文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「子供たちを元気にする塾」をコンセプトに「楽しくて、かつ力がつく」授業をモットーとしてきました。「生徒たちの健全な成長を学習面で応援し、生徒たちの学力向上を通して社会に貢献する」ことを基本理念としています。
これを実現するため、以下の5項目を経営の基本方針としています。
①学習塾専業に徹し、経営資源を専門分野に集中的に投下する。
②スクールは、神奈川県内に集中して展開する。
③授業内容とシステムの高品質化を不断に追求する。
④県内公立トップ高校への進学実績No.1を堅持し、さらに難関国私立高校への合格実績を一層向上させる。
⑤公立高校生を中心にした地元現役高校生をサポートする大学受験STEPの発展を推進する。
(2) 目標とする経営指標
当社は経営の一つの目安として、原価比率70%前後、販管費比率10%前後の数字を念頭に、売上高営業利益率の20%程度での継続を指標としています。学習塾という業態は人材集約産業的な側面が濃いため、社員一人あたりの売上高は決して多額とは言えません。「20%程度の営業利益率」は、この学習塾という業態の中で、継続的な成長を図りながら設備のリニューアル等にも積極的に取り組んでいくための目安としている数値です。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社は生徒たちの学力向上をサポートし、その成果を通して社会へ貢献することを基本理念としています。それを実現するためには「高い教務力を持った専門的な人材による高品質の学習指導サービスの提供」が重要であり、それを担う有為な人材の採用・育成が経営戦略の要となります。そのため、人材採用・育成の専門チームを組織し、積極的な採用、育成活動をコンスタントに行っています。
神奈川県では、近年、入試制度の抜本的な改変、大学進学実績の向上、教育内容の多様化等、公立高校の復権が進んできました。当社の小中学生部門は、公立高校の基盤が比較的強固な地域を中心にドミナント展開を行ってきたことが強みとなり、この公立高校の復権を追い風としています。
高校生部門は、2020年度を目途とする大学入試改革への対応が急務です。その中でも英語の入試が4分野型(読む、聞く、書く、話す)に変わっていく影響は大きなものがあります。当社の高校生部門では、教師研修の内容を新制度に対応したものに変えつつあります。また、塾生の相談役であるチューターの制度充実を進め、生徒一人一人の高校生活の状況を丁寧に把握した上で学習指導、進学相談を行う体制作りに全力でチャレンジしています。今後とも小中学生部門と並ぶ経営の柱として、高校生部門の発展を図ります。
(4) 会社の対処すべき課題
当社が学習塾を展開している神奈川県において、今後とも継続的に発展していくためには、果たすべき課題があります。
一つは、神奈川県の中でも、少子化が進む地域と、今後10年以上人口増が続く地域が併存していますが、当社の事業展開を後者、すなわち今後も人口増が続く地域において強化していくことです。
もう一つは、上記の課題を達成するために、当社のブランド力を横浜・川崎地区において今以上に強化していくことです。
具体的な施策は下記の通りです。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
① 少子化の進行
学習塾は、少子社会の影響を直接受ける業界です。当社が事業展開する神奈川県においても今後10年余りを取り出すと、15歳人口は現状の約8.2万人から約7.6万人(2025年)へと減少することが予想されています。高品質の授業と合理的で柔軟なシステムにますます磨きをかけて、縮小するマーケットの中で継続的なシェア拡大に努めますが、長期的には学習塾に通塾する生徒数が全体として減少する可能性があります。
② 人材の確保に関するリスク
当社は原則として教師は正社員として雇用し、自社で育成する方針です。したがって、人材確保又は教師の育成が計画通りに進まない場合、教師が大量に離職した場合等は、当社の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
③ 教育制度の変更に関するリスク
入試制度や学習指導要領は時代と共に変わっていきます。直近では、2020年に大学入試制度が大きく変わります。当社では、専門の教材開発部門を設け、オリジナル教材の作成等によってこれらの制度変更に柔軟に対応していますが、制度変更に対して柔軟な対応ができなかった場合は、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 競合に関する影響
当社では、小中学生及び現役高校生を対象とした学習塾を展開していますが、高校受験、大学受験共に、多くの競合先があります。もしも、当社の合格実績が大きく低下した場合、もしくは競合先の合格実績が相対的に大きく上昇した場合は、新規入会塾生の減少や通塾生の減少等により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 塾生の安全管理
