第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

平成21年4月に、新たに以下のような≪経営理念≫を制定いたしました。

「私たちは、大切な人との最期のお別れを尊厳あるかたちでお手伝いします。そして、それにとどまらず、人生のマイナスからプラスへのステップを支える最良のパートナーを目指します。」

これは、創業以来大切にしてきた価値観と将来への思いを結晶化させたもので、社員の価値判断の基軸とするとともに、求心力の核となるものです。

さらに、≪経営理念≫を受けて、私たちがお客様に届けたい価値は何か、そして従業員や取引先や地域社会も含めたすべてのステークホルダーに対してどう関わるべきかを、別途5項目からなる≪行動規範≫にまとめました。

私たちは、経営理念や行動規範を拠り所として「故人を尊厳あるかたちでお送りする」、「ご家族や故人とゆかりのある方々の悲しみをケアする」という葬儀本来の意義を守りつつ、時代の変化に応じた新しい葬儀のかたちを常に模索しています。

 

(2)経営環境と経営戦略

まず、事業環境として葬祭市場の変化、すなわち葬儀の小規模化及び事業者間の競争激化の傾向が続いていることがあげられます。

消費者、顧客側の変化として、故人や喪主の高齢化に加え、地域社会や職場の人間関係の希薄化等の影響もあり会葬者数は減少傾向にあり、また、消費者の価値観・嗜好の多様化を背景に、大都市圏では簡易型の葬儀(宗教儀式を伴わない直葬や通夜を行わない一日葬等)を選択される方が増えつつあります。これらが葬儀の小規模化傾向の要因と考えられます。

一方、事業者側では、葬祭会館の新規出店やインターネットを通じた集客を行う葬儀仲介業者の参入などによって、競争は激しさを増しています。この背景には、社会の高齢化の進展により、長期にわたる安定的な葬儀需要の拡大が見込まれることがあります。

葬儀の小規模化傾向及び事業者間の競争、とりわけ低価格・簡易型葬儀の分野における激しい競争が、葬儀単価の下落傾向をもたらしています。

こうした事業環境の変化に対して、当社グループの長期的に持続可能な競争優位性である「個々のお客様に応じた質の高い葬祭サービス」をさらに進化させ、以下の顧客価値の提供を中長期的に目指します。

① 東西の大都市圏を中心とした営業エリアの拡大

首都圏及び関西圏の大都市圏を中心に積極的な営業エリアの拡大による有機的成長を目指す。

② 小規模葬儀市場への対応

直葬や低価格・簡易型葬儀のニーズへの対応を図る。エクセル・サポート・サービス㈱の運営による「大阪あんしん葬儀 メモリアス」事業により低価格でも利益が確保できる事業モデルの構築を目指している。

③ ライフエンディングサービス業への進化を目指した多角化

旧ビジョンに基づき一定の成果を挙げた葬儀周辺でのライフサポートを、新ビジョンではご遺族や高齢者層の「ライフエンディング・ステージ」にサービスの幅を広げ、生活支援事業での多角化を図る。

※ここで「ライフエンディング・ステージ」とは、人生の完成期ともいえるライフステージの最終章に位置付けられる領域を主な範囲とするものであり、その概念は、1)人生の終末や死別後に備えた事前準備(生前からの準備)を行うこと<行動>、2)ライフエンドとその後の遺族等による生活の再構築の時期<時間>の双方を合わせた領域を指すものである。

(『安心と信頼のある「ライフエンディング・ステージ」の創出に向けた普及啓発に関する研究会報告書』

[平成24年4月 経済産業省商務情報政策局サービス政策課サービス産業室]より)

 

次に、「人」を通じたサービス提供を基軸とし、労働集約性の高い事業を営む当社グループの経営全体に影響を与える環境要因があげられます。第一に景気回復を背景に労働需給が逼迫していること、第二に人口や労働力人口が継続して減少している中で、長時間労働の是正やワーク・ライフ・バランスの実現等、働き方改革の社会的要請が高まっていることです。

第一の労働需給の逼迫に対しては、人材の確保のために採用力を強化します。

第二の働き方改革の社会的要請に対しては、中長期的に労働生産性の向上を図ります。24時間365日対応が必要とされる葬祭業界にあって、当社グループは従来からコンプライアンスに努めるとともに、計画的・漸進的な労働時間の短縮に取り組んでまいりました。今後はこれらの取り組みに加え、役割・責任と職務内容の明確化、職務の標準化に基づくマニュアル化の推進を図ります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

売上高経常利益率10%以上を目指すとともに、総資本事業利益率(ROA)6.6%以上の達成を目指します。(事業利益=営業利益+営業外収益)

