強化に取組んでまいります。

 

⑤ 業務プロセスやコスト構造の最適化

 BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の推進を通じて社内プロセスや組織機能等の刷新を実施するとともに、当該見直しによるIT基盤の刷新、データセンターの最適化等、適正なコスト構造への転換を引き続き図ってまいります。

⑥ その他

 オフィス環境、人事プログラム等を刷新し、働き方改革を推進し、魅力的な職場環境を構築してまいります。コーポレートブランドの訴求、ロールモデル人材の育成、社内コミュニケーションの活性化等も積極的に実施し組織風土、企業ブランドの刷新に取組んでまいります。

 また、事業ポートフォリオの再整備、アライアンス強化を通じて長期的な成長を実現し、継続的にROE15%を達成できる事業基盤の確立に努めてまいります。

 
 なお、事業状況の変化や戦略が当初想定より進展していることに鑑み、今後、現中期経営計画を見直し、平成31年3月期(第50期)を初年度とする新たな3年間の中期経営計画を検討しております。

 

また、平成22年12月27日開催の取締役会にて、当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

(株式会社の支配に関する基本方針)

 

 一 基本方針の内容の概要

 

当社取締役会は、当社株式の大規模買付行為を受け入れるか否かの判断は、最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。また、当社は、当社株式について大規模買付行為がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
 しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が大規模買付行為の内容等を検討し、代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、大規模買付者の提示した条件よりも有利な条件を引き出すために大規模買付者との交渉を必要とするもの等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

 

したがって、当社取締役会は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定に重大な影響を与える者として不適切であると考えております。そこで、当社は、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定に重大な悪影響が生じることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大規模買付行為を抑止するとともに、大規模買付行為が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大規模買付行為に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保したりすること、株主の皆様のために交渉を行うこと等が必要であると考えております。

 

二 基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要

 

当社が属する情報サービス業界は、政府の成長戦略に「IoT推進」、「ビッグデータ活用」等のIT技術の積極的な活用が織り込まれ、セキュリティ対策、ビッグデータ活用、マイナンバー制度の導入、Fintech等、新たな需要が期待されるとともに、企業のシステム開発投資が堅調に推移することにより、業界全体は緩やかながらも成長基調にあります。
 当社は、このような経営環境を踏まえ、平成29年3月期~平成31年3月期を期間とする中期経営計画を策定し、達成に努めています。新たな中期経営計画においては、ビジョン「カテゴリートップの具現!~特定分野において、ダントツの存在感を発揮する~」の実現を目指し、長期で飛躍的・非連続的な成長を遂げるために必要な事業ポートフォリオ、事業基盤の整備・確立に努めるとともに、財務基盤の整備・強化等の重点戦略を講じ、企業価値を高めるべく経営に取組んでまいります。

 

三 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要

 

当社は、平成26年5月15日開催の取締役会において、企業価値及び株主共同の利益の維持・向上に向けた取組みとしての当社の大規模買付ルールを更新することを決議し、同年6月12日開催の当社第45期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきましたが(以下、更新前の大規模買付ルールを「旧ルール」といいます。)、旧ルールの有効期間が満了したため、平成29年6月22日開催の第48期定時株主総会における承認を得て当社の大規模買付ルール(以下、更新後の大規模買付ルールを「本ルール」といいます。)を更新いたしました。本ルールの概要は以下のとおりです。

 

