第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が続きました。一方、海外経済は政治リスクがあったものの、先進国や新興国の株価が上昇するなど好調に推移しました。

当社グループを取り巻く経営環境は、東日本大震災や平成28年熊本地震からの復興に加えて、相次ぐ台風による豪雨災害や防災・減災対策の推進に係る予算措置が講じられたほか、維持管理といったインフラ整備に関する多くの要請があったことから堅調に推移しました。

このような状況下にあって、当社は、技術競争力および価格競争力の強化ならびに人材の育成をはじめとする経営資源の充実を図ることにより、防災・減災事業、社会資本の維持管理や更新に関する事業等を中心に計画を上回る受注を達成するとともに、売上と利益を着実に計上しました。

また、当社の連結子会社の業績は、日本都市技術株式会社および株式会社地圏総合コンサルタントで堅調に推移したものの、連結子会社全体としては計画を下回る状況となりました。しかしながら、グループ統括機能の強化、グループ企業の経営支援、グループ連携による新事業領域の開拓など、グループ総合力の強化を着実に実施しました。

また、当連結会計年度第2四半期より新たにグループ会社として、構造設計、設備設計を含むビルディング関連事業を主体とする英国のWaterman Group Plcを加えることにより、当社グループの事業展開の幅を大きく広げました。

これらの結果、当連結会計年度における当社グループの受注高は52,775百万円と前年同期比24.2%増となりました。完成業務収入は49,301百万円と前年同期比17.3%増となり、経常利益は2,500百万円と前年同期比2.8%増、親会社株主に帰属する当期純利益は1,615百万円と前年同期比11.6%増となりました。

当社グループのセグメント別の業績は次のとおりです。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

1)国内建設コンサルティング事業

国内建設コンサルティング事業の受注高は41,949百万円と前年同期比7.1%増、完成業務収入は39,665百万円と前年同期比2.2%増となり、セグメント利益は2,505百万円と前年同期比7.9%増となりました。

2)海外建設コンサルティング事業

海外建設コンサルティング事業の受注高は10,949百万円と前年同期比224.7%増、完成業務収入は9,728百万円と前年同期比199.6%増となり、セグメント利益は134百万円と前年同期比139.5%増となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4,728百万円減少し、6,515百万円となりました。

営業活動の結果取得した資金は2,834百万円(前連結会計年度比―)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,444百万円、未成業務受入金の増加額852百万円、法人税等の支払額910百万円によるものであります。

投資活動の結果使用した資金は6,857百万円(前連結会計年度比―)となりました。これは主に連結の範囲の変更をともなう子会社株式の取得による支出5,675百万円によるものであります。

財務活動の結果使用した資金は739百万円(前連結会計年度比8.3%増)となりました。これは主に配当金による支出282百万円、短期借入金の純減額による支出371百万円によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

(1)生産実績

区分

当連結会計年度

(自  平成29年1月1日 至 平成29年12月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

国内建設コンサルティング業

39,603

2.1

海外建設コンサルティング業

9,697

198.9

合計

49,301

17.3

 

(注)1  金額は、販売価額によっております。

2 上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引および振替額は含まれておりません。

 

(2)受注状況

区分

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

国内建設コンサルティング事業

41,887

7.0

41,649

5.8

海外建設コンサルティング事業

10,887

225.1

15,891

225.4

合計

52,775

24.2

57,541

30.0

 

(注)1  金額は、販売価額によっております。

2 上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引および振替額は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 1)販売実績

区分

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

国内建設コンサルティング事業

39,603

2.1

海外建設コンサルティング事業

9,697

198.9

合計

49,301

17.3

 

(注)1  金額は、販売価額によっております。

2 上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引および振替額は含まれておりません。

 

 2)主要顧客別販売実績

当連結会計年度のうち、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先は次のとおりであります。

販売先

前連結会計年度

(自  平成28年1月1日

至  平成28年12月31日)

当連結会計年度

(自  平成29年1月1日

至  平成29年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日本国

18,485

44.0

20,516

41.6

 

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

建設コンサルタントは、人類の発展に不可欠なインフラストラクチャ(社会資本)整備の一翼を担っております。

当社グループは、建設コンサルタントの一員として中立・独立性を確保して業務を遂行し、インフラストラクチャの利用者である国民の福祉の実現と地球環境の保全のため、「世界に誇れる技術と英知で、安全で潤いのある豊かな社会づくりに挑戦する」ことを経営理念としております。
 今後の経営環境は、平成29年度補正予算において、災害復旧・防災・減災事業などに係る予算措置が閣議決定されたことに加え、平成30年度の本予算は、平成29年度予算と同程度の規模が見込まれます。加えて、国土強靭化や維持管理、地方創生といったインフラ整備に関する多くの対応のほかAIや新技術の導入による生産性向上への取組みがあり、これまでにもまして建設コンサルタントの役割が重要となってまいります。

