第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、最高の品質とサービスで、より多くの顧客に満足を与え、適正な利潤を確保することにより、株主及び従業員に報い、かつ社会に奉仕することを経営の基本理念としております

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、企業価値の向上と継続的な成長を確保するため、財務基盤の確立に重点を置いております。経営指標といたしましては、中期的に自己資本比率28%以上、自己資本380億円以上、営業利益85億円以上を重要指標として経営にあたってまいります

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

 当社グループは、既存事業の強化を進めながら、次代に向けたグループ経営基盤の強化に努め、さらに事業領域の枠にとらわれず、幅広く、お客様に「快適さ」をご提供し、社会に貢献できる事業の拡大を目指してまいります

 当連結会計年度より、従来「自動車総合サービス事業」というセグメント名称で表記している同事業について、より事業内容に即した「自動車リース関連事業」に名称変更いたしました。なお、当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。

 

(基本方針)

① グループ一体経営の推進

 当社グループでは、株式会社イチネンホールディングスを純粋持株会社とし、傘下の各事業会社が独立経営を進めながら、グループ一体経営を推進しております。現在、「自動車リース関連事業」、「ケミカル事業」、「パーキング事業」、「機械工具販売事業」、「合成樹脂事業」の各事業を展開しております。また、各事業が連結営業利益の10%以上を稼ぐことを目標としております

 

② 規模の拡大

 「自動車リース関連事業」では、リース及び自動車メンテナンス受託の台数、契約残高の増加、車両販売の取扱台数の増加、自動車用燃料給油カードの発券枚数及び販売数量の増加、「ケミカル事業」、「パーキング事業」、「機械工具販売事業」、「合成樹脂事業」を含む全てのセグメントにおいて、顧客件数の増加を推進し、規模の拡大を図ってまいりますまた、新規事業及び新商品の開発を常に行い、早期立ち上げ、軌道乗せを行ってまいります。

 

③ 業務効率の向上によるコスト削減

 当社グループでは、全てのコストについて常に見直しを実施してまいります。また、管理間接部門の集約により、業務効率を高めるとともにコストダウンを図り、グループの利益・競争力を向上させてまいります

 

④ 品質の向上

 当社グループでは、商品やサービスについて、更なる品質向上に努めてまいります

 

⑤ 財務体質の強化

 当社グループでは、不採算事業、不採算取引、非効率な投資の見直しを行い、投資効率の高い事業に経営資源を投下して、投資効率の向上を目指してまいります。また、多様な資金調達手法を活用し、調達コスト並びに有利子負債の削減を目指してまいります

 

⑥ コーポレートガバナンスの強化

 当社グループでは、適時適切な情報開示に努めるとともに、内部統制システムの強化、リスク管理体制の充実を図り、経営環境の変化にも迅速に対応することによって、持続的に企業価値を高めてまいります。

 

 

(対処すべき課題)

 今後のわが国経済は、引き続き海外経済の不確実性や地政学リスクの高まり等により依然として先行き不透明なものの、経済政策や金融政策の効果による企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が続くと思われます。

 このような状況の下、当社グループは、事業を通じて、全てのお客様に「いちねんで、いちばんの毎日を。」ご提供し、社会に貢献できる企業を目指してまいります。

 

自動車リース関連事業

 リースにおきましては、リース契約車両は小型化傾向にありますが、従来からターゲットとしておりますリース化の進んでいない地方市場及び中小口規模の企業を中心に新規販売を積極的に行い、契約台数及び契約残高の増加を図ります。また、購買原価の低減、走行距離に応じた適切な料金設定、メンテナンスコストの抑制並びに車両処分方法の多様化を図り収益性向上に努めてまいります

 自動車メンテナンス受託におきましては、当社グループ独自の自動車整備工場ネットワークによる高い点検実施率を強みとし、サービス品質を追求しながら契約台数及び契約残高の増加を図ります。また、走行距離に応じた適切な料金設定とメンテナンスコストの抑制並びに車両販売における車両の獲得方法と販売方法の多様化、取扱台数の増加に注力し収益性向上に努めてまいります。車体修理に関する総合管理業務については、工場ネットワーク及び新規顧客の拡充に努め、収益の拡大を目指してまいります

 燃料販売におきましては、主に自動車用燃料給油カードにおいて、低燃費車の普及により需要が減少傾向にあり、また、元売りの経営統合の影響等不透明な状況が続いておりますが、既存顧客に対する満足度の追求並びに新規顧客の拡大を図り販売数量の増加に努めてまいります。

 

<ケミカル事業>

 ケミカル事業におきましては、セールスエンジニアの育成を行い、特定の専門業界への販売に注力しつつ新たなマーケットへの参入を試み、商品開発力の強化及び品質向上に取り組みながら付加価値の高い商品の販売に注力いたします。また、海外市場に対しては引き続き中国やASEAN地域を中心に積極的な営業を展開してまいります

