第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、最高の品質とサービスで、より多くの顧客に満足を与え、適正な利潤を確保することにより、株主及び従業員に報い、かつ社会に奉仕することを経営の基本理念としております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、企業価値の向上と継続的な成長を確保するため、財務基盤の確立に重点を置いております。経営指標といたしましては、中期的に自己資本比率28%超、自己資本600億円超、営業利益100億円超を重要指標として経営にあたってまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題

 当社グループは、既存事業の強化を進めながら、次代に向けたグループ経営基盤の強化に努め、更に事業領域の枠にとらわれず、幅広く、お客様に「快適さ」をご提供し、社会に貢献できる事業の拡大を目指してまいります。

 

(基本方針)

① グループ一体経営の推進

 当社グループでは、株式会社イチネンホールディングスを純粋持株会社とし、傘下の各事業会社が独立経営を進めながら、グループ一体経営を推進しております。現在、「自動車リース関連事業」、「ケミカル事業」、「パーキング事業」、「機械工具販売事業」、「合成樹脂事業」の各事業を展開しております。また、各事業が連結営業利益の10%以上を稼ぐことを目標としております。

 

② 規模の拡大

 「自動車リース関連事業」では、リース及び自動車メンテナンス受託の台数、契約残高の増加、車両販売の取扱台数の増加、自動車用燃料給油カードの発券枚数及び販売数量の増加、「ケミカル事業」、「パーキング事業」、「機械工具販売事業」、「合成樹脂事業」を含む全てのセグメントにおいて、顧客件数の増加を推進し、規模の拡大を図ってまいります。また、新規事業及び新商品の開発を常に行い、早期立ち上げ、軌道乗せを行ってまいります。

 

③ 業務効率の向上によるコスト削減

 当社グループでは、全てのコストについて常に見直しを実施してまいります。また、管理間接部門の集約により、業務効率を高めるとともにコストダウンを図り、グループの利益・競争力を向上させてまいります。

 

④ 品質の向上

 当社グループでは、商品やサービスについて、更なる品質向上に努めてまいります。

 

⑤ 財務体質の強化

 当社グループでは、不採算事業、不採算取引、非効率な投資の見直しを行い、投資効率の高い事業に経営資源を投下して、投資効率の向上を目指してまいります。また、多様な資金調達手法を活用し、調達コストの削減を進めるとともに、有利子負債の増加を抑制すべく取り組んでまいります。

 

⑥ コーポレート・ガバナンスの強化

 当社グループでは、適時適切な情報開示に努めるとともに、内部統制システムの強化、リスク管理体制の充実を図り、経営環境の変化にも迅速に対応することによって、持続的に企業価値を高めてまいります。

 

 

(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)

 今後のわが国経済は、世界的な金融引締め等に加え、物価上昇、供給面の制約等の下振れリスク、金融資本市場の変動など依然として先行き不透明なものの、ウィズコロナの中で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されております。

 このような状況の中、当社グループは今後も「いちねんで、いちばんの毎日を。」をスローガンに掲げ、既存事業の強化を進めながら、次代に向けたグループ経営基盤の強化に努め、更に事業領域の枠にとらわれず、幅広くお客様に「快適さ」をご提供し、持続可能で豊かな社会の実現に貢献できる事業の拡大を目指してまいります。

 

<自動車リース関連事業>

 リースにおきましては、リース契約車両は小型化傾向にありますが、比較的競合の少ない地方市場及び中小口規模の企業をメインターゲットとして新規販売を積極的に行い、契約台数及び契約残高の増加を図ってまいります。また、購買原価の低減、走行距離に応じた適切な料金設定、メンテナンスコストの抑制並びに車両処分方法の多様化を図り収益向上に努めてまいります。

 自動車メンテナンス受託におきましては、自動車整備業界における整備士の人材不足、後継者問題等を背景とした廃業の増加により整備委託料金が全国的に上昇基調にあります。また、メンテナンスに関連する自動車部品等の価格の上昇が続いており、当社グループも一定のメンテナンスコストの増加を見込んでおります。このような状況の中、当社グループは今後も独自の自動車整備工場ネットワークによる高品質なメンテナンスサービスを強みとするべく、EV等の次世代自動車に対応したメンテナンスサービスネットワークの構築に取り組むとともに、更なる契約台数及び契約残高の増加を図ります。また、走行距離に応じた適切な料金設定とメンテナンスコストの抑制、車両販売における車両の調達方法と販売方法の多様化、取扱台数の増加に注力し収益向上に努めてまいります。車体修理に関する総合管理業務については、法人顧客の新規開拓に一層注力し、収益の拡大を目指してまいります。

 燃料販売におきましては、主に自動車用燃料給油カードにおいて、低燃費車の普及により需要が減少傾向にありますが、既存顧客に対する満足度の追求並びに新規顧客の拡大を図り販売数量の増加に努めてまいります。また、脱炭素社会におけるクリーンエネルギーへの転換を見据え、燃料販売の新たな事業モデルの構築に引き続き取り組んでまいります。

 

<ケミカル事業>

 ケミカル事業におきましては、供給面の制約や原材料価格の上昇が続いていることに加え物流コストも上昇基調である中、販売価格への転嫁を機動的に行うことで利益の確保に努めてまいります。今後も引き続きセールスエンジニアの育成、特定の専門業界への販売に注力しつつ新たなマーケットへの参入を試み、新製品の開発及び既存製品・商品のリニューアル等、商品開発力の強化及び品質向上に取り組みながら付加価値の高い商品の販売に注力いたします。また、汎用樹脂向けバイオマス添加剤等の脱炭素社会を見据えた製品開発及び販売を一層強化し、国内・海外を問わず販売先・販売数量の拡大を目指してまいります。

 

<パーキング事業>

 パーキング事業におきましては、2023年4月に実施した株式会社イチネンパーキングと株式会社オートリの統合を機に、営業ノウハウの共有や部材調達の一元化等を加速することで経営の効率化を実現し、収益力の強化に繋げてまいります。また、中長期的にグループの基盤事業の一つとして安定した収益基盤を築くため、引き続き営業力を強化し、駐車場数の拡大を図るとともに、キャッシュレス決済やフラップレス駐車場の導入促進等により他社との差別化を図り、既存駐車場の売上拡大に努めてまいります。

 

<機械工具販売事業>

 機械工具販売事業におきましては、供給面の制約や原材料価格の上昇が続いていることに加え物流コストも上昇基調である中、販売価格への転嫁を機動的に行うことで利益の確保に努めてまいります。今後も引き続き取扱アイテムの拡充及び自社オリジナル製品の開発・販売力を強化するとともに、脱炭素社会に向けた商品等の取り扱い品目を拡大し、国内外のマーケットシェアの拡大を目指してまいります。また、事業セグメント内で重複する機能を集約することによる経営の効率化や、商品一括仕入機能の強化による商品調達コストの軽減、適正な在庫水準の実現、製造部門における国内外工場の生産体制の最適化による原価低減、物流の内製化等の取り組みを更に進め、当事業の課題である収益性の改善に注力してまいります。更にネット販売については、特定のカテゴリに特化した特色ある自社サイトの構築に注力し、売上規模の拡大及び収益性の向上に取り組んでまいります。

 