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

① サービス品質向上への体制の強化と仕組みの構築

お客様に集中して向き合う体制を整えるとともに、標準化されたサービスや会館運営等に基づくブランド構築を図り、サービス品質でお客様に選ばれることを目指す。

② 葬儀事業の積極的な営業エリアの拡大

東西の大都市圏を中心に積極的なドミナント出店により営業エリアの拡大を目指す。

③ ライフエンディングサポート事業の伸長

ライフエンディング・ステージをサポートするサービス範囲を拡大し、顧客満足と顧客単価の向上を図る。

④ 新規事業創出への本格的取組み

グループの事業ポートフォリオのリスクを軽減し、中長期的に安定継続成長を実現するため、新規事業へのチャレンジを継続し、着手した新たな事業については着実な展開を図る。

⑤ リスクマネジメントの強化

リスクマネジメントを強化し、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図る。

⑥ 固定資産の収益性の改善

既存固定資産の有効活用及び葬儀会館の集客力向上により、固定資産の収益性の改善を図る。

 

(5)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

① 基本方針の内容の概要

当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。

当社は、当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合、その判断は最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば、これを否定するものではありません。しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的、態様等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

当社では企業価値の確保・向上に努めておりますが、当社グループの企業価値は、人材力、専用施設、運営ノウハウ、商品・サービス要素の調達力、商品開発力、企画運営力などをその源泉としております。当社株式の大量買付を行う者が当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。

当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗をすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。

 

② 基本方針実現のための取組みの具体的な内容

ア 基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、当社の企業価値を向上し、上記基本方針を実現するため、従来から葬祭サービスの質の向上に飽くことのない取組みを続けてまいりました。

まず平成21年4月に、予想される社会環境、顧客および競合の変化をふまえ、当社グループの将来あるべき姿を「10年ビジョン(平成25年に見直し、その後平成28年に一部改訂)」として定め、同時に創業以来大切にしてきた価値観と将来への思いを結晶化し、社員の価値判断の基軸とするとともにグループの求心力の核として、経営理念を再定義いたしました。その経営理念とは、「私たちは、大切な人との最後のお別れを尊厳あるかたちでお手伝いします。そして、それにとどまらず、人生のマイナスからプラスへのステップを支える最良のパートナーを目指します。」であります。

次に企業価値の源泉の最重要なものとして、創業86年の歴史に裏付けられた知識と経験を継承し、葬祭サービスとして体現する「人」を位置付けております。お客様のご家族の状況や要望を把握し、オーダーメイドできる知識、経験、対応力に富んだプロフェッショナル人材を多数有することこそが、当社グループのコア・コンピタンス、すなわち競合他社に対する持続的優位性をもたらします。

儀式やサービスを通じて故人を尊厳あるかたちでお送りし、遺族の悲しみをケアするといった葬儀本来の役割を認識した上で、①個々のお客様に応じてカスタマイズされた「ホスピタリティサービス」を提供すること、 ②お客様の変化を察知し新たな葬儀スタイルを提案することが、時代の変化に対応するために求められていると考えております。

そして、「人」が企業価値の最重要の源泉であり続けるためには、社員が自分の仕事にやりがいを見出し、誇りと安心感をもって働ける環境づくりが必要であると考えており、その一環として、平成24年4月に新人事制度を導入いたしました。さらに、現場の主体性を重視し、権限委譲を進めることにより、社員の高い内発的動機に裏打ちされた「ホスピタリティサービス」すなわち、個々のお客さまに応じた質の高い葬祭サービスの提供を目指しております。

この経営理念と企業価値の源泉に基づき、企業価値向上の方策は、当社グループのビジョン≪東西の大都市圏を中心とした営業エリアの拡大≫と≪ライフエンディングサービス業への進化を目指した多角化≫による顧客価値の向上を基軸としております。

これをふまえて、中期経営計画(平成28年度~平成30年度)においては、①サービス品質向上への体制の強化と仕組みの構築、②葬儀事業の積極的な営業エリアの拡大、③ライフエンディングサポート事業の伸長、④新規事業創出への本格的取組み、⑤基盤整備の完遂、⑥リスクマネジメントの強化、の6つの重点課題の達成に取り組んでおります。

また当社は、経営の基本方針として掲げた「透明性の高い経営姿勢」を担保し、企業価値の向上を継続的に実現するために、コーポレート・ガバナンスの強化・充実を、経営上の最重要課題のひとつと位置づけております。

当社は取締役会の監督機能を高めることにより、コーポレート・ガバナンスの強化・充実を図るため、平成28年6月開催の定時株主総会において、独立性の高い社外取締役2名を含む6名の取締役の体制となりました。また、当社の監査役会は、独立性の高い社外監査役が過半数を占める構成となっており、各監査役は、取締役会等の重要な会議に出席するなどして、取締役の職務執行状況を監査しております。

