第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 「社会を構成するメンバーとして、尊敬され、関係する様々な方々の期待に応える企業」

それが我々の求めるラックランドグループの姿です。

 我々は日々、様々な方々と関係を持ち、相互の協力の下、活動をしています。そして、その様々な方々からの期待を担っています。我々にとって期待に応える相手とは、お客様、協力会社、地域社会、株主の皆様、そして社員等、我々と関係するすべての方々(ステークホルダー)に他なりません。その期待に対し、誠実に応えていくことが我々の望む姿です。

 「商空間創りを通じ、皆の笑顔を創りだす」

我々は商空間の企画・制作・保守メンテナンス等を通じ、様々な人々の期待に応え、笑顔を創りだしていきます。この笑顔とは、「お客様の笑顔」、「お店で働かれている方の笑顔」、「お店に集う方の笑顔」、「地球(すべての人)の笑顔」など様々です。企業として存続していくためには単なる「モノ作り」でなく、社会において様々な「笑顔になれるコト」を創りだしていかなければなりません。このことこそが、我々が自らの仕事をサービス業と考える原点です。

 そして、時代のニーズは新たな技術とともに変化していきます。我々は安定した収益基盤を確立しながら、従来の枠組みに捉われず、時代の変化に柔軟に対応し、成長し続けられる企業でありたいと考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、2016年よりスタートいたしました第二次10年計画「世界でも期待される企業に成る」の下、最初の3ヵ年は「開拓してきた幅広いマーケットの深掘りと利益基盤の構築」を課題として邁進してまいりました。次期 2019年から2021年までの3ヵ年は、これまでの課題にも引き続き向き合いつつ、「時代が求めている企業に化ける」をメインスローガンとし、新たなステージを目指してまいります。当社グループが経営指標として重視しておりますのは、売上高経常利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)であり、まず2019年は売上高経常利益率 2.2%以上(2018年実績 0.9%)、自己資本当期純利益率(ROE)の8.3%以上(2018年実績 1.3%)を目標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 2015年までの第一次10年計画は「未来へ進むための基盤作り」であり、その一環として2015年10月には東京証券取引所 市場第一部への指定替えを達成することができました。2016年からの第二次10年計画は「世界でも期待される企業」への進化を遂げ、遅くとも2025年までには売上高 500億円(国内 450億円、海外 50億円)、経常利益 30億円を実現できるよう、グループ一丸となって邁進してまいります。

 国内においては、当社がこれまで弱かった分野や技術の補強、及び未進出地域への営業網の拡大を目的として、積極的にM&Aを行っております。各専門分野を持つグループ会社がそれぞれの強みを活かして協業することにより、対応できる業務範囲が広がるとともに、新たな事業の創出も可能となり、また制作コストの削減を図ることもできるなど、様々なグループ会社間シナジーが生まれております。今後、グループ会社間の連携を深め、グループ会社間シナジーをさらに発揮することで、我々の目標に着実に近づけると考えております。

 加えて、当社グループの成長には、日本より経済成長率が高く、日系企業の進出が盛んな東南アジア圏における海外事業の拡大が必須です。2013年1月のシンガポールを皮切りに、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、台湾と、現在までに7ヶ国で現地法人を設立し、各国での施工実績も増えてまいりました。2017年7月には株式会社プロネクサス様との業務連携による、飲食・小売業界向けのアジア進出支援サービス「スグデル」の提供も開始しました。引き続き、アジア進出を目指す日系企業のお客様のご要望に迅速かつ真摯に応えられるよう、各国において現地に根付いた営業網を拡充し、信頼と実績に基づいた当社グループのブランドを確立します。

 

(4) 会社の対処すべき課題

 当社グループの2019年から2021年までの3ヵ年は、2016年から2018年までの3ヵ年の「進:利益基盤の構築」に続き、新たに「化:時代が求めている企業へ化ける」を目標に結果を出してまいります。社会の生活スタイルの変化、従業員ニーズも含め、時代に適した企業へ変わっていかなければならないと考えております。そして、我々が作り出してきた企業群、他に類を見ないこのユニークなスタイルにおいて、上場企業として株主の皆様への企業価値向上の結果を出していきます。具体的には、2022年に従来の「店舗施設の企画制作事業」に加え、新しい柱として伸ばしてきている新事業分野である建築設備分野、エンジニアリング分野、建築分野、食品設備分野、そして付随するメンテナンス分野のこれら5事業分野の合計売上高を250億円とし、連結売上高500億円の規模を構成してしっかりとした利益基盤を構築します。

