文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは創業時より、企業理念である「祈りの経営」のもと、世の中の人に喜ばれる「喜びのタネまき」を実践してまいりました。今後も、「世界一ひとにやさしいダスキン」を目指した取り組みで、地域の人々と喜びを分かち合い、物も心も豊かな暮らしに貢献することを通じて、継続的な企業価値の向上を実現してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
①長期戦略「ONE DUSKIN」
お客様に対して、当社グループの全ての事業が一つになってホスピタリティ溢れる対応ができる、すなわち「ONE DUSKIN」を実現することを目指して、多様なお客様のニーズに応える商品・サービスの開発に取り組んでまいります。
2022年3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大により先行きの不透明感が高まる情勢に鑑み、新型コロナウイルス感染症拡大の動向を見極める準備期間と位置付け、同時に、フランチャイズチェーンの維持という当社最大に責務を果たすべく売上回復施策に注力いたしました。その上で、2023年3月期からの3年間を長期戦略「ONE DUSKIN」の第3フェーズといたしました。
②第3フェーズ「中期経営方針2022」(2023年3月期~2025年3月期)
長期戦略「ONE DUSKIN」第3フェーズにあたる「中期経営方針2022」を、2022年2月9日及び同年5月13日に公表しております。
■「中期経営方針2022」策定に関するお知らせ
https://www.duskin.co.jp/ir/news/2022/pdf/20220209.pdf
■「中期経営方針2022」数値目標及び株主還元方針に関するお知らせ
https://www.duskin.co.jp/ir/news/2022/pdf/20220513_02.pdf
■(訂正)「中期経営方針2022」数値目標の一部訂正に関するお知らせ
https://www.duskin.co.jp/ir/news/2022/pdf/20220525.pdf
(3)対処すべき課題
①経営環境の変化及び経営課題の認識
当社の主な市場である日本国内は、近年、高齢化社会の進行、それに伴う労働力人口の減少や介護問題の深刻化、食の安全・安心志向が一層高まっていることに加え、コロナ禍が継続する中、「衛生管理」が大きくクローズアップされており、衛生管理における様々なニーズに対応する商品やサービスが求められております。また、在宅勤務の定着や働き方改革の推進等、生活様式の変化に伴いサービスのデジタル化が更に進展していると認識しております。特に近年のデジタル技術は、通信技術の向上、クラウドサービス等のデジタル基盤が急速に整備され、これまでの常識を覆すような劇的な変化が起こりつつあると認識しております。
また、脱炭素や循環型社会の実現への動きは急激に加速しており、企業は、環境保全のみならず、気候変動リスクへの対応を求められております。加えて、原材料価格や物流等に係る人件費の高騰、高まるサイバー攻撃への対応、更には安全運転管理者によるアルコールチェックの義務化への対応と共に、4月に実施された東京証券取引所の再編により当社が移行した「プライム市場」のコンセプトを踏まえたガバナンス強化等が求められております。
②2023年3月期の取り組み
(訪販グループ)
衛生的で快適なくらしが無理なくつづけられる「生活調律」を目指す訪販グループは、新中期経営方針の
テーマに沿って情報と流通の改革によるお客様接点の強化を目指します。新規顧客獲得のための新たな営業組織を立ち上げると共に、RFIDタグ(電子タグ)の導入への取り組みやそれに伴うスマートファクトリー化の取り組みを開始します。
また、市場ニーズが高い“衛生機能”を強化した高付加価値商品(既存商品の抗菌・抗ウイルス機能において第三者機関の確認、認証が得られた衛生関連商品)の開発、衛生管理のトータル提案等、最も注力する「衛生領域」の拡充、役務提供サービスを中心に、働く女性とその家族に時間を創出し暮らしの充実を提供する「ワークライフマネジメント領域」への取り組み強化、前期高齢者へのアプローチや介護保険対象外市場のサービスメニューの拡大を図る「高齢者サポート領域」の拡充に取り組んでまいります。
(フードグループ)
フードグループにおいては、中心事業であるミスタードーナツにおいて、“misdo meets”等、引き続き魅力的な商品開発に注力すると共に、利用動機の拡大のための他企業との協業やコラボレーション企画等も引き続き展開してまいります。
また、コロナ禍で高まり引き続き高いテイクアウト需要に対し、デリバリーサービスの拡充や前期導入したネットオーダーサービス定着のための機能強化を図ります。加えて、ドライブスルー店舗の出店、マスターコントロール(セントラル)キッチンによる未出店エリア(主に都心部)への出店等、積極的に出店を進めてまいります。
(コーポレート・ガバナンス他)
企業価値向上のための人材の育成・確保や、ダイバーシティマネジメント&インクルージョンの推進等、人的資本経営に取り組みます。加えて、改訂コーポレートガバナンス・コードの趣旨に鑑み、プライム市場に相応しいガバナンス体制構築に資する取り組みも実施してまいります。更には、持続的な社会との共生に向けて、加盟店を含むダスキングループ全体でサステナブルな社会の実現にも貢献してまいります。コロナ禍においても、当社は引き続き事業活動を通じて「経済」「社会」「環境」の課題解決に取り組むCSV(共通価値の創造)を推進し、企業価値向上を実現していくと共に、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを通じて、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
