(1)業績
当連結会計年度(以下、「当期」)の我が国経済は、企業の拡大基調を背景として雇用情勢や所得環境が改善し、総じて緩やかな回復基調で推移したものの今一つ力強さに欠け、4月に発生した「熊本地震」等相次ぐ自然災害も重なり、個人消費も精彩を欠く展開となりました。また中国経済の減速、英国のEU(欧州連合)からの離脱決定、米国大統領の交代等、海外経済の不確実性は高まり、先行きの不透明感が一段と増してきております。
そのような環境の中、展開するすべての事業が一体となってお客様にホスピタリティ溢れる対応ができる「ONE
DUSKIN」を目指す第1フェーズ「中期経営方針2015」の2年目を迎えた当社は、業績回復に向けた各種取り組みとその後の飛躍に向けた基盤作りに注力してまいりました。クリーン・ケアグループにおいては、当社最大の強みであるお客様接点の強化・多様化のための各種検証、生産・物流・調達及び情報システム等のコスト見直しを実施し、フードグループにおいては、ミスタードーナツのブランド再構築とミスタードーナツに次ぐ事業の育成に注力しました。その他にも、マレーシア最大のドーナツチェーン企業の子会社化を進める等の海外事業拡大や、企業統治体制の見直しを図る等の経営基盤強化にも精力的に取り組みました。
当期の業績は、クリーン・ケアグループが増収となった一方、フードグループは減収となり、連結売上高は前期から33億22百万円(2.0%)減少し1,618億80百万円となりました。利益面につきましては、減収の影響に加えて退職給付費用が増加する等の減益要因があったものの、「スタイルクリーナー」の原価減少や原材料等の仕入れコスト削減により原価率が改善した結果、連結営業利益は前期から6億97百万円(13.0%)増加し60億69百万円、連結経常利益は8億46百万円(12.6%)増加し75億54百万円となりました。「熊本地震」に伴う損失の計上や減損損失の増加があったものの、固定資産廃棄損、関係会社清算損が減少したこと等により特別損益が改善し、更に過年度に減損処理を行った関係会社株式の譲渡に伴い税金費用が減少した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期から13億35百万円(44.8%)増加し43億18百万円となりました。
(単位:百万円)
|
|
前 期 (平成28年3月期) |
当 期 (平成29年3月期) |
増 減 |
|
|
|
増減率 (%) |
|||
|
連結売上高 |
165,203 |
161,880 |
△3,322 |
△2.0 |
|
連結営業利益 |
5,372 |
6,069 |
697 |
13.0 |
|
連結経常利益 |
6,707 |
7,554 |
846 |
12.6 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
2,983 |
4,318 |
1,335 |
44.8 |
[セグメントの業績]
①クリーン・ケアグループ
主力のダストコントロール商品の売上高は、フランチャイズ加盟店から前期に譲受した拠点の売上が計上されたものの、フランチャイズ加盟店向けの売上は減少し、最終的には前期の売上高を下回る結果となりました。しかしながら、レントオール事業(日用品、イベント用品等のレンタル)等、その他の事業が総じて好調に推移したこと等により、クリーン・ケアグループ全体の売上高は前期から3億46百万円(0.3%)増加し1,105億37百万円となりました。営業利益につきましては、販売促進費、退職給付費用等の経費が増加したものの、「スタイルクリーナー」の原価減少、マット等の新布投入の減少、及び重油価格下落により売上原価が減少した結果、前期に比べ6億69百万円(5.2%)増加し136億71百万円となりました。
(単位:百万円)
|
|
前 期 (平成28年3月期) |
当 期 (平成29年3月期) |
増 減 |
|
|
|
増減率 (%) |
|||
|
売上高 |
110,191 |
110,537 |
346 |
0.3 |
|
営業利益又は営業損失 (△) |
13,001 |
13,671 |
669 |
5.2 |
家庭向けのダストコントロール商品は、「おそうじベーシック3」(フロアモップ「LaLa」、ハンディモップ「shushu」、「スタイルクリーナー」のセット商品)は引き続き好調で売上は増加しましたが、その他のモップ商品の売上が減少し、モップ商品全体では売上が減少しました。9月に一部地域でレンタルを開始した「ロボットクリーナーSiRo」の寄与や丸ごと水洗いすることでダニのフンや死がい、汗等の汚れを取り除く「ふとん丸洗い宅配サービス」の売上増加があった一方、前期7月にリニューアルと同時に価格改定を実施し、加盟店による駆け込み仕入れがあった台所用スポンジやフィルター商品の売上が減少したこと等により、家庭向けダストコントロール商品全体では前期の売上高を下回りました。
事業所向けのダストコントロール商品は、屋内専用オーダーメイドマット「インサイド」、「うす型吸塵吸水マット」等の当社独自の高機能マットの売上は増加したものの、それ以外のマット商品売上は減少し、マット商品全体では売上は減少しました。しかしながら、新たなお客様との接点作りツールの1つとして前期に開始した「配置ドリンクサービス」が当期も順調に推移した他、宅配水ボトルの交換が不要で水道水を注ぐだけの浄水機能付き「ウォーターサーバー」、「芳香ドーム(小便器用洗浄防汚芳香剤)」、1月よりレンタルを開始した「空間清浄機クリア空感中型」の寄与等で、事業所向けダストコントロール商品全体では前期並みの売上高となりました。
役務提供サービスにつきましては、サービス実施時に使用する資器材のフランチャイズ加盟店向け売上が減少したものの、「エアコンクリーニング」や「家事おてつだいサービス」等のお客様売上の増加により、ロイヤルティは増加しました。また、当期より一部地域で「ホームリペア(壁や床の補修サービス)」を開始したこともあり、役務提供サービス全体では前期の売上高を上回りました。
クリーン・ケアグループのその他の事業につきましては、レントオール事業はイベント関連用品、介護用品等が引き続き好調を維持し、ユニフォーム関連事業(ユニフォームサービス事業、中外産業株式会社)、化粧品関連事業(ヘルス&ビューティ事業、アザレプロダクツ株式会社、共和化粧品工業株式会社)も前期の売上を上回りました。高齢者支援サービスのホームインステッド事業は、直営店の大口顧客の解約等の影響で減収となりました。
②フードグループ
主力のミスタードーナツは、お客様売上が減少したことでロイヤルティ、加盟店への原材料売上共に減少しました。その結果、フードグループ全体の売上高は前期から38億55百万円(8.8%)減少し401億51百万円となりました。利益面につきましては、減収の影響が大きく、引き続き損失を計上することとなったものの、原材料等の仕入れコスト削減や原材料廃棄低減等に取り組んだ結果、原価率が大幅に改善し、営業損失は前期と比べると7億84百万円減少し6億84百万円となりました。