 

<パーキング事業>

 パーキング事業におきましては、中長期的に安定した収益基盤を築くため、引き続き営業力を強化し、駐車場数の拡大を図るとともに、既存駐車場の収益改善に努めてまいります。また、病院、商業施設等に附帯した駐車場にも積極的に取り組み、安定的に連結営業利益の10%以上を稼ぐ事業に育成してまいります

 

<機械工具販売事業>

 機械工具販売事業におきましては、取扱アイテムの拡充及びオリジナル製品の開発力を強化し、マーケットシェアの拡大及び海外市場の拡大を目指してまいります。また、商品一括仕入機能を強化し、商品調達コストの軽減を図るとともに、統合された物流拠点を活用し更なる収益性の向上を推進してまいります。さらにネット販売についても、自社サイトを中心に販売を強化してまいります

 

<合成樹脂事業>

 合成樹脂事業におきましては、合成樹脂のリサイクル品をベースに販売を強化するとともに、新規事業の開発及び軌道乗せに注力いたします。遊技機メーカーへの合成樹脂製品の販売については、一貫受注体制を構築し、新規顧客の拡大を図るとともに、品質改善に努めてまいります。また、ガス検知器・セラミックヒーターについてシェアの拡大、業界の標準メーカーとなることを目指し、開発・製造・販売・メンテナンス部門の強化を推進してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業その他に係るリスクについては、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)金利変動リスク

 当社グループのコア事業である自動車リース関連事業における自動車リースにおいては、その取引の特性から有利子負債により多額の資金調達を行っているため、金利が上昇した場合、資金調達コストが増加し、損益に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため、当社グループでは金利上昇リスク等について常に分析・検討を行い、その結果に基づき財務戦略を立案・執行し、金利動向を踏まえた最適な調達を行っております。

 また、変化の激しい資金調達環境の中、内部留保の充実による企業体質の更なる強化を図り、格付の維持・向上に取り組んでおり、徹底したリスク管理の実践と資金調達コストの低減を図っております。

回次

第52期

(2014年3月期)

第53期

(2015年3月期)

第54期

(2016年3月期)

第55期

(2017年3月期)

第56期

(2018年3月期)

売上高

(百万円)

67,636

71,696

74,845

79,704

81,379

売上原価

(百万円)

51,507

54,807

57,089

61,104

62,200

(資金原価)

(百万円)

(323)

(367)

(380)

(394)

(369)

売上総利益

(百万円)

16,129

16,889

17,755

18,600

19,179

営業利益

(百万円)

5,050

5,429

5,515

5,681

5,918

経常利益

(百万円)

4,871

5,316

5,527

5,513

5,953

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

2,963

3,759

3,681

3,800

3,848

 

回次

第52期

(2014年3月期)

第53期

(2015年3月期)

第54期

(2016年3月期)

第55期

(2017年3月期)

第56期

(2018年3月期)

短期借入金

(百万円)

4,475

3,800

17,200

4,000

4,200

コマーシャル・ペーパー

(百万円)

1,500

1,000

4,000

1,000

1年内償還予定の社債

(百万円)

1,772

1,122

1,022

362

5,342

1年内返済予定の長期借入金

(百万円)

12,160

13,918

14,430

16,131

17,433

社債

(百万円)

2,994

1,871

5,848

10,486

5,143

長期借入金

(百万円)

34,748

34,757

28,026

35,323

37,156

小計<A>

(百万円)

57,650

55,470

67,528

70,303

70,275

総資産<B>

(百万円)

94,519

94,649

110,482

114,981

118,498

<A>/<B>

(%)

61.0

58.6

61.1

61.1

59.3

 

(2)与信リスク

 当社グループの自動車リース関連事業におけるリース取引では、リース期間が比較的長期(3~5年程度)にわたることから、景気変動やその他の事由によって取引先の業績悪化や倒産を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これにつきましては、取引開始時等に厳格に審査を行い、取引先毎に与信限度額を設けるとともに、取引開始後についても随時業況を注視の上必要な対応を行う等、与信管理体制を整えており与信リスクの極小化を目指しております。

 また、当社グループの他の取引におきましても、取引金額の大きな取引先の業績悪化や倒産などにより、当社グループの業績に影響を与える場合があります。

 これらにつきましても、取引内容に即した与信管理規程を策定し、与信限度額を設けるなどの与信管理体制を整え、リスクの極小化に努めております。

(3)制度変更リスク

 当社グループは、現行の法律・税務・会計等の制度や基準をもとに自動車リース関連事業を始めとする各事業を展開しております。これらの諸制度や基準が将来大幅に変更された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループにおいては、諸制度や基準の変更に備え、様々な情報収集及び検討を行っておりますが、その中でも国際財務報告基準(IFRS:International Financial Reporting Standards)の適用が義務化された場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原油価格変動によるリスク