③気候変動への取り組みとTCFDへの対応
当企業集団は、気候変動に関するリスクと機会を重要な経営課題と認識しております。気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の要請に基づいた情報開示を進めるため、気候関連のリスクを低炭素経済への移行リスク、気候変動の物理的影響に伴うリスクに分類し、検討を進めております。
<ガバナンス>
気候変動に関わる基本方針や主要事項等を検討・審議する組織として、取締役会の諮問機関であり、社外取締役、執行役員、常勤監査役をメンバーとする「サステナビリティ委員会」を設置。更にその下部組織として全社の環境政策・方針を決定する「品質・環境会議」、環境政策を進捗管理する「環境連絡会」を設置することで、取締役会等がリスクと機会の実態を把握・監視できる体制を整備し、気候変動に関するガバナンスの強化を進めております。
<戦略>
異常気象等気候変動に起因する影響は徐々に深刻化しており、気候変動への対応は地球規模の課題と認識しております。環境方針で掲げた脱炭素社会の実現に貢献するため、2030年から2050年の近未来の世界における気候変動に伴う物理的な変化と、社会経済的な移行に関する複数のシナリオ分析から、当社のビジネスにどのような財務インパクトが想定され、どのような対応策が考えられるかを検討し、戦略の策定を進めてまいります。
気候変動に関するリスク
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カテゴリー |
外部環境変化 |
キードライバー |
事業への影響 |
財務インパクト |
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移行 リスク |
政策・ 法規制 |
GHG(温室効果ガス) 排出規制の強化 |
炭素税率の上昇 |
租税コストの増加 |
製品・サービス原価の増加 |
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技術 |
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競合他社の省エネ技術の進歩 |
次世代製品の開発(メーカーとの提携による開発)の遅れ |
収益の減少 |
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市場と評判 |
気候変動に対する市場感度の向上 |
GHG排出量を削減しない企業へのダイベストメント(投資撤退) |
GHG排出量の削減に関する取り組みコスト増加 |
資本調整コストの増加 |
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カテゴリー |
外部環境変化 |
キードライバー |
事業への影響 |
財務インパクト |
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物理的 リスク |
急性的 |
平均気温の上昇 |
台風の巨大化
台風の発生頻度の増加 |
工場・店舗の浸水頻度の増加、停電頻度の増加
調達・物流チャネルの断絶
従業員の被災による出勤停止の増加 |
資本調整コストの増加 |
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慢性的 |
海面水位の上昇
降雨パターンの変化
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復旧コストの増加
復旧までの売上高の減少 |
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平均気温の上昇 |
農産物(小麦、コーヒー等)の生産量減少 |
原材料費の高騰 |
売上原価の増加 |
気候変動に関連する機会
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カテゴリー |
外部環境変化 |
キードライバー |
事業への影響 |
財務インパクト |
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機会 |
資源効率 |
次世代自動車普及 |
蓄電池価格の低下 |
車両維持トータルコストの低下 |
費用の減少 |
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エネルギー源 |
再エネ機器・技術の普及 |
電気料金の低下 |
製品・サービス原価の減少 |
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市場 |
消費者の嗜好変化 |
環境に配慮した製品需要の増加 |
サーキュラーエコノミー(循環型経済)製品・サービスの需要の増加 |
収益の増加 |
<リスク管理>
気候変動によって、各事業に重要な財務上の影響を与える可能性の大小を定性的に暫定評価しました。その評価結果を踏まえて検討を重ね、最終的に当企業集団及び加盟店にとって事業継続に与える影響が大きいと想定されるキードライバーを特定しました。今後、特定したキードライバーに対して、シナリオ分析を用いて評価し、リスク管理を行ってまいります。
(採用シナリオ)