<合成樹脂事業>

 合成樹脂事業におきましては、遊技機メーカーへの合成樹脂製品の販売において、次世代型遊技機向けの部材開発や、リサイクル材を採用した部材等の技術開発、提案力の強化に注力することで新規案件の受注拡大を図るとともに、品質改善に努めてまいります。また、ガス検知器・セラミックヒーターの販売については、シェアの拡大により業界の標準メーカーとなることを目指し、開発・製造・販売・メンテナンス部門の強化を推進してまいります。また、新たな収益の柱を構築するため、これまでに培った合成樹脂のリサイクル技術をベースに、環境負荷の低い樹脂製品の開発・販売等、脱炭素社会に向けた新商材の採用、新製品の開発に注力いたします。

 

<その他事業>

 その他事業のガラス加工事業におきましては、販売力・技術力・生産力を高め、業界における優位性・独自性のある企業経営を追求し、新たな技術や製品開発、市場開拓に取り組んでまいります。また、需要が高まる安全ガラスや機能性ガラスの生産体制を強化するなど、収益性の改善に向けた取り組みを推進してまいります。

 その他事業の農業におきましては、2022年9月より高知県南国市に新たに開設した「南国農場」に続く、新たな大規模農場の開拓により事業規模の拡大を図ってまいります。また、課題である販売単価の向上を実現するため、安定した収穫量及び出荷数量を維持することによる市場からの信頼獲得、販売ルートの多様化による直販比率の向上、バイオスティミュラント資材等の導入による収穫量拡大に向けた試作、農作物の加工品開発による6次産業化の推進等、収益性の改善に向けた取り組みを推進してまいります。

 また、生産に係る各種コストの低減を図るため、栽培ハウス内の温度管理の徹底による燃油代の削減、作業時間短縮を目的とした農業用機器の導入による人件費の削減、選果料等の外部委託業務に係る手数料の削減交渉等の取り組みを並行して進めてまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります

 

1.サステナビリティに関するガバナンス、リスク管理、戦略、指標及び目標

(1)ガバナンス

 当社グループは、地球環境問題が地域・世代を超えて社会全体に関わる問題であることを理解し、地球環境と事業活動との密接な関わりをよく認識の上、地球環境保全と持続可能な発展のため、「環境方針」を定めております。

 気候変動に関する課題に対しては、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会及びTCFD分科会を中心に課題の抽出や対策の議論を行い、それらを取締役会で監視・評価・管理する体制を構築しており、グループの経営戦略やリスク管理に適切に反映してまいります。

 

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(2)戦略

≪シナリオ分析≫

 シナリオ分析においては、「1.5℃/2℃」「4℃」の複数シナリオについて検証を実施しました。パリ協定目標(注)の達成と脱炭素社会の実現を見据え、1.5℃シナリオを中心に2℃シナリオを想定したイチネングループの事業への影響について開示いたします。

 

各気候シナリオで想定した2050年の世界像

セグメント

1.5℃/2℃シナリオ

自動車リース関連

・先進国を中心に内燃機関車両(主にガソリン車、ディーゼル車など)の使用制限。

・次世代車両(EV、FCVなど)の普及により、GHGを排出しない移動体の主体化(パワートレインの変化)。

ケミカル

・自動車のEV化(主にエンジン部品点数の減少)。

・再生可能エネルギーによる発電の拡大(化石燃料発電施設は大幅に減少)。

・バイオマス由来プラスチック製品・植物由来原料を使用した製品の増加。

パーキング

・業界全体で低炭素化を新たな競争軸とした不動産の資産価値変化。

・低炭素に優れた不動産のニーズの拡大、不動産の運用における収益構造の変化。

機械工具販売

・車両、建機のEV化。

・CO2回収、フロン再生破壊関連技術に関する産業の拡大(特にアジアではフロン再生関連ビジネスが進展中)。

・再生エネルギーを活用した生産活動の普及。

合成樹脂

・「プラスチック資源循環促進法」施行に伴う化石燃料由来製品に対する規制強化。

・プラスチックリサイクル技術の高度化。

その他

・ZEB/ZEH化、ビル・住宅の省エネ・創エネ化が急速に進展(内外装窓の高遮熱・高断熱化あるいは小面積化)。

・省エネ・創エネ効果が見込まれる新たな各種産業用ガラスニーズの顕著化。

(注)パリ協定目標・・・世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに1.5℃に抑える努力を追求する。

≪気候変動リスク・機会≫

 事業活動に影響を与えると想定される気候変動リスク・機会について特定し、財務インパクトの評価を実施し、その評価結果を踏まえ、特に影響の大きいリスクの軽減又は機会の獲得に向けた対応策を検討しております。

区分

セグメント

社会の変化

主要なリスク・機会

主要な対応

影響度

移行リスク

自動車リース関連

自動車パワートレインの変化

燃料販売減少による収益減少、自動車整備の変化と収益減少

EVソリューションの最適化に向けた新サービス、新商品の開発、自動車整備ネットワークの拡充

ケミカル

原料等の脱炭素化、規制強化

原料・資材等の調達難・原価上昇

製品の処方変更、容器等の素材、荷姿の変更

パーキング

モビリティの電動化

シェアリングエコノミーの進展による自動車保有台数減少に伴う駐車場稼働率の減少

駐車場稼働率を改善する目的で、EV充電設備を備えた駐車場運営ビジネスを展開

機械工具販売

モビリティの電動化

部品業界のシュリンク、化石燃料車の維持費高騰等による車離れが加速

電動車(ゼロエミッション車)対応部品商材の拡充リビルト・リサイクル製品の拡充

合成樹脂

プラスチックに係る規制強化

リサイクル樹脂の原料となるプラスチックの入手困難

調達ルートの多様化(新規開拓)

その他

脱炭素製品やサービスへの切替

脱炭素社会に適合した製品の開発や展開の遅延

素板の高遮(断)熱化と低炭素化シフト、バイオ樹脂等の低環境負荷素材の製品への導入検討

物理リスク

自動車リース関連

平均気温の上昇

エアコン故障、タイヤバースト等の自動車メンテナンスコストの増加

計画整備の充実

ケミカル

平均気温の上昇

災害による工場・物流(委託先含む)の操業停止

BCP・サプライチェーンマネジメントの強化

パーキング

平均気温の上昇

風水害による駐車場設備損害の増加や事業停止リスクの増大

洪水リスクが高い河川の近くに立地している駐車場の浸水被害等への対策

機械工具販売

平均気温の上昇

積雪減少による冬季商材市場の縮小

夏季商材(暑熱商材)の拡充と新製品の開発

合成樹脂

平均気温の上昇

災害による工場・物流(委託先含む)の操業停止

サプライチェーンマネジメントの強化(国内外問わず)

その他

平均気温の上昇

工場操業や営業活動の停止

高強度・高信頼性の安全ガラス製品の展開

区分

セグメント

社会の変化

主要なリスク・機会

主要な対応

影響度

移行機会

自動車リース関連

自動車パワートレインの変化

次世代車両の増加(EV、FCVなど)