 当社グループでは、原油の市況変動が以下の各事業の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 自動車リース関連事業のリース及び自動車メンテナンス受託においては、原油を主原料とするタイヤ・エンジンオイル等のメンテナンス消耗部品の仕入価格が上昇した場合に、メンテナンス原価が上昇することによって、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、同事業の燃料販売においては、ガソリン・重油等の仕入価格の上昇に対して販売価格の改善が図れなかった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 ケミカル事業においては、原油を主原料とする原材料等の仕入価格の上昇に対して、製品販売価格の改善が図れなかった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループ各事業においては、随時仕入価格の変動状況を注視して販売価格の決定を行っており、原油価格変動によるリスクを最小限に抑えるよう努めております。

(5)競合に関するリスク

 当社グループの主要取引である自動車リースは、数多くの同業他社との競争下にあります。当社グループは他の大手オートリース会社の主要顧客とは異なり、中小口規模の企業を主なターゲットとしております。また、メンテナンスにおける強みを活かしたサービスにより、同業他社との差別化を図っております。

 しかしながら、今後当社グループの顧客層への新規参入及び競合他社との過度な価格競争等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)流動性及び資金調達に関するリスク

 当社グループは、事業資金を主に金融機関からの借入や資本市場からの調達(社債、コマーシャル・ペーパー等)によって賄っております。当社グループではコミットメントライン枠の設定等適切な対応策を講じておりますが、金融市場に混乱が生じる、又は銀行の貸出姿勢の変化等により、資金の安定的な確保が難しくなる場合は、新規契約の縮小等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)残価リスク

 当社グループのリースのほとんどは自動車リースであり、契約満了後の自動車については中古車市場で売却を行っております。契約当初の自動車の見積残価は、過去及び現在の中古車市場の動向を勘案し、適切でなおかつ保守的な見積残価を設定しております。しかし、中古車市場の状況によっては、実際の処分額と想定した価額との差が大きくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)遊技機業界に対する法的規制、自主規制について

 当社グループの合成樹脂事業が行っている遊技機メーカーへの合成樹脂製品の販売は、直接的に法的規制を受けておりませんが、遊技機メーカーは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、「国家公安委員会規則」(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)による法的規制を受けています。また、当社の製品の最終ユーザーである遊技場は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の許認可及び「都道府県条例」の規制を受けています。さらに、過度な射幸性を抑制する目的から、遊技機メーカー、遊技場、販売業者に対して業界団体が自主規制を行う場合があります。

 これら規制により遊技機の需要が変化することに伴い、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)為替リスク

 当社グループのケミカル事業及び機械工具販売事業におきましては、外貨建での輸入仕入取引があります。

 当社グループは、為替予約等による為替リスクヘッジに努めておりますが、急激な為替レートの変動が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)M&A及び新規事業への参入に係るリスク

 当社グループは、コア事業の規模の拡大、又は現在のコア事業以外の分野で柱となる事業を育成すべく、新規事業への進出を含めたM&Aを推進しております。M&Aにあたっては、一定期間の収益の合計額がのれんの金額を上回ることが見込まれ、M&A実行の直後から当社グループの業績に寄与することが見込まれること等を事前に精査した上で対象先の選定を行っておりますが、当初想定した効果を生まない可能性があります。また、そのような場合はのれんの減損処理等が発生することで、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)その他

 当社グループでは事業運営上、事務処理ミス、不正行為、法令違反、システムダウン、システム障害、情報流出、災害の発生、風評の発生等様々なリスクがあることを認識しております。当社グループは、それらのリスクに対しできる限り回避あるいは低減するよう適切な管理に努めております。しかしながら、当社グループが事業を遂行するに当たり、これらのリスクは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、経済政策や金融政策の効果による企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しているものの、海外経済の不確実性や地政学リスクの高まり等により、依然として先行き不透明な状態が続いております。

 このような状況の下、当社グループは、事業を通じて、全てのお客様に「いちねんで、いちばんの毎日を。」ご提供し、社会に貢献できる企業を目指しております。基盤事業である自動車リース関連事業を中心に、ケミカル事業、パーキング事業、機械工具販売事業、合成樹脂事業を展開しております。また、既存事業の強化を進めながら、事業領域の枠にとらわれない新規事業への参入、規模拡大を目的とした積極的なM&A、海外展開にも挑戦しております。その一環として当連結会計年度は、2017年4月27日に株式会社ゴンドー、2018年1月25日に昌弘機工株式会社(2018年4月1日付で株式会社イチネンSHOKOへ商号変更)の全株式を取得して子会社化いたしました。

 