(単位:百万円)
|
|
前 期 (平成28年3月期) |
当 期 (平成29年3月期) |
増 減 |
|
|
|
増減率 (%) |
|||
|
売上高 |
44,007 |
40,151 |
△3,855 |
△8.8 |
|
営業利益又は営業損失 (△) |
△1,469 |
△684 |
784 |
― |
ミスタードーナツは、第1、第2四半期の「クロワッサンマフィン」「ハロウィーンドーナツ」、第3四半期の「クリスマスドーナツ」に続き、バレンタインデーでチョコレート需要が高まる第4四半期には、「焼きマシュマロチョコレート」や「ショコラデニッシュ」等、季節や催事に合わせた商品を発売しました。また「夢のドーナツ」(人気定番ドーナツをアレンジして開発した商品を期間限定で販売)の発売等、「ミスドファンミーティング」等で寄せられるお客様の声を反映させた施策にも積極的に取り組み、カフェインや脂質の摂取を避ける等の健康志向の高まりに対しては、「カフェインレスコーヒー」(カフェインを97%カットした生豆を使用)、「オイルカットドーナツ」(ポン・デ・リング、ハニーディップ、オールドファッション、チョコレート、フレンチクルーラーの5アイテムの100g当たりの平均脂質量との比較で脂質を40%カット)を発売しました。また9月に実施した大王製紙株式会社とのコラボレーション企画(エリエールティシュー等の特定エリエール商品についている応募券でドーナツを1個プレゼント)や、12月に実施したソフトバンク株式会社の「SUPER FRIDAY」(SoftBankのスマートフォン利用者全員に金曜日に利用できるクーポンを配信するキャンペーン)への参加等、他社と組んだプロモーションにも注力しました。しかしながら、その他の来店誘引施策が今一つインパクトを欠いたことで、新商品効果が限定的となったことを主因として既存店売上は減少し、加えて不採算店舗のクローズに伴う稼働店舗数の減少影響も大きく、お客様売上は前期を下回りました。
一方、期初から中長期的なミスタードーナツブランド再構築に向けて新しいコンセプトの店舗「V/21」タイプへの改装を促進してまいりました。11月には、今後の店舗展開と価格見直し(いつでも幅広いお客様にドーナツを楽しんでいただくために、一部の定番商品価格を引き下げ)を主眼とする新事業方針を発表し、お客様の利便性が高い商業施設や駅近隣立地への出店を目指して開発したテイクアウト専門店「Mister Donut to go」、イートイン需要が高い立地には、ベーカリー商品やパスタ等軽食メニューやカフェラテ等エスプレッソ系メニューを拡充した「ミスタードーナツカフェ」を出店する等、業績回復とブランド再構築に向けた取り組みを本格化させました。
その他のフード事業は、店舗数が減少した「カフェデュモンド」は減収となったものの、全体としては前期の売上を上回る結果となりました。パイ専門店「パイフェイス」、シフォンケーキ専門店「ザ・シフォン&スプーン」、とんかつレストラン「かつアンドかつ」、大型ベーカリーショップ「ベーカリーファクトリー」は店舗数の増加等により増収、また連結子会社である蜂屋乳業株式会社は、ミスタードーナツの内製化商品と他企業商品の受注増により増収となりました。
なお、海鮮丼を中心としたどんぶり専門店「ザ・どん」等を展開していた連結子会社株式会社どんは、11月30日付で株式会社フジオフードシステムに全株式を譲渡いたしました。
③その他
期中の為替が前期の水準に比べて円高で推移したことに加えて、楽清香港有限公司(原材料及び資器材の調達)がペーパータオルの取扱量減少により減収となったことで、海外事業全体の売上高は前期を下回りました。しかしながら、前期8月に出資持分を追加取得し新たに連結子会社となった美仕唐納滋(上海)食品有限公司(中国(上海)でミスタードーナツ事業を展開)の売上高が計上され、また、楽清(上海)清潔用具租賃有限公司(中国(上海)でクリーン・ケア事業を展開)は好調に推移しました。国内のその他の事業は、ダスキン共益株式会社(リース及び保険代理業)が減収となった一方、株式会社ダスキンヘルスケア(病院施設のマネジメントサービス)は増収となった結果、その他全体の売上高は、前期から1億87百万円(1.7%)増加し111億92百万円となりました。利益面につきましては、海外事業における営業損失が減少したことに加え、ダスキン共益株式会社、株式会社ダスキンヘルスケアが増益となったことで、前期に損失を計上したその他全体は前期から3億17百万円増加し1億14百万円となりました。
(単位:百万円)
|
|
前 期 (平成28年3月期) |
当 期 (平成29年3月期) |
増 減 |
|
|
|
増減率 (%) |
|||
|
売上高 |
11,004 |
11,192 |
187 |
1.7 |
|
営業利益又は営業損失 (△) |
△202 |
114 |
317 |
― |
海外事業の動静につきましては、クリーン・ケア事業を展開している台湾、中国(上海)、韓国のお客様売上はいずれも前期を上回りました。一方、ミスタードーナツ事業は、台湾、フィリピン、インドネシアは順調に推移しておりますが、中国(上海)、タイ、マレーシアのお客様売上は減少しました。
なお、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末の225億3百万円から53億98百万円増加し279億2百万円となりました。各々のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、158億3百万円の資金収入(前年同期は111億99百万円の資金収入)となりました。その要因は、税金等調整前当期純利益が66億10百万円、減価償却費が69億55百万円、減損損失が12億97百万円、退職給付に係る負債の増加額が12億38百万円あったこと等であります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、35億65百万円の資金支出(前年同期は28億26百万円の資金支出)となりました。その要因は、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入が361億47百万円あったことに対し、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が319億12百万円、有形固定資産の取得による支出が43億63百万円あったこと等であります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、68億円の資金支出(前年同期は129億52百万円の資金支出)となりました。その要因は、自己株式の取得による支出が44億17百万円、配当金の支払額が22億10百万円あったこと等であります。