さらに当社は、取締役会が適正かつ効率的に業務執行に対する監督機能を発揮できるように「取締役会規程」を定め、法令・定款に準拠して取締役会で審議する内容を定めております。また、執行役員制度を採用するとともに、「職務分掌・権限規程」を定め、各業務執行取締役および執行役員が執行できる業務の範囲並びにその監督体制を明確に定めております。

当社は、これらの取組みを進めることにより、企業価値の向上に努め、基本方針の実現に邁進しております。

 

イ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、平成28年5月13日開催の取締役会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を同一の内容で更新すること(以下、更新後のプランを「本プラン」といいます。)を決議し、本プランについて株主の皆様のご意思を反映すべく、第87期定時株主総会において本プランについての当社株主の皆様のご承認をいただきました。

本プランは、当社の株券等に対する買付けもしくはこれに類似する行為又はその提案(当社取締役会が友好的と認めるものを除き、以下「買付等」といいます。)が行われる場合に、買付等を行う者(以下「買付者等」といいます。)に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者等との交渉等を行うこと等を可能とし、また、上記方針に反し当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付等を阻止することにより当社の企業価値・株主共同の利益を確保、向上させることを目的としております。

本プランは、買付等のうち、a.当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付等、または、b.当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けを対象とします。当社は、当社の株券等について買付等が行われる場合、当該買付等に係る買付者等には、本プランに規定する手続を遵守する旨の誓約文言等を記載した意向表明書の提出を求め、さらに買付内容等の検討に必要な情報の提出を求めます。その後、買付者等から提出された情報や当社取締役会からの意見や根拠資料、代替案(もしあれば)等が、社外取締役、社外監査役および社外の有識者のいずれかに該当する者から構成される独立委員会に提供され、その判断を経るものとします。独立委員会は、外部専門家等の助言を独自に得たうえ、買付内容の検討、当社取締役会の提示した代替案の検討、買付者等との協議・交渉、株主の皆様に対する情報開示等を行います。

独立委員会は、買付者等が本プランに規定する手続を遵守しなかった場合、その他買付者等の買付等の内容の検討の結果、当該買付等が当社の企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合等、本プランに定める要件に該当し、新株予約権の無償割当て等を実施することが相当であると判断した場合には、独立委員会規則に従い、当社取締役会に対して、新株予約権の無償割当て等を実施することを勧告します。また、予め当該実施に関して株主総会の承認を得るべき旨を勧告することもできるものとします。

新株予約権の無償割当てを実施する場合の新株予約権には、買付者等による権利行使が認められないという行使条件、および当社が買付者等以外の者から当社株式等と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項が付されており、当該買付者等以外の株主の皆様は、原則として、新株予約権1個あたり1円を下限として当社株式の1株の時価の2分の1の金額を上限とする金額の範囲内で当社取締役会が別途定める価額を払い込むことにより、新株予約権1個につき1株の当社普通株式を取得することができます。

当社取締役会は、独立委員会の上記勧告を最大限尊重して新株予約権無償割当て等の実施もしくは不実施または株主総会招集等の決議を行うものとします。当社取締役会は、上記決議を行った場合、速やかに、当該決議の概要その他当社取締役会が適切と判断する事項について、情報開示を行います。

本プランの有効期間は、第87期定時株主総会終結の時から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとしています。

ただし、有効期間の満了前であっても、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになります。

本プラン導入後であっても、新株予約権無償割当て等が実施されていない場合、株主の皆様に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、本プランが発動され、新株予約権無償割当てが実施された場合、株主の皆様が権利行使期間内に、金銭の払込その他新株予約権行使の手続を行わないと、他の株主の皆様による新株予約権の行使により、その保有する株式の価値が希釈化される場合があります(ただし、当社が当社株式を対価として新株予約権の取得を行った場合、保有する当社株式1株当たりの価値の希釈化は生じますが、原則として買付者等以外の株主の皆様が保有する当社株式全体の価値の経済的な希釈化は生じません。)。

なお、本プランの詳細は、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレスhttps://www.san-hd.co.jp/files

/news/management/160513_1.pdf)に掲載する平成28年5月13日付プレスリリースにおいて開示されておりま

す。

 

③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

②ア」に記載した企業価値向上への取組みおよびコーポレート・ガバナンス強化のための取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ安定的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、その内容も、前記のとおり、飽くことのない品質向上、人的および物的資産の拡充等を含む合理的なものであり、かつ、コーポレート・ガバナンス強化・充実にも配慮された公正なものであることから、まさに当社の基本方針に沿うものであって、企業価値・株主共同の利益に資するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