●IPCC RCP8.5シナリオ等:産業革命以前より平均気温が4℃以上上昇する世界
●IPCC SR 1.5シナリオ等:平均気温の上昇が1.5℃以下に抑えられる世界
<指標と目標>
脱炭素社会の実現に貢献するため、2030年までに当社グループの事業活動で消費する電力の50%を再生可能エネルギーに切り替える目標と自社拠点でのCO2排出量46%減(2013年度比)の削減目標を設定しております。
また、情報開示の正確性・透明性を確保するため、Scope1,2,3のエネルギー使用量及びCO2排出量について第三者保証を取得しております。
(注) Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
以下におきまして、当企業集団(当社及び当社の子会社)の事業展開及びその他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。これらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在します。係るリスク要因のいずれにおいても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)ビジネスモデル(フランチャイズ方式)に関するリスク
①加盟店との関係性について
当企業集団における事業展開は、主としてフランチャイズ方式を中心に展開しており、当企業集団及び加盟店の収益向上のために必要な新商品・サービスの開発・導入、新規出店、既存店の改装等の施策を計画、実施しておりますが、これら施策の実行には加盟店の理解・協力、資金負担等が必要な場合があり、加盟店の理解等を得られない場合には、計画の中止又は遅延の場合もあります。
また、加盟店との間にトラブル等が発生した場合、加盟店の離脱、訴訟の発生又は、加盟店の法令違反、不祥事等により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
②法的規制について
当企業集団は、フランチャイズ方式による店舗展開に関して中小小売商業振興法、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)及び「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」(改正:2021年4月28日公正取引委員会)等の規制を受けております。従いまして、これらの法令等の改廃、新たな法令等の制定により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(2)経営環境の変動リスク
①事業環境について
訪販グループの主要事業であるクリーンサービス事業は、家庭市場においては、使い捨て商品の普及等により、また、事業所市場においては、企業の経費削減意識の浸透等により、市場規模は減少傾向にあると推測しております。一方、同グループで展開するケアサービス事業は、家庭市場、事業所市場共にアウトソーシングニーズの増大による市場拡大を見込んでおります。クリーンサービス事業では、衛生領域商品の開発、販売チャネルの拡大、決済方法の多様化への対応、ケアサービス事業においては、同じく衛生領域商品の開発、新規加盟店の募集等により事業拡大を図っていく方針でありますが、各事業に関連する市場動向、競合の状況、お客様ニーズの変化等によって、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
フードグループの主要事業であるミスタードーナツ事業では、郊外・都市立地等への新規出店、利用動機や立地環境に応じた店舗の改装・再配置、時間帯別に応じたメニューや付加価値の高いメニューの開発、アジア市場への進出等により事業拡大を図っていく方針でありますが、市場動向、競合の状況、消費者の嗜好の変化や原材料等の高騰等により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
②法的規制について
クリーンサービス事業の商品は洗浄工程等を経て複数回のレンタルを行っております。洗浄工程では薬剤と大量の水を使用しておりますが、当企業集団及び委託先では、薬剤の使用量削減と水の再利用等による環境負荷の低減に努めております。しかしながら、当企業集団又は委託先において水質汚濁防止法等の法的規制に違反する事象又は何らかの問題が生じる、或いは、環境保護に係る法的規制等が強化された場合、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
ケアサービス事業は、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」等の法的規制を受けております。
また、当企業集団で展開する事業は、食品衛生法、不当景品類及び不当表示防止法、下請代金支払遅延等防止法等の法的規制を受けております。従いまして、これらの法令等の改廃、新たな法令の制定、当企業集団の違反に対する行政指導等により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(3)製商品の安全性に関するリスク
①製商品の安全性について
訪販グループで展開する事業では、環境衛生用品・清掃用資器材、キャビネットタオル、トイレタリー商品、天然水等のドリンク商品、家庭用電気製品、化粧品や健康食品等について安全性を確認した上でレンタル又は販売を行っておりますが、これら製商品に何らかの品質上の問題が発生した場合、当企業集団に対する信用の低下等により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