 当連結会計年度の連結売上高は813億79百万円(対前期比2.1%増)、営業利益は59億18百万円(対前期比4.2%増)、経常利益は59億53百万円(対前期比8.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は38億48百万円(対前期比1.3%増)となりました

 

 各セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、下記のセグメント別売上高は、内部売上高消去前の金額であります。

<自動車リース関連事業>

 リースにおきましては、リース契約車両は依然として小型化傾向にありますが、リース化の進んでいない地方市場及び中小口規模の企業を中心に新規販売を積極的に行い、また、既存顧客との取引深耕にも注力した結果、2018年3月末現在リース契約台数は80,955台(対前期末比1,966台増)となり、リース契約高は316億80百万円(対前期比4.1%増)、リース未経過契約残高は703億11百万円(対前期末比2.9%増)となりました。

 自動車メンテナンス受託におきましては、当社グループ独自の自動車整備工場ネットワークによる高い点検実施率を強みとしながら、契約台数、契約残高の増加に努めた結果、メンテナンス受託契約台数は80,025台(対前期末比473台減)となり、メンテナンス受託契約高は58億27百万円(対前期比7.1%増)、メンテナンス未経過契約残高は78億70百万円(対前期末比2.6%増)となりました。

 燃料販売におきましては、主に自動車用燃料給油カードにおいて、低燃費車の普及により需要が減少傾向にありますが、既存顧客へのサービス向上並びに新規顧客の獲得に注力いたしました。

 損益面では、リースは契約台数及び車両処分台数が増加したこともあり堅調に推移いたしました。自動車メンテナンス受託は契約台数が減少しておりますが契約高は増加しており堅調に推移いたしました。燃料販売では、仕入価格が安定し堅調に推移いたしました。

 この結果、売上高は469億1百万円(対前期比3.6%増)、セグメント利益は37億28百万円(対前期比7.7%増)となりました

 

<ケミカル事業>

 ケミカル事業におきましては、商品開発力の強化及び品質向上に取り組むとともに、付加価値の高い商品の販売に注力いたしました。

 損益面では、工業薬品関連の燃料添加剤及び石炭添加剤の販売が堅調に推移いたしました。

 また、化学品関連では機械工具商向け及び個人向けケミカル製品の販売が順調に推移いたしました。

 この結果、売上高は112億81百万円(対前期比2.7%増)、セグメント利益は12億80百万円(対前期比8.6%増)となりました

<パーキング事業>

 パーキング事業におきましては、中長期的に安定した収益基盤を築くため、更なる駐車場数の拡大に努めた結果、2018年3月末現在駐車場管理件数は1,213件(対前期末比60件増)、管理台数は29,044台(対前期末比1,489台増)となりました。

 損益面では、新規駐車場の開発が順調に進み、また、既存駐車場の継続的な収益改善活動の効果もあり収益が増加いたしました。

 この結果、売上高は54億12百万円(対前期比5.9%増)、セグメント利益は7億4百万円(対前期比20.8%増)となりました

 

<機械工具販売事業>

 機械工具販売事業におきましては、取扱アイテムの拡充、オリジナル製品の開発を促進するとともに商品調達コスト及び物流コストの軽減に努めてまいりました。

 損益面では、機械工具及び自動車整備工具の販売が減少し、空調工具及び計測工具の販売も減少いたしました。一方、新たに子会社化いたしました株式会社ゴンドー及び昌弘機工株式会社(2018年4月1日付で株式会社イチネンSHOKOへ商号変更)が販売増加に寄与し、さらにネット販売も順調に推移いたしました。また、株式取得関連費用などの販売費及び一般管理費が前期より増加いたしました。

 この結果、売上高は129億12百万円(対前期比2.6%増)、セグメント利益は1億20百万円(対前期比59.8%減)となりました。

 

<合成樹脂事業>

 合成樹脂事業におきましては、新規顧客の拡大及び新商品の開発を図るとともに品質改善に努めてまいりました。

 損益面では、遊技機メーカーへの合成樹脂製品の販売が減少いたしましたが、半導体実装装置メーカー等へのセラミックヒーターの販売は増加いたしました。また、科学計測器の販売も増加いたしました。

 この結果、売上高は50億86百万円(対前期比14.8%減)、セグメント利益は1億12百万円(対前期比13.5%減)となりました。

 

<その他>

 その他におきましては、売上高は1億32百万円(対前期比18.9%増)、セグメント損失は44百万円(前期は10百万円のセグメント利益)となりました

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より1億53百万円減少し、13億82百万円(対前期比10.0%減)となりました。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

 営業活動によるキャッシュ・フローは、23億58百万円(前期は20億2百万円)となりました。これは主に、「税金等調整前当期純利益」が60億円になったこと、オペレーティング・リース取引の契約増加により「賃貸資産の純増減額(△は増加)」△140億19百万円が「減価償却費」130億89百万円を上回ったこと、「売上債権の増減額(△は増加)」が6億65百万円になったこと、「仕入債務の増減額(△は減少)」が△11億58百万円になったこと、「法人税等の支払額」が△21億円になったことによるものであります。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