(1)仕入実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|||
|
(自 平成27年4月1日 |
(自 平成28年4月1日 |
|||||
|
至 平成28年3月31日) |
至 平成29年3月31日) |
|||||
|
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
金額 |
増減率 |
|
|
クリーン・ケアグループ |
30,937 |
49.1 |
30,365 |
52.0 |
△572 |
△1.9 |
|
フードグループ |
27,827 |
44.1 |
24,111 |
41.3 |
△3,715 |
△13.4 |
|
その他 |
4,306 |
6.8 |
3,878 |
6.7 |
△427 |
△9.9 |
|
合計 |
63,071 |
100.0 |
58,355 |
100.0 |
△4,716 |
△7.5 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.クリーン・ケアグループでは生産を行っており、主なものは下記のとおりであります。
(クリーン・ケアグループにおける生産実績)
|
区分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|||
|
(自 平成27年4月1日 |
(自 平成28年4月1日 |
|||||
|
至 平成28年3月31日) |
至 平成29年3月31日) |
|||||
|
回数 |
構成比 |
回数 |
構成比 |
回数 |
増減率 |
|
|
マット |
1,263,806 |
83.7 |
1,256,158 |
84.2 |
△7,648 |
△0.6 |
|
モップ |
193,831 |
12.8 |
186,570 |
12.5 |
△7,261 |
△3.7 |
|
ロールタオル |
23,207 |
1.5 |
20,272 |
1.4 |
△2,935 |
△12.6 |
|
ウエス |
28,283 |
2.0 |
28,066 |
1.9 |
△217 |
△0.8 |
|
合計 |
1,509,127 |
100.0 |
1,491,066 |
100.0 |
△18,061 |
△1.2 |
(2)受注実績
該当事項はありません。
(3)販売実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|||
|
(自 平成27年4月1日 |
(自 平成28年4月1日 |
|||||
|
至 平成28年3月31日) |
至 平成29年3月31日) |
|||||
|
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
金額 |
増減率 |
|
|
クリーン・ケアグループ |
110,191 |
66.7 |
110,537 |
68.3 |
346 |
0.3 |
|
フードグループ |
44,007 |
26.6 |
40,151 |
24.8 |
△3,855 |
△8.8 |
|
その他 |
11,004 |
6.7 |
11,192 |
6.9 |
187 |
1.7 |
|
合計 |
165,203 |
100.0 |
161,880 |
100.0 |
△3,322 |
△2.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
当社グループは、消費者の嗜好が益々多様化し、また世帯構成が変化する等の経営環境に置かれており、それらに機敏に対応することに迫られております。従来の画一的なサービスの提供ではなく、ライフステージやお客様の利用動機に合わせたオーダーメイドのサービス提供が必要であり、すべての事業が一体となってホスピタリティ溢れる対応ができる企業グループ「ONE DUSKIN」を一層進めていく必要があります。
女性活躍推進や介護離職ゼロを掲げる等の政府が目指す「一億総活躍社会」の実現は、当社グループの成長チャンスを拡大するものであり、家事支援サービス等への期待の高まりに合わせた人材確保や利用しやすい環境整備等が課題となります。
他方、低迷しているミスタードーナツを立て直すという喫緊の課題があります。すべての年代のお客様に、ミスタードーナツを選んで来店していただくために、11月に発表した「新事業方針」を着実に進め、業績の回復に取り組んでまいります。
また一方、ここ数年低下してきた資本効率を常に意識することも重要であり、経営資源の選択と集中を進めてまいります。
平成30年3月期は「中期経営方針2015」の最終年度であります。目標を達成し、再び成長軌道に乗せるために当社グループ一丸となって取り組んでまいります。
①クリーン・ケアグループ
一部のサービス・商品しかご利用いただけていないお客様に対して、複数のサービス・商品をご利用いただけるよう事業モデルの再構築を目指します。そのポイントとなる「コールセンター」は、受注機能、営業・業務支援機能の拡張を図り、お客様との新たな接点である会員サイト「DDuet」は、お客様の会員化を一段と進めてまいります。更には、加盟店が持つお客様情報の一元化とお客様係(訪問販売員)のタブレット活用により、総合提案力を強化いたします。また、当社とフランチャイズ加盟店が一体となって大企業やナショナルブランドに対する営業を強化いたします。
仕事と家事の両立を目指す共働き世帯が増加しつつある現下、家事代行ニーズは益々高まるものと想定しております。加えて当社は、政府が進める女性活躍の推進に共感し、家事支援外国人受入事業にチャレンジしてまいります。
また超高齢化社会の到来を前に、地域のコミュニティに根付く当社は、ご高齢者の快適な生活とご家族の安心を提供するサービスの拡充を目指してまいります。
②フードグループ
スイーツ市場は相次ぐ新ブランドの参入等により、競争環境はますます厳しいものとなっております。当社としては、ミスタードーナツ事業の業績回復が最優先課題であると認識しており、ミスタードーナツへの投資を強化いたします。その他のフード事業は、ミスタードーナツに次ぐ事業の育成が長年の課題でありますが、新たなシーズ発掘を継続しつつも、既存の事業についてはその後の展開可否の判断を行うことが必要と考えております。