②食品の安全性について
フードグループで展開する事業では、食品衛生法の改正に合わせ、国際標準の衛生管理手法であるHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point:危害分析重要管理点方式)の考え方を取り入れた衛生管理ガイドの整備、自主的に外部検査機関を使った定期検査を実施する等、食品の安全性を確保するための社内体制を構築し、運用しております。しかしながら、当企業集団又は加盟店の店舗において食中毒が発生したり、食品衛生法等の法的規制に違反する事象が生じた場合、損害賠償金の負担の発生、これらの店舗の全部又は一部の営業停止や当企業集団に対する信用の低下等により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(4)サービスの品質に関するリスク
訪販グループで展開するライフケア事業の利用者は、主に高齢者等であり、サービス提供による不測の事故が起こる可能性もあります。事故の発生防止や緊急時対応等、教育研修による徹底的なスキルアップ、マニュアルの整備等に積極的に取り組んでおりますが、万一サービス提供中に事故等が発生し、過失責任が問われるような事態が生じた場合は、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、ケアサービス事業では、サービススタッフは一定の技能を必要とすることから、研修制度、ライセンス制度によりサービス品質の向上及び均一化を図っております。更に、サービスの提供に用いる資器材等については安全性を確認した上で、研修を受けたサービススタッフが用いることとなっております。しかしながら、サービススタッフが提供するサービスに瑕疵があった場合やサービスに用いる資器材等に何らかの問題が発生した場合、更に、これらのサービスを原因として健康被害等が発生した場合には、当企業集団への損害賠償請求や当企業集団に対する信用の低下等により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(5)特定の製品の製造元に関するリスク
当企業集団における主要製品については、製造技術に関する特異性等の観点から特定の関係会社及び外部企業に製品の製造、取引等を依存しております。これら製造業者の被災等の有事に早期復旧を可能とするため、複数購買・類似品代替品対応等の事前対策を講じております。しかしながら、予期せぬ天災地変等で製品の製造が困難になった場合は、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(6)自然災害・感染症に関するリスク
当企業集団は、地震、台風、洪水、津波等の自然災害や気候変動に伴う異常気象等の災害に対して、発生時の損害を最小限に抑えるため、安否確認体制の構築、自然災害対応マニュアルの作成、事業継続計画の整備に努め、災害発生を想定した訓練を実施しております。また、新型コロナウイルス等の感染症拡大に対しては、お客様と従業員の安全を最優先に考え、国(政府・関係省庁)及び各都道府県等の方針に従うことを原則として対策を推進しております。しかしながら、日本全国に事業を展開していることから全ての被害や影響を回避することは困難であり、また、大規模な災害が発生した場合、被災地域における営業活動の停止、被害を受けた設備等の修復等、電力・燃料・水等の供給停止が生じた場合は、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(7)情報セキュリティに関するリスク
当企業集団及び加盟店は、事業運営に当たりお客様の個人情報を取得、利用しております。「個人情報保護規程」をはじめとする諸規程の制定、役員・従業員への研修の実施、加盟店を対象とした勉強会の開催、システムのセキュリティ対策等個人情報の管理体制を構築・運用しており定期的に監査も実施しております。しかしながら、外部からのサイバー攻撃等で、システムに不正にアクセスされることにより、個人情報の流出等の重大なトラブルが発生した場合、当企業集団への損害賠償請求や当企業集団に対する信用の低下等により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(8)人材の育成と確保に関するリスク
当企業集団では、あらゆるサービスの基本は、お客様を始めとする様々なステークホルダーに対して、人にしかできないホスピタリティを実践できる人材だと考え、さまざまな教育や研修を通じて人材の育成を進めております。また、新卒者の安定的採用や専門的知識・経験を持ち即戦力となる中途採用により、計画的に人材の確保を図っております。現時点では当企業集団の人事制度・教育制度により、必要な人材は確保されております。しかしながら、今後の労働市場の逼迫により人材の確保が困難になる、又は、優秀な人材が流出した場合には、競争力や効率性が低下し、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(9)海外展開に関するリスク
当企業集団は、アジア圏の国と地域において、クリーンサービス事業及びミスタードーナツ事業等を展開しております。これらの国と地域において政治・経済の混乱及び想定していなかったテロ・労働争議の発生等といった障害に直面し、日本外務省からの現地退避勧告が発令された場合、若しくは身の危険を感じ、退避が必要と判断した場合には、速やかに日本若しくは近隣の安全な国・地域に退避を指示する方針です。