 そのスタートの次期2019年は「化けたと結果を出す1年目」をスローガンとして、グループ全体では、着実に具現化しつつあるグループ間シナジーについて、引き続き、様々な組み合わせで事業分野の間口・販路を広げ、協業案件を増やし、シナジーを創出してまいります。また、海外部門については、各拠点の体制・人員の拡充を図り、① 店舗制作、② エンジニアリング(冷凍冷蔵物流倉庫)、③ 建築金物製作を3本柱として事業を軌道に乗せ、黒字化の定着を目指します。

 そして、ラックランド単体においては、昨年度採用した100名もの社員の育成に力を注ぎ、施工体制の再整備を図り、2019年はまず粗利率を2%以上改善します。その為には、教育と技術習得の時間を重視すると共に個人の業務量の適正化も図り、社員各々がやりがいを持ち、目的のために力を十分に発揮できるよう、会社として土台を確立していきます。営業・制作・管理の全部門で体制・ルール等を見直し、IT・RPA等の技術も活用しながら、時間・労力などあらゆる面でのロスを削減し、より生産性の高い、かつ磐石な社内体制へと再構築いたします。

 また、当社グループにおいて、上述の新事業分野が成長しつつあり、2018年は「商業施設の企画制作事業」、「食品工場、物流倉庫の企画制作事業」及び「建築事業」の合計が全事業分野の約49%を占めるに至りました。新規事業分野においては、同分野の特性上、大型物件が多く、特定顧客に対する売上高が多額になることがあり、業績に与える影響が大きくなりつつありますが、さらに新事業分野の物件数及び顧客数を増加させ、将来の安定した利益の源泉として育てていく所存です。

 こうした取り組みをもって、グループ一丸となり、これまで構築してきた利益基盤を確実なものにしながら、刻々と変化する時代のニーズに柔軟に対応できる企業として化け、そして、第二次10年計画の最終段階、2022年から2025年の「成」の4ヵ年に向けて邁進してまいります。

 

 <当社グループが重要と位置付けている事業分野>

① 物流センターにおける冷凍冷蔵設備分野

② 新規店舗(これまでに取引のない店舗)へのメンテナンス及び営繕分野

③ 企画・設計・デザイン・コンサルティング等のソフトサービス分野

④ 省エネルギー機器や付加価値機器の開発・製造・販売・レンタル分野

⑤ デベロッパーが所有する大型店舗や商業ビルにおける建築設備分野

⑥ 中小規模の店舗・工場・物流施設における建築分野

⑦ 医療モールやクリニックを含むメディカル分野

⑧ ASEAN圏・台湾における海外分野

⑨ 店舗や食品工場における食品の生産機器や厨房設備分野

⑩ 宿泊施設・ホテルにおけるリノベーション分野

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 特定の業界及び特定の取引先への依存について

 当社グループは、新規顧客の開拓等による取引先分散の継続的な推進を行っており、特定取引先への販売依存はありませんが、飲食料品小売業界及び外食業界に属する企業への売上高が大きなウェイトを占めております。このため、これらの業界動向の変動により顧客企業の事業環境に急激な変化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。平成30年12月期(連結)における飲食料品小売業界への依存度は38.4%(平成29年12月期(連結)47.6%)、外食業界への依存度は16.1%(平成29年12月期(連結)19.3%)であります。

 

  (2) 業績の季節変動について

 当社グループは、食品スーパーマーケットや外食産業の店舗における企画・設計・施工・メンテナンスを主な事業としている関係上、顧客企業の出店政策や出店計画に影響を受け、業績に季節的な変動が見られます。売上高の季節的変動に伴い、営業利益も同様の傾向があります。当連結会計年度及び前連結会計年度の上半期・下半期のそれぞれの売上高及び営業利益は下記のとおりであります。

(単位:千円)

 

 

上半期(1月~6月)

下半期(7月~12月)