EVソリューションの最適化に向けた新サービス、新商品による収益の拡大

ケミカル

自動車のEV化・電力の燃料転換

EV向けケミカル製品の需要拡大、バイオマス・アンモニアを燃料とした発電設備の拡大

EV車に適した洗浄剤・潤滑剤等の開発、バイオマス燃料添加剤の展開・アンモニア等の新燃料向けの添加剤の開発

パーキング

環境配慮型パーキングサービス

キャッシュレス化、フラップレス駐車場導入推進

集金作業の見直しによる回収コスト削減(巡回に掛かるCO2削減)、鉄使用量減による省資源

機械工具販売

自動車パワートレインの変化

次世代車両対応商材の開発、拡販

PB商品開発、車体構造変化(樹脂化)に対応した工具の開発による収益の拡大

合成樹脂

循環型社会実現へのニーズ増加

リサイクル樹脂に関連する事業の拡大

プレコンシューマリサイクル製品の販売拡大、ポストコンシューマリサイクルを見据えた製品開発

その他

脱炭素製品やサービスへの切替

脱炭素化社会に適合した製品ニーズが高まる

素板の高遮(断)熱化と低炭素化シフト

物理機会

自動車リース関連

平均気温の上昇

ESG投資等の資金調達が有利になる

低炭素環境型の事業に移行

ケミカル

平均気温の上昇

暑熱対策関連事業の拡大

冷感・消臭・抗菌・防カビ製品の拡販

パーキング

平均気温の上昇

災害に強い駐車場の需要が増加する

災害時に避難場所にもなる駐車場の開発

機械工具販売

平均気温の上昇

環境配慮型製品の市場拡大

脱炭素型&防災商品としてポータブル電源の開発

合成樹脂

平均気温の上昇

災害の早期復旧に資するガス検知器の販売拡大

災害に伴うガス漏れ対処に有効な検知器の拡販

その他

平均気温の上昇

生産設備やインフラへの強靭化ニーズの高まり

高強度、高信頼性の安全ガラス製品の展開

(注) 事業利益にもたらす影響の大きさにより、影響度を「大」「中」「小」の3段階に分類しました。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、「グループリスク管理規程」に基づき、気候変動に伴うリスクを特定・認識し、適切な管理を行ってまいります。併せて、事業を通じた環境問題解決への貢献、GHG排出量削減などをステークホルダー、当社グループいずれにとっても極めて重要性が高いものと考え、「指標及び目標」に掲げる数値目標を検討してまいります。

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(4)指標及び目標

 気候関連リスク・機会を管理するための指標として温室効果ガス(Scope1・2)排出量を指標と定め、中長期的な温室効果ガス排出量削減目標を設定し、目標達成に向けて取り組んでおります。

項目

2017年度実績

(基準年度)

2022年度実績

(2017年度比)

目標年

目標値

(2017年度比)

Scope1・2

18,216トン

15,909トン

(12.7%削減)

2030年度

12,750トン

(30%削減)

 なお、Scope3については、当社グループの長期的な経営計画及び事業構成等も含めて現在検討を進めており、開示可能となった段階で改めて開示させていただきます。

≪現状の取組≫

取組内容

具体的な方策

省エネルギー設備への切替え

事務所及び運営する駐車場のLED化

製造部門の作業工程の見直し

≪今後の取組≫

取組内容

具体的な方策

再生可能エネルギーの導入

工場、農園、事務所屋上へ太陽光の設置を検討

省エネルギーの導入

工場、事務所、倉庫、屋外等のLED化

設備や社有車の電化

生産設備を電化設備へ切替、社有車をEV車やHV車へ切替

 

2.人的資本・多様性に関する戦略、指標及び目標

(1)戦略

 当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、次のとおりであります。

 

①価値創造の基盤になり得る”人財”の育成と組織風土の醸成

 当社グループは、社員一人ひとりの努力と挑戦により人財価値を高めることでグループの企業価値を高めることを目指しております。その為に社員を大切にし、社員の自律的な成長を積極的に支援し、『社会の変化、自社の変化を理解し、その対応策を考え実行していくことのできる人財』を採用・育成・処遇し続けます。社員一人ひとりが自ら、「努力」し、成長に「挑戦」し続け、社員自身・社員の家族・お客さま、全てのステークホルダーと「信頼関係」を築き「満足」を与えることで、強いイチネングループをつくります。

 また、社員がその多種多様な強みを発揮できるよう安全で快適な職場環境を追求し、心身の不安なく安心して働いていける組織風土の構築を目指しwell-beingを実現させてまいります。

 

 

≪教育制度および人材育成≫

 社員の自律的な成長を助成する枠組みとして、資格取得を目指す社員に費用補助を行い積極的に支援しております。教育制度としては、各年代、階層別に体系的な研修制度を用意し、イチネングループの将来を牽引する次世代の経営を担う人材の育成や、将来を担う若手社員のキャリア形成・開発の実現に向けた取り組みを進めております。また、今後のグローバルな事業展開に対応できる人材の育成を目的に、当社グループ 「グローバル人材育成プラン」を新たに導入いたしました。

 

②ダイバーシティ&インクルージョンの推進

 当社グループは、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを推進し、多種多様な価値観(性別、年齢、国籍、宗教、社会的身分、障がいの有無、性的指向・性自認、働き方等)を受け入れることで個人の能力を最大限に活かし、新しいイノベーションを生み出すことで組織活性化を推進させてまいります。経済価値を向上させることで社会へ貢献するとともに当社グループの持続的な成長サイクルを実現させてまいります。

 

③環境整備の取り組み

 当社グループは、労働災害がなく安全で、心身の不安なく安心して働ける環境の整備に力を入れ、快適で働きがいのある職場づくりを推進しております。主として、ワークライフバランスを推進しており、5日間の連続休暇を取得することで、土日を含めた9日間連続休暇を取得することを推奨しております。また、人権を侵害し、職場環境を著しく害する行為の一切を撲滅することを目的として、グループ各社の管理職を対象にしたハラスメント研修を実施し、併せてグループ全社員に対してはセルフケア研修を実施しております。

 

(2)指標及び目標

 人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載のとおりであります。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)金利変動リスク

 当社グループのコア事業である自動車リース関連事業における自動車リースにおいては、その取引の特性から有利子負債により多額の資金調達を行っているため、金利が上昇した場合、資金調達コストが増加し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため、当社グループでは金利上昇リスク等について常に分析・検討を行い、その結果に基づき財務戦略を立案・執行し、金利動向を踏まえた最適な調達を行っております。

 また、変化の激しい資金調達環境の中、内部留保の充実による企業体質の更なる強化を図り、格付の維持・向上に取り組んでおり、徹底したリスク管理の実践と資金調達コストの低減を図っております。

回次

第57期

(2019年3月期)

第58期

(2020年3月期)

第59期

(2021年3月期)

第60期

(2022年3月期)

第61期

(2023年3月期)

売上高

(百万円)

87,773

98,715

112,618

120,644

127,822

売上原価

(百万円)

67,519

76,407

87,791

93,910

100,001

(資金原価)

(百万円)

(326)

(295)

(308)

(325)

(328)

売上総利益

(百万円)

20,254

22,307

24,827

26,733

27,820

営業利益

(百万円)

6,272

6,877

7,516

8,623

8,861

経常利益

(百万円)

6,346

6,948

7,513

8,728

9,102

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

5,127

4,426

3,015

5,646

5,923

 

回次

第57期

(2019年3月期)

第58期

(2020年3月期)

第59期

(2021年3月期)

第60期

(2022年3月期)

第61期

(2023年3月期)

短期借入金

(百万円)