主力のミスタードーナツ事業においては、利用動機や立地環境に応じた店舗への改装計画を着実に進めると共に、前期11月に初出店したキッチンを持たないカフェタイプの店舗「ミスタードーナツカフェ」や持ち帰り専門の店舗「Mister Donut to go」等の空白商圏への出店を進めて店舗運営の効率化を図ります。また、既存店については、来店頻度の向上と売価改定の認知度向上を図ると共に、イ.健康志向の新カテゴリーの導入、ロ.最高水準の素材と技術をもった企業との共同開発商品で新たな価値を提案し、またハ.利用動機を広げるメニューの強化(食事・軽食・デザート)にも取り組んでまいります。
③新たな成長
M&Aや資本・業務提携、海外ブランドの国内導入等、様々な手法を的確に用いて、成長の見込める新たな事業に取り組むと同時に、アジアを中心とした成長著しい海外市場における事業展開を積極的に推し進めてまいります。
④コーポレート・ガバナンス強化
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るべく、コーポレートガバナンス・コードが掲げる諸原則の実効性確保に向けて積極的な情報開示、社員教育の充実、コンプライアンス、役職員の行動基準の周知徹底、内部統制、リスクマネジメントをはじめ、一層のコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでまいります。
以下におきまして、当社グループ(当社及び当社の関係会社)の事業展開及びその他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。ただし、以下は当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれにおいても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。
なお文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)ビジネスモデル(フランチャイズ方式)について
①加盟店との関係について
当社グループにおける事業展開は、主としてフランチャイズ方式を中心に展開しており、加盟店に対し、経営指導、事業運営上必要な事業システム及びノウハウ、商品、資器材、印刷物等の提供等を行い、加盟店は、お客様に対して当社グループの指定した商品の販売、サービスの提供を行っております。当社グループでは、当社グループ及び加盟店の収益向上のために必要な新商品・サービスの開発・導入、新規出店、既存店の改装等の施策を計画、実施しておりますが、これら施策の実行には加盟店の理解・協力、資金負担等が必要な場合があり、加盟店の理解等を得られない場合には、計画の中止又は遅延の場合もあります。また、加盟店との間にトラブル等が発生した場合、加盟店の離脱、訴訟の発生又は、加盟店の法令違反、不祥事等により、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
②法的規制について
当社グループは、フランチャイズ方式による店舗展開に関して中小小売商業振興法、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」)及び「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」(平成14年4月24日公正取引委員会)等の規制を受けております。従いまして、これらの法令等の改廃、新たな法令等の制定により当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(2)クリーン・ケアグループに係るリスクについて
①事業環境について
クリーン・ケアグループでは、マット・モップ等の清掃美化関連商品のレンタルを主とするダストコントロール事業を中核に、ハウスクリーニング、家事代行サービス、害虫獣の駆除・予防サービス、樹木・芝生管理サービス等の清掃美化関連役務提供事業(以下、ケアサービス)を、家庭市場と事業所市場のマーケット別に展開しております。
ダストコントロール事業は、家庭市場においては、女性の社会進出による在宅率低下、使い捨て商品の普及等により、また、事業所市場においては、事業所数の減少、企業の経費削減意識の浸透等により、市場規模は減少傾向にあると推測しております。一方、ケアサービスは、家庭市場、事業所市場共にアウトソーシングニーズの増大による市場拡大を見込んでおります。
当社グループでは、商品開発、販売チャネルの拡大、決済方法の多様化やケアサービスにおいては新規加盟店の募集等により事業拡大を図っていく方針であります。
また当社グループ及び加盟店では、高齢者生活支援サービス(以下、ホームインステッド事業)を提供しておりますが、高齢者人口の増加等による市場拡大を見込んでおり、新規加盟店の募集等による事業拡大を図る方針であります。
しかしながら、各事業に関連する市場動向、競合の状況、お客様ニーズの変化等によって、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
②環境保護について
ダストコントロール商品は洗浄工程等を経て複数回のレンタルを行っております。洗浄工程では薬剤と大量の水を使用しておりますが、当社グループ及び委託先では、薬剤の使用量削減と水の再利用等による環境負荷の低減に努めております。しかしながら、当社グループ又は委託先において水質汚濁防止法等の法的規制に違反する事象又は何らかの問題が生じる、或いは、環境保護に係る法的規制等が強化された場合、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、感染症発病地域へレンタルした商品の再利用が、二次感染源になる等の風評被害を受ける可能性があります。
③製商品の安全性について
当社グループでは、清掃用資器材、キャビネットタオル、トイレタリー商品、天然水等のドリンク商品、家庭用電気製品、化粧品や健康食品等について安全性を確認した上でレンタル又は販売を行っておりますが、これら製商品に何らかの品質上の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループに対する信用の低下等により、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
④特定の製品の製造元について
モップの新布については、製造技術に関する特異性及びコストダウンの観点から、当社の子会社である株式会社和倉ダスキン1社にて製造しております。また、オーダーメイドマット(お客様特注品マット)については、製造工程及び技術の特異性の観点から、当社の子会社である株式会社小野ダスキン1社にて製造しております。このため予期せぬ天災地変等でこれらの会社での製品の製造が困難になった場合には、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
⑤法的規制について
