当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間の連結業績は、国内外における各種取扱高及び債権残高の拡大により、連結営業収益は2,781億60百万円(前年同期比108.7%)、連結営業利益は283億22百万円(前年同期比104.3%)、連結経常利益は291億92百万円(前年同期比107.7%)と増収増益となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、2025年7月1日に生命保険事業を営む連結子会社イオン・アリアンツ生命保険株式会社(以下、イオン・アリアンツ生命、現 明治安田トラスト生命保険株式会社)の発行済株式の85.1%を、明治安田生命保険相互会社(以下、明治安田)に譲渡したことに伴う特別損失の計上により、87億45百万円(前年同期比85.6%)となりました。
当社は、金融サービスの提供を通じた持続的な成長を実現するため、当社グループの存在意義をOur Purpose「金融をもっと近くに。一人ひとりに向き合い、まいにちのくらしを安心とよろこびで彩る。」と定めています。Our Purposeのもと、小売業発の金融グループの強みである「生活者視点」に立ち、展開するアジア各国において、全てのお客さまのライフステージや生活環境の変化に対応した金融サービスの提供を目指しております。
また、2030年のありたい姿として設定した「『金融をもっと近くに』する地域密着のグローバル企業」の実現に向け、中期経営計画(2021年度~2025年度)を「変革フェーズ」と位置づけ、事業環境の変化を踏まえた最適な事業ポートフォリオへの見直しや、デジタルを活用した新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいます。
中期経営計画の最終年度である当連結会計年度は、イオン生活圏におけるお客さまへの提供価値の最大化を図るため、事業ポートフォリオの見直しによる経営資源の再配分を進めております。国内では、イオン・アリアンツ生命の明治安田への株式譲渡に加え、2025年9月30日には、リース事業を営む連結子会社ACSリース株式会社を当社に吸収合併することを決定しました。本合併により、さらにシンプルで実効性の高い効率的な組織体制を構築するとともに、各事業間の連携強化を通じた事業拡大を図ってまいります。
当中間連結会計期間の国内経済は、雇用・所得環境の改善や金利水準の緩やかな上昇を背景に、景気は回復基調を維持しております。一方、人件費や物流費を含むコスト増加を販売価格に反映する動きが進み、食料品を中心とする物価上昇が家計に影響を及ぼし、個人消費には慎重姿勢が継続しています。当社グループの展開するアジア各国においても、中国経済の減速懸念や米国の通商政策の影響を受けたマクロ指標の見通し悪化、インフレの継続に対する所得の伸び悩みにより、景気回復に時間を要しています。
このような状況のもと当社は、国内外においてお客さまの決済及び資金ニーズに応える金融商品・サービスの提供により顧客基盤の拡充に取り組むとともに、各種取扱高及び営業債権残高の拡大を図りました。
国内では、2025年2月28日にGMS事業を営むイオンリテール株式会社からWAONバリュイシュア事業の譲受を完了し、コード決済や電子マネー等の各種決済チャネルを融合した、より利便性の高いサービスの提供に取り組みました。また、2025年7月12日に、レンディングサービスやフィンテックソリューションを提供するAND Global Pte. Ltd.(以下、AND Global社)との間で、AND Global社の第三者割当増資についての株式引受契約及び戦略的パートナーシップに関する覚書を締結しました。AND Global社の有するオルタナティブデータを活用したAIスコアリングによる与信管理ノウハウやデジタルレンディングに関するビジネスノウハウを、当社の国内及びアジア各国で活用することにより、サービスのAI・DX化を推進するとともに、融資事業の強化、AI等のデジタル技術を活用した与信精緻化や債権回収体制の強化を図ってまいります。
報告セグメントごとの損益状況につきましては、「国内」の「リテール」セグメントにおける営業収益は1,225億5百万円(前年同期比127.9%)となり、セグメント利益は47億59百万円(前年同期比67.1%)となりました。「ソリューション」セグメントにおける営業収益は953億58百万円(前年同期比103.4%)となり、セグメント利益は64億43百万円(前年同期比155.1%)となりました。
また、「国際」の「中華圏」セグメントにおける営業収益は171億66百万円(前年同期比99.2%)となり、セグメント利益は52億95百万円(前年同期比132.9%)となりました。「メコン圏」セグメントにおける営業収益は492億81百万円(前年同期比103.4%)となり、セグメント利益は79億1百万円(前年同期比115.7%)となりました。「マレー圏」セグメントにおける営業収益は482億66百万円(前年同期比110.9%)となり、セグメント利益は55億60百万円(前年同期比82.4%)となりました。
当中間連結会計期間末の財政状態につきまして、総資産は、前連結会計年度末より4,630億4百万円増加し、8兆2,194億96百万円となりました。これは割賦売掛金が1,713億52百万円、貸出金が620億91百万円、銀行業における有価証券が1,614億66百万円、及び買入金銭債権が580億14百万円増加したこと等によるものです。
負債合計額は、前連結会計年度末より4,656億73百万円増加し、7兆6,363億99百万円となりました。これは資金決済口座としての利用拡大により預金が3,075億80百万円、及び営業債権拡大により買掛金が1,783億48百万円増加した一方、事業分離により子会社を連結の範囲から除外した影響により保険契約準備金が426億55百万円減少したこと等によるものです。
純資産合計額は、前連結会計年度末より26億68百万円減少し、5,830億97百万円となりました。これは利益剰余金が親会社株主に帰属する中間純利益の計上により87億45百万円、繰延ヘッジ損益が140億88百万円、及び非支配株主持分が46億73百万円増加した一方、利益剰余金が期末配当金の支払いにより60億44百万円、及びその他有価証券評価差額金が249億58百万円減少したこと等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、銀行業における預金残高の増加等により2,073億65百万円の収入(前年同期比1,708億61百万円増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得・売却・償還等の結果2,454億40百万円の支出(前年同期比1,612億9百万円減少)となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により102億25百万円の支出(前年同期比2億42百万円増加)となりました。以上の結果、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は、7,473億7百万円(前年度末比477億61百万円減少)となりました。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(明治安田生命保険相互会社及びイオン株式会社との包括的パートナーシップ契約の締結)
当社は、2025年3月21日開催の取締役会において、明治安田生命保険相互会社及びイオン株式会社との包括的パートナーシップ契約を締結することを決議し、契約を締結いたしました。
なお、詳細につきましては、2025年3月21日付で適時開示しております「連結子会社の異動(株式の譲渡)並びに明治安田生命保険相互会社及びイオン株式会社との包括的パートナーシップ契約の締結に関するお知らせ」に記載のとおりであります。