当社では、公益社団法人全国学習塾協会の定める「学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン」に準拠した「ステップに通う子どもの安全確保ガイドライン」を作成し、安全・安心な学習環境の整備、通塾状況の改善に努めています。
しかしながら、何らかの事情により当社の管理責任が問われる事態が発生し、当社の評価の低下に繋がり、これらに関する費用が増加した場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 個人情報の保護管理
当社は、社員、取引先、株主等にとどまらず、在籍生徒及びそのご家庭に関する膨大な個人情報を保有しています。これは事業の性格上、必要不可欠のものであり、従来からその収集、管理、利用に関して厳格なルールを設け、細心の注意を払ってきました。
実際、個人情報が社外に流出したり不当に利用されるといったトラブルは、現状のセキュリティー体制のもとでは、今まで一度も発生していませんが、IT技術の目覚しい進化とその悪用によって不測の事態が起こりうる可能性があります。
⑦ 自然災害等が発生した場合のリスク
当社が教室展開している神奈川県及びその周辺地域において、大規模な地震や津波等の自然災害が発生した場合、当社の一部または全部の業務遂行が困難となったり、新規入会者が大幅に減ったりする可能性があります。
⑧ 法令関連
学習塾の運営に関連する主な関連法令は、特定商取引法、消費者契約法、個人情報保護法、景品表示法、不正競争防止法、著作権法等があります。また、働き方改革の流れの中で、各種労働法令等の厳格化にも対応していく必要があり、意識的な取り組みを進めているところです。当社では、例えば特定商取引法において禁止されている誇大・虚偽広告や、不当な勧誘行為等を行わないための組織的な予防体制の構築に努めているほか、著作権法については各教師がこれを十分に理解し、著作権者の許諾をとるための作業マニュアル等の整備を行っています。しかしながら、関連する法令等に基づいて損害賠償請求等に係る訴訟等を将来において提訴される可能性を否定することは出来ず、万が一、訴訟等が起きた場合は、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当社は、生徒たちの健全な成長を学習面で応援し、生徒たちの学力向上を通して社会に貢献していくという基本理念の下、創業以来一貫して質の高い授業にこだわり続けています。その実現には魅力ある教師陣の存在が不可欠であり、人材採用と育成に継続的に力を注いでいます。平成30年9月末日現在において中学部・高校部を合わせた教師数は659名、うち正社員教師634名、専任講師16名、講師9名(4名はネイティブ講師)という構成になっており、正社員比率で96.2%、専任比率は98.6%となっています。
業界全体としては対面式の授業を映像授業に置き換える動きや個別指導化の流れが広がっていますが、当社は教師が生徒と同じ空間を共有して行う双方向のライブ授業、ライバル同士が切磋琢磨しながら伸びていくクラス授業の良さを大切にしています。小中学生部門においては、従来型の教科指導に加え、「幅広い教養を身につけていく」ことを目的としたオリジナル授業を前期から取り入れており、当期はさらなるカリキュラムの充実に力を入れました。高校生部門においては、2020年大学入試改革を見据えて教務力の強化とカリキュラムの充実に継続して取り組んでいます。
今春の合格実績については、小中学生部門において神奈川県の公立トップ高校19校に2,129名(昨年比62名増)が合格しました。これは県内公立高校に合格したステップ生の41.2%に相当します。これら公立トップ高校の半数以上の10校において、また公立トップ高校の中で新制度の特徴の一つである特色検査(記述型)を実施した9校のうち半数以上に当たる5校において、塾別の合格者数で当社がトップの実績を残しています。
また、ステップ生の通学圏内で最難関の共学校である国立東京学芸大附属高校への今春の合格実績は、120名(外部進学生。昨年比51名増)に達し、10年連続で全塾中トップの合格者を出しています。
当社が小中学生部門と並んで注力している高校生部門は、特に人材育成に力を入れてきましたが、その成果として各専門科目の教師陣の層が厚くなってきています。
今春の大学入試結果を振り返ると、国公立大学の合格者総数が180名(昨年145名)となり、過去最高の数字を残しています。また私立大学入試においては、首都圏の大規模私立大学が、いわゆる「定員厳格化」の流れの中で合格者を絞り込んだ厳しい状況の中で、早慶上智がほぼ昨年並みの224名、いわゆる理大MARCH(東京理科大+明治、青山、立教、中央、法政の合計で1,003名)の合格者数も1,000名を超え、前向きな結果を残しています。
当事業年度中の新規開校は、小中学生部門で5スクールです。当社が展開を始めた川崎地区の新百合ヶ丘(小田急小田原線)、鷺沼(東急田園都市線)、横浜北部地区のたまプラーザ(東急田園都市線)、そして横浜市保土ケ谷区初めての展開となる保土ケ谷(JR横須賀線)、和田町(相鉄線)のそれぞれ駅から徒歩数分の立地に新スクールを開校しました。この中で、たまプラーザは平成29年10月に竣工した自社建物の中にHi-STEPスクールを開校したものです。