こうした経営環境を踏まえて、当社グループは将来への投資を継続しながら、蓄えつつある力を充分に発揮して競争力を向上させ、これまで進めてきた働き方の改革の総仕上げ、グループ一体のダイナミックな事業展開とグループ会社収益の向上を図るべく、以下の行動方針のもと企業活動を推進してまいります。

① 働き方の改革

② グループ一体の事業展開

③ グループ会社の収益性向上

役員ならびに社員一同、国民の安心・安全を担う建設コンサルタントの社会的使命を果たすため、最大限の努力を続けてまいる所存です。

 

4 【事業等のリスク】

(国内事業リスク)

当社の受注は、公共事業に大きく依存しており、その動向により当社の経営成績は影響を受ける可能性があります。

(海外事業リスク)

今後、展開する国・地域で予期しえない法制度の変更や政治・経済情勢における不測の事態が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 当社は、平成29年5月9日付で、英国証券取引市場においてWaterman Group Plc(本社:英国ロンドン)の発行済株式および発行予定株式を対象とした友好的な公開買付けを行うことを決定し、実施いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、国内および海外において事業を展開しており、これに必要な研究開発を進めております。

具体的な投資は、新分野の開拓および新事業の開発(戦略的研究、国際研究、事業開発研究、新事業開発研究)、
国土文化研究、技術開発および人材開発に分かれております。

当連結会計年度においては、国内建設コンサルティング事業を中心に総額1,052百万円を投入し、主に以下のテーマについて研究を進めております。なお、セグメント別の研究開発費は、国内建設コンサルティング事業で1,050百万円、海外建設コンサルティング事業で2百万円であります。

① 戦略的研究(CIM推進、インフラメンテナンス事業推進)

② 国際研究(国際ビジネス推進、海外人材育成研修)

③  事業開発研究(気象情報等提供サービス、物流事業展開、スマートコミュニティ事業展開、農地土壌分析事業展開、活断層調査および地層処分事業展開等)

④ 新分野開発研究(環境DNA技術事業展開、農業・環境地域資源事業展開、港湾および漁港事業展開、都市再構築事業展開、建物ZEB化事業展開、農業・農村グリーンインフラ事業展開等)

⑤ 国土文化研究(人口減少社会、水力発電価値評価、経済社会変動影響研究、多様性モビリティ研究、水網復活研究、景観デザイン、川からの地域再生、文化財防災支援等)

⑥ 技術開発研究(高潮・津波減災技術、河道管理の可視化技術、砂防施設機能開発、ダム操作高度化、交通渋滞等自動検知、AIによるひび割れ識別、スマートフォン交通分析、自動運転支援、希少生物保全技術、SR・AR防災活用、土砂動態生態モデル等方法開発等)

⑦ 人材開発(社内外の研修、社会人大学院派遣、海外研修派遣等)

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における総資産は49,444百万円と前年同期比15.9%増となりました。これは主に受託料収入等による手元資金の増加ならびにWaterman Group Plcの買収にともなうのれんの増加によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における総負債は22,558百万円と前年同期比26.4%増となりました。これは主に、未成業務受入金の増加によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は26,885百万円と前年同期比8.4%増となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益によるものであります。

 

(2)経営成績の分析

当連結会計年度における当社グループの受注高は52,775百万円と前年同期比24.2%の増加となりました。完成業務収入は49,301百万円と前年同期比17.3%増、経常利益は2,500百万円と前年同期比2.8%増、親会社株主に帰属する当期純利益は1,615百万円と前年同期比11.6%増となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4,728百万円減少し、6,515百万円となりました。

営業活動の結果取得した資金は2,834百万円(前連結会計年度比―)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,444百万円、未成業務受入金の増加額852百万円、法人税等の支払額910百万円によるものであります。

投資活動の結果使用した資金は6,857百万円(前連結会計年度比―)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5,675百万円によるものであります。

財務活動の結果使用した資金は739百万円(前連結会計年度比8.3%増)となりました。これは主に配当金による支出282百万円、短期借入金の純減額による支出371百万円によるものであります。