また、「②イ」に記載した本プランは、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みを具体化するものとして、企業価値・株主共同の利益を確保、向上させる目的をもって導入されたものであり、第87期定時株主総会において株主の皆様にもご承認いただいております。その内容も、合理的な客観的要件が設定されている上、その発動にあたっては、社外取締役、社外監査役および社外の有識者のいずれかに該当する者によって構成される独立委員会の判断を経ることが必要とされており、独立委員会は当社の費用で第三者専門家の助言を得ることもできることになっております。加えて発動にあたって株主総会決議により株主の皆様のご意思を反映することもできることになっております。また、その有効期間は第87期定時株主総会終結の時から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされており、その期間途中であっても当社取締役会によりいつでも廃止できるものとされています。

従って、本プランは、公正性・客観性が担保されており、当社の基本方針に沿うものであって、企業価値・株主共同の利益に資するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)葬儀需要の変動について

(死亡者数)

葬儀需要の数量的側面は死亡者数によって決定され、葬儀事業における所与の条件となります。死亡者数の中長期予測として、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(平成30年4月推計)における死亡者数の中位推計に依拠すれば、向こう10年間、年平均約1.5%の伸び率で死亡者数が増加するとの予測が得られます。しかし年度毎に見ると、実績値は上記推定値から乖離した動きを示します。

したがって、仮にマーケット・シェア及び葬儀1件当たりの平均単価が変わらないとしても、(当社グループ営業エリアの)死亡者数の変動によって、葬儀およびその関連事業を中核事業とする当社グループの単年度業績が、少なからず変動する可能性があります。

 

(季節的変動)

年間死亡者数の発生に季節性があるため、特に12月~2月が当社グループの葬儀施行件数が相対的に多い繁忙期となります。したがって、葬儀およびその関連事業を中核事業とする当社グループでは、上期よりも下期の営業収益が多くなっております。

また、この繁忙期(とりわけ1月~2月)はインフルエンザの罹患者の発生が多くなる時期でもありますので、その年のインフルエンザ流行の程度によって、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(2)大規模葬儀の変動について

当社グループでは、社葬を中心とする大規模葬儀(金額5百万円超の葬儀)による収入が、当期の葬儀施行収入全体の10.8%を占めております。市場規模が大きく、当社グループのシェアが低い首都圏の社葬市場でのシェア拡大に努力を傾けておりますが、既に高シェアを有する関西圏の社葬については、当社グループの受託件数は概ね所与であります。したがって、大規模葬儀依存度は漸減傾向にあるとはいえ、社葬を中心とする大規模葬儀の受注件数・金額の多寡により当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

なお、社葬に関してはここ数年来、ホテルでの「お別れの会」が広がりを見せております。さらに今後、社葬に関する慣例、形態、あるいは社会通念等の変化が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)規制と競争環境について

(新規参入の可能性)

葬祭業界は法的規制、行政指導のない業界でありますが、それは裏を返せば事業への参入障壁が低いことを意味します。業界内には地域密着型で家業的な中小零細業者を圧倒的多数とする葬儀専業者と、広域展開している一部大手事業者を含む冠婚葬祭互助会とがあります。これまで婚礼を中核事業としてきた冠婚葬祭互助会が葬儀に注力しているほか、成長産業としての認識から、仏事関連産業はもとより異業種(電鉄、流通、生協、農協、ホテル等)からの参入が全国規模で進んでおります。また、インターネットによる葬儀紹介事業者の進出もあり一段と競争激化に拍車をかけております。参入障壁の低さが、今後新たな新規参入を招き、当社グループの業績に影響を与えるような競争環境の変化をもたらす可能性も否定はできません。

 

(4)金利変動について

当社グループの借入金残高は、当期末11億15百万円(総資産の3.7%)であります。また、その大半が固定金利による長期借入金であります。なお、設備投資を中心とした資金需要は、概ねキャッシュ・フローの範囲内に収めることを財務運営の基本原則と考えております。

ただし、今後、積極的な設備投資に対応するため、一時的には借入金が増加するような新規調達の可能性があります。そうした場合や既存借入金の再調達の際に、市場金利の動向によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性がありますが、その影響は限定的と考えられます。

 

(5)法的規制について

(食品衛生法)

当社グループの料理・飲料事業については食品衛生法により規制を受けております。当社グループが飲食店を営業するために、都道府県知事が定める基準により食品衛生責任者を置いております。なお、食中毒を起こした場合、食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは厳格な衛生管理を実施し、こうした事態の回避に努めております。

 

(個人情報保護法)

当社グループでは、葬儀の請負等を通じて多くの個人情報を所有することから、平成17年4月より施行された個人情報保護法の遵守体制構築を経営の最重要課題の一つと位置づけ、プライバシーマークの認証を取得いたしました。

しかしながら、予期せぬ事態により個人情報が流出した場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担や企業イメージの低下が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)厚生年金基金の影響について

