第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度は海外事業、特に北米と欧州が非常に好調な結果となりました。アジア・パシフィックは予算達成には到りませんでしたが、昨年度を上回る利益を確保出来ました。

 中国はコスト削減策が功を奏し、増益となりました。

 日本国内事業は、受注は昨年を下回り、原価の改善には成功したものの、営業損失となりました。

 株式会社日本経済新聞社との協業は、ASEANでの研修事業が立ち上がって成果が出始めております。

 この結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高34億5千7百万円(前期比0.3%増)、営業利益3億7百万円(前期比101.4%増)、経常利益2億8千7百万円(前期比88.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1億4千7百万円(前期比973.9%増)と増収増益を達成しました。

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

① 国内

 国内は、予定していた大型プロジェクトの一部が翌年度にずれ込んだため、売り上げが減少しました。営業原価の低減など収益率の改善にも努め、成果をあげましたが、一部の販管費が負担となり、営業損失を計上しました。

 この結果、売上高13億7千7百万円(前期比9.8%減)、営業損失2千3百万円(前連結会計年度は6千4百万円の営業損失)となりました。

② 北米

 IT企業や通信業などから、営業力の強化、リーダーシップなどで総合的なソリューションを提案し、利益率の良い大型案件の受注に成功しました。また販管費の削減に力を入れ、利益面で予想を上回る成果をあげました。

 この結果、売上高19億9千6百万円(前期比5.0%増)、営業利益1億7千2百万円(前期比2.0%増)となりました。

③ 欧州

 2016年6月に英国が国民投票で決定したEU離脱の方針で、事業への影響が懸念されましたが、新たなマネージングディレクターの下でIT企業や製薬などを中心に大型の受注が順調に進み、売り上げを伸ばすことができました。同時に販管費の上昇を抑え、営業利益は大きく増やすことができました。

 この結果、売上高5億2千6百万円(前期比23.5%増)、営業利益1億7百万円(前期比243.7%増)となりました。

④ 中国

 中国経済の減速で、売り上げは目標を下回りましたが、販管費の削減等効率化を図り、営業損益では黒字を計上することができました。

 この結果、売上高1億5千6百万円(前期比15.2%増)、営業利益4百万円(前連結会計年度は2千2百万円の営業損失)となりました。

⑤ アジア・パシフィック

 オーストラリアは減収になりましたが、インドは、バンガロールでの拠点開設も奏功し、売り上げを大幅に伸ばすことに成功しました。ASEAN域内は堅調に推移し、フィリピンなどで新規の顧客獲得に成功しました。

 この結果、売上高1億6千万円(前期比7.7%増)、営業利益2千8百万円(前期比41.5%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益、減損損失を計上し、収入として前受金の増加、長期借入れによる収入がありましたが、支出として、仕入債務の減少、投資事業組合への出資による支出、社債の償還による支出、長期借入金の返済による支出があり、前連結会計年度末に比べ8百万円増加し、当連結会計年度末には、16億6千7百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は、1億2千8百万円(対前連結会計年度比53.6%増)となりました。この主な理由は、税金等調整前当期純利益2億3千7百万円、減損損失5千2百万円を計上し、収入として前受金の増加5千2百万円等がありましたが、支出として仕入債務の減少1億1千3百万円、貸倒引当金の減少2千8百万円、売上債権の増加2千6百万円等があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は、1億1千4百万円(前連結会計年度は1千5百万円の増加)となりました。この主な理由は、収入として投資事業組合分配金による収入2千3百万円等がありましたが、支出として投資事業組合への出資による支出1億円、有形固定資産の取得による支出2千万円、教材用コンテンツの取得による支出1千5百万円等があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は、8百万円(前連結会計年度は1億2千3百万円の減少)となりました。この主な理由は、収入として長期借入れによる収入1億円がありましたが、支出として社債の償還による支出5千1百万円、長期借入金の返済による支出3千7百万円等があったことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
 至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

国内(千円)

439,735

△25.3

北米(千円)

348,454

9.0

欧州(千円)

123,304

8.9

中国(千円)

39,358

8.1

アジア・パシフィック(千円)

29,600

18.0

合計(千円)

980,453

△9.5

 (注)1.金額は売上原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
 至 平成29年3月31日)

受注高

前年同期比
(%)

受注残高

前年同期比
(%)

国内(千円)

1,171,331

△8.3

276,039

17.9

北米(千円)

1,629,624

5.1

180,625

△8.1

欧州(千円)

460,584

4.3

105,107

6.6

中国(千円)