平成29年12月期

売上高(構成比)

12,134,073(39.0%)

18,976,693(61.0%)

営業利益(構成比)

77,278(9.0%)

780,524(91.0%)

平成30年12月期

売上高(構成比)

20,072,713(46.9%)

22,769,939(53.1%)

営業利益(構成比)

501,077(131.7%)

△120,676(△31.7%)

  (注)上記売上高及び営業利益は、消費税等を含んでおりません。

 

 (3) 品質管理について

 品質管理につきましては、設計及び制作分野における知識や経験の豊富な専門人員で構成する品質管理の専門部署を社内に設置し、設計及び施工の過程において同部署による複数回の品質チェックを行うなど、十分な品質管理体制を整備しております。

 

 (4) 債権管理について

 債権管理につきましては、顧客企業からの受注に当たって事前の与信調査から債権発生・回収まで、一貫した管理体制を整備しております。また、原則として債権を長期間にわたり分割して回収する延払条件付き契約の締結は禁止しておりますが、諸々の事情を鑑み、当該契約の締結を行う場合には、連帯保証や担保差入れなどにより債権保全を図っております。

 訴訟による和解決定など特殊な事情により締結した延払条件付き契約に係る債権については、当該債権残高に対して個別に回収可能性を検討し貸倒引当金を計上しております。

 しかしながら、経済環境の激変などにより顧客企業の属する業界動向に急速な悪化が生じた場合には、債権の滞留や貸倒れが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (5) 業界に対する特有の法的規制並びに主要な業務に係る免許及び許認可等について

 当社グループの主要な事業活動の継続には下記の許認可が必要ですが、「建設業法」においては第29条、「建築士法」においては第26条、「宅地建物取引業法」につきましては第66条に、取消、営業停止等の事由が定められております。当社グループは、平成30年12月31日現在において、これらに該当する事実はないと認識しております。

 しかしながら、将来、取消等の事由が生じた場合、当社グループの事業遂行に支障をきたし、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(平成30年12月31日現在)

許認可等の名称

根拠法令

許認可等の内容

有効期間

特定建設業

建設業法

電気工事業、管工事業、建築工事業、熱絶縁工事業、内装仕上工事業、大工工事業、左官工事業、とび・土工工事業、石工事業、屋根工事業、鉄筋工事業、板金工事業、鋼構造物工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、

建具工事業、解体工事業の許可

(特-26)第10470号

平成27年3月4日~

平成32年3月3日

一般建設業

建設業法

土木工事業、ほ装工事業、水道施設工事業、消防施設工事業、しゅんせつ工事業の許可

(般-26)第10470号

平成27年3月4日~

平成32年3月3日

一級建築士事務所

建築士法

一級建築士事務所の登録許可

東京都知事登録 第40172号

平成27年8月10日~

平成32年8月9日

一級建築士事務所の登録許可

宮城県知事登録 第14010149号

平成26年10月27日~

平成31年10月26日

宅地建物取引業

宅地建物取引業法

不動産の売買、仲介、斡旋、賃貸及び管理

東京都知事(4)第81110号

平成29年8月24日~

平成34年8月23日

 

 また、当社グループの主要顧客先であるスーパーマーケット業界や外食業界に対する主な法的規制として、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法、都市計画法、食品衛生法、食品リサイクル法があります。当社グループは、自社グループ及び顧客の事業に関連する各種法令を熟知し遵守して、要件の充足、免許の取得、必要な届出等を行い、事業の展開しております

 しかしながら、当該各種法令の改廃や新たな法的規制が導入された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (6) 人材の確保について

 当社グループは、設計・施工・メンテナンス業務の内製化による収益確保のため、数年前より先行して人員確保を行い、専門的な技能者の育成に努めてまいりました。しかしながら、今後の育成が計画通りに進まず、必要数の技能者の確保が困難な状態となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (7) 資材価格の変動について

当社グループは、冷凍冷蔵機器や工事主要材料等につきまして、受注後に即時発注するなど資材価格の変動を極力抑制する原価管理体制を整備しております。しかしながら、原材料価格の高騰を請負代金に反映することが困難な状態となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります

 