4,300

6,720

8,300

4,350

4,300

コマーシャル・ペーパー

(百万円)

4,000

3,000

3,500

3,500

3,500

1年内償還予定の社債

(百万円)

143

260

5,260

260

5,260

1年内返済予定の長期借入金

(百万円)

13,063

15,777

20,856

20,042

20,571

社債

(百万円)

10,000

12,010

6,750

16,490

11,230

長期借入金

(百万円)

44,968

47,955

51,991

52,386

51,568

小計<A>

(百万円)

76,475

85,722

96,657

97,029

96,429

総資産<B>

(百万円)

130,015

149,228

161,948

168,507

171,888

<A>/<B>

(%)

58.8

57.4

59.7

57.6

56.1

(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第60期の期首から適用しており、第60期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2)与信リスク

 当社グループの自動車リース関連事業におけるリース取引では、リース期間が比較的長期(3~5年程度)にわたることから、景気変動やその他の事由によって取引先の業績悪化や倒産を招き、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 これにつきましては、取引開始時等に厳格に審査を行い、取引先毎に与信限度額を設けるとともに、取引開始後についても随時業況を注視の上必要な対応を行う等、与信管理体制を整えており与信リスクの極小化を目指しております。

 また、当社グループの他の取引におきましても、取引金額の大きな取引先の業績悪化や倒産などにより、当社グループの経営成績に影響を与える場合があります。

 これらにつきましても、取引内容に即した与信管理規程を策定し、与信限度額を設けるなどの与信管理体制を整え、リスクの極小化に努めております。

(3)制度変更リスク

 当社グループは、現行の法律・税務・会計等の制度や基準をもとに自動車リース関連事業を始めとする各事業を展開しております。これらの諸制度や基準が将来大幅に変更された場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループにおいては、諸制度や基準の変更に備え、様々な情報収集及び検討を行っておりますが、その中でも国際財務報告基準(IFRS:International Financial Reporting Standards)の適用が義務化された場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原油価格変動によるリスク

 当社グループでは、原油の市況変動が以下の各事業の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 自動車リース関連事業のリース及び自動車メンテナンス受託においては、原油を主原料とするタイヤ・エンジンオイル等のメンテナンス消耗部品の仕入価格が上昇した場合に、メンテナンス原価が上昇することによって、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、同事業の燃料販売においては、ガソリン・重油等の仕入価格の上昇に対して販売価格の改善が図れなかった場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 ケミカル事業においては、原油を主原料とする原材料等の仕入価格の上昇に対して、製品販売価格の改善が図れなかった場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループ各事業においては、随時仕入価格の変動状況を注視して販売価格の決定を行っており、原油価格変動によるリスクを最小限に抑えるよう努めております。

(5)競合に関するリスク

 当社グループの主要取引である自動車リースは、数多くの同業他社との競争下にあります。当社グループは他の大手オートリース会社の主要顧客とは異なり、中小口規模の企業を主なターゲットとしております。また、メンテナンスにおける強みを活かしたサービスにより、同業他社との差別化を図っております。

 しかしながら、今後当社グループの顧客層への新規参入及び競合他社との過度な価格競争等が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)流動性及び資金調達に関するリスク

 当社グループは、事業資金を主に金融機関からの借入や資本市場からの調達(社債、コマーシャル・ペーパー等)によって賄っております。当社グループではコミットメントライン枠の設定等適切な対応策を講じておりますが、金融市場に混乱が生じる、又は銀行の貸出姿勢の変化等により、資金の安定的な確保が難しくなる場合は、新規契約の縮小等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)残価リスク

 当社グループのリースのほとんどは自動車リースであり、契約満了後の自動車については中古車市場で売却を行っております。契約当初の自動車の見積残価は、過去及び現在の中古車市場の動向を勘案し、適切でなおかつ保守的な見積残価を設定しております。しかし、中古車市場の状況によっては、実際の処分額と想定した価額との差が大きくなり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)遊技機業界に対する法的規制、自主規制について

 当社グループの合成樹脂事業が行っている遊技機メーカーへの合成樹脂製品の販売は、直接的に法的規制を受けておりませんが、遊技機メーカーは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、「国家公安委員会規則」(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)による法的規制を受けています。また、当社の製品の最終ユーザーである遊技場は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の許認可及び「都道府県条例」の規制を受けています。さらに、過度な射幸性を抑制する目的から、遊技機メーカー、遊技場、販売業者に対して業界団体が自主規制を行う場合があります。

 これら規制により遊技機の需要が変化することに伴い、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)為替リスク

 当社グループのケミカル事業及び機械工具販売事業におきましては、外貨建での輸入仕入取引があります。

 当社グループは、為替予約等による為替リスクヘッジに努めておりますが、急激な為替レートの変動が、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)M&A及び新規事業への参入に係るリスク

 当社グループは、コア事業の規模の拡大、又は現在のコア事業以外の分野で柱となる事業を育成すべく、新規事業への進出を含めたM&Aを推進しております。M&Aにあたっては、一定期間の収益の合計額がのれんの金額を上回ることが見込まれ、M&A実行の直後から当社グループの経営成績に寄与することが見込まれること等を事前に精査した上で対象先の選定を行っておりますが、当初想定した効果を生まない可能性があります。また、そのような場合はのれんの減損処理等が発生することで、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)海外への事業展開に係るリスク

 当社グループは、海外において事業を展開しているため、海外子会社の進出国における政情、経済、法規制、租税制度及びビジネス慣習等の進出国固有の影響により、事業の遂行が継続困難になった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)品質に関するリスク

 当社グループは、品質管理には万全を期しておりますが、万が一、製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が発生した場合は、多額のコストが発生し、当社グループに対する評価に重大な影響を与え、それにより当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)気候変動リスク

 当社グループでは、地球温暖化をはじめとした世界的な気候変動がもたらす大規模災害による被害や原材料・製商品等の物品調達への影響により、当社グループの事業活動に影響を及ぼされる可能性があります。また、気候変動に対する規制強化や制度変更により、原材料、エネルギー等様々なコストが上昇する可能性があり、これらが当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループでは、気候変動に伴うリスクに対しては、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会を中心に課題の抽出や対策の議論を行い、それらを取締役会が監視・評価・管理する体制を構築しており、当該リスクに適切に対応してまいります。

 

(14)その他

 当社グループでは、事業運営上、事務処理ミス、不正行為、法令違反、システムダウン、システム障害、情報流出、災害の発生、風評の発生、テロや戦争など世界情勢の変化、人材の確保及び育成、労働安全衛生に係る問題、サプライチェーン上の人権等様々なリスクがあることを認識しております。当社グループは、それらのリスクに対しできる限り回避あるいは低減するよう適切な管理に努めております。しかしながら、当社グループが事業を遂行するに当たり、これらのリスクは、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナの中で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されておりましたが、世界的な金融引締め等に加え、物価上昇、供給面の制約等の下振れリスク、金融資本市場の変動など依然として先行き不透明な状態が続いております。

 このような状況の下、当社グループは「いちねんで、いちばんの毎日を。」をスローガンに掲げ、最高の品質とサービスでより多くのお客様に満足をご提供し、適正な利潤の確保によりステークホルダーに報い、社会に貢献できる企業を目指しております。