 投資活動によるキャッシュ・フローは、△13億28百万円(前期は△33億51百万円)となりました。これは主に、ケミカル事業における研究開発施設に係る建物等の取得及び自動車リース関連事業に係る基幹システムの開発等による「有形及び無形固定資産の取得による支出」△27億97百万円、ケミカル事業における旧研究開発施設の売却等による「有形及び無形固定資産の売却による収入」13億27百万円によるものであります。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

 財務活動によるキャッシュ・フローは、△11億84百万円(前期は14億円)となりました。これは主に、「借入れによる収入」207億円が、「借入金の返済による支出」△175億86百万円、「コマーシャル・ペーパーの純増減額(△は減少)」△30億円、「社債の償還による支出」△3億62百万円及び「親会社による配当金の支払額」△9億10百万円を下回ったことによるものであります。

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。なお、「③生産、受注及び販売の実績」以下、「第4 提出会社の状況」までにおける記載金額についても同様であります。

 当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

回次

第54期

(2016年3月期)

第55期

(2017年3月期)

第56期

(2018年3月期)

自己資本比率

21.9%

23.3%

25.4%

時価ベースの自己資本比率

22.5%

24.9%

31.2%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

25.2年

(4.5年)

35.1年

(4.5年)

29.8年

(4.3年)

インタレスト・カバレッジ・レシオ

17.1倍

(96.2倍)

19.9倍

(155.0倍)

28.9倍

(200.3倍)

(注)各指標の計算式は、以下のとおりであります。

自己資本比率            … 自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率      … 株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率 … 有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ  … 営業キャッシュ・フロー/利払い

※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

※株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。

※営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

※キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローから賃貸資産の取得による支出等の影響額を除いて算出した数値を( )内に記載しております。

③生産、受注及び販売の実績

<全セグメントの状況>

a.生産実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

前年同期比(%)

自動車リース関連事業

(百万円)

ケミカル事業

(百万円)

4,256

4,452

104.6

パーキング事業

(百万円)

機械工具販売事業

(百万円)

25

合成樹脂事業

(百万円)

5,106

4,172

81.7

報告セグメント計

(百万円)

9,362

8,651

92.4

その他

(百万円)

18

75

397.0

合計

(百万円)

9,381

8,726

93.0

(注)1.金額は製品製造原価ベースで記載しております。

   2.当連結会計年度において機械工具販売事業の生産実績が発生しているのは、昌弘機工株式会社(2018年4月1日付で株式会社イチネンSHOKOへ商号変更)を子会社化したことに伴うものであります。

   3.当連結会計年度においてその他の生産実績が著しく増加しているのは、株式会社イチネン農園の農産物の生産量増加によるものであります。

 

b.仕入実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

前年同期比(%)

自動車リース関連事業

(百万円)

14,248

15,227

106.9

ケミカル事業

(百万円)

2,092

2,141

102.4

パーキング事業

(百万円)

3,421

3,539

103.4

機械工具販売事業

(百万円)

9,879

9,873

99.9

合成樹脂事業

(百万円)

報告セグメント計

(百万円)

29,642

30,782

103.8

その他

(百万円)

合計

(百万円)

29,642

30,782

103.8

 

c.販売実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

前年同期比(%)

自動車リース関連事業

(百万円)

45,165

46,773

103.6

ケミカル事業

(百万円)

10,808

11,097

102.7

パーキング事業

(百万円)

5,112

5,411

105.9

機械工具販売事業

(百万円)

12,545

12,892

102.8

合成樹脂事業

(百万円)

5,960

5,071

85.1

報告セグメント計

(百万円)

79,593

81,246

102.1

その他

(百万円)

111

132

118.8

合計

(百万円)

79,704

81,379

102.1

(注)1.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。

2.金額については、セグメント間の内部売上高消去後の金額を記載しております。

<自動車リース関連事業セグメント(リース)の状況>

a.リース契約の実行高

区分

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

前年同期比(%)

輸送用機器

(百万円)

30,333

31,635

104.3

その他

(百万円)

85

44

51.6

合計

(百万円)

30,419

31,680

104.1

(注)リース契約の実行高は、発生額より中途解約額を控除しております。

b.未経過リース料期末残高相当額の期日別内訳

[1]所有権移転外ファイナンス・リース取引

 

1年以内

(百万円)

2年以内

(百万円)

3年以内

(百万円)

4年以内

(百万円)

5年以内

(百万円)

5年超

(百万円)

合計

(百万円)

前連結会計年度

(2017年3月31日現在)