 (8) 有価証券投資について

 当社グループは、既存顧客との営業上の取引関係の更なる強化、あるいは新規顧客の開拓及び取引関係の強化のため、株式の持合を行っております。

 当連結会計年度末の残高は2,372,260千円でありますが、顧客企業が属する業界の株式市場の低迷などにより、株価が著しく下落した場合は評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (9) ストックオプションについて

 当社はストックオプション制度を採用しており、当社役職員及び当社子会社役職員に対して新株予約権を付与しております。

 これらの新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、今後、優秀な人材を確保するために同様のインセンティブプランの継続を検討しており、これから付与される新株予約権の行使が行われた場合にも、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。なお、短期的な需給バランスの変動が発生し、株価形成に影響を及ぼす可能性があり、ストックオプションに係る新しい会計基準が設定された場合、当該基準の変更内容によっては当社の業績に影響を及ぼす可能性があります

 (10) M&A、組織再編等について

 当社グループは、事業戦略上、企業価値の向上を目的として必要に応じて企業や事業の買収、組織再編等を行っております。

 当該行為に際しては、入念な調査、分析、検討を行っておりますが、買収時点では想定できなかった収益性の低下等の不測の事態が生じる場合や、グループ会社間におけるシナジーが当初想定したほど発揮されない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (11) 事故及び災害について

 当社グループは、現場での安全確保・管理には万全を期して取り組んでおりますが、施工中に予期せぬ重大事故が発生した場合には、経営成績や社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。また、地震、風水害等の予期しない大規模災害が発生した場合にも、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続きましたが、景気回復を牽引してきた輸出関連・製造業部門は主要国経済の成長率鈍化、米国に端を発する貿易摩擦問題に関する懸念の影響などから伸び悩んでおり、株式市場は不安定な展開が続きました。また、日本国内の政治不信問題の再燃、地震や大型台風による天災もあり、企業・消費者マインドはともに慎重になっている様子が伺えました。

ラックランドグループを取りまく経済環境は、主に街角景気判断DI(内閣府)、第3次産業活動指数(経済産業省)、及びマネタリー・ベース平均残高(日本銀行)の動向等から判断しております。街角景気判断DIは、2018年に入って下向きに転じて50(好況・不況の分岐水準)を割り込み、短期の調整局面に入っております。年後半からは持ち直しの動きがみられるものの、まだ本格的な回復軌道には乗っていません。非製造業やサービス業の動向を示す第3次産業活動指数は緩やかな上昇傾向が続いていますが、2010年代後半の伸び率(前年比)は平均で+1%弱にとどまっております。また、マネタリー・ベース平均残高は日銀の緩和政策により増加基調が継続していますが、伸び率(前年比)は2014年初期の+50%超から、足元は+5%割れに低下しており、景気押し上げ効果は当初より薄れております。今後、マネタリー・ベース平均残高の伸び率(前年比)の低下が続いて名目GDP成長率(前年同期比)を下回り、さらにマイナスに低下すれば、実質的な量的引き締めにもなることから、注視してまいります。これら指標の動向から、当連結会計年度の当社グループを取りまく経済環境は底堅いとはいえ、短期的には勢いが弱まっておりました。

 しがしながら、長期サイクル(コンドラチェフ・サイクル 約50~60年)では、2010年代の日本経済・株式市場は1950年代あるいは1960年代当時に対応する局面で、2010年代末はAIなどの新しいテクノロジーや産業、東京オリンピックが起爆剤となれば、1950年代後半、1960年代後半当時のように新たな成長・上昇局面に入る可能性もあると見ております。2010年代のGDP成長率は1950年代、1960年代当時の水準には及びませんが、財務省 法人企業統計を見ますと、企業の売上高経常利益率は過去最高水準圏にあります。また、国際商品市況は約30年サイクルが見られ、最初の10年が大幅低下局面、次の10年が横這い局面、最後の10年が大幅上昇局面で構成されており、2010年代は1950年代、1980年代当時に似た大幅低下局面から横這い局面への移行期にあります。原油(ガソリン)や原材料、食品等の価格が低位安定することで個人消費の下支えになると同時に、企業収益の拡大要因ともなり、設備投資の増加や賃金上昇の余地があると考えられます。