また、法令や各種規制の制定若しくは改正がなされた場合、事業活動が期待どおりに展開できない可能性があります。こうした海外における障害に対しては、人事コンサルティング会社及び経理財務協力会社等から事前に情報提供を受けられるように、問合せ窓口を一覧表で管理し、案件毎にその回避策を講じてリスク管理に努めておりますが、完全に回避できるものではなく、リスクが顕在化した場合には、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」という。)における我が国経済は、総じて持ち直し基調にありましたが、長期化する新型コロナウイルス感染症拡大(以下「コロナ」という。)の影響を受け、力強さを欠く状況で推移しました。コロナ新規感染者数は8月をピークに徐々に減少し、収まったかに見えましたが第4四半期に入り再拡大し、広い範囲に発出されたまん延防止等重点措置の下で経済活動は大きな制限を受け、先行きについても依然不透明な状況が続いております。
そのような環境の中当社は、前期に引き続き売上回復に力点を置いた施策に取り組むと共に、中長期的な課題解決に向けて、㋑既存事業の発展、㋺新しい成長機会への投資、㋩構造改革と経営基盤の構築、㊁社会との共生、の具体的な施策にも取り組みました。
訪販グループにおいては、生活者・事業者の「衛生環境を整えるダスキン」へ進化するため、基幹商品であるモップ・マットへの除菌、抗菌、抗ウイルス等の衛生性能付加やコロナワクチン接種会場等での「イベント衛生サービス」等の提供に注力しました。
フードグループにおいては、テイクアウト需要の取り込みに全力を挙げると共に、来店前の注文、受取日時が指定できる「misdoネットオーダー」の導入や前期に導入した株式会社出前館と提携してのデリバリーサービスの拡充等、お客様の更なる利便性向上に取り組みました。また、戦略的事業への集中投資と不採算事業の撤収による事業ポートフォリオ適正化の一環として、ベーカリーショップ「Bakery Factory」の事業譲渡、アイスクリーム事業からの撤退を決定しました。
更には、2022年4月の東京証券取引所市場再編後のプライム市場に相応しい企業として、今まで以上に株主視点に立ったガバナンス体制を目指して、これまでの株式報酬型ストック・オプション制度に替わる経営陣への新たなインセンティブ制度として譲渡制限付株式報酬制度の導入、ハイブリッド型バーチャル株主総会(参加型)の開催等に取り組みました。
当期は、全てのセグメントが増収となったことにより、連結売上高は前期から94億39百万円(6.1%)増加し1,632億10百万円となりました。利益面につきましても、増収に伴う粗利の増加等により連結営業利益は前期から52億47百万円(112.8%)増加し98億99百万円、連結経常利益は前期から55億81百万円(84.1%)増加し122億15百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は53億11百万円(188.2%)増加し81億32百万円となりました。
なお、当期の期首から、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用したことに伴う損益への影響は軽微であります。
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(単位:百万円) |
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前 期 (2021年3月期) |
当 期 (2022年3月期) |
増 減 |
|
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増減率 (%) |
|||
|
連結売上高 |
153,770 |
163,210 |
9,439 |
6.1 |
|
連結売上総利益 |
69,435 |
74,908 |
5,473 |
7.9 |
|
連結営業利益 |
4,651 |
9,899 |
5,247 |
112.8 |
|
連結経常利益 |
6,633 |
12,215 |
5,581 |
84.1 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
2,821 |
8,132 |
5,311 |
188.2 |
<セグメント毎の状況>
|
セグメント別売上高 |
|
(単位:百万円) |
|
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|
|
前 期 (2021年3月期) |
当 期 (2022年3月期) |
増 減 |
|
|
|
増減率 (%) |
|||||
|
|
|
訪販グループ |
105,339 |
107,128 |
1,788 |
1.7 |
|
|
|
フードグループ |
36,561 |
43,818 |
7,257 |
19.9 |
|
|
|
その他 |
15,053 |
15,414 |
361 |
2.4 |
|
|
|
小計 |
156,954 |
166,361 |
9,407 |
6.0 |
|
|
|
セグメント間取引消去 |
△3,183 |
△3,150 |
32 |
- |
|
|
|
連結売上高 |
153,770 |
163,210 |
9,439 |
6.1 |
(注)各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
|
セグメント別営業利益 |
|
(単位:百万円) |
|
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前 期 (2021年3月期) |
当 期 (2022年3月期) |