当社及び2社を除く連結子会社は、総合設立型の「大阪府貨物運送厚生年金基金」に加入しておりましたところ、同厚生年金基金は、平成28年3月22日開催の代議員会において特例解散を決議いたしました。これにより、同厚生年金基金解散に伴う損失見込額6億90百万円を、特別損失に厚生年金基金解散損失引当金繰入額として、固定負債に厚生年金基金解散損失引当金として計上いたしました。なお、平成28年5月30日付で厚生労働大臣より特例解散の認可を受けましたが、同厚生年金基金の清算業務終了時点で金額が確定するため、最終的な当社グループの負担額は変動する可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度(以下、当期)におけるわが国経済は、国内外の政治動向や金融資本市場のリスクが懸念されるなか、景気の緩やかな回復基調が続きました。雇用情勢に着実な改善が見られ、個人消費も一時落ち込んだものの持ち直しました。また、企業収益も改善し、設備投資も堅調に推移しました。

葬祭市場においては、故人や喪主の高齢化に加え、地域社会や職場の人間関係の希薄化等の影響もあり、会葬者数は減少傾向にあります。また、消費者の価値観・嗜好の多様化が葬儀の形態や費用のかけ方に反映される傾向が強まっています。一方、葬儀業界においては、葬祭会館の新規出店や、インターネットを通じた集客による葬儀紹介に特化した事業者の活動など、事業者間の激しい競争が続いています。

以上のような環境変化を踏まえ、現在、中期経営計画(平成28年~平成30年度)に取り組んでおり、当期において、葬儀事業の積極的な営業エリアの拡大の一環として、平成29年8月に「公益社 東久留米会館」(東京都東久留米市)をオープンしました。また、同月に「公益社 枚方会館」(大阪府枚方市)を新築リニューアル(建替え)オープンすることにより、中核会社である公益社の大規模葬祭会館のリニューアルが完了しました。さらに新規事業においては、平成30年1月にリハビリ特化型デイサービス施設の1号店として「ポシブル箕面牧落」(大阪府箕面市)をオープンしました。

 

当期においては、グループの全葬儀施行件数が、㈱公益社を中心に前連結会計年度(以下、前期)と比べて9.1%伸長したため、葬儀施行収入は前期比8.6%の増収となりました。

費用については、営業収益の増加に伴い直接費が増加したほか、新規出店(新築リニューアルを含む)に伴う人件費や広告宣伝費、地代家賃などが増加しました。このため営業費用が前期比5.2%増加しました。販売費及び一般管理費は、前期に計上したのれん償却額69百万円がなくなった影響により、前期比3.1%減少しました。

営業外収益については、前期に計上した移転損失引当金戻入益60百万円(新築リニューアルに伴う旧会館の解体撤去費用の見積り金額の変更によるもの)の計上がなくなりました。

特別損益については、平成30年3月「公益社 岸和田会館」(大阪府岸和田市)の運用変更――同会館の「別館」に改修工事を施すとともに、「本館」にあった機能を別館敷地内に移転、「本館」はその後解体する――の意思決定を行い、これに伴い固定資産に係る減損損失1億86百万円を計上しました。

この結果、当期の営業収益は200億70百万円となり、前期比7.5%の増収となりました。また、営業利益は26億58百万円(前期比31.6%増)、経常利益は26億50百万円(前期比28.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億73百万円(前期比16.9%増)と増益となりました。

 

セグメント別の業績は次の通りです。

ア 公益社グループ

公益社グループの中核会社である㈱公益社では、既存店の件数の伸びに、平成28年4月以降に開設した6つの会館の効果が加わり、関西圏、首都圏の一般葬儀の件数が伸長しました。とりわけ、首都圏では葬儀施行件数が、前期比18.6%の増加となりました。これは新規出店による営業エリアの拡大および集客チャネルの多様化への取り組みが奏功したものと考えられます。一方、大規模葬儀(金額5百万円超の葬儀)においては単価が上昇しました。その結果、全体の葬儀施行件数は前期比10.6%の増加、葬儀施行収入は前期比8.5%の増収となりました。

葬儀に付随する販売やサービス提供においては、返礼品販売収入や手数料収入などが前期比増収となりました。

費用については、営業収益の増加に伴う直接費の増加以外に、人員増による人件費の増加、集客力強化のための広告宣伝費の増加、新規出店に係る経費の増加、さらに人材力強化のための外部研修実施による教育費の増加等により、営業費用は前期比増加しました。

この結果、当セグメントの売上高は166億7百万円(前期比7.1%増)となり、セグメント利益は13億38百万円(前期比22.3%増)となりました。

 

イ 葬仙グループ

葬仙グループの㈱葬仙においては、米子葬祭会館のリニューアル効果により、米子エリアで葬儀施行件数を前期比5.0伸ばしたものの、鳥取エリアで葬儀施行件数が減少したため、全体で葬儀施行件数は前期比1.1%の減少となりました。加えて、大規模葬儀(㈱葬仙では金額2百万円超の葬儀と定義)の減少により、全体の葬儀施行単価が前期を下回ったため、葬儀施行収入は前期比2.2%の減収となりました。