 基盤事業である自動車リース関連事業を中心に、ケミカル事業、パーキング事業、機械工具販売事業、合成樹脂事業を展開しており、これら既存事業の強化を進めながら、事業領域の枠にとらわれない新規事業への参入、規模拡大を目的とした積極的なM&A、海外展開にも挑戦しております。

 

 当連結会計年度の連結売上高は1,278億22百万円(対前期比5.9%増)、営業利益は88億61百万円(対前期比2.8%増)、経常利益は91億2百万円(対前期比4.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は59億23百万円(対前期比4.9%増)となりました。

 

 各セグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、下記のセグメント別売上高は、内部売上高消去前の金額であります。

<自動車リース関連事業>

 リースにおきましては、リース契約車両は依然として小型化傾向にありますが、国内のリース車保有台数は堅調な伸びを維持しており、市場は緩やかながら拡大傾向にあります。当社グループは、地域密着のきめ細やかなサービスで競合他社との差別化を図りながら、比較的競合の少ない地方市場及び中小口規模の企業をメインターゲットとして新規販売を積極的に行うとともに、既存顧客との更なる取引深耕に努めました。

 これらの結果、2023年3月末現在リース契約台数は93,190台(対前期末比3,217台増)となり、リース契約高は380億81百万円(対前期比4.1%増)、リース未経過契約残高は856億71百万円(対前期末比2.0%増)となりました。

 自動車メンテナンス受託におきましては、当社グループ独自の自動車整備工場ネットワークによる高品質なメンテナンスサービスを強みとしながら、更なる契約台数、契約残高の増加に努めましたが、メンテナンス受託契約台数は81,938台(対前期末比1,037台減)となり、メンテナンス受託契約高は61億5百万円(対前期比5.5%減)、メンテナンス未経過契約残高は84億37百万円(対前期末比2.2%減)となりました。

 燃料販売におきましては、主に自動車用燃料給油カードにおいて、低燃費車の普及により需要が減少傾向にありますが、既存顧客へのサービス向上並びに新規顧客の獲得に注力いたしました。

 販売面では、リースは契約台数が順調に推移いたしました。また、燃料販売も販売数量が順調に推移いたしました。

 損益面では、主力である自動車リースの販売が増加したことに加え、車両処分の販売単価が上昇したことにより利益が増加いたしました。また、燃料販売の仕入価格が安定したことにより利益が増加いたしました。

 この結果、売上高は592億93百万円(対前期比10.1%増)、セグメント利益は62億69百万円(対前期比19.6%増)となりました。

<ケミカル事業>

 ケミカル事業におきましては、住みよい地球環境と人々の暮らしの向上に貢献するべく、商品開発力の強化及び品質向上に取り組むとともに、付加価値の高い商品の販売に注力いたしました。

 販売面では、化学品関連の自動車整備工場向けケミカル製品及び機械工具商向けケミカル製品の販売並びに工業薬品関連の燃料添加剤の販売は順調に推移いたしました。一方、工業薬品関連の石炭添加剤の販売並びに一般消費者向けケミカル製品の販売は減少いたしました。

 損益面では、急激な円安の進行及び原材料価格の上昇の影響により利益が減少いたしました。

 この結果、売上高は118億85百万円(対前期比2.7%増)、セグメント利益は10億29百万円(対前期比15.2%減)となりました。

 

<パーキング事業>

 パーキング事業におきましては、安全・安心・清潔で利用しやすい駐車場をお客様にご提供するべく、「OnePark」のブランド名でコインパーキングや来客用駐車場を全国に展開しているほか、病院や官公庁及び商業施設に附帯する駐車場の運営管理も行っております。中長期的に安定した収益基盤を築くため、更なる駐車場数の拡大に努めた結果、2023年3月末現在駐車場管理件数は1,833件(対前期末比117件増)、管理台数は37,326台(対前期末比176台増)となりました。

 販売面では、新規駐車場の開発が順調に進み、また、既存駐車場の継続的な収益改善活動の効果もあり、販売が増加いたしました。また、前連結会計年度に新たに連結子会社となった株式会社オートリが販売増加に寄与いたしました。

 損益面では、販売増加の影響により利益が増加したことに加え、前連結会計年度に新たに連結子会社となった株式会社オートリが利益の増加に寄与いたしました。

 この結果、売上高は69億17百万円(対前期比24.2%増)、セグメント利益は9億54百万円(前期は4億73百万円のセグメント利益)となりました。

 

<機械工具販売事業>

 機械工具販売事業におきましては、プロ向けや個人向けの各種工具類、自動車部品、産業・建設機械部品など幅広い商材を取り扱っており、自社でインターネット通販も展開しております。更なる事業規模の拡大並びに収益性の向上を実現させるため、取扱アイテムの拡充、自社オリジナル製品の開発・販売の強化、商品調達コスト及び物流コストの低減に努めました。

 販売面では、自動車部品及び産業資材並びに産業機械部品等の販売は順調に推移いたしました。

 損益面では、急激な円安の進行の影響により利益が減少いたしました。

 この結果、売上高は364億27百万円(対前期比3.3%増)、セグメント利益は5億25百万円(対前期比24.0%減)となりました。

 

<合成樹脂事業>

 合成樹脂事業におきましては、遊技機部品の製造・販売を行う主力の遊技機部品事業を中心に、新規顧客の拡大及び新商品の開発を図り、同時に品質改善にも努めてまいりました。

 販売面では、前期に遊技機の新基準機への移行に伴う入替需要が増加したことの反動により、遊技機メーカーへの合成樹脂製品の販売が大幅に減少いたしました。また、科学計測器の販売は前期並みに推移いたしましたが、半導体実装装置メーカー等へのセラミックヒーターの販売は減少いたしました。

 損益面では、上記要因における販売減少の影響により利益が減少いたしました。

 この結果、売上高は122億76百万円(対前期比13.6%減)、セグメント利益は1億61百万円(対前期比85.7%減)となりました。

 

<その他>

 その他事業の農業におきましては、経営を軌道に乗せるべく継続して栽培ノウハウの蓄積を進めるとともに、新しい販路の開拓及び6次産業化に向けた検討・研究等、収益化に向けた取り組みを行ってまいりました。

 販売面では、農業において、農作物の販売数量が減少いたしましたが、販売単価は上昇いたしました。また、前連結会計年度に新たに連結子会社となった新光硝子工業株式会社及び新生ガラス株式会社が販売増加に寄与いたしました。

 損益面では、農業において、高知県南国市に新たに開設した「南国農場」の開設費用等の経費が増加いたしましたが、既存農場における販売単価の上昇等の要因により、前期比では損失幅が縮小いたしました。また、前連結会計年度に新たに連結子会社となった新光硝子工業株式会社及び新生ガラス株式会社が利益の増加に寄与いたしました。

 この結果、売上高は21億28百万円(対前期比84.9%増)、セグメント損失は99百万円(前期は1億39百万円のセグメント損失)となりました。

 

 各セグメントの売上高の推移は下記のとおりであります。

回次

第59期

(2021年3月期)

第60期

(2022年3月期)

第61期

(2023年3月期)

自動車リース関連事業

(百万円)

51,511

53,606

59,039

ケミカル事業

(百万円)

10,688

10,992

11,264

パーキング事業

(百万円)

5,086

5,571

6,917

機械工具販売事業

(百万円)