 当社の発行する株券等の買付行為を行おうとする者のうち、本ルールの対象となる者は、①当該買付者を含む株主グループの議決権割合を28%以上とすることを目的とする買付行為若しくはこれに類似する行為を行おうとする者、又は、②当該買付行為の結果、当該買付者を含む株主グループの議決権割合が28%以上となる買付行為若しくはこれに類似する行為を行おうとする者です。
 大規模買付者には、大規模買付行為を開始する前に、当社宛に、本ルールに定められた手続を遵守することを約束する旨等を記載した意向表明書及び当社取締役会が大規模買付行為の内容を検討するために必要と考える情報(以下、「必要情報」といいます。)をご提出いただきます。
 当社取締役会は、大規模買付者から必要情報の提供を受けた日から起算して60営業日以内の期間(30営業日を上限として延長することができます。)(以下、「分析検討期間」といいます。)、外部専門家の助言を受ける等しながら、必要情報の分析・検討を行い、当社取締役会としての意見を取りまとめ、公表します。当社取締役会は、分析検討期間中、必要に応じて、大規模買付者と交渉し、また、株主の皆様に対する代替案の提示を行うことがあります。なお、当社取締役会は、一定の場合には、大規模買付行為に対する対抗措置の発動等に関し、株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認する場合があります。
 大規模買付者は、当社取締役会が大規模買付行為に対する対抗措置の発動を行わない旨の決議を行い、又は当社株主総会において大規模買付行為に対する対抗措置の発動に係る議案が否決されるまでの間、大規模買付行為を開始することができないものとします。
 大規模買付者が本ルールを遵守しなかった場合、当社取締役会は、法令及び定款の下で可能な対抗措置のうちから、状況に応じ最も適切と判断したものを発動することがあります。他方、当社取締役会は、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守している場合には、原則として、大規模買付行為に対する対抗措置を発動する旨の決議を行いません。但し、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合であり、かつ、対抗措置を取ることが相当であると認められる場合には、対抗措置を発動することがあります。具体的な対抗措置として新株予約権無償割当てを行う場合、割当期日における株主に対し、その所有株式1株につき1個の割合で新株予約権が割当てられ、当該新株予約権には、大規模買付者等所定の要件に該当する者(以下、「非適格者」といいます。)は原則として行使できないとする行使条件、及び、非適格者以外の新株予約権者から、当社普通株式1株と引換えに当社が新株予約権を取得できる旨の取得条項等が付されることになります。また、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、差別的行使条件及び差別的取得条項等を設けることがあります。
 当社取締役会は、大規模買付行為に対する当社取締役会としての意見の取りまとめ等を行うに当たり、その判断の公正性を確保するために、業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される特別委員会に対抗措置の発動の是非その他大規模買付行為の是非等に関する諮問を行います。
 特別委員会は、当該諮問を受けた場合、当社取締役会に対し、大規模買付行為に対する意見及びその根拠資料、代替案(もしあれば)その他特別委員会が必要と認める情報を提供するよう要求することができます。特別委員会は、外部専門家の助言を受ける等しながら、必要情報及び当社取締役会から提供を受けた情報等の分析・検討等を行い、当社取締役会からの諮問に基づき、特別委員会としての意見を取りまとめ、当社取締役会に対し、対抗措置の発動の是非その他大規模買付行為の是非等に関する勧告を行います。特別委員会は、勧告に際して対抗措置の発動に関して予め株主意思の確認を得るべき旨の留保を付すことができるものとし、また、その理由を付して、大規模買付行為等に関する株主意思の確認を行うことを勧告することもできるものとします。
 当社取締役会は、特別委員会による勧告を最大限尊重して、対抗措置の発動や大規模買付行為等に関して決議を行います。また、当社取締役会は、①特別委員会が、対抗措置の発動に関して、予め株主総会の承認を得るべき旨の留保を付して勧告を行った場合、若しくは大規模買付行為に関する株主意思の確認を行うことを勧告した場合、又は、②大規模買付行為による当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する侵害が認められるか否かが問題となっており、かつ、当社取締役会が善管注意義務に照らし株主の意思を確認することが適切と判断する場合には、株主総会を招集し、対抗措置の発動その他当該大規模買付行為に関する株主の皆様の意思を確認することができるものとします。株主総会を開催する場合には、当社取締役会は、株主総会の決議に従い、対抗措置の発動等に関する決議を行うものとします。
 本ルールの有効期間は、平成29年6月22日開催の当社第48期定時株主総会の終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。但し、有効期間の満了前であっても、当社の株主総会で選任された取締役により構成される取締役会において、本ルールを廃止する旨の決議がなされた場合には、本ルールはその時点で廃止されるものとします。

 

四 当社取締役会の判断及び理由

 

上記二記載の中期経営計画は、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるために策定された取組みであり、まさに基本方針に沿うものです。また、本ルールは、当社株式の大規模買付行為が行われる際に、当社の企業価値・株主共同の利益を確保するための枠組みを設定するものであり、基本方針に沿うものです。
 本ルールは、「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足していること、平成29年6月22日開催の当社第48期定時株主総会の終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされ、当該株主総会において株主の皆様に本ルールの更新についてお諮りすることを予定していること、対抗措置を発動する一定の場合には、株主意思を確認できるようにしていること等株主意思を重視するものであること、対抗措置の発動に際しては、経営陣から独立した特別委員会に対して、発動の是非等に関して諮問を行うこととされていること等により、その公正性・客観性が確保されているため、当社は、本ルールは、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの業績、株価及び財務状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 情報システムの支障または情報セキュリティの不備に関するリスク