費用については、米子葬祭会館に係る地代家賃が増加した一方、同会館の前期改装工事およびオープンに係る消耗備品費、広告宣伝費等がなくなったことにより、営業費用は前期比減少しました。

この結果、当セグメントの売上高は13億93百万円(前期比1.9%減)となり、セグメント利益は22百万円(前期比49.2%減)となりました。

 

ウ タルイグループ

タルイグループの㈱タルイにおいては、主に「タルイ会館 大蔵谷」(平成28年7月新築リニューアルオープン)、「タルイ会館 西明石」(平成29年1月新規オープン)の効果により、葬儀施行件数が前期比10.4%増加し、葬儀施行単価が提案力の強化により上昇した結果、葬儀施行収入は前期比19.5%の増収となりました。

費用については、営業収益の増加に伴う直接費の増加以外に、人員増に伴う人件費の増加、新規出店(新築リニューアルを含む)の地代家賃の増加により、営業費用は前期比増加しました。

この結果、当セグメントの売上高は17億6百万円(前期比19.4%増)となり、セグメント利益は3億40百万円(前期比64.7%増)となりました。

 

エ 持株会社グループ

持株会社グループの燦ホールディングス㈱においては、子会社からの不動産収入が増加したものの、配当金収入の減少により減収となりました。

費用については、新規会館に係る地代家賃が増加した一方、過年度の新築リニューアル計画に伴う耐用年数の見積り変更による減価償却費が減少したため、営業費用は前期比減少しました。

この結果、当セグメントの売上高は47億74百万円(前期比2.9%減)となり、セグメント利益は16億78百万円(前期比6.2%減)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

当期末における流動資産は60億38百万円となり、前期末比21億30百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が21億69百万円増加したことによるものです。

固定資産は241億22百万円となり、前期末比69百万円増加しました。これは主に、新規会館用地に係る土地の増加や新規会館等の竣工による建物及び構築物の増加を中心に、有形固定資産が80百万円増加したことによるものです。

この結果、総資産は301億61百万円となり、前期末比21億99百万円増加しました。

 

(負債)

当期末における流動負債は32億56百万円となり、前期末比9億66百万円増加しました。これは主に、未払法人税等が3億76百万円、未払消費税等が1億54百万円増加したほか、1年内返済予定の長期借入金が1億49百万円、賞与引当金が97百万円増加したことによるものです。

固定負債は26億49百万円となり、前期末比78百万円減少しました。これは主に、リース債務が71百万円増加する一方、長期借入金が1億70百万円減少したことによるものです。

この結果、負債合計は、59億5百万円となり、前期末比8億87百万円増加しました。

 

(純資産)

当期末における純資産合計は242億55百万円となり、前期末比13億11百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益15億73百万円を計上する一方、配当金2億61百万円を支払ったことにより、利益剰余金が13億12百万円増加したことによるものです。

この結果、自己資本比率は前期末比1.7ポイント低下し、80.4%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当期における現金及び現金同等物は、前期末より21億69百万円増加し、47億81百万円となりました。

当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは35億51百万円の増加(前期は22億42百万円の増加)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益24億64百万円、減価償却費8億50百万円、減損損失1億86百万円、未払消費税等の増加1億54百万円により資金が増加したのに対して、法人税等の支払い6億32百万円により資金が減少したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは9億84百万円の減少(前期は20億96百万円の減少)となりました。

これは主に、会館建設に伴う有形固定資産の取得による支出9億41百万円により資金が減少したことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは3億97百万円の減少(前期は3億64百万円の減少)となりました。

これは主に、配当金の支払額2億61百万円により資金が減少したことによるものです。

 

④営業の実績

ア 営業売上実績

 当連結会計年度における営業売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

 

金額(千円)

前年同期比(%)

公益社グループ

16,607,024

107.1

葬仙グループ

1,393,803

98.1

タルイグループ

1,706,303

119.4

持株会社グループ

4,774,210

97.1

合計

24,481,342

105.2

(注)1.上記の金額については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

イ 葬儀請負の実績

 当社グループのセグメントのうち主な事業である葬儀請負事業に係わる葬儀施行件数の、当連結会計年度における実績は次のとおりであります。

 

(公益社グループ)

区分

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

式場数(式場)

施行件数(件)

前年同期比(%)

稼働率(%)

大規模会館

千里会館、枚方会館、

西宮山手会館

大式場

3

67

88.2

12.2

一般式場

11

1,651

102.3

82.2

支店・営業所付属会館

天神橋、東大阪、堺、吹田、

岸和田、用賀、玉出、城東、

西田辺、宝塚、豊中、高槻、

守口、雪谷、富雄、はびきの、

たまプラーザ、なかもず、

明大前、田園調布、住吉御影、

学園前、森小路、高輪、石橋、

高円寺、仙川、江坂、日吉、

西大寺、六甲道、甲南山手、

くずは、武庫之荘、喜多見、

甲子園口、千里山田、東久留米

一般式場

54

7,709

110.8

78.0

小計

 