33,818

35,126

36,202

合成樹脂事業

(百万円)

11,212

14,194

12,269

報告セグメント計

(百万円)

112,317

119,493

125,694

その他

(百万円)

301

1,151

2,128

(百万円)

112,618

120,644

127,822

(注)売上高については、セグメント間の内部売上高消去後の金額を記載しております。

 当社グループの財政状態は下記のとおりであります。

 

<資産の状況>

 当連結会計年度末における流動資産の残高は765億67百万円となり、前連結会計年度末残高718億6百万円と比べて47億60百万円増加いたしました。これは「現金及び預金」の減少8億84百万円、「電子記録債権」の増加8億67百万円、ファイナンス・リース取引の契約増加による「リース投資資産」の増加24億53百万円、販売計画に基づく在庫確保等による「商品及び製品」の増加7億40百万円、「原材料及び貯蔵品」の増加5億99百万円、未収還付法人税等の増加等による流動資産「その他」の増加5億89百万円が主な要因であります。

 固定資産の残高は952億79百万円となり、前連結会計年度末残高966億38百万円と比べて13億59百万円減少いたしました。これは減価償却費がオペレーティング・リース取引の契約増加を上回ったことによる「賃貸資産」の減少10億24百万円、「建物及び構築物」の減少3億56百万円、償却による「のれん」の減少2億46百万円、「ソフトウエア」の増加2億88百万円が主な要因であります。

 繰延資産の残高は42百万円となり、前連結会計年度末残高61百万円と比べて19百万円減少いたしました。

 以上の結果、資産合計は当連結会計年度末残高1,718億88百万円となり、前連結会計年度末残高1,685億7百万円と比べて33億80百万円増加いたしました。

 

<負債の状況>

 当連結会計年度末における流動負債の残高は573億47百万円となり、前連結会計年度末残高526億29百万円と比べて47億18百万円増加いたしました。これは「支払手形及び買掛金」の減少5億25百万円、「電子記録債務」の増加8億96百万円、「1年内償還予定の社債」の増加50億円、「1年内返済予定の長期借入金」の増加5億28百万円、「未払法人税等」の減少9億72百万円が主な要因であります。

 固定負債の残高は661億65百万円となり、前連結会計年度末残高722億4百万円と比べて60億39百万円減少いたしました。これは「社債」の減少52億60百万円、「長期借入金」の減少8億18百万円が主な要因であります。

 以上の結果、負債合計は当連結会計年度末残高1,235億13百万円となり、前連結会計年度末残高1,248億34百万円と比べて13億20百万円減少いたしました。

<純資産の状況>

 当連結会計年度末における純資産合計は483億75百万円となり、前連結会計年度末残高436億73百万円と比べて47億1百万円増加いたしました。これは「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上による「利益剰余金」の増加59億23百万円、配当金の支払による「利益剰余金」の減少11億52百万円が主な要因であります。

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より9億6百万円減少し、99億84百万円となりました。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

 営業活動によるキャッシュ・フローは、27億16百万円(前期は50億93百万円)となりました。これは主に、「税金等調整前当期純利益」が89億83百万円になったこと、オペレーティング・リース取引の契約増加により「賃貸資産の純増減額(△は増加)」が△140億79百万円になったこと、「減価償却費」が172億42百万円になったこと、「のれん償却額」が2億46百万円になったこと、「売上債権の増減額(△は増加)」が△9億99百万円になったこと、「棚卸資産の増減額(△は増加)」が△12億39百万円になったこと、「仕入債務の増減額(△は減少)」が4億20百万円になったこと、ファイナンス・リース取引の契約増加により「リース投資資産の純増減額(△は増加)」が△29億93百万円になったこと、「その他の資産・負債項目の増減額」が△2億42百万円になったこと、「法人税等の支払額」が△47億40百万円になったことによるものであります。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

 投資活動によるキャッシュ・フローは、△18億60百万円(前期は△46億71百万円)となりました。これは主に、「有形及び無形固定資産の取得による支出」が△17億69百万円になったことによるものであります。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

 財務活動によるキャッシュ・フローは、△17億78百万円(前期は△15億43百万円)となりました。これは主に、「借入れによる収入」215億円が、「借入金の返済による支出」△218億39百万円、「社債の償還による支出」△2億60百万円及び「親会社による配当金の支払額」△11億52百万円を下回ったことによるものであります。

 当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

回次

第59期

(2021年3月期)

第60期

(2022年3月期)

第61期

(2023年3月期)

自己資本比率

24.5%

25.9%

28.1%

時価ベースの自己資本比率

20.2%

18.5%

17.7%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

30.6年

(4.5年)

19.1年

(4.7年)

35.5年

(5.7年)

インタレスト・カバレッジ・レシオ

40.9倍

(277.3倍)

150.2倍

(605.5倍)

51.1倍

(316.1倍)

(注)各指標の計算式は、以下のとおりであります。

自己資本比率            … 自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率      … 株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率 … 有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ  … 営業キャッシュ・フロー/利払い

※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

※株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。

※営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

※キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローから賃貸資産の取得による支出等の影響額を除いて算出した数値を( )内に記載しております。

③生産、受注及び販売の実績

<全セグメントの状況>

a.生産実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

自動車リース関連事業

(百万円)

ケミカル事業

(百万円)

5,004

5,443

108.8

パーキング事業

(百万円)

機械工具販売事業

(百万円)

2,294

2,749

119.8

合成樹脂事業

(百万円)

11,399

9,885

86.7

報告セグメント計

(百万円)

18,698

18,078

96.7

その他

(百万円)

799

1,406

175.8

合計

(百万円)

19,497

19,484

99.9

(注)1.金額は製品製造原価ベースで記載しております。

2.当連結会計年度においてその他事業の生産実績が著しく増加しているのは、2021年10月に新光硝子工業株式会社及びその子会社1社を子会社化したことに伴うものであります。

 

b.仕入実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

自動車リース関連事業

(百万円)

15,640

19,099

122.1

ケミカル事業

(百万円)

2,056

2,142

104.2

パーキング事業

(百万円)

3,927

4,671

118.9

機械工具販売事業

(百万円)

27,065

27,770

102.6

合成樹脂事業

(百万円)

報告セグメント計

(百万円)

48,689

53,683

110.3

その他

(百万円)

97

202

207.3

合計

(百万円)

48,787

53,886

110.5

(注)当連結会計年度においてその他事業の仕入実績が著しく増加しているのは、2021年10月に新光硝子工業株式会社及びその子会社1社を子会社化したことに伴うものであります。

 

 

c.販売実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

自動車リース関連事業

(百万円)

53,606

59,039

110.1

ケミカル事業

(百万円)

10,992

11,264

102.5

パーキング事業

(百万円)

5,571

6,917

124.2

機械工具販売事業

(百万円)

35,126

36,202

103.1

合成樹脂事業

(百万円)

14,194

12,269

86.4

報告セグメント計

(百万円)

119,493

125,694

105.2

その他

(百万円)

1,151

2,128

184.8

合計

(百万円)

120,644

127,822

105.9

(注)1.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。

2.金額については、セグメント間の内部売上高消去後の金額を記載しております。

3.当連結会計年度においてその他事業の販売実績が著しく増加しているのは、2021年10月に新光硝子工業株式会社及びその子会社1社を子会社化したことに伴うものであります。