増 減 |
|
|
|
増減率 (%) |
|||||
|
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訪販グループ |
8,779 |
10,539 |
1,760 |
20.1 |
|
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|
フードグループ |
414 |
3,619 |
3,204 |
772.6 |
|
|
|
その他 |
660 |
873 |
213 |
32.3 |
|
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小計 |
9,854 |
15,032 |
5,178 |
52.6 |
|
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セグメント間取引消去 及び全社費用 |
△5,202 |
△5,133 |
69 |
- |
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連結営業利益 |
4,651 |
9,899 |
5,247 |
112.8 |
(注)各セグメントの営業利益は、セグメント間の取引を含んでおります。
イ.訪販グループ
訪販グループは、クリーンサービス事業(ダストコントロール商品のレンタルと販売)が減収となったものの、前期コロナの影響が最も大きかったレントオール事業(日用品・イベント用品等のレンタル)やケアサービス事業(役務提供サービス)が増収となったこと等により、売上高は前期から17億88百万円(1.7%)増加し1,071億28百万円となりました。営業利益につきましては、増収に伴う粗利の増加等により、前期から17億60百万円(20.1%)増加し105億39百万円となりました。
訪販グループ主力のクリーンサービス事業においては、家庭向け、事業所向けとも売上は減少しました。家庭向け商品は、前期末からの販売促進活動により新規顧客の獲得件数は増加、解約件数は減少したものの、依然解約が新規を上回っており、主力商品であるモップ商品売上が減少しました。事業所向け商品につきましては、緊急事態宣言を受けて飲食店等に対し休業要請が行われた地域を中心に、レンタルの中止や延期が発生したこと及び前期に需要が高まったアルコール除菌剤や手指消毒剤「ウエルパスマイルド」、空間清浄機「クリア空感」等の衛生関連商品売上の反動減を主因として売上高は前期を下回りました。なお、「衛生環境を整えるダスキン」として注力している衛生マット関連は、家庭向け、事業所向けとも順調に推移しました。
ケアサービス事業につきましては、衛生管理意識の更なる高まり等による受注増加で、「サービスマスター」(プロのお掃除サービス)、「メリーメイド」(家事代行サービス)、「ターミニックス」(害虫獣の駆除と総合衛生管理)、「トータルグリーン」(緑と花のお手入れサービス)、「ホームリペア」(住まいのピンポイント補修)、いずれもお客様売上が増加しました。
訪販グループのその他の事業につきましては、前期コロナの影響が最も大きかったレントオール事業は、「クリーンサービス」(ダストコントロール商品等)と「サービスマスター」等との連携による「イベント衛生サービス」(検温設備、飛沫対策パネル、消毒剤、衛生マット等の設置及びイベント会場内の巡回衛生サービス等)が全国のコロナワクチン接種会場や、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会等の受注を受けて好調に推移したことにより、大幅な増収となりました。また、依然高い需要があるヘルスレント事業(介護用品・福祉用具のレンタルと販売)が増収となった他、化粧品関連事業、ライフケア事業(ご高齢者の暮らしのお手伝い)も増収となりましたが、ユニフォーム関連事業は減収となりました。
ロ.フードグループ
フードグループは、主力事業であるミスタードーナツの全店合計お客様売上が増加し、原材料売上、ロイヤルティ売上が大きく増加したことで、全体の売上高は前期から72億57百万円(19.9%)増加し438億18百万円となりました。営業利益につきましては、増収に伴う粗利の増加により、前期から32億4百万円(772.6%)増加し36億19百万円となりました。
前期上半期はコロナの影響でお客様売上が大幅に減少したミスタードーナツは、テイクアウト需要の高まりに伴う前期下半期以降の好調を維持し、全店合計お客様売上は増加に転じました。最高水準の素材と技術をもつブランドとの共同開発“misdo meets”は、第1四半期の宇治茶専門店「祇園辻利」、第2四半期の焼きたてチーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」、シュークリーム専門店「クロッカンシュー ザクザク」、第3四半期の陳建一氏との共同開発「THE 四川スペシャル」に続いて第4四半期は、ベルギー王室御用達のパティスリーブランド「ヴィタメール」と共同開発した「ヴィタメールコレクション」を1月に発売し、総じて好評を得ました。 更には、4年目となるクリスマスシーズンの「ポケットモンスター」とのコラボや年末年始の福袋も好評であり、売上増加に大きく寄与しました。また減少が続いていた稼働店舗数も、新規出店の増加により増加に転じております。
なお、主要原材料である小麦粉や食用油等の原材料高騰や物流費等の諸経費上昇を踏まえ、3月1日に一部の商品価格を改定しました。
フードグループのその他の事業は、店舗数が減少したパイ専門店「パイフェイス」、緊急事態宣言下の営業時間短縮影響が大きかったとんかつレストラン「かつアンドかつ」が減収となり、全体でも減収となりました。