136,666

33.1

10,363

320.8

アジア・パシフィック(千円)

109,796

17.4

22,578

76.8

合計(千円)

3,508,003

1.2

594,715

9.2

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
 至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

国内(千円)

1,129,390

△12.9

北米(千円)

1,645,624

5.2

欧州(千円)

454,052

21.7

中国(千円)

128,765

15.9

アジア・パシフィック(千円)

99,989

△2.1

合計(千円)

3,457,821

0.3

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.会社の経営の基本方針

私たちウィルソン・ラーニングは、創業時から「人や組織が、そのもてる力を最大限に発揮できるようお手伝いします---充実感を伴ったパフォーマンス---」というミッションを掲げ、これを全世界に共通した私たちの“存在理由”としています。その遂行を図ることが会社経営の基本であり、次の2点をその基本戦略に据えています。

ひとつは“テクノロジー・ドリブン”。最新の人間工学や産業心理学に基づくテクノロジーとIT技術によって、ミッション遂行を切り開いていくのが私たちの基本です。もうひとつは“グローバリゼーション”。テクノロジーにはもともと、極めて伝搬しやすいという性質があります。グローバルに展開が可能なこのテクノロジーをフルに活かし、世界中の企業の「人と組織の成長のパートナー」としてお手伝いしていくのが当社の方針です。

 

2.会社の経営戦略

 グローバルに展開するための戦略として、1.認知度の向上、2.ラーニング・テクノロジーの強化、3.社員教育の強化、4.プライシングシステムの開発の4点を引き続き重要項目として掲げ、実現してまいります。

 日本企業の海外拠点における人材育成、また欧米など他地域のグローバル企業のアジアにおける人材育成を、他社にない体制で実施できる強みを発揮していきます。

 株式会社日本経済新聞社との協業は重要な経営戦略で、さらに強化してまいります。

 

   3.経営環境と対処すべき課題

(1) 国内

 人材育成に対する重要性は高まっているとの企業の認識は強く、引き続き大型案件の引き合いがあります。大型案件のプロジェクト管理を強化し、利益率の改善を図っていきます。

 また人材育成のためのポータルサイトは、昨年度、低価格で導入できる標準型の開発を済ませたことから、顧客対象を大きく広げていきます。このサイトを使って、学習をより効果的に行っていくための使い方提案をし、日本企業の課題となっている、働き方改革や生産性の向上に資していきます。

 株式会社日本経済新聞社との連携では、社会の変化に対応した、他社にはできないプログラムを企画・開発して日本企業の発展に貢献できるような、サービスを提供してまいります。

(2) 北米

 引き続き、IT企業などで大型の人材育成プロジェクトを提案し、グローバルな契約で研修を実施していきます。

 集合研修だけで終わるのではなく、継続的な活動にするため、ウェブを使った既存学習支援システムを改良するための投資を行っていく予定です。このため、利益面では一時的に減少することを予想しています。

(3) 欧州

 欧州は引き続き、政治、経済で流動的な要素を抱えていますが、マーケティング活動を強化し、新規の顧客開拓に今後も力を入れていきます。また、代理店を通じて営業してきたエリアの販売体制を刷新し、一部に直営の営業体制を導入して、提案・受注体制を強化していきます。

(4) 中国

 中国経済の回復をにらんで、新しいマネージングディレクターを採用しました。中国企業のみならず、国外からの進出企業の人材育成の支援の受注に一層力を入れていきます。

(5) アジア・パシフィック

 ASEAN、インド、オーストラリアを中心としたアジア・パシフィックは、マーケティングなど、国ごとではなく、より広域な体制を敷いて、効率化を目指していきます。

 現地の子会社、関連会社、代理店との協力を進めて、域内の日本企業の現地拠点に対する人材育成の支援を行う体制を整備していきます。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)市場環境の変化

 日本では企業業績の回復は新卒採用の増加につながり、新卒採用による社員の増加は長期的な育成の必要性へとつながります。したがって、新卒採用の減少、リストラによる社員の減少等は人材育成予算に影響を与えることから、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは海外で人材育成を目的とした人材開発のコンサルティングを展開しており、海外市場の経済の低迷も、また、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(2)為替変動

 当社グループの売上高の約6割は海外売上高であります。また、当社のロイヤリティ売上高も海外子会社からのものであります。期初に想定為替レートを定めて予算等の計画を作成しておりますが為替変動は当社グループの経営成績及び財政状態、また、競争力にも影響し、長期的に当社グループの業績に影響します。このような状況から円が他の通貨、特に米ドルに対して円高になると悪影響を受ける可能性があります。