5,520

4,512

3,345

2,414

1,405

732

17,931

当連結会計年度

(2018年3月31日現在)

5,648

4,511

3,584

2,380

1,323

659

18,107

(注)未経過リース料の期日別内訳については、リース投資資産に係るリース料債権部分の決算日後の回収予定額を表示しております。

 

[2]オペレーティング・リース取引

 

1年以内(百万円)

1年超(百万円)

合計(百万円)

前連結会計年度

(2017年3月31日現在)

11,350

22,417

33,767

当連結会計年度

(2018年3月31日現在)

11,837

23,176

35,013

 

c.営業成績

 

売上高

(百万円)

売上原価

(百万円)

差引利益

(百万円)

資金原価

(百万円)

売上総利益

(百万円)

営業資産

平均残高

(百万円)

利益率

(%)

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

33,662

27,911

5,750

394

5,355

62,900

8.5

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

34,720

28,712

6,007

369

5,637

66,061

8.5

 

<自動車リース関連事業セグメント(自動車メンテナンス受託)の状況>

a.メンテナンス契約の実行高

区分

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

前年同期比(%)

輸送用機器

(百万円)

5,439

5,827

107.1

合計

(百万円)

5,439

5,827

107.1

(注)メンテナンス契約の実行高は、発生額より中途解約を控除しております。

b.未経過メンテナンス契約債権の期日別内訳

 

1年以内

(百万円)

2年以内

(百万円)

3年以内

(百万円)

4年以内

(百万円)

5年以内

(百万円)

5年超

(百万円)

合計

(百万円)

前連結会計年度

(2017年3月31日現在)

3,783

1,836

1,078

656

260

59

7,674

当連結会計年度

(2018年3月31日現在)

3,850

1,925

1,106

660

253

75

7,870

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、棚卸資産、有形・無形固定資産、投資有価証券、各引当金等の計上に関しては、一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠した当社グループ会計方針及び見積り基準に基づき計上しています。

 

②財政状態に関する分析

<資産の状況>

 当連結会計年度末における流動資産の残高は417億35百万円となり、前連結会計年度末残高415億52百万円と比べて1億83百万円増加いたしました。これは「電子記録債権」の減少3億53百万円、ファイナンス・リース取引の契約増加による「リース投資資産」の増加3億42百万円、連結子会社の取得等に伴う「仕掛品」の増加1億28百万円が主な要因であります。

 固定資産の残高は767億33百万円となり、前連結会計年度末残高733億80百万円と比べて33億53百万円増加いたしました。これはオペレーティング・リース取引の契約増加による「賃貸資産」の増加23億63百万円、ケミカル事業における研究開発施設に係る建物等の取得による「建物及び構築物」の増加10億41百万円及び「建設仮勘定」の減少6億74百万円、旧研究開発施設等の売却に伴う「土地」の減少2億79百万円、償却による「のれん」の減少4億42百万円、自動車リース関連事業に係る基幹システムの開発等による「ソフトウエア」の増加5億50百万円、時価評価等による「投資有価証券」の増加5億94百万円が主な要因であります。

 繰延資産の残高は29百万円となり、前連結会計年度末残高48百万円と比べて19百万円減少いたしました。

 以上の結果、資産合計は当連結会計年度末残高1,184億98百万円となり、前連結会計年度末残高1,149億81百万円と比べて35億17百万円増加いたしました。

<負債の状況>

 当連結会計年度末における流動負債の残高は436億58百万円となり、前連結会計年度末残高401億5百万円と比べて35億53百万円増加いたしました。これは仕入債務の支払による「支払手形及び買掛金」の減少11億64百万円、「コマーシャル・ペーパー」の減少30億円、「1年内償還予定の社債」の増加49億80百万円、「1年内返済予定の長期借入金」の増加13億2百万円、「未払法人税等」の増加3億84百万円が主な要因であります。

 固定負債の残高は447億3百万円となり、前連結会計年度末残高480億93百万円と比べて33億89百万円減少いたしました。これは「1年内償還予定の社債」への振替等に伴う「社債」の減少53億42百万円、「長期借入金」の増加18億32百万円が主な要因であります。

 以上の結果、負債合計は当連結会計年度末残高883億62百万円となり、前連結会計年度末残高881億98百万円と比べて1億63百万円増加いたしました。

<純資産の状況>

 当連結会計年度末における純資産合計は301億36百万円となり、前連結会計年度末残高267億82百万円と比べて33億54百万円増加いたしました。これは「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上による「利益剰余金」の増加38億48百万円、配当金の支払による「利益剰余金」の減少9億10百万円、時価評価による「その他有価証券評価差額金」の増加3億74百万円が主な要因であります。

<キャッシュ・フローの状況>

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

③当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度の経営成績及び各セグメントの業績については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 各セグメントの売上高の推移は下記のとおりであります。