ハ.その他
国内連結子会社につきましては、株式会社ダスキンヘルスケア(病院施設のマネジメントサービス)は収益認識会計基準等の適用の影響があったものの、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村清掃業務を受託したことにより増収、ダスキン共益株式会社(リース及び保険代理業)は、リース車両の自動ブレーキ付き車両への入れ替えが進みリース売上が増加したことにより増収となりました。
海外連結子会社につきましては、前期に当社向けのマスク販売があった楽清香港有限公司(原材料及び資器材の調達)が減収となったものの、楽清(上海)清潔用具租賃有限公司(中国(上海)におけるダストコントロール商品のレンタルと販売)が増収となった他、テイクアウト、デリバリー販売が増加したBig Appleグループ(マレーシアを中心にドーナツ事業を展開)も増収となったことにより全体でも増収となりました。
以上の結果、その他の売上高は前期から3億61百万円(2.4%)増加し154億14百万円、営業利益は前期から2億13百万円(32.3%)増加し8億73百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の296億74百万円から102億88百万円増加し399億63百万円となりました。各々のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
イ.営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、195億96百万円の資金収入(前期は101億3百万円の資金収入)となりました。その要因は、退職給付に係る資産又は負債の増減額19億68百万円等の資金減少要因に対し、税金等調整前当期純利益116億27百万円、減価償却費75億60百万円、利息及び配当金の受取額10億85百万円、棚卸資産の減少額9億67百万円等の資金増加要因によります。
ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、85億24百万円の資金支出(前期は50億19百万円の資金支出)となりました。その要因は、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入257億81百万円等の資金増加要因に対し、有価証券及び投資有価証券の取得による支出286億50百万円、有形固定資産の取得による支出43億36百万円、無形固定資産の取得による支出13億11百万円等の資金減少要因によります。
ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、8億35百万円の資金支出(前期は25億63百万円の資金支出)となりました。その要因は、自己株式の売却による収入18億85百万円、長期借入れによる収入16億99百万円等の資金増加要因に対し、配当金の支払額24億89百万円、自己株式の取得による支出17億1百万円等の資金減少要因によります。
③生産、受注及び販売の実績
イ.仕入実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
増減 |
|||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
金額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
|
訪販グループ |
28,837 |
53.7 |
28,265 |
50.4 |
△572 |
△2.0 |
|
フードグループ |
20,857 |
38.9 |
24,108 |
43.0 |
3,250 |
15.6 |
|
その他 |
3,972 |
7.4 |
3,710 |
6.6 |
△261 |
△6.6 |
|
合計 |
53,667 |
100.0 |
56,083 |
100.0 |
2,416 |
4.5 |
(注)訪販グループでは生産を行っており、主なものは下記のとおりであります。
(訪販グループにおける生産実績)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
増減 |
|||
|
回数 (ワッシャー) |
構成比 (%) |
回数 (ワッシャー) |
構成比 (%) |
回数 (ワッシャー) |
増減率 (%) |
|
|
マット |
1,178,236 |
85.5 |
1,178,429 |
85.8 |
193 |
0.0 |
|
モップ |
160,045 |
11.6 |
156,094 |
11.4 |
△3,951 |
△2.5 |
|
ウエス |
25,200 |
1.9 |
25,478 |
1.9 |
278 |
1.1 |
|
ロールタオル |
14,414 |
1.0 |
12,665 |
0.9 |
△1,749 |
△12.1 |
|
合計 |
1,377,895 |
100.0 |
1,372,666 |
100.0 |
△5,229 |
△0.4 |
ロ.受注実績
該当事項はありません。
ハ.販売実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
増減 |
|||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
金額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
