当第3四半期連結累計期間において新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、2020年3月期以降売上高が著しく減少し、2022年3月期までは重要な営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しました。前連結会計年度においては、営業利益及び経常利益を計上し当社グループの業績は改善傾向にありますが、継続して親会社株主に帰属する当期純損失を計上しました。また、当第3四半期連結累計期間においては、前年同期に比べ売上高は日本では回復傾向にありますが、全体的には横ばい傾向であり、重要な営業損失392,976千円、経常損失393,779千円、親会社株主に帰属する四半期純損失398,168千円を計上しました。
このような状況のなか、今後追加の運転資金が必要になることが想定されますが、現時点では金融機関等からの新たな資金調達について見通しが得られている状況にはありません。これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。このような状況の解消を図るべく、当社グループは、以下の諸施策を遂行することにより、収益構造の改善及び財務基盤の安定化に取り組んでおります。
事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策
当社グループは、上記に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。当該事象又は状況を解消するための対応策として、当社グループは以下の施策を実施してまいります。
①収益構造の改善
・高収益化体質の確立に向け、北米の営業要員の早期戦力化を図り、利益率の高いライセンス型の案件の提案に引き続き注力してまいります。
・2022年10月に学習管理システム(LMS)国内大手企業である株式会社ライトワークスと業務提携を行いました。同社のLMS上に当社商品「ハイブリッド型ラーニングサービス」を搭載し、双方のお客様へのクロスセル等を実施してまいります。
・アフターコロナ時代の新しい研修スタイルを睨んだWebマーケティング投資、リーダーシップ領域、オンライン研修領域における新規商品群への開発投資を積極的に推進しております。既に、国内外において複数のお客様に向けたオンライン研修やアセスメントサービスを実施しており、収益機会の拡大を図ってまいります。
・販売費及び一般管理費について、人件費や業務委託費の見直しを行い、本社等移転により諸経費削減を推進しております。ウィルソン・ラーニング ヨーロッパ(英国)ではコスト削減のため2023年8月に事務所の移転を行いました。引き続きIT関連の外部委託化も推進しております。
②財務基盤の安定化
当社グループは、運転資金及び開発投資資金の安定的な確保と維持に向け、取引金融機関と協議を進め新規融資の申請や資本の増強策の可能性について検討しておりましたが、実現には至っておりません。このため、今後は、新株の発行やグループ内の資金を移動させることで必要な資金を確保し、運転資金及び開発投資資金の改善に努めております。
以上の施策を実施するとともに、今後も引き続き有効と考えられる施策につきましては、積極的に実施してまいります。しかしながら、収益構造の改善には新しい取り組みが含まれていることから不確実性が認められるとともに、新型コロナウイルス感染症拡大によって受けた業績低迷からの回復に時間を要しております。
また、財務基盤の安定化については、資本の増強策の可能性などについて継続的に検討しているものの、見通しが得られている状況ではありません。
したがって、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。
なお、四半期連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を四半期連結財務諸表に反映しておりません。
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、欧米においてはインフレーションや政策金利の高止まりが継続しております。米国は、インフレーション抑制のための金利上昇を背景に景気減速の可能性もありましたが、底堅く推移しております。欧州は、ウクライナ戦争の長期化や物価高騰の影響等により低調に推移しました。中国は、ゼロコロナ政策後の経済活動の回復が遅れており、不動産の不良債権問題もあり成長率は鈍化しております。
わが国においては、賃上げの実施やインバウンド消費の回復等により景気は回復基調で推移しました。エネルギー価格や原材料の高騰によるインフレーション傾向等により先行き不透明な状況もありますが、政府が掲げる「新しい資本主義」において、人への投資の抜本的強化が重点戦略の中に位置づけられており、人的資本の重要性に対する企業投資は継続しております。今後も、特に日本市場において当社グループへの引合い機会もより拡大していくものと考えております。
このような環境下、日本の売上高は回復基調である一方、グループ各社では低調に推移しました。当第3四半期連結累計期間においてはグループ全体で売上高は前年同期比で微減となり、営業損失を計上いたしました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
①財政状態
(イ) 流動資産
当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、12億1千7百万円(前連結会計年度末は14億6千5百万円)となり、2億4千7百万円減少しました。これは、主に現金及び預金の減少1億2千6百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少1億1百万円があったことによるものです。