 当社グループは、2016年から2018年の課題である「開拓してきた幅広いマーケットの深掘りと利益基盤の構築」の実現に向け、従来の主要分野である店舗施設事業における顧客数の増加、メンテナンス事業における取引店舗数の拡大はもとより、新たなる市場で開拓してきた分野につきましても、将来の主力事業として発展させるべく取り組んでまいりました。加えて、経済成長率が日本より高く、日系企業の進出も多い東南アジア・台湾での事業展開を進め、現在7ヵ国で現地法人を設立し、日系企業の海外進出支援を行っております。また、昨今の労働市場における人手不足や働き方改革等に対応するため、数年前から新卒採用を大幅に増やし、企業内職人を育成するとともに、M&Aを積極的に行い、業容の拡張、技術力の共有・向上、即戦力となる技術者の増員を図り、内製化を進めてまいりました。2018年1月には照明分野において高い実績を上げている日本ピー・アイ株式会社、同5月には高層ビルや大型商業施設向けの建築金物に定評がある墨東建材工業株式会社、同12月には(旧)墨東建材工業株式会社のベトナム子会社であるVIET BOKUTO CO., LTDが新たに当社グループに加わり、当社グループは全25社となりました。同じく(旧)墨東建材工業株式会社のベトナム子会社であるBK METAL CO., LTDについても、ベトナム当局の許認可取得後、当社グループに加わる予定です。こうした活動により、各種施設の企画・設計から建築・内装・設備等の施工、設備機器メンテナンスやビル管理まで総合的に請け負い、様々な人々の期待に応えられる体制が整ってまいりました。今後、さらにグループ会社間の連携を深め、シナジーを創出し、グループ全体で生産性を高めて、利益基盤を強固なものにしてまいります。

 当連結会計年度においては、受注は順調に伸び、売上高に関しては想定以上に進捗したものの、利益面については特に第3四半期以降、施工案件の増加に対する施工体制の整備、特に人材育成の遅れから、現場における発注ロスや手直し工事が発生したことに加え、人員不足を補うため外注費が増加したことにより、昨年度より粗利率を約2%押し下げました。こうした状況を改善するため、費用増を覚悟して、早急に社内体制の補強に取り組んだ結果、人材採用・育成費用や社内環境向上費用等の販売管理費が計画以上に膨らんだこと、及びM&A関連費用、為替差損益の発生、また働き方改革へ向けた省力化システム・機器投資もあり、当連結会計年度の業績は、売上高428億4千2百万円(前期比37.7%増)、営業利益3億8千万円(前期比55.7%減)、経常利益4億円(前期比58.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8千9百万円(前期比86.8%減)となりました。

 次に、部門別の売上高と各部門の営業概況についてご報告いたします。

 

 

(単位:千円未満切捨)

 

関連部門の名称

前連結会計年度

(自 平成29年1月1日

 至 平成29年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成30年1月1日

 至 平成30年12月31日)

対前連結会計年度比増減額

(△は減)

対前連結会計年度比

増減率(%)

スーパーマーケット関連部門

14,114,968

13,300,787

△814,181

△5.8

フードシステム関連部門

14,967,667

27,321,958

12,354,290

82.5

保守メンテナンス部門

2,028,131

2,219,907

191,776

9.5

31,110,767

42,842,653

11,731,885

37.7

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

   《スーパーマーケット関連部門》

 スーパーマーケット関連部門につきましては、主要顧客である中堅の小売店(中堅チェーン企業や複数店舗を有する企業)の経営環境は概ね底堅く推移しておりますが、スーパーマーケット販売統計調査(スーパーマーケット3団体)を見ますと、食品部門の伸び率(前年比)は2016年から鈍化傾向にあり、直近1年間は平均で約1%まで低下しております。このような状況の下でも、各グループ会社の強みを活かし、新規出店や既存店の改修案件等において、設計や内装施工だけではなく、給排水・空調設備工事や電気設備工事など、店舗内で対応できる事業領域の拡大をしてまいりました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は133億円(前期比5.8%減)となりました。

 

