第2 【事業の状況】

当社の消費税等の会計処理は税抜方式によっているため、この項の記載金額には消費税等は含まれていません。

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当社は、ほとんどの教師を正社員として、授業内容の専門化・高技術化に努め、その授業力を大きな支えとして進学実績の向上に力を入れています。
  平成28年9月末日現在において、中高全教師635名中、正社員教師608名、専任講師15名、講師12名(うち6名はネイティブ講師)となり、正社員率で95.7%、専任比率で98.1%に達しています。これらの教師陣が自己研鑽を重ねながら、教務力の強化を図っています。
 大幅な制度変更となって4年目を迎えた今春の神奈川県の公立高校入試でしたが、記述式設問を積極的に取り入れた学力検査問題は全体として高難度であった上に、トップ高校をはじめ多くの上位校における倍率が高止まりしたため、受験生にとっては緊張感の高い入試となりました。そのような状況の中、当社の小中学生部門から神奈川県の公立トップ高校19校に2,029名(昨年比111名増)が合格しました。これは県内公立高校に合格したステップ生の39.6%に相当します。これら公立トップ高校の半数以上の11校において、また公立トップ高校の中で新制度の特徴の一つである特色検査(記述式)を実施した10校のうち半数以上に当たる7校において、塾別の合格者数で当社がトップとなっています。
 また、ステップ生の通学圏内で最難関と位置づけられる国立東京学芸大附属高校への今春の合格実績は、同校の外部進学生用の定員が106名に対して68名を占め、8年連続で全塾中トップの実績を残すことができました。
 当社が小中学生部門と並んで注力している高校生部門は、特に人材育成に力を入れてきましたが、その成果として各専門科目の教師陣の層が厚くなってきています。今春の大学進学実績を見ると、国公立大学の合格者総数が過去最高となり、また私立大学においてもいわゆる理大MARCHの合格者数がトータルで初めて1000名を超えました。業界全体としては、ライブの授業を映像授業に置き換える動きや個別指導化が進んでいますが、当社はあくまでも教師の息吹が伝わるライブ授業をベースとし、良きライバルが切磋琢磨し合う集団指導のメリットを活かしていきます。

当事業年度中の新規開校は、まず小中学生部門で3スクールで、いずれも3月のスタートでした。開校したのは当社が注力している田園都市線沿線で川崎市内2番目のスクールとなる宮崎台、横浜市内東横線沿線の綱島、京浜急行線沿線の上大岡の3ヶ所で、それぞれ順調な立ち上がりとなっています。加えて、当社の新たなチャレンジとなる学童保育「STEPキッズ湘南教室」も無事にスタートしています。その結果、スクール数は現状、小中学生部門が119スクール、高校生部門は14校、個別指導部門1校、学童部門1校の計135校です。

生徒数については、小中学生部門、高校生部門ともに全体として着実なペースを維持しており、塾生総数で見た場合、当事業年度の生徒人数平均は前年同期比5.4%増となっています。   

   

以上の結果、当事業年度の売上高は10,176百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は2,451百万円(前年同期比6.4%増)、経常利益は2,485百万円(前年同期比6.6%増)、当期純利益は1,669百万円(前年同期比12.2%増)となりました。 

 

事業部門別の売上高は、次のとおりです。 

小中学生部門

小中学生部門は生徒数が期中平均で3.9%の増加等により、8,329百万円(前年同期比4.5%増)となりました。

高校生部門

高校生部門は生徒数が期中平均で13.2%の増加等により、1,846百万円(前年同期比12.9%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
 当事業年度における現金及び現金同等物は2,847百万円と前年同期と比べ28百万円(1.0%減)の減少となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益2,449百万円や、減価償却費424百万円、法人税等の支払額821百万円により2,025百万円の収入となり、前年同期と比べ79百万円(4.1%増)の収入の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、新校舎の建設及び土地の取得等により、1,353百万円の支出となり、前年同期と比べ295百万円(27.9%増)の支出の増加となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入はありましたが、長期借入金の返済及び配当金の支払、自己株式の取得等により、701百万円の支出となり、前年同期と比べ385百万円(122.2%増)の支出の増加となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績及び受注実績

当社は、生徒に対して授業を行うことを業務としていますので、生産及び受注の実績は、該当事項はありません。

(2) 販売実績

当事業年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりです。

事業部門の名称

第38期

(自 平成27年10月1日

至 平成28年9月30日)

前年同期比(%)

小中学生部門(千円)

8,329,408

104.5

高校生部門(千円)

1,846,740

112.9

合計

10,176,148

105.9

 

 

3 【対処すべき課題】

中長期的な経営戦略を推進するための当面の課題として、以下の3項目に特に注力しています。

 