家庭市場、事業所市場で展開している事業は、特定商取引に関する法律、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器法)、クリーニング業法、不当景品類及び不当表示防止法、下請代金支払遅延等防止法等の規制を受けております。また、ダストコントロール事業は、独占禁止法に基づき、現在、公正取引委員会から独占的状態の国内総供給価額要件及び市場占拠率要件に該当すると認められる事業分野に指定されております。また、ケアサービスは、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律等の法的規制を受けております。従いまして、これらの法令等の改廃、新たな法令等の制定、当社グループの違反に対する行政指導等により当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
⑥サービスの提供について
当社グループのホームインステッド事業の利用者は、主に高齢者等であり、サービス提供による不測の事故が起こる可能性もあります。当社グループでは、事故の発生防止や緊急時対応等、教育研修による徹底的なスキルアップ、マニュアルの整備等に積極的に取り組んでおりますが、万一サービス提供中に事故等が発生し、過失責任が問われるような事態が生じた場合は、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
⑦サービスの品質について
ケアサービスでは、当社グループ又は加盟店からサービススタッフをお客様の住居又は事業所に派遣してサービスを提供しております。サービススタッフは一定の技能を必要とすることから、当社グループでは研修制度、ライセンス制度によりサービススタッフのサービス品質の向上及び均一化を図っております。また、サービスの提供に用いる資器材等については安全性を確認した上で、研修を受けたサービススタッフが用いることとなっております。しかしながら、サービススタッフが提供するサービスに瑕疵があった場合やサービスに用いる資器材等に何らかの問題が発生した場合、更に、これらのサービスを原因として健康被害等が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や当社グループに対する信用の低下等により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。また、一定の技能を有するサービススタッフが十分に確保できない場合、又はサービススタッフ等を確保するためのコストやサービス後の廃棄物を処理するためのコストが上昇した場合には、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(3)フードグループに係るリスクについて
①事業環境について
フードグループの主要事業であるミスタードーナツ事業は、ドーナツを中心としたメニューにより当社グループ及び加盟店におきまして多店舗展開しております。当社グループでは、ショッピングセンター等への新規出店、利用動機や立地環境に応じた店舗の改装・再配置、時間帯別に応じた付加価値の高いメニューの開発、アジア市場への進出等により当社グループの事業の拡大を図っていく方針でありますが、市場動向、競合の状況、消費者の嗜好の変化や原材料等の高騰等によっては当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
②食品の安全性について
当社グループでは、最近の食品の安全性に対する社会的な要請の高まりを踏まえて、衛生管理ガイドの整備、自主的に外部検査機関を使った定期検査を実施する等、食品の安全性を確保するための社内体制を構築し、運用しております。しかしながら、当社グループ又は加盟店の店舗において食中毒が発生したり、食品衛生法等の法的規制に違反する事象が生じた場合、損害賠償金の負担の発生、これらの店舗の全部又は一部の営業停止や当社グループに対する信用の低下等により、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
③製品(グッズ)の安全性について
ミスタードーナツ事業では、オリジナルグッズ等について安全性を確認した上で販売を行っておりますが、これら製品(グッズ)に何らかの品質上の問題が発生した場合、当社グループに対する信用の低下等により、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
④特定の製品の仕入先について
ミスタードーナツ事業における製粉については、ドーナツ加工の基となるフォーミュラー(製粉の配合割合)に関する情報漏洩防止の観点から、日本製粉株式会社1社から仕入れております。これにより当社は、事実上安定した品質の製粉を確保することができ、価格に関しましても、市場に連動した適正価格で取引することが可能となっておりますが、同社との取引条件の変更等によっては、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
⑤法的規制について
フードグループで展開する事業は、食品衛生法、不当景品類及び不当表示防止法、下請代金支払遅延等防止法等の法的規制を受けております。従いまして、これらの法令等の改廃、新たな法令の制定、当社グループの違反に対する行政指導等により当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(4)個人情報について
当社グループ及び加盟店は、事業運営に当たりお客様の個人情報を取得、利用しており、「個人情報保護規程」をはじめとする諸規程の制定、役員・従業員への研修の実施、加盟店を対象とした勉強会の開催、システムのセキュリティ対策等個人情報の管理体制を構築・運用しております。しかしながら、外部からの不正アクセス等により個人情報の流出等の重大なトラブルが発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループに対する信用の低下等により、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(5)自然災害について
当社グループは、地震、台風、洪水等の自然災害に対して、発生時の損害を最小限に抑えるため、安否確認システムの構築、自然災害対応マニュアルの作成、事業継続計画の整備に努め、災害発生を想定した安否確認訓練、防災訓練を実施しております。しかしながら、当社グループ及び加盟店は、日本全国に事業を展開していることから、リスクを全て回避することは困難であり、また、大規模な災害が発生した場合、被災地域における営業活動の停止、被害を受けた設備等の修復、更に人的被害があった場合には、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(6)退職給付債務及び費用について