   《フードシステム関連部門》

 フードシステム関連部門につきましては、中心顧客である飲食店の動向に関し、外食産業市場動向調査(日本フードサービス協会)を参考にして見ますと、2016年以降、店舗の売上高の伸び率(前年比)は平均で約3%と堅調が続いております。当部門におけるターゲットとして、飲食店だけではなく、大型ホテル、食品加工工場、物流倉庫などの開拓余地の大きい商業施設に関しても意欲的に営業活動を拡げてまいりました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は273億2千1百万円(前期比82.5%増)となりました。

 

   《保守メンテナンス部門》

 保守メンテナンス部門につきましては、旧来からの店舗設備機器のメンテナンス体制を充実させるとともに、M&Aによりメンテナンス対応可能なグループ会社を増やし、保守点検網を拡充しております。2018年2月には、中国・四国地方の営業サービス網の強化のため、新たに高松メンテナンスステーションを開設いたしました。また、当社グループのエースセンター株式会社が担うビルメンテナンス事業も当部門に寄与しております。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は22億1千9百万円(前期比9.5%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8千5百万円増加し、当連結会計年度末残高は50億2千7百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は1億8千3百万円(前連結会計年度は16億2千2百万円の減少)となりました。

 これは、売上債権の増加及び仕入債務の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上、たな卸資産が減少したことが主な要因であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は12億7千1百万円(前連結会計年度は8億9千万円の減少)となりました。

 これは、本社及び支店の増設及び人員増加による移転にかかる有形固定資産の取得による支出、子会社株式の取得及び事業の譲受により連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出及び事業譲受による支出があったことが主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の増加は11億7千8百万円(前連結会計年度は31億2千3百万円の増加)となりました。

 これは、短期及び長期の借入を行ったことが主な要因であります。

 

生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、一貫した店舗施設制作事業を事業内容とする単一セグメントであるため、制作、商品仕入、受注及び販売実績については、関連部門別に記載しております。

 

(1) 制作実績

 当連結会計年度における制作実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。

関連部門の名称

制作高(千円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット関連部門

11,860,120

90.5

フードシステム関連部門

22,390,372

116.3

34,250,493

105.8

 (注)1 金額は販売価額で算定しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 商品仕入実績

 当社グループは、スーパーマーケット関連部門、フードシステム関連部門において外部より商品を仕入れておりますが、商品仕入時においてはどの部門で販売されるか確定していないため、関連部門ごとの商品仕入実績の記載は省略しております。

(3) 受注実績

       当連結会計年度における受注実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。

関連部門の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット関連部門

13,970,537

99.6

1,412,395

190.2

フードシステム関連部門

26,647,535

148.2

7,301,909

91.5

40,618,072

126.96

8,714,304

99.9

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。

関連部門の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット関連部門

13,300,787

94.2

フードシステム関連部門

27,321,958

182.5

保守メンテナンス部門

2,219,907

109.5

42,842,653

137.7

 (注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自  平成29年1月1日

至  平成29年12月31日)

当連結会計年度

(自  平成30年1月1日

至  平成30年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社白浜館

5,800,553

13.5

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。

 

① 貸倒引当金の計上基準

 当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。

② 投資有価証券の減損処理

 当社グループは、金融機関や、仕入・販売等に係る取引会社及び関係会社の株式を保有しています。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクや、経営状態・財務状況の悪化による価値下落リスクを負っているため、合理的な基準に基づき、投資有価証券の減損処理を行っています。

③ のれんの減損処理

 当社グループは、のれんの償却方法については、その効果の発現する期間を個別に見積り、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。その資産性について、子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益力もしくは費用削減効果が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損損失の計上が必要となる可能性があります。

 

(2) 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末における資産合計は、279億5千3百万円と前連結会計年度末に比べ5億3千3百万円の増加となりました。

流動資産は、158億3千2百万円と前連結会計年度末に比べ30億3千6百万円の減少となりました。平成30年第4四半期に引渡しが進んだことにより仕掛品が減少したことが主な要因であります。

固定資産は、121億2千1百万円と前連結会計年度末に比べ35億7千万円の増加となりました。これは、保有株式の株価下落による投資有価証券の減少があったものの、長期売掛金の増加が主な要因であります。

(負債の部)

流動負債は、184億円と前連結会計年度末に比べ8億9千9百万円の増加となりました。これは、営業債務が減少したものの、短期借入金及び未払消費税等、工事前受金の増加が主な要因であります。