① 教師育成制度の強化

教師育成の要として長年に渡って実施している授業研修は、当社の文化と言っても過言ではありません。さらに本部専属スタッフによる授業監査制度も、スクール運営や授業の実状を把握する手段として、また現場へのタイムリーなサポートとして定着しています。この二つの制度を有効活用することによって、授業技術のより一層のレベルアップを図っていきます。

 

② 採用活動の強化

採用活動の強化を進めるため、人材募集媒体の多様化を含めた採用活動ノウハウの見直し、向上を図り、従来同様あるいはそれ以上の有為な人材の採用に力を尽くしています。

 

③ 新規開校開発体制の強化

小中学生部門は従来からのドミナント戦略にそって、効率的、効果的なスクール展開を追求しています。高校生部門は、公立トップ高校を中心とした現役高校生のニーズにそった立地を重要視しています。また、小中学生部門、高校生部門ともに移転も含めた旧校舎のリニューアルを積極的に進めています。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。

 

① 少子化の進行

学習塾は、少子社会の影響を直接受ける業界です。当社が事業展開する神奈川県においても今後10年余りを取り出すと、15歳人口は現状の約8.2万人から約7.5万人(2025年)へと減少することが予想されています。高品質の授業と合理的で柔軟なシステムにますます磨きをかけて、縮小するマーケットの中で継続的なシェア拡大に努めますが、長期的には学習塾に通塾する生徒数が全体として減少する可能性があります。

 

② 教育制度の変更に関するリスク

入試制度や学習指導要領は行政によってたびたび変更されます。当社では教材研究課を設置し、情報収集やオリジナルテキストの作成等によってこれら制度変更に柔軟に対応しつつ学習指導及び進路指導を行っていますが、制度変更に対する適切な対応に不備をきたした場合は、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合に関する影響

当社では、小中学生及び現役高校生を対象とした学習塾を展開していますが、高校受験、大学受験共に、多くの競合先があります。もしも、当社の合格実績が大きく低下した場合、もしくは競合先の合格実績が相対的に大きく上昇した場合は、新規入会塾生の減少や通塾生の減少等により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 人材の確保に関するリスク

当社は原則として教師は正社員として雇用し、自社で育成する方針です。したがって、人材確保又は教師の育成が計画通りに進まない場合、教師が大量に退職した場合は、当社の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 自然災害等が発生した場合のリスク

当社が教室展開している神奈川県及びその周辺地域において、大規模な地震や津波等の自然災害が発生した場合、当社の一部または全部の業務遂行が困難となったり、新規入会者が大幅に減ったりする可能性があります。

 

⑥ 塾生の安全管理

当社では、公益社団法人全国学習塾協会の定める「学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン」に準拠した「ステップに通う子どもの安全確保ガイドライン」を作成し、安全・安心な学習環境の整備、通塾状況の改善に努めています。
 しかしながら、何らかの事情により当社の管理責任が問われる事態が発生し、当社の評価の低下に繋がり、これらに関する費用が増加した場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 個人情報の保護管理

当社は、社員、取引先、株主等にとどまらず、在籍生徒およびそのご家庭に関する膨大な個人情報を保有しています。これは事業の性格上、必要不可欠のものであり、従来からその収集、管理、利用に関して厳格なルールを設け、細心の注意を払ってきました。
 実際、個人情報が社外に流出したり不当に利用されるといったトラブルは、現状のセキュリティー体制のもとでは、今まで一度も発生していませんが、IT技術の目覚しい進化とその悪用によって不測の事態が起こりうる可能性があります。

 

⑧ 法令関連

学習塾の運営に関連する主な関連法令は、特定商取引法、消費者契約法、個人情報保護法、景品表示法、不正競争防止法、著作権法等があります。当社では、例えば特定商取引法において禁止されている誇大・虚偽広告や、不当な勧誘行為等を行わないための組織的な予防体制の構築に努めており、また、著作権法については各教師がこれを十分に理解し、著作権者の許諾をとるための作業マニュアル等の整備を行っています。
 しかしながら、関連する法令等に基づいて損害賠償請求等に係る訴訟等を将来において提訴される可能性を否定することは出来ず、万が一、訴訟等が起きた場合は、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 財政状態

① 資産

当事業年度末における総資産は、前事業年度末比955百万円増の19,491百万円となりました。
 主な要因は、固定資産の増加によるものです。
 流動資産は、現金及び預金の減少等により、前事業年度末比16百万円減の3,387百万円となりました。

固定資産は、減価償却実施による減少はありましたが、新校舎の建設や土地の取得等により前事業年度末比972百万円増の16,103百万円となりました。

② 負債

当事業年度末における負債は、前事業年度末比135百万円減の2,978百万円となりました。
 流動負債は、未払金の増加等はありましたが、未払消費税等の減少等により、前事業年度末比56百万円減の1,674百万円となりました。
 固定負債は、長期借入金の返済等により、前事業年度末比79百万円減の1,304百万円となりました。