68

9,427

109.0

75.8

その他(自宅、寺院等)

 

1,991

116.0

合計

11,418

110.2

 

(葬仙グループ)

区分

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

式場数(式場)

施行件数(件)

前年同期比(%)

稼働率(%)

支店・営業所付属会館

鳥取、吉方、岩美、米子、

安倍、福米、安来、境港、

余子、松江、比津、東出雲

一般式場

14

1,031

97.8

40.4

その他(自宅、寺院等)

 

224

104.2

合計

1,255

98.9

 

タルイグループ)

区分

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

式場数(式場)

施行件数(件)

前年同期比(%)

稼働率(%)

支店・営業所付属会館

舞子、大蔵谷、新明、大久保、

魚住、土山、東加古川、

神戸西、長坂寺、西明石

一般式場

14

1,143

109.4

44.7

その他(自宅、寺院等)

 

37

154.2

合計

1,180

110.4

(注)1.稼働率=施行件数÷基準件数×100

なお、式場利用は通常、通夜と葬儀の2日間にわたるため、基準件数は1式場2日間に1件の施行を標準として算出しております。

2.葬儀施行件数は、法事・法要件数を除いた件数を記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の「会計方針に関する事項」に記載のとおり、重要な資産の評価基準及び評価方法、重要な減価償却資産の減価償却の方法、重要な引当金の計上基準等において、継続性・網羅性・厳格性を重視して処理計上しております。また、繰延税金資産につきましては、将来の回収可能性を十分に検討したうえで計上しております。

 

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当期は、営業収益の伸びを伴って利益を伸長させることができました。営業収益の伸びは、第一に㈱公益社、とりわけ首都圏(東京本社)の増収、第二に㈱タルイの増収によって実現したものです。㈱公益社首都圏では過去10年来の会館の新規開設および集客マーケティングや人材教育などの諸施策の成果が現れているものと考えます。㈱公益社関西圏(大阪本社)も、施策の浸透・徹底が徐々に進み、増収に貢献しました。

㈱タルイにおいては、小さな組織ならではの機動性を生かしてこの3年間に実施した集客や人材活用に係る諸施策に加え、会館の新規開設および新築リニューアル(建替え)が奏功しております。

但し、当期の増収には、公益社が強みとする社葬・お別れの会等における一部大型の案件の受託が影響しており、大規模葬儀(金額5百万円超の葬儀)において平年ベース(過去5年平均)と比べて約3億円の営業収益の増加がありました。

なお、上述の戦略的な新規出店や集客等に係る諸施策が成果を収める前提として、グループ中期経営計画において重点課題の最初に掲げておりますとおり、《サービス品質の向上》への不断の取り組みが不可欠と考えております。

費用につきましては、集客のための広告宣伝費、会館の新設・リニューアルに伴う消耗備品費、会館設備の維持・更新のために修繕費が前期比増加しました。広告宣伝費の支出は費用対効果の検証に基づいて実施するとともに、消耗備品費および修繕費の支出では、お客様の利便性や快適さの確保と施設面での競争力の維持を重視しております。

また、人件費も葬儀施行件数が増加する中、前期比増加しました。当期も欠員補充と増員のための採用に努めましたが、予定数を充足するには至りませんでした。今後、業務量調査に基づく、より精緻な適正人員の把握と人的効率に係る経営指標を整備し、人件費コントロールを適切に行ってまいります。

新たな「公益社 枚方会館」のオープン(平成29年8月)とその後の旧施設の解体工事等の終了をもって、築年数の経過した大規模会館(枚方のほかに天神橋、西宮山手の2会館)の新築リニューアル(建替え)がプロジェクトとして完了しました。足かけ4年におよんだ当プロジェクトでは、当社および㈱公益社の大阪本社・本部機能等の移転・集約や会館の一部敷地の外部への賃貸借を組み合わせることにより、従前と比べて年間約1億5千万円の増益効果を生み出すことができました。

以上の結果、達成すべき経営指標として掲げております「売上高経常利益率10%以上」を達成(13.2%)することができました。

 

③当連結会計年度の財政状態の分析

現金及び預金が、前期末比21億69百万円増加して47億81百万円と高水準となりました。その要因については次項「④資本の財源及び資金の流動性についての分析」に記載いたします。

なお、第1四半期は資金需要期(税金・賞与・配当)であるため、平成30年6月末の残高を36億円前後と予想しております。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