 

<自動車リース関連事業セグメント(リース)の状況>

a.リース契約の実行高

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

輸送用機器

(百万円)

35,750

35,779

100.1

その他

(百万円)

844

2,301

272.6

合計

(百万円)

36,595

38,081

104.1

(注)1.リース契約の実行高は、発生額より中途解約額を控除しております。

2.当連結会計年度においてその他の契約実行高が著しく増加しているのは、株式会社イチネンTDリースにおいて、変電設備及び電力貯蔵システム等の大型設備契約が増加したことによるものであります。

b.未経過リース料期末残高相当額の期日別内訳

[1]所有権移転外ファイナンス・リース取引

 

1年以内

(百万円)

2年以内

(百万円)

3年以内

(百万円)

4年以内

(百万円)

5年以内

(百万円)

5年超

(百万円)

合計

(百万円)

前連結会計年度

(2022年3月31日現在)

6,805

5,601

4,124

2,729

1,695

1,708

22,664

当連結会計年度

(2023年3月31日現在)

7,415

5,975

4,632

3,080

1,866

2,319

25,289

(注)未経過リース料の期日別内訳については、リース投資資産に係るリース料債権部分の決算日後の回収予定額を表示しております。

 

[2]オペレーティング・リース取引

 

1年以内(百万円)

1年超(百万円)

合計(百万円)

前連結会計年度

(2022年3月31日現在)

14,984

27,838

42,822

当連結会計年度

(2023年3月31日現在)

15,819

26,501

42,321

 

c.営業成績

 

売上高

(百万円)

売上原価

(百万円)

差引利益

(百万円)

資金原価

(百万円)

売上総利益

(百万円)

営業資産

平均残高

(百万円)

利益率

(%)

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

41,056

33,865

7,191

325

6,866

81,596

8.4

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

43,214

35,149

8,064

328

7,736

83,136

9.3

 

<自動車リース関連事業セグメント(自動車メンテナンス受託)の状況>

a.メンテナンス契約の実行高

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

輸送用機器

(百万円)

6,458

6,105

94.5

合計

(百万円)

6,458

6,105

94.5

(注)メンテナンス契約の実行高は、発生額より中途解約を控除しております。

b.未経過メンテナンス契約債権の期日別内訳

 

1年以内

(百万円)

2年以内

(百万円)

3年以内

(百万円)

4年以内

(百万円)

5年以内

(百万円)

5年超

(百万円)

合計

(百万円)

前連結会計年度

(2022年3月31日現在)

4,361

2,080

1,117

687

289

89

8,627

当連結会計年度

(2023年3月31日現在)

4,259

1,944

1,145

703

300

83

8,437

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針と見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、棚卸資産、有形・無形固定資産、投資有価証券、各引当金等の計上に関しては、一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠した当社グループ会計方針及び見積り基準に基づき計上しています。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②財政状態に関する分析

 当連結会計年度の財政状態については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

③キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

④当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、基盤事業である自動車リース関連事業及びパーキング事業が順調に推移したことにより、前連結会計年度に比べて71億77百万円(5.9%)増収の1,278億22百万円となりました。

 

(売上総利益)

 売上高が順調に増加したことに加え、物価上昇や急激な円安の進行に伴い原価が増加したため、当連結会計年度の売上原価は前連結会計年度に比べて60億90百万円(6.5%)増加し、1,000億1百万円となりました。これにより、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べて10億86百万円(4.1%)増加し、278億20百万円となりました。

 

(営業利益、経常利益)

 売上高及び売上総利益は順調に増加しましたが、一方で物価やエネルギーコスト等の上昇を背景として、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて8億48百万円(4.7%)増加しました。これにより、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べて2億38百万円(2.8%)増加し、88億61百万円となりました。経常利益は、為替差益等の営業外収益が増加したことにより、前連結会計年度に比べて3億73百万円(4.3%)増加し、91億2百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて2億76百万円(4.9%)増加し、59億23百万円となりました。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

⑥資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資金需要のうち主なものは、賃貸資産の購入費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上継続的に良質な資金を確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金、金融機関からの短期借入及びコマーシャル・ペーパーを基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入及び社債の発行を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は、964億29百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は99億84百万円となっております。

 

⑦経営上の目標の達成・進捗状況

 当社グループは、企業価値の向上と継続的な成長を確保するため、財務基盤の確立に重点を置いております。このため、経営指標といたしましては自己資本及び自己資本比率、営業利益を重要な指標として位置付けており、中期的に自己資本600億円超、自己資本比率28%超、営業利益100億円超の達成を目指して経営にあたっております。

 なお、当連結会計年度における自己資本は483億37百万円(対前期比10.9%増)、自己資本比率は28.1%(対前期比2.2ポイント増)、営業利益は88億61百万円(対前期比2.8%増)となりました。

 この目標の達成に向けて、今後も引き続き当該指標の改善に邁進していく所存でございます。

5【経営上の重要な契約等】

 当社グループが締結している主な契約は次のとおりであります。

(1)営業関係

契約会社

相手先

契約種類

内容

契約期間

㈱イチネン

メンテナンス委託整備工場

自動車メンテナンス委託契約

自動車リース及び自動車メンテナンス受託の車両の車検、法定点検、整備に関する委託契約

契約締結日から向こう1ヶ年間とし以降1ヶ年間毎の自動更新

㈱イチネン

三菱商事エネルギー株式会社

販売代理店契約

石油製品及びその他商品の継続的売買に関する契約

契約締結日から向こう1ヶ年間とし以降1ヶ年間毎の自動更新

 

6【研究開発活動】

 当社グループにおける研究開発活動は、ケミカル事業においては、連結子会社の株式会社イチネンケミカルズの研究開発センターが主体となって、新商品開発を行っております。2023年3月末時点で研究開発センターは55名、新規事業開発部開発チームは4名、総勢59名のスタッフで構成されております。開発部門については、工業用薬品(燃料添加剤関連研究開発)部門、生産工場用ケミカル関連開発部門、一般消費者向け商品開発部門、表面処理関連開発部門、新規開発ケミカル製品関連部門、分析・試験関連部門の6部門でケミカル品の開発、改良、分析に注力しております。また、前連結会計年度は、各部門を跨いだ若手を中心とするプロジェクトを立ち上げ、更なる製品開発のスピードアップ、他部門との連携体制の強化に取り組みましたが、当連結会計年度は前連結会計年度の取り組みの他に各営業部門での部会、分科会を一層充実させ研究開発センターとの連携体制の強化に注力いたしました。

 機械工具販売事業においては、連結子会社の株式会社イチネンTASCOの企画開発室技術課が主体となって、新製品開発を行っております。2023年3月末時点で企画開発室技術課は3名のスタッフで構成されております。また、新製品開発に当たり、必要に応じてグループ内外を問わず協力会社を活用しております。

 合成樹脂事業においては、連結子会社の株式会社イチネン製作所の第一事業部が遊技機部品の新規提案及び新製品開発を、第二事業部がガス検知器・セラミックヒーターの新製品開発を行っております。2023年3月末時点で第一事業部は7名、第二事業部は4名、総勢11名のスタッフで構成されております。