③ 純資産

当事業年度末における純資産は、配当金の支払がありましたが、当期純利益の計上等により、前事業年度末比1,091百万円増の16,512百万円となりました。

これにより、自己資本比率は前事業年度末に比べ、1.5ポイントアップの84.7%となりました。

④ キャッシュ・フロー

当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりです。
 なお、当社のキャッシュ・フロー指標は次のとおりです。

 

 

前事業年度
(平成27年9月30日)

当事業年度
(平成28年9月30日)

自己資本比率(%)

83.2

84.7

時価ベースの自己資本比率(%)

90.4

97.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.9

0.8

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

367.5

510.7

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

1 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

2 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。

3 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。

 

(2) 経営成績の分析

当事業年度の売上高実績は、期中平均5.4%の生徒人数増を反映して10,176百万円(前年同期比5.9%増)となりました。
 売上原価は社員の増加による人件費増などにより402百万円増となりました。
 販売管理費は人件費の増加などにより18百万円増となりました。
 結果、営業利益は2,451百万円(前年同期比6.4%増)となり、営業利益率は当社の経営指標である20%を上回る、24.1%となりました。
 経常利益は2,485百万円(前年同期比6.6%増)となり、また、法人税、住民税及び事業税を781百万円計上したことなどにより、当期純利益は1,669百万円(前年同期比12.2%増)となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因

当社は生徒たちの学力向上をサポートし、その成果を通して社会へ貢献することを基本理念としています。それを実現するためには「高い教務力を持った専門的な人材による高品質の学習指導サービスの提供」が重要であり、それを担う有為な人材の採用・育成が経営戦略の要となります。そのため、人材採用・育成の専門チームを組織し、積極的な採用、育成活動をコンスタントに行っています。
  神奈川県では、近年、入試制度の抜本的な改変、大学進学実績の向上、教育内容の多様化等、公立高校の復権が進んできました。当社の小中学生部門は、公立高校の基盤が比較的強固な地域を中心にドミナント展開を行ってきたことが強みとなり、この公立高校の復権を追い風としています。
  高校生部門は、2020年度を目途とする大学入試改革への対応が急務です。その中でも英語の入試が4分野型(読む、聞く、書く、話す)に変わっていく影響は大きなものがあります。当社の高校生部門では、教師研修の内容を新制度に対応したものに変えつつあります。また、塾生の相談役であるチューター制度の充実を推し進め、生徒一人一人の多彩な高校生活の状況を丁寧に把握した上で学習指導、進学相談を行う体制の構築、受験形態の多様化に対応したシステム作り、環境作り等に全力でチャレンジしているところです。今後とも小中学生部門と並ぶ経営の柱として、高校生部門の発展を図ります。
 

(4) 経営戦略の現状と見通し

当社の生徒人数は、小中学生部門、高校生部門ともに当初予想の範囲内で堅調に推移しています。その背景には、長年の蓄積の成果である授業力、豊富な受験情報、的確な進学指導の総合的な結果としての合格実績が、入試勝負の色彩が濃い神奈川県公立高校の新入試制度において評価されていることがあると思われます。
  しかしながら、当社の今後については、一面的に楽観的な見通しを持つものではありません。基本的な流れとしての少子化は神奈川県でも継続して進行しており、それを背景に学習塾間の競合は激しいものがあります。2020年度を目途とした大学入試制度の抜本的な見直しも進行していますので、それへの時宜にかなった対応も急務であり、そこで後れを取れば高校生部門に陰が差します。
 小中学生部門においては、今春の高校入試についても従来同様の詳細な分析を進め、その結果に基づくデータを駆使してさらに精度の高い学習指導・進路指導にあたり、これまで以上の合格実績の実現に邁進します。そして、その実績を背景としてよりいっそう厚い生徒・保護者の信頼を勝ち得て、ステップブランドの向上に努めます。
 高校生部門においては、現在、2020年度からの大学入試制度改革に対応すべく、英語科をメインに積極的な取り組みを進めています。さらに、今後も授業内容の向上と柔軟なシステム作りに工夫をこらし、「部活動や学校行事等を含む多面的な高校生活を充実させながら、同時に志望大学への現役合格も実現させたい」という公立高校生の切実なニーズに応えていきます。また生徒募集の面では、中学生部門を有した学習塾としての強みを存分に活かしてまいります。
  小中学生部門、高校生部門ともに、「日々指導技術の研鑽を怠らず、一人一人の生徒と向き合い、学力向上に真摯に取り組んでいく」という当社の基本的な方向性にそって、教師一人一人の授業力アップに継続的に取り組み、教師層の厚みを増し、組織力の向上に努め、全体の教務力、スクール運営力のレベルアップを図ります。

来春の新スクールの開校は、小中学生部門において3~4校を予定しています。