当社グループの退職給付債務及び費用は、退職給付債務の割引率及び年金資産の期待運用収益率等の数理計算上の前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は妥当なものと判断しておりますが、実際の年金資産の運用状況及び市場金利に著しい変動が生じた場合、又は前提条件が変更された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(7)人材の育成と確保について
当社グループでは、あらゆるサービスの基本は人材だと考え、さまざまな教育や研修を通じて人材の育成を進めております。また、新卒者の安定的採用や専門的知識・経験を持ち即戦力となる中途採用により、計画的に人材の確保を図っております。
しかしながら、何らかの理由により人材の確保が困難になる、或いは、優秀な人材が流出した場合には、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(8)海外展開について
当社グループは、アジア圏の国と地域において、ダストコントロール事業及びミスタードーナツ事業を展開しております。これらの国と地域において政治・経済の混乱及び想定していなかったテロ・労働争議の発生等といった障害に直面する可能性があります。また、法令や各種規制の制定若しくは改正がなされた場合、事業活動が期待どおりに展開できない可能性があります。こうした海外における障害に対しては、案件毎にその回避策を講じてリスク管理に努めておりますが、完全に回避できるものではなく、リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(1)フランチャイズ契約
当社は、加盟店と共に全国的な営業網を確立し、永続的な信頼関係を保持するために、事業内容の基本的な事項並びに相互の利益と本部及び加盟店の権利・義務等を明確にすることを目的として契約を締結しております。主な契約は次のとおりであります。 (注)1
|
セグメント名称 |
契約の名称 |
加盟金 (千円) |
保証金 (千円) |
契約期間 |
|
クリーン・ケア グループ |
ダスキン愛の店ダストコントロールフランチャイズチェーン契約 |
595 |
200 |
締結日から3年間 (注)2 |
|
ダスキン・フランチャイズチェーン支店契約 |
― |
― |
締結日から3年間 (注)3 |
|
|
ダスキンサービスマスターフランチャイズチェーン契約 |
1,500 |
1,000 |
締結日から3年間 (注)3 |
|
|
フードグループ |
ミスタードーナツチェーン契約 |
4,000 |
― |
5年間 (注)4 (新コンセプト店舗については 8年間 (注)5) |
(注)1.上記につきましては、現在の契約内容であります。既存の契約につきましては、契約時期により、加盟金、保証金が異なる場合があります。
2.期間満了30日前までに当社又は加盟店の何れか一方からの異議がない場合は1年間自動更新。
3.期間満了3ヵ月前までに当社又は加盟店の何れか一方からの異議がない場合は1年間自動更新。
4.期間満了6ヵ月前までに当社又は加盟店の何れか一方からの異議がない場合は2年間自動更新。
5.期間満了6ヵ月前までに当社及び加盟店協議の上、合意が成立した場合には再契約。
(2)技術提携契約
|
契約 |
相手方 |
契約名称 |
契約概要 |
契約期間 |
|
|
名称 |
国名 |
||||
|
当社 |
三井物産株式会社 |
日本 |
業務提携契約 |
両者の持つ経営資源やノウハウを結集し、両者対等の立場で協力関係を構築することによって両者の企業基盤の拡充と競争力強化を図り、より一層の発展を期する。 |
平成21年9月7日より1年間 |
|
当社 |
シーバイエス株式会社 |
日本 |
業務提携契約 |
洗剤、ワックス等の製品の開発・販売に関する契約 |
自 平成10年1月1日 |
|
当社 |
統一超商股份有限公司 |
台湾 |
合弁契約 |
合弁事業契約(合弁企業名:楽清服務股份有限公司) |
- (注)1 |
|
当社 |
日本製粉株式会社 |
日本 |
取引基本契約 |
原材料ノウハウの開示及び製造委託に関する契約 |
自 昭和47年4月1日 |
|
当社 |
統一超商股份有限公司 |
台湾 |
合弁契約 |
合弁事業契約(合弁企業名:統一多拿滋股份有限公司) |
- (注)2 |
|
当社 |
Pulmuone Co.,Ltd. |
韓国 |
株主間契約 |
合弁事業契約(合弁企業名:PULMUONE DUSKIN CO.,LTD.) |
- (注)4 |
|
契約 |
相手方 |
契約名称 |
契約概要 |
契約期間 |
|
|
名称 |
国名 |
||||
|
当社 |
株式会社モスフードサービス |
日本 |
資本・業務提携契約 |
それぞれの加盟店及び顧客の利便性の向上、それぞれの得意分野や経営資源の有効活用により、両社の外食事業を一層発展させる。 |
自 平成20年2月20日 |
|
当社 |
The ServiceMaster |
米国 |
住宅・商業施設クリーニングサービス製品製造ライセンス第二更新契約 |
サービスマスター業務の実施許諾契約 |
自 平成5年12月31日 |
|
当社 |
ARAMARK MANAGEMENT |
米国 |
ヘルスケアマネジメントサービス国際ライセンス更新契約 |
ヘルスケアマネジメント業務の実施許諾契約 |
自 平成4年4月1日 |
|
当社 |
The ServiceMaster |
米国 |
ターミニックスサービス国際ライセンス更新契約 |
ターミニックス業務の実施許諾契約 |
自 平成9年5月11日至 平成19年5月10日以降10年毎の自動更新 |
|
当社 |
The ServiceMaster |
米国 |
メリーメイドサービス国際ライセンス更新契約 |
メリーメイド業務の実施許諾契約 |
自 平成10年11月12日 |
|
当社 |
株式会社サカイ引越センター |
日本 |
業務提携契約 |
相互の専門分野を有効に組み合わせて新たなサービスを創出する、及び需要を発掘する。 |
自 平成20年1月28日 |
|
当社 |
PIE FACE HOLDINGS PTY LIMITED |
豪州 |
ライセンス契約 |
パイフェイス業務の実施許諾契約 |
自 平成26年10月8日 |
(注)1.契約締結日は平成6年8月25日であり、期間の定めはありません。
2.契約締結日は平成16年8月17日であり、期間の定めはありません。
3.契約終了時の2年前までに当社から本契約を更新する旨の書面による通知を行うことにより10年間更新。
4.契約締結日は平成26年9月1日であり、期間の定めはありません。