 当社グループを取り巻く諸情勢は年々変化が激しく、社会情勢の変化に対応できる組織が求められている状況です。顧客ニーズに沿った短中期的開発テーマに重点を置きながら、将来を見据えた技術開発が急務と判断しており、中長期的視野での技術開発も検討すべきと考えております。将来の方向性を示すことが研究開発部門の課題であり、時代の要望に沿った研究開発活動を目指しております。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は557百万円で、各セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。

 

(1)ケミカル事業

①工業用薬品(燃料添加剤関連研究開発)部門

<燃料添加剤>

 バイオマス火力に注力し複数の新規ケミカル製品にて成果を収めております。顧客のトラブル状況に合わせた薬品の提案により実績を上げながら、添加剤による効果をより詳細に解析し、さらに効果的な添加剤の開発に注力しております。前連結会計年度にはバイオマス火力向けの新燃料添加剤の開発が終了し、当連結会計年度は新燃料添加剤の市場投入を開始しております。各顧客での実機評価試験を継続しており売上の拡大を期待しております。また、当連結会計年度は焼却炉向けの新燃料添加剤の開発に着手しており、翌連結会計年度には新燃料添加剤の市場投入を期待しております。

 

②生産工場用ケミカル関連開発部門

<メンテナンス用ケミカル品>

 当連結会計年度に市場投入いたしました植物由来原料を配合したパーツクリーナーは、市場でのサンプル評価試験を継続しており、今後売上の拡大を期待しております。また、当連結会計年度も脱炭素社会に向けて、環境配慮型の製品開発に注力しております。営業部門にてGreenJIP部会を立ち上げ、研究開発センターとの連携を強化し、翌連結会計年度には製品のバイオマスマークの取得を目指してまいります。

<溶接ケミカル製品>

 前連結会計年度に市場投入いたしました新型電解研磨機(600W、1,000W、1,500Wタイプ)及び高性能ケミカル製品は、当連結会計年度も売上に貢献しており、昨今の半導体業界の市場動向により更なる売上の拡大を期待しております。また、翌連結会計年度には半導体業界向けの高性能ケミカル製品の開発に向けて、営業部門及び開発部門にて専門チームを立ち上げ、活動を開始いたします。

<自動車修理工場関係>

 修理工場向けの塩害ガードシリーズは、当連結会計年度に施工が簡易なオイルタイプを市場投入し、今後更なるブランド力の向上及び売上の拡大を期待しております。また、当連結会計年度は環境配慮型製品(有機則、PRTR非該当)の開発を終了し、翌連結会計年度には市場投入を予定しており、売上の拡大を期待しております。当連結会計年度に市場投入いたしました抗菌性を付与した霧タイプのカーエアコン用エバポレータ専用の洗浄剤は売上に貢献しております。

③一般消費者向け商品開発部門

<コンシューマー向け自動車用ケミカル>

 前連結会計年度に続き、営業部門と新製品開発に関するプロジェクトを継続し、市場調査を行いながら製品開発を行いました。顧客ニーズにマッチした製品開発を継続し、より顧客満足を図り、売上に貢献してまいります。当連結会計年度に新たに市場投入いたしましたガラスコート剤や企画限定品は、売上に大きく貢献しております。また、当連結会計年度はクリンビューの曇り止め効果を向上させた製品の開発を終了しており、翌連結会計年度には市場投入を予定しており、売上の拡大を期待しております。植物由来原料の採用によるプラスチック使用量の削減への取り組みは、当連結会計年度に製品化を終えており、翌連結会計年度から順次市場投入を予定しております。

 

④新規開発ケミカル関連部門

<新規ケミカル開発部>

 粘土膜を使った無機耐熱コーティングの開発については、当連結会計年度は電子材料分野での実用化を目指し性能評価を継続しております。また、用途開発に関しては保護コーティングも含め、それ以外の分野へのPR活動を開始しており、翌連結会計年度には他分野への応用に期待しております。プラスチック材料への環境型添加剤に関しましては、当連結会計年度は展示会出展等のPR活動を継続し、売上に貢献しております。また、再生プラスチックへの応用に関しては、製品化に向けた技術確立を継続しております。翌連結会計年度は、PP、PS以外の汎用樹脂への応用の検討を進めてまいります。

 なお、当連結会計年度に支出したケミカル事業に係る研究開発費は378百万円であります。

(2)機械工具販売事業

 空調・冷凍機器に関するサービスメンテナンス

 「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」が改正され、2020年4月1日から施行されたことにより、業務用エアコン・冷凍冷蔵機器を廃棄する際の規制の強化がされ、フロン類の大気中への排出は厳しく管理されております。

 そのような状況の中、この度2021年1月に販売を開始しました冷媒回収装置が、日刊工業新聞社主催の「第25回オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」において、最高賞の経済産業大臣賞を受賞いたしました。

 冷媒回収作業中の圧力低下に伴う回収スピードの低下により、機器内に残る残存フロンに着目し、これを改善するために、並列/直列回路切替機能を有する4ピストンコンプレッサーを採用し、冷媒回収速度を向上させただけでなく、冷媒量と圧力に応じて運転を切り替えることで効率よく冷媒回収するとともに、機器の廃棄時における残存フロンの大気排出削減に効果を発揮することが認められ、受賞に至りました。第21回(2018年)にも別の冷媒回収装置で経済産業大臣賞を受賞しており、2度目の快挙です。他の冷媒回収装置と比べると市場価格は高いながらも、機能や性能がユーザーの心をつかみ、市場の評価により徐々に販売数量が増加しておりましたが、この大賞受賞により、一段と販売数量が伸びております。また回収事業者だけではなく、冷媒再生事業者にも高く支持され、冷媒という貴重なエネルギーを再生することで資源の再利用化にも寄与し、活躍の場を広げております。当連結会計年度はこの回収装置をより活かすために、複数の機器から一度に冷媒回収することのできる回収用連結ヘッダーや、強力電磁弁オープナーなども開発し、冷媒回収関連製品の充実化を図りました。その他にも、エアコンや大型家電の設置作業時に周辺を保護する養生マット、約2mmのすき間を50mmまで広げることができる耐荷重100kgのエアジャッキ、電動ドリルで使用できるリーマーなど様々な製品を市場投入いたしました。翌連結会計年度も新型ゲージマニホールドや防爆用真空ポンプ、レバーベンダー、消耗部材などにも力を入れ、様々な新製品の市場投入を予定しております。

 

 なお、当連結会計年度に支出した機械工具販売事業に係る研究開発費は0百万円であります。

 

 

(3)合成樹脂事業

  遊技機部品

   顧客となる遊技機メーカーの要望に応えるべく、新規機構、盤面及び役物のデザイン等の各種提案及び製品開

  発を行っております。

 

 ガス検知器・セラミックヒーター

 ガス検知器については、「安全・安心」を提供すべく、汎用製品だけでなく、特定顧客向けのカスタム対応製品まで多種多様なタイプの製品開発を行っており、前連結会計年度より顧客の要望に応えるべく、IoTの活用や次世代の通信網を利用した「システム系ガス検知器」の開発を中長期的な視点で進めております。

 セラミックヒーターについては、半導体等の製造に使用される工業用部材として標準品及び顧客の要望に応えたカスタム製品の開発を行っており、臨機応変にカスタム対応可能な点が他メーカーにはない特色となっております。

 なお、当連結会計年度に支出した合成樹脂事業に係る研究開発費は176百万円であります。