当社グループは、クレジット業、流通・サービス業の情報システム等の開発・運用を受託しております。そのため、当社グループは、最新の設備と強固なセキュリティを備えたデータセンターの構築及び情報セキュリティや技術面での社員教育に取組んでおりますが、万一、これらの通信ネットワークや電源系統を含む情報システムの支障またはコンピュータウイルスやサイバー攻撃等による個人情報漏洩を含む情報セキュリティ上の不備が生じた場合、当社グループにおいて、信用の失墜、顧客の喪失、損害の賠償等の影響を生じる可能性があります。

(2) 新規製品・サービスのためのソフトウェア開発に関するリスク

当社グループは、市場競争力を強化・維持するためソフトウェアへの投資を進めており、この開発仕掛分を「ソフトウエア」勘定に資産計上しておりますが、将来収益計画の下方修正または開発計画の遅延・コスト増等により、投資回収計画が当初計画に達しない見込みとなった場合には、「ソフトウエア」の評価減を実施する可能性があります。

(3) 技術者の確保、育成に関するリスク

情報システムの設計、構築等は、知識集約型の業務であると同時に労働集約的な面があり、事業拡大のためには一定水準以上のスキルを有する優秀な技術者の確保が不可欠なものと認識しております。現時点では、当社グループの人事制度・教育制度により、必要な技術者は確保されておりますが、労働市場の逼迫により当社グループが必要とする優秀な技術者または労働力を確保できない場合、または当社グループの従業員が大量に退職した場合には、当社グループの事業展開が制約される可能性があります。

(4) 受託開発に関するリスク

当社グループは、一定の規模以上の受託開発プロジェクトに対し「当該プロジェクトに関与しない者による見積りの適正性に関するレビュー」を実施するとともに、プロジェクト開発手法の標準化推進、プロジェクト管理者の育成等、プロジェクトの品質向上及び管理体制の強化に継続して取組んでおります。
 しかしながら、受託開発プロジェクトでは、受託時に適正な採算が見込まれると判断したプロジェクトであっても、開発段階におけるプロジェクト管理の問題、想定外の開発範囲の拡大及び作業工数の増加等の理由により不採算プロジェクトとなることがあり、その場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(5) 特定の取引先の動向に関するリスク

当社グループは、㈱クレディセゾン向けの売上高が売上高全体の34.3%(当連結会計年度)を占めており、当該企業向けの販売額が縮小した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(6) 特定の製品への依存に関するリスク

当社グループの自社開発パッケージである企業内・企業間通信ミドルウェア「HULFT」は収益性が高く、当社グループ全体の「HULFT」に対する利益依存度が高いため、今後、同製品の販売の伸びが鈍化した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

(7) 業績の季節変動に関するリスク

当社グループの売上高は、第1四半期・第2四半期・第3四半期に比べ、第4四半期が高い傾向にあります。これは、システム開発案件について顧客の希望納期が3月に集中する傾向にあるためであります。
 なお、当社グループは納期管理を徹底しておりますが、顧客の都合や当社グループの都合等により納期が遅れ、計画どおりに検収を受けることが出来ない場合があります。特に期末月の3月に予定されていた検収が翌期以降に遅れる場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) データセンターにおける障害に関するリスク

当社グループは、データセンターを中核にしたシステム運用事業を運営しております。当社データセンターは耐震・耐火等の対策を講じており一定の安全性を確保しておりますが、大地震、火災、その他の自然災害及び設備の不具合、運用ミス等が発生した場合、サービスの提供に重大な支障が生じ、損害賠償や信頼喪失等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループでは、このようなデータセンターの障害リスクを回避するために、設備投資、セキュリティ対策、運用技術者教育の充実等の諸施策を実施しています。 