当企業集団では、主に当社が提供する商品及びサービスに関連する清掃及び洗浄関連商品と加工技術の研究開発に取り組んでおり、品質・環境対策を重視した活動を行っております。
また、当社が提供する商品・サービスの開発段階における安全性、信頼性、使用価値性、環境への影響についての検査・試験等の商品検査活動に取り組むと共に、法令上の確認や商品表示等の検査も行っております。
(1)研究開発及び商品検査方針
①研究開発方針
当社は、消費者に対して当社が届けるトータルクリーンケアに関する商品・サービスについて、安心且つ信頼のおけるダスキンブランドの確立を目指しており、基盤技術深耕、新商品開発、商品の品質向上及び環境対策を中心とした研究開発活動に取り組んでおります。
この目的達成のために、下記事項を基本方針として商品の研究開発に取り組んでおります。
・消費者の立場に立ち、本物志向の商品開発技術を確立する。
・消費者のニーズ、変化を敏速且つ的確に把握して業界の先取りを行う。
・商品・サービスに関連する基盤技術の研究を行う。
・商品、技術に関する情報を即座に収集分析し、旧来の枠にとらわれない新しい技術を積極的に導入する。
・商品の機能、性能の他に、安全・安心はもとより、人体及び環境に限りなくやさしいことをテーマとして追求する。
また、当社の主力はレンタル商品であり、商品を繰り返し使用することで、資源の有効活用ができ、環境配慮と商品原価の低減が図れます。従いまして、使用回数を延ばすことを目的として、使用済みレンタル商品の加工工程、薬剤等の研究にも取り組んでおります。
②商品検査方針
消費者に対して当社が届けるすべての商品・サービスについて、安心且つ信頼のおけるダスキンブランドを確立するために、顧客満足、生活者保護、遵法性、環境保全の4つの視点で、「外観、構造、成分における安全性」「性能、効果」「使い勝手」「信頼性、耐久性」「表示の適切性」の観点より、商品検査及び分析・衛生検査業務を行っております。
(2)研究開発及び商品検査体制
①研究開発体制
平成29年3月31日現在、開発研究所は新たなレンタル商品素材や製造・加工方法を研究、開発する「素材技術研究室」と、レンタル品の付加価値を高める薬剤の研究及び産学連携にてお掃除とアレルギーに関する実証実験を行う「環境衛生研究室」、従来の枠にとらわれない新たなレンタルシーズの研究を行う「新規加工技術研究室」の3部門構成であり、部長を含め22名、実験助手2名を併せて総勢24名の体制となっております。
②商品検査体制
平成29年3月31日現在、商品検査センターは「信頼性・使用価値試験室」と「安全性・分析試験室」の2室構成であり、部長を含め13名、嘱託1名、実験助手2名の総勢16名の体制となっております。
(3)当連結会計年度における主な成果
①研究開発部門
a.素材技術研究関連
家庭用レンタルモップ関連
・新しい素材として従来にない風合いと対象面に対する優しさ・軽量化を実現したモールヤーンパイル素材を開発しました。現在、本素材を採用した新商品の検証を進めております。
事業所用レンタルモップ関連
・モップの耐久性を向上させるため熱融着糸を撚りいれたパイルの開発及びその耐久性試験を行い実用化に向けた目途を立てました。今後、順次新たに製造する商品に採用していく予定です。
事業所用レンタルマット関連
・マットの大幅な軽量化を図るために従来の製法や素材にとらわれない新しい製造方法及び素材の研究開発にも着手しました。未来に向けて、マットの大幅な軽量化と新しい市場を開拓する技術として継続して研究開発に注力してまいります。
b.環境衛生研究関連
主に清掃効果の基礎研究を医師と共同で実施し、実家庭において初期の専門的な清掃サービスと通年のレンタルモップ利用及び清掃指導により、アレル物質低減効果と喘息児童の病状改善効果を学会報告しました。また関連学会において専門的な清掃サービスとモップ商品の効果を展示するブース等を設け、積極的に実施効果を訴求しました。またアレル物質現場検査キットの検証、ダニ以外のアレルゲンである花粉や黄砂の影響と清掃効果、低減薬剤や低減方法の研究、天然アレル物質抑制成分調査等を産学連携で継続実施しました。学会にも積極的に参加し、専門技術情報の取得に努めました。年度末には、健康科学ビジネス推進機構が主催する第3回健康科学ビジネスベストセレクションズの「研究開発・取組み部門」において大賞を受賞しました。
c.新規加工技術部門
既存の技術や商品にとらわれない新たな分野として、薬剤の新たな蒸散方法の研究、従来のモップに代わる新たなホコリ捕集機構やツール機構の研究、油汚れ除去作業を軽減するためのコーティング技術の研究、洗浄効果を向上させるためのナノ化技術の研究等に取り組みました。引き続き、将来の核となる新商品技術の研究に取り組んでまいります。
②商品検査部門
a.商品検査の実施
新たに開発した商品・サービス品及びリニューアル商品・リスクを有すると思われる一部のNB品に関して検査や試験を実施し、開発担当者への改善提言を通じて設計及び品質に由来する不具合発生の未然防止を図りました。
b.表示検査の実施
新規開発やリニューアルに伴って新しく作製した商品ラベル、ちらし、取扱説明書、商品ガイドについて表示検査を実施し、不具合箇所の指摘を行いました。
c.品質保全活動
(a)キャビネットタオル:毎月全加工工場を対象として抜き取り検査による消毒レベルの確認を行い、衛生性品質の保全を行いました。
(b)食品原材料・商品の自主検査:当社が提供するすべての食品の安全・安心の確保を目指して、フードグループ、ヘルス&ビューティ事業等が取り扱う食品原材料及び商品について衛生検査を実施しました。
d.技術支援の実施
各事業部からの要請に基づき、製品評価・分析・衛生の専門的立場からの商品開発時の測定支援・リスク抽出及びクレーム原因調査を実施し、開発商品の完成度向上及び製品リスクの低減に努めました。
e.技術基盤の拡充
(a)信頼性・使用価値試験室では、視線追尾機器を用いて消費者や作業者の視線を捉え、商品仕様や取り扱い方法・作業手順を検討する上での問題点を抽出し、改善改良に結び付ける人間工学的分析手法の習得に取り組みました。第56期も継続して技術の実用化に向けた検証を進めています。
(b)安全性・分析試験室の分析チームでは、防カビ剤、農薬、アクリルアミドの検出技術の順次獲得を行いました。第56期は、この技術を用いて木製品(割り箸)等の防カビ剤検出試験を定期的に行う計画です。
(c)安全性・分析試験室の衛生チームでは、ミスタードーナツ店舗における更なる衛生性向上のために、複数店舗の手洗い実態調査を行い、手洗いプロセスにおける問題点を顕在化しました。第56期は、浴室内のカビ汚染実態を調査し、有効な役務方法の提案に向けて検証を進めています。
③研究開発費
当連結会計年度の研究開発費の総額は6億62百万円であります。
(1)財政状態の分析
①流動資産