回次

第54期

(2016年3月期)

第55期

(2017年3月期)

第56期

(2018年3月期)

自動車リース関連事業

(百万円)

41,148

45,165

46,773

ケミカル事業

(百万円)

10,932

10,808

11,097

パーキング事業

(百万円)

4,825

5,112

5,411

機械工具販売事業

(百万円)

11,832

12,545

12,892

合成樹脂事業

(百万円)

5,996

5,960

5,071

報告セグメント計

(百万円)

74,735

79,593

81,246

その他

(百万円)

109

111

132

(百万円)

74,845

79,704

81,379

(注)売上高については、セグメント間の内部売上高消去後の金額を記載しております。

④経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資金需要のうち主なものは、賃貸資産の購入費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上継続的に良質な資金を確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金、金融機関からの短期借入及びコマーシャル・ペーパーを基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入及び社債の発行を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は、702億75百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は13億82百万円となっております。

 

⑥経営上の目標の達成・進捗状況

 当社グループは、企業価値の向上と継続的な成長を確保するため、財務基盤の確立に重点を置いております。このため、経営指標といたしましては自己資本及び自己資本比率、営業利益を重要な指標として位置付けており、中期的に自己資本380億円以上、自己資本比率28%以上、営業利益85億円以上の達成を目指して経営にあたっております。なお、当連結会計年度における自己資本は301億36百万円(対前期比12.5%増)、自己資本比率は25.4%(対前期比2.1ポイント増)、営業利益は59億18百万円(対前期比4.2%増)となりました。

 この目標の達成に向けて、今後も引き続き当該指標の改善に邁進していく所存でございます。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社グループが締結している主な契約は次のとおりであります。

(1)営業関係

契約会社

相手先

契約種類

内容

契約期間

㈱イチネン

JXTGエネルギー株式会社

販売代理店契約

石油製品及びその他商品の継続的売買に関する契約

1985年7月1日から継続

㈱イチネン

メンテナンス委託整備工場

自動車メンテナンス委託契約

自動車リース及び自動車メンテナンス受託の車両の車検、法定点検、整備に関する委託契約

契約締結日から向う1ヶ年間とし以降1ヶ年毎の自動更新

 

(2)株式取得に関する契約

①株式会社ゴンドーの株式譲渡契約

 当社は2017年4月5日開催の取締役会において、株式会社ゴンドーの株式を2017年4月27日付で取得することを決議し、2017年4月5日付で株式譲渡契約を締結いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

②昌弘機工株式会社の株式譲渡契約

 当社は2018年1月17日開催の取締役会において、昌弘機工株式会社(2018年4月1日付で株式会社イチネンSHOKOへ商号変更)の株式を2018年1月25日付で取得することを決議し、2018年1月25日付で株式譲渡契約を締結いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

 当社グループにおける研究開発活動は、ケミカル事業においては、連結子会社の株式会社イチネンケミカルズの研究開発センターが主体となって、新商品開発を行っております。2018年3月末時点で研究開発センターは37名、ファインケミカル事業部開発チームは3名、総勢40名のスタッフで構成されております。開発部門については、工業用薬品(燃料添加剤関連研究開発)部門、生産工場用ケミカル関連開発部門、一般消費者向け商品開発部門、表面処理関連開発部門、新規ケミカル開発部門、分析・試験関連部門の6部門でケミカル品の開発に注力しております。また、2017年10月に新しい研究開発センターが完成し、移転を行い、心機一転開発に望むことができました。

 機械工具販売事業においては、連結子会社の株式会社イチネンTASCOの企画開発室技術課が主体となって、新製品開発を行っております。2018年3月末時点で、企画開発室技術課は2名のスタッフで構成されております。また、新製品開発に当たり、必要に応じてグループ内外を問わず協力会社を活用しております。

 合成樹脂事業においては、連結子会社の株式会社イチネンジコーの第三事業部営業部が主体となって、科学計測器・セラミックヒーターの新製品開発を行っております。2018年3月末時点で第三事業部営業部は5名のスタッフで構成されております。

 当社グループを取り巻く諸情勢は年々変化が激しく、社会情勢の変化に対応できる組織が求められている状況です。顧客ニーズに沿った短中期的開発テーマに重点を置きながら、将来を見据えた技術開発が急務と判断しており、中長期的視野での技術開発も検討すべきと考えております。将来の方向性を示すことが研究開発部門の課題であり、時代の要望に沿った研究開発活動を目指しております。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。

 

(1)ケミカル事業

①工業用薬品関連

<燃料添加剤>

 石炭火力に注力し、大きな成果を収めております。顧客のトラブル状況に合わせた薬品の提案を行い、実績を上げながら、添加剤添加による効果をより細かく解析し、より効果的な添加剤の開発に注力しております。当連結会計年度は特にバイオマス発電用のケミカル製品の開発を行い、翌連結会計年度の販売に期待しております。