これらの新スクール開校の結果、スクール数は現状、小中学生部門128スクール、高校生部門14校、個別指導部門1校、学童部門1校の計144校となっています。
当事業年度における生徒数は小中学生部門、高校生部門ともに堅調に推移し、前年同期比3.4%増となりました。
売上高は11,033百万円(前年同期比4.4%増)、営業利益は2,680百万円(前年同期比3.7%増)、経常利益は2,760百万円(前年同期比4.8%増)、当期純利益は1,862百万円(前年同期比1.6%増)となりました。
事業部門別の生徒数及び売上高は、次のとおりです。
小中学生部門
期中平均生徒数は21,666人(前年同期比3.6%増)、売上高は8,979百万円(前年同期比4.5%増)となりました。
高校生部門
期中平均生徒数は4,520人(前年同期比2.8%増)、売上高は2,053百万円(前年同期比4.0%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末比757百万円増の21,474百万円となりました。
主な要因は、現金及び預金の増加や固定資産の増加によるものです。
流動資産は、好調な営業キャッシュ・フローによる現金及び預金の増加等により、前事業年度末比567百万円増の4,503百万円となりました。
固定資産は、減価償却実施による減少はありましたが、新校舎の完成に伴う建物の増加や土地の取得等により前事業年度末比189百万円増の16,970百万円となりました。
(負債)
当事業年度末における負債は、前事業年度末比525百万円減の2,356百万円となりました。
流動負債は、未払法人税等の増加等はありましたが、1年内返済予定の長期借入金の減少等により、前事業年度末比123百万円減の1,743百万円となりました。
固定負債は、長期借入金の返済等により、前事業年度末比402百万円減の612百万円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、配当金の支払がありましたが、当期純利益の計上等により、前事業年度末比1,282百万円増の19,118百万円となりました。
これにより、自己資本比率は前事業年度末に比べ、2.9ポイントアップの89.0%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
当事業年度における現金及び現金同等物は3,936百万円と前年同期と比べ527百万円(15.5%増)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益2,725百万円や、減価償却費444百万円、法人税等の支払額755百万円等により2,405百万円の収入となり、前年同期と比べ53百万円(2.2%減)の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、新校舎の建設及び土地の取得等により、631百万円の支出となり、前年同期と比べ505百万円(44.4%減)の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済及び配当金の支払等により、1,246百万円の支出となり、前年同期と比べ486百万円(64.0%増)の支出の増加となりました。
④生産、受注及び販売の状況
(生産実績及び受注実績)
当社は、生徒に対して授業を行うことを業務としていますので、生産及び受注の実績は、該当事項はありません。
(販売実績)
当事業年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて判断しています。
当事業年度の売上高実績は、期中平均3.4%の生徒人数増を反映して11,033百万円(前年同期比4.4%増)となりました。
売上原価は社員の増加による人件費増などにより348百万円増となりました。
販売費及び一般管理費は租税公課の増加などにより24百万円増となりました。
営業利益は2,680百万円(前年同期比3.7%増)となり、営業利益率は当社の経営指標である20%を上回る、24.3%となりました。
経常利益は2,760百万円(前年同期比4.8%増)となり、また、法人税等合計を862百万円計上したこと等により、当期純利益は1,862百万円(前年同期比1.6%増)となりました。
③キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析③キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりです。
④経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
⑤経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
⑥資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の主な資金需要は、労務費や地代家賃等の営業費用の他、スクール用地取得や校舎建築等の設備投資です。これらの資金需要は自己資金でまかなえる状況ですが、安定的な資金を継続的に調達するために金融機関との関係も重視しており、借入を継続しています。
該当事項はありません。
該当事項はありません。