(9) 外注管理に関するリスク

当社グループは業務上必要に応じて、情報システムの設計、構築等について協力会社に外注しておりますが、この結果、外注比率が高くなる傾向があります。現状では、有力な協力会社と長期的かつ安定的な取引関係を保っておりますが、協力会社において質・量(技術力及び技術者数)が確保できない場合及び外注コストが高騰した場合には、当社グループの事業運営に支障をきたすことが考えられ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 資金調達に関するリスク

当社グループが締結しているシンジケーション方式のコミットメント期間付タームローン契約には、財務制限条項が付されております。これに抵触し、かつ借入先から請求があった場合には、期限の利益を喪失し、当該借入金を一括返済することとなり、当社グループの財務状況及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
 また、今後の資金調達について、金融市場の環境が不安定な場合、当社グループの信用力が悪化した場合等において、調達が予定通り行なえず、当社グループの事業展開、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

大型システム開発案件の開発遅延問題等に係る和解金の支払い及び財務基盤の安定性確保を目的として、平成28年3月28日付でコミットメント期間付シンジケートローン契約を締結し借入を実行いたしました。
当契約の概要は次のとおりであります。 

項目

内容

借入先

株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱東京UFJ銀行

当初借入金額

7,000,000千円

当連結会計年度末現在借入実行残高

6,300,000千円

契約日

平成28年3月28日

借入期間

平成28年8月8日から平成33年9月30日

財務制限条項

平成29年3月期決算以降の各連結会計年度の末日において、連結貸借対照表における純資産の部の合計金額を平成28年3月決算期末日における連結貸借対照表の純資産の部の金額の100%以上に維持すること、かつ、平成29年3月期決算以降、各連結会計年度の決算期における連結損益計算書に示される経常損益が損失とならないこと

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、多様化、高度化する顧客ニーズに対応すべく、先端技術の調査研究及び新商品、新商材の研究開発を行っております。
 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は449百万円であり、これは主にHULFT事業におけるパッケージ製品等に関連した新製品のための研究開発活動によるものであります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。

連結財務諸表の作成に際し、当連結会計年度末日における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っておりますが、これらの見積りは過去の実績や当社グループを取り巻く環境等に応じて、合理的と考えられる方法により計上しております。

なお、これらの見積りには不確実性があり、実際の結果と乖離する可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

①  売上高

前連結会計年度において製品保証対応等により一時的に減少したシステム開発及び情報処理サービスが回復したこと等により、売上高は31,024百万円(前連結会計年度比4.1%増)となりました。

②  売上原価、売上総利益

売上原価は、21,080百万円(同1.9%減)となり、売上高に対する比率は、前連結会計年度より4.2ポイント減少し、67.9%となりました。
 売上総利益については、売上高の回復に伴い収益性が改善したこと等により、売上総利益は9,944百万円(同19.8%増)となりました。売上総利益率は、前連結会計年度より4.3ポイント増加し、32.1%となりました。

③  販売費及び一般管理費、営業利益

販売費及び一般管理費は、HULFT事業を中心とした事業拡大のための先行投資と位置付ける施策を講じていること等により、6,592百万円(同16.8%増)となりました。売上高に対する比率は、前連結会計年度より2.3ポイント増加し、21.2%となりました。
 営業利益については、売上総利益の増加等により、3,351百万円(同26.3%増)となりました。営業利益率は前連結会計年度より1.9ポイント増加し、10.8%となりました。

④  営業外損益、経常利益

営業外収益は、違約金収入の増加等により53百万円(同99.0%増)となり、営業外費用は、持分法による投資損失161百万円を計上したこと等により、227百万円(同104.3%増)となりました。

以上の結果、経常利益は3,177百万円(同23.7%増)となり、経常利益率は前連結会計年度より1.6ポイント増加し、10.2%となりました。

⑤  特別損益

特別利益は、固定資産の売却により4百万円(同98.8%減)となり、特別損失は、流通・ITソリューション事業及び全社の一部資産について減損損失336百万円を計上したこと等により、490百万円(同94.1%減)となりました。

 

⑥  税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は、2,691百万円(前連結会計年度は5,395百万円の税金等調整前当期純損失)となりました。

⑦  法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益

法人税等(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額)の額は324百万円(前連結会計年度比53.4%減)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,366百万円(前連結会計年度は6,094百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

(3) 資本の源泉及び資金の流動性についての分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2  事業の状況  4  事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

「第2  事業の状況  3  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。