固定負債は26億6千3百万円と前連結会計年度末に比べ3億4百万円の減少となりました。これは、保有株式の株価下落による繰延税金負債の減少及び長期借入金が減少したことが主な要因であります。

以上の結果、負債の部は210億6千4百万円と前連結会計年度末に比べ5億9千5百万円の増加となりました。

(純資産の部)

純資産の部は68億8千9百万円と前連結会計年度末に比べ6千1百万円の減少となりました。これは、ストック・オプションの行使による資本金の増加があったものの、自己株式の処分及び保有株式の株価下落によるその他有価証券評価差額金の減少が主な要因であります。

なお、自己資本比率は24.2%と前連結会計年度末より1.0ポイント減少しております。

 

(3) 経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、当社グループの新しい柱となる「商業施設の企画制作事業」「食品工場・物流倉庫の企画制作事業」「建築事業」の3事業分野が堅調に推移したことなどにより428億4千2百万円(前期比37.7%増)となりました。

② 売上原価

当連結会計年度の売上原価は、当社において急激な現場数の増加に対して、施工体制が整わず、外注社員を多用したことなどにより、380億6千6百万円(前期比41.0%増)となりました。

③ 販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人材採用・育成費用や社内環境向上費用が増加したこと及び連結子会社が増加したことなどにより43億9千5百万円(前期比35.2%増)となりました。

④ 営業利益

当連結会計年度の営業利益は上記の結果により3億8千万円(前期比55.7%減)となりました。

⑤ 営業外収益及び営業外費用

営業外収益は、不動産賃貸収入が増加したことなどにより2億1千8百万円(前期比39.1%増)となりました。また、営業外費用は、不動産賃貸原価及び支払利息の増加、貸倒損失の計上などにより1億9千7百万円(前期比262.5%増)となりました。

⑥ 経常利益

経常利益は4億円(前期比58.2%減)となりました。その結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ2.2ポイント減少し0.9%となり、総資産経常利益率(ROA)も2.5ポイント減少し1.4%となりました。

⑦ 特別利益及び特別損失

特別利益は1億1千万円(前期比6.3%減)となりました。また、特別損失は、主に投資有価証券評価損を計上したことより9千4百万円(前期比2251.7%増)となりました。

⑧ 税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は4億1千6百万円(前期比61.2%減)となりました。

⑨ 法人税等

法人税等(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は3億2千7百万円(前期比17.9%減)となりました。また、当連結会計年度における法人税等の負担率(税金等調整前当期純利益に対する法人税等の割合)は78.5%となり、法定実効税率30.86%に比べ47.64ポイント高くなりました。これは主に交際費等永久に損金に算入されない項目及び住民税均等割並びに東京国税局による海外連結子会社との取引にかかる移転価格税制等の指摘による過年度法人税等の計上などの影響によるものであります。

⑩ 非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益は、外部株主が存在する連結子会社の当期純利益の増減などの影響により0百万円(前期は非支配株主に帰属する当期純損失1百万円)となりました。

⑪ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は8千9百万円(前期比86.8%減)となりました。

その結果、当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度に比べ9.0ポイント減少し1.3%となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、制作原価、販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、業容拡大による事務所拡張・移転による内装費用等、省人化及び効率化、間接業務の削減を目的にしたシステムの費用があり、その他の資金需要として、当社グループの分野の強化や技術者の補充を目的にしたM&A費用があります。

 当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により資金調達を行っております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は8,556,281千円となりました。

 

(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、資本効率のバランスを考慮しつつも、安定した収益基盤を確立することに注力することで、売上高経常利益率を高めることを優先課題として、自己資本当期純利益率(ROE)の改善に取り組む方針であります。

 

当連結会計年度に含む直近3連結会計年度の指標は以下のとおりです。

 

指標

平成28年度

(第47期)

平成29年度

(第48期)

平成30年度

(第49期)

中期目標

売上高経常利益率

3.2%

3.1%

0.9%

4.0%

自己資本当期純利益率(ROE)

11.5%

10.3%

1.3%

13.0%

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 金額が僅少のため、記載を省略しております。なお、当社グループにおいて、研究開発活動は連結子会社であるマッハ機器株式会社のみが行っております。