 

②生産工場用製品関連

<メンテナンス用ケミカル品>

 潤滑剤、切削剤に注力しており、中でも当連結会計年度は食品工場で使用される製品の開発に注力いたしました。工業用とは違い特殊な規格の取得が必要なため、使用原料も安全性の高いものが必要とされます。国際的な認証も取れ、今後の販売に期待しております。また、購買原料の内製化を行い、工場の稼働率アップとコストダウン、顧客のニーズに即対応できる体制も構築いたしました。

<溶接ケミカル製品>

 電解研磨機器の機能をさらに改良し、市場に合った製品の開発を行いました。溶接関連ケミカルにつきましては、使用原料が特定化学物質障害予防規則に該当するなど法規対応が急務の製品が多くなり、溶接トーチの洗浄剤を含め特定化学物質障害予防規則非該当に改良した製品を上市することができました。

<自動車修理工場関係>

 修理工場向けの塩害ガードは当連結会計年度も好調ですが、この製品も特定化学物質障害予防規則に該当することとなり、改良を重ね、非該当製品を上市することができました。また商品のラインアップを増やし、販売に貢献することができました。

 

③コンシューマーケミカル関連

<コンシューマー向け自動車用ケミカル>

 前連結会計年度より営業部門と新商品開発に関するプロジェクトを立ち上げ、市場調査を行いながら商品開発を行いました。その中で数十年ぶりに「クリンビュー」の配合を見直し、姉妹品として市場に投入いたしました。販売店での評判は上々で、一般の顧客に支持され、販売が好調に推移することを期待しております。

 

④表面処理関連

<ケミカル関係>

 インクジェットプリンタ用のフィルムについては、工程の見直しにより、歩留まり向上を図ることができました。またコピー機などのメンテナンスで使用するほこり飛ばしスプレーは、地球温暖係数の非常に小さいより安全なガスを使用し、大容量品で販売を開始いたしました。

<表面処理関連部門>

 ゴム、エラストマー等の難密着素材用コーティング剤、接着剤及び加工技術を顧客仕様で開発を継続しておりますが、製品化にはいたらず、顧客と更なる協力関係を築きながら、市場への投入を目指しております。

<抗菌関係>

 数年前から取り組んでいました抗菌剤を使った開発製品が顧客で採用となり、OEM商品として市販されるようになり、販売に大きく貢献しました。これに関連する製品も新規採用となり今後の販売に期待しております。

 

⑤新規ケミカル開発部門

<新規ケミカル開発部>

 粘土膜を使った無機耐熱コーティングの開発については、前連結会計年度より進展し、顧客の要望に合わせた加工、塗工品サンプルなどの提出先が増え、採用に向けた検討に入っております。また皮膜のミクロ的な解析も行い、皮膜の特性を明らかにすべく検討を進めております。

 なお、当連結会計年度に支出したケミカル事業に係る研究開発費は3億59百万円であります。

(2)機械工具販売事業

 空調・冷凍機器に関するサービスメンテナンス

 空調冷凍機器に採用されているフロン冷媒において、地球温暖化影響の更なる低減を図るため、経済産業省は2016年11月に「高圧ガス保安法」を改正し、僅かに燃焼性を有する代替冷媒候補のR32が特定不活性ガスとして位置付けされました。そのために冷凍保安規則での安全基準が示され、一定規模の冷凍空調機器の設置の際、その技術上の基準において適切な措置として「検知警報設備の設置を講じること」が示されたことにより、将来的にこれらの検知警報設備の需要が高まることを見据え、R32用定置型検知警報器の開発に着手いたしました。本開発製品は、一般社団法人日本冷凍空調工業会が特定不活性ガス用の検知警報器に要求する規格として策定された「JRA4068規格」に適合させ、さらに誤反応検知を防止するため、本来であればコスト高になる赤外線式センサーを独自の方法で低コストにて採用。今後市場投入される代替冷媒を採用した冷凍空調機器の設置に伴い、大きな需要を見込んでおります。

 なお、当連結会計年度に支出した機械工具販売事業に係る研究開発費は11百万円であります。

(3)合成樹脂事業

 科学計測器・セラミックヒーター

 科学計測器では、顧客に安全・安心をご提供するガス検知器として、汎用製品をはじめ特定顧客向けのカスタム対応製品まで、多種多様なタイプの製品開発を行っております。

 セラミックヒーターにおいても、半導体等の製造に使用される工業用ヒーターとして標準品から顧客のご要望に応えたカスタム製品の開発を行っております。このように、臨機応変なカスタム対応可能な点が他メーカーにはない特色となっております。

 なお、当連結会計年度に支出した合成樹脂事業に係る研究開発費は63百万円であります。