当連結会計年度末における流動資産残高は620億21百万円となりました。前連結会計年度末と比較して12億38百万円減少しております。その要因は、現金及び預金が21億93百万円増加したことに対し、短期運用の有価証券が35億9百万円減少したこと等であります。
②固定資産
当連結会計年度末における固定資産残高は1,280億95百万円となりました。前連結会計年度末と比較して10億33百万円増加しております。その要因は、建物及び構築物が11億33百万円減少したことに対し、投資有価証券が23億71百万円増加したこと等であります。
③流動負債
当連結会計年度末における流動負債残高は346億3百万円となりました。前連結会計年度末と比較して26億74百万円増加しております。その要因は、未払法人税等が19億24百万円、未払金が5億25百万円増加したこと等であります。
④固定負債
当連結会計年度末における固定負債残高は134億3百万円となりました。前連結会計年度末と比較して13億40百万円減少しております。その要因は、退職給付に係る負債が13億85百万円減少したこと等であります。
⑤純資産
当連結会計年度末における純資産残高は1,421億8百万円となりました。前連結会計年度末と比較して15億39百万円減少しております。その要因は、退職給付に係る調整累計額が18億20百万円増加したことに対し、親会社株主に帰属する当期純利益43億18百万円と剰余金の配当22億4百万円及び自己株式の消却46億91百万円の差引等により利益剰余金が25億77百万円減少したこと、その他有価証券評価差額金が7億7百万円減少したこと等であります。
(2)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
キャッシュ・フロー指標のトレンド
当企業集団のキャッシュ・フロー指標は次のとおりであります。
|
|
平成26年3月期 |
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
74.3 |
77.6 |
75.0 |
74.5 |
|
時価ベースの |
60.1 |
63.5 |
59.0 |
68.3 |
|
キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(年) |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
|
インタレスト・カバレッジ |
3,790.7 |
5,213.5 |
43,306.0 |
15,141.2 |
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により、それぞれ下記の算式により算出しております。
自己資本比率 :(純資産-非支配株主持分)÷総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債÷営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー÷利払い
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度(以下、当期)は、クリーン・ケアグループが増収となった一方、フードグループは引き続き減収となりました。利益面につきましては、フードグループの減収の影響に加えて退職給付費用が増加する等の減益要因があったものの、仕入コスト削減等の取り組みにより原価率が改善した結果、連結営業利益、連結経常利益は増益となりました。更に、親会社株主に帰属する当期純利益も熊本地震に伴う損失の計上や減損損失の増加があったものの、固定資産廃棄損、関係会社清算損が減少したこと等により特別損益が改善し、増益となりました。
①売上高
クリーン・ケアグループは、主力のダストコントロール商品の売上高が、フランチャイズ加盟店から前期に譲受した拠点の売上が計上されたものの、フランチャイズ加盟店向けの売上は減少し、前期の売上高を下回る結果となりました。しかしながら、家事代行等の役務提供サービス、イベント関連用品、介護用品等のレンタルのレントオール事業、ユニフォーム関連事業、化粧品関連事業等が好調に推移し、クリーン・ケアグループ全体の売上高は増加しました。一方、フードグループは、ミスタードーナツの減収影響が大きく、とんかつレストラン等その他フード事業の売上が増加したものの、フードグループ全体の売上高は減収となりました。
その結果、連結売上高は前期から33億22百万円、2.0%減少し、1,618億80百万円となりました。
②営業利益(売上原価、販売費及び一般管理費)
クリーン・ケアグループにおいて、「スタイルクリーナー」(新型の置き型式掃除機)の原価が減少したこと、フードグループにおいて、原材料等の仕入コスト削減に取り組んだこと等により、売上原価は前期に比べ55億35百万円、5.8%減少し、892億4百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、フードグループにおいて販売促進費用等の削減による減少があったものの、退職給付費用の増加等により、前期より15億15百万円、2.3%増加し、666億6百万円となりました。
その結果、連結営業利益は前期から6億97百万円、13.0%増加し、60億69百万円となりました。
③経常利益(営業外収益及び費用)
営業利益の増加及び営業外損益の改善により、連結経常利益は前期から8億46百万円、12.6%増加し、75億54百万円となりました。
営業外収益につきましては、市場金利低下に伴う運用利率の低下により公社債利子の受取利息は減少したものの、ミスタードーナツ店舗の転貸収入等設備賃貸料の増加等により、前期から98百万円、5.5%増加し、18億84百万円となりました。営業外費用につきましては、前期に連結子会社である共和化粧品工業株式会社が製品の自主回収を行ったことに伴う費用が当期は発生しないこと等により、前期から50百万円、11.3%減少し、3億99百万円となりました。
④親会社株主に帰属する当期純利益(特別利益及び損失)
特別利益につきましては、保有する有価証券の一部を売却したことに伴う「投資有価証券売却益」の計上等により、前期より98百万円、15.7%増加し、7億28百万円となりました。特別損失につきましては、熊本地震災害支援費用の計上や固定資産等減損損失の増加があったものの、固定資産廃棄損の減少、前期に発生した関係会社の清算損が当期は発生しないことにより前期より9百万円、0.6%減少し、16億73百万円となりました。
また、過年度に減損処理を行った関係会社株式の譲渡に伴い、法人税等調整額が減少した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期から13億35百万円、44.8%増加し、43億18百万円となりました。