(ロ) 固定資産
当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、6億6千7百万円(前連結会計年度末は6億6千万円)となり、7百万円増加しました。これは、主に長期未収入金の増加9百万円があったことによるものです。
(ハ) 流動負債
当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、5億4千3百万円(前連結会計年度末は6億1千2百万円)となり、6千8百万円減少しました。これは、主に買掛金の減少4千7百万円、短期借入金の減少3千万円があったことによるものです。
(ニ) 固定負債
当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、4億3千3百万円(前連結会計年度末は4億3百万円)となり、2千9百万円増加しました。これは、主に長期未払費用の増加5千6百万円、その他の減少2千1百万円があったことによるものです。
(ホ) 純資産
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、9億8百万円(前連結会計年度末は11億9百万円)となり、2億1百万円減少しました。これは、主に資本金の増加8千7百万円、資本剰余金の増加8千7百万円、為替換算調整勘定の増加2千1百万円がありましたが、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上による利益剰余金の減少3億9千8百万円があったことによるものです。
②経営成績
当第3四半期連結累計期間における経営成績は、売上高12億5千9百万円(前年同期比5.6%減)、営業損失3億9千2百万円(前年同期は2億3千2百万円の営業損失)、経常損失3億9千3百万円(前年同期は2億7千5百万円の経常損失)となっております。また親会社株主に帰属する四半期純損失は3億9千8百万円(前年同期は2億8千6百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(イ) 国内
日本では、当第3四半期連結累計期間の企業研修市場は、人的資本経営に対する投資ニーズ等により堅調に推移しており、国内事業はそれに伴い増収となりました。一方、グループ内ロイヤリティ収入に関しては、グループ各社の伸び悩みにより減収傾向となりました。
この結果、売上高5億5千6百万円(前年同期比1.5%増)、営業損失9千8百万円(前年同期は1億2千4百万円の営業損失)となりました。
(ロ) 北米
米国では、経済環境は堅調なものの企業の人材投資意欲に慎重さがみられ、研修案件が小型化する傾向が引き続いております。そのため大型の案件契約が当第3四半期連結累計期間まで獲得できておりません。
この結果、売上高5億5千7百万円(前年同期比1.4%減)、営業損失3億3千9百万円(前年同期は2億5千1百万円の営業損失)となりました。
(ハ) 欧州
インフレーションは緩和傾向が見られるものの、ウィルソン・ラーニング ヨーロッパ(英国)は企業の人材育成予算の凍結傾向があり、減収減益となっております。販売費及び一般管理費節減のため2023年8月に本社事務所を移転しました。引き続き大型案件獲得の営業活動を継続しております。ウィルソン・ラーニング フランスは、堅調に売上高を確保しており、当第3四半期連結累計期間は、営業利益を計上しております。
この結果、売上高1億9千2百万円(前年同期比17.8%減)、営業損失2千3百万円(前年同期は0百万円の営業損失)となりました。
(ニ) 中国
中国では、経済の減速傾向にも関わらず、現地資本企業への直接営業の売上高は当第3四半期連結累計期間に継続して微増となりました。しかしながら当社グループ内での中国での実施案件が減少したため、前年同期比では減収となりました。
この結果、売上高6千万円(前年同期比13.0%減)、営業損失3千5百万円(前年同期は2千2百万円の営業損失)となりました。
(ホ) アジア・パシフィック
インドでは、販促活動を重視しており、2023年7月には日刊英字経済紙としてはインド最大の発行部数を誇る経済新聞「エコノミックタイムズ」のアワードで、研修プロバイダーとして最高の金賞を受賞しました。しかしながら、当第3四半期連結累計期間において低調な受注結果となったことで大幅な減収減益となりました。アジアでは、グループ内での受注案件が低調だった結果、減収減益となりました。
この結果、売上高7千9百万円(前年同期比41.2%減)、営業損失4千6百万円(前年同期は7百万円の営業損失)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は8千6百万円となっております。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、運転資金及び開発投資資金の安定的な確保と維持に向け、グループ内の資金を最大限に有効活用してまいります。民間の金融機関に対しても、引き続き新規の資金融資交渉を行っております。また2023年4月24日に新株予約権の発行を行い、2023年7月12日までに行使を完了し、資本の増強を行いました。
以上の施策を実施するとともに、今後も引き続き有効と考えられる施策につきましては、積極的に実施してまいります。しかしながら、収益構造の改善にはアフターコロナ時代における新しい取り組みが含まれていることから不確実性が認められます。
また、財務基盤の安定化については、さらなる新規の資金融資や資本増強について継続的に検討しているものの、その実現には時間を要しており、確実な見通しが得られている状況ではありません。
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。