(3)個人情報

 当社グループは、事業遂行に関連して、多数の個人情報を有しております。これらの個人情報については、その管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性が皆無ではなく、このような事態が生じた場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担やブランド価値の低下が当社業績に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

重要な契約等はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、HRD事業を中心に研究開発活動を行っております。

HRD事業は、その中心となるスキルベースの研修プログラム、アセスメント・メジャメントプログラムの基礎研究を米国の子会社であるウィルソン・ラーニング ワールドワイド インク(以下、WLW社という)が行っております。具体的には、WLW社は研修プログラム及びリサーチプログラムの基礎となる人間の言動・心理に関する基礎研究を行っております。また、WLW社の研究成果はHRD事業に寄与するだけでなく、ロイヤリティの源泉にもなっております。

当連結会計年度におけるHRD事業の研究成果は以下のとおりです。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は138,418千円となっております。

当連結会計年度中は、顧客の要望がサービスに変化していることから主にサービス系のプロダクト(コーチングサービス、アセスメントサービス、ファシリテーションサービス)に継続して開発投資を行いました。また、リーダーシップ系として、セールスリーダーシップにも継続して投資を行い、米国を中心にこれらの提供を開始いたしました。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状況の分析

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、27億6千4百万円(前連結会計年度末は27億2千4百万円)となり、3千9百万円増加しました。これは、主に繰延税金資産の減少2千1百万円がありましたが、受取手形及び売掛金の増加1千4百万円、たな卸資産の増加1千3百万円、現金及び預金の増加9百万円、貸倒引当金の減少1千8百万円があったことによるものです。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は、7億3千7百万円(前連結会計年度末は7億4千4百万円)となり、7百万円減少しました。これは、主に投資有価証券の増加8千5百万円がありましたが、繰延税金資産の減少5千5百万円、建物及び構築物の減少4千4百万円があったことによるものです。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、7億3千1百万円(前連結会計年度末は8億8千7百万円)となり、1億5千5百万円減少しました。これは、主に前受金の増加4千5百万円がありましたが、買掛金の減少1億1千7百万円、1年内償還予定の社債の減少5千1百万円、未払消費税等の減少2千1百万円があったことによるものです。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は、2億9百万円(前連結会計年度末は1億6千1百万円)となり、4千8百万円増加しました。これは、主に長期借入金の増加5千7百万円があったことによるものです。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は、25億6千万円(前連結会計年度末は24億2千1百万円)となり、1億3千8百万円増加しました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加1億4千7百万円があったことによるものです。

(2)経営成績の分析

 当連結会計年度は海外事業、特に北米と欧州が非常に好調な結果となりました。アジア・パシフィックは予算達成には到りませんでしたが、昨年度を上回る利益を確保出来ました。

 中国はコスト削減策が功を奏し、増益となりました。

 日本国内事業は、受注は昨年を下回り、原価の改善には成功したものの、営業損失となりました。

 株式会社日本経済新聞社との協業は、ASEANでの研修事業が立ち上がって成果が出始めております。

 この結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高34億5千7百万円(前期比0.3%増)、営業利益3億7百万円(前期比101.4%増)、経常利益2億8千7百万円(前期比88.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1億4千7百万円(前期比973.9%増)と増収増益を達成しました。

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益、減損損失を計上し、収入として前受金の増加、長期借入れによる収入がありましたが、支出として、仕入債務の減少、投資事業組合への出資による支出、社債の償還による支出、長期借入金の返済による支出があり、前連結会計年度末に比べ8百万円増加し、当連結会計年度末には、16億6千7百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は、1億2千8百万円(対前連結会計年度比53.6%増)となりました。この主な理由は、税金等調整前当期純利益2億3千7百万円、減損損失5千2百万円を計上し、収入として前受金の増加5千2百万円等がありましたが、支出として仕入債務の減少1億1千3百万円、貸倒引当金の減少2千8百万円、売上債権の増加2千6百万円等があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は、1億1千4百万円(前連結会計年度は1千5百万円の増加)となりました。この主な理由は、収入として投資事業組合分配金による収入2千3百万円等がありましたが、支出として投資事業組合への出資による支出1億円、有形固定資産の取得による支出2千万円、教材用コンテンツの取得による支出1千5百万円等があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は、8百万円(前連結会計年度は1億2千3百万円の減少)となりました。この主な理由は、収入として長期借入れによる収入1億円がありましたが、支出として社債の償還による支出5千1百万円、長期借入金の返済による支出3千7百万円等があったことによるものです。