現金及び預金が47億81百万円と高水準となった要因は、増益を背景として営業活動によるキャッシュ・フローが35億51百万円増加する一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が少なく、9億84百万円の減少にとどまったことによります。

葬儀の小規模化や家族葬ニーズの高まりという外部環境を踏まえると、葬儀会館の投資資金は、多店舗展開するとしても自己資金でまかなうことができる見込みです。但し、首都圏においては今後、営業エリアの拡大に伴う業務効率の低下を避けるために、会館機能に加えて人員の広域管理のための集中配置と資材等のバックヤード機能を併せ持つ、いわゆる母店の設置が必要になると予想されます。その際には、自己資金でまかなえる範囲ではありますが、一時的に標準的な規模の会館(子店)と比べて、多額の投資資金を要する可能性があります。

株主の皆様への利益還元につきましては、連結業績および資金の状況、中長期的な成長投資のための内部留保の確保、および財務の健全性等を総合的に勘案の上、安定的な配当水準の向上を目指して実施しております。当期は1株当たり年50円と年5円の増配といたしました。その結果、連結での配当性向は17.9%となりました。

内部留保金につきましては、継続的かつ安定的な成長のために、関西圏および首都圏における積極的な新規会館建設(母店含む)を継続するとともに、生産性の向上のためのIT投資など、情報システムの高度化に係る投資の原資に充て、経営基盤の強化、生産性が高く働きやすい業務体制の構築のために活用する方針であります。

なお、当社は、資産効率向上の観点から余剰現預金を持たない方針であります。そのために当社は、緊急多額の資金需要に備え、取引銀行3行と総額10億円のコミットメントライン契約を締結しておりますが、同契約に基づく当期末の借入実行残高はありません。

 

⑤経営者の問題意識と今後の方針について

葬儀および周辺事業をグループの基軸としながらも、事業ポートフォリオのリスクを軽減する観点から、新たな収益の柱となる新規事業の創出を模索していきます。そして、継続的かつ安定的な営業収益および利益の成長の実現を目指してまいります。

当面の個別具体的な問題意識については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

4【経営上の重要な契約等】

(提出会社)

(1)土地信託契約

相手方の名称

契約年月日

契約内容

信託不動産の内容

契約期間

備考

三井住友信託銀行株式会社

平成2年

3月29日

信託不動産の管理運用の委託

北浜エクセルビル

大阪市中央区北浜

二丁目15番,16番

土地  621.92㎡

建物  延4,927.73㎡

鉄筋コンクリート造地下1階、地上10階

その他 機械及び装置、構築物、工具、器具及び備品があります。

自平成2年3月29日

至平成33年3月31日

(期間延長することができる。)

不動産信託受益権

527,649千円

 

(2)不動産賃借契約

事業所名

相手方の名称

契約年月日

契約内容

不動産の所在地等

契約期間

備考

公益社

高輪会館

宗教法人道往寺

平成23年

12月5日

不動産

賃借契約

東京都港区高輪
二丁目16-13

延床面積 270.17㎡

自平成25年1月1日

至平成44年12月31日

(20年間)

賃料月額

925千円

公益社

甲南山手

会館

㈱NTT西日本アセット・プランニング

平成28年

3月1日

不動産

賃借契約

神戸市東灘区本庄町
二丁目103

延床面積 247.68㎡

自平成28年3月1日

至平成53年2月28日

(25年間)

賃料月額

900千円

公益社

甲子園口

会館

㈲高浜興産

平成29年

3月1日

不動産

賃借契約

兵庫県西宮市中島町

1-2

延床面積 450.79㎡

自平成29年3月1日

至平成54年2月28日

(25年間)

賃料月額

1,200千円

公益社

西宮山手

会館

ネッツトヨタ神戸㈱

平成29年

12月23日

不動産

賃借契約

兵庫県西宮市城ヶ堀町

74-3

延床面積 773.11㎡

自平成29年12月23日

至平成59年12月22日

(30年間)

賃料月額

935千円

仏壇ギャ

ラリー

ユーアイ

箕面店

及び

終活広場

琴屋興業㈱

平成17年

11月11日

不動産

賃借契約

大阪府箕面市牧落
三丁目1-10

延床面積 488.43㎡

自平成18年3月17日

至平成38年3月16日

(20年間)

賃料月額

1,100千円

米子葬祭会館
他9会館

㈲金鶴冠婚
プロデュース

平成17年

4月1日

不動産

賃借契約

鳥取県米子市長砂町
1075 他

自平成17年4月1日

至平成47年2月28日

(30年間)

賃料月額

18,527千円

タルイ

本社
他4会館

㈱タルイ会館

平成18年

10月1日

不動産

賃借契約

兵庫県明石市林崎町
二丁目649-2 他

自平成18年10月1日

至平成49年3月10日

(30年間)

賃料月額

10,320千円

 

 

5【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。