|
訪販グループ |
104,744 |
68.1 |
106,483 |
65.2 |
1,739 |
1.7 |
|
フードグループ |
36,551 |
23.8 |
43,805 |
26.8 |
7,253 |
19.8 |
|
その他 |
12,474 |
8.1 |
12,921 |
8.0 |
446 |
3.6 |
|
合計 |
153,770 |
100.0 |
163,210 |
100.0 |
9,439 |
6.1 |
(注)セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
(イ)全国チェーン店お客様売上高
フランチャイズ方式を中心に事業展開する当社は、国内外の直営店・子会社等及び加盟店推定売上高の合計値である「全国チェーン店お客様売上高(以下「お客様売上」という。)」の状況・推移を最も重要視しております。
当連結会計年度(以下「当期」という。)は、依然として一部に新型コロナウイルス感染症拡大(以下「コロナ」という。)の影響があるものの、各種施策に取り組んだ結果、お客様売上の合計は増加(前期比8.3%増)しました。
セグメント別に見ますと、訪販グループは、クリーンサービス事業のお客様売上は減少したものの、衛生意識の高まりによるケアサービス事業の受注増加や、前期にコロナの影響を最も大きく受けたレントオ―ル事業が全国のコロナワクチン接種会場や、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会等の受注を受けて増加となり、訪販グループ全体のお客様売上高も増加(前期比4.9%増)しました。
フードグループは、主力であるミスタードーナツが前期下半期からの好調を維持し、お客様売上が3期連続で増加(前期比19.1%増)したことにより、フードグループ全体のお客様売上高も増加(前期比18.6%増)となりました。
その他につきましても、海外で展開する事業も一部コロナの影響を受けたものの、お客様売上は増加(前期比9.3%増)しました。
新型コロナワクチンの接種が進み経済活動も活発化するとの見方がある一方で、コロナ終息時期の予測は難しく、先行きを見通すことは困難な状況が続いておりますが、この事業環境の変化を新たな成長の機会と捉えて、各種施策の実行に取り組んでまいります。
<全国チェーン店お客様売上高推移> (単位:百万円)
|
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
|
訪販グループ |
272,577 |
271,811 |
271,189 |
253,178 |
265,659 |
|
フードグループ |
81,148 |
76,741 |
79,714 |
80,148 |
95,031 |
|
その他 |
28,378 |
28,440 |
29,521 |
26,255 |
28,698 |
|
合計 |
382,104 |
376,994 |
380,425 |
359,582 |
389,388 |
(注)全国チェーン店お客様売上高には、一部、推定値が含まれております。
(ロ)収益性
当社が収益性の指標として重要視しているROEの推移は以下のとおりであります。
<ROE推移>
|
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
|
ROE(%) |
3.7 |
4.0 |
3.8 |
2.0 |
5.5 |
|
純利益(百万円) |
5,324 |
5,984 |
5,591 |
2,821 |
8,132 |
|
自己資本(百万円) |
147,415 |
149,627 |
141,739 |
145,508 |
150,661 |
(注)純利益:親会社株主に帰属する当期純利益
2022年3月期はいずれのセグメントも増収となったことで、ROEは前期から3.5ポイント回復し5.5%となりました。ROEにつきましては、2025年3月期の目標を6%以上とし、目標の達成を目指してまいります。
ロ.財政状態の分析
(イ)流動資産
当連結会計年度末における流動資産残高は841億2百万円となりました。前連結会計年度末と比較して148億63百万円増加しております。その要因は、有価証券が108億93百万円、現金及び預金が49億28百万円増加したこと等であります。
(ロ)固定資産
当連結会計年度末における固定資産残高は1,139億52百万円となりました。前連結会計年度末と比較して52億7百万円減少しております。その要因は、投資有価証券が45億91百万円、無形固定資産が14億88百万円減少したことに対し、退職給付に係る資産が23億48百万円増加したこと等であります。
(ハ)流動負債
当連結会計年度末における流動負債残高は380億5百万円となりました。前連結会計年度末と比較して34億18百万円増加しております。その要因は、未払法人税等が20億5百万円、流動負債その他が10億14百万円増加したこと等であります。
(ニ)固定負債
当連結会計年度末における固定負債残高は90億23百万円となりました。前連結会計年度末と比較して10億48百万円増加しております。その要因は、長期借入金が15億30百万円増加したこと等であります。
(ホ)純資産
当連結会計年度末における純資産残高は1,510億26百万円となりました。前連結会計年度末と比較して51億89百万円増加しております。その要因は、利益剰余金が54億86百万円増加したこと等であります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの主な資金需要は、各事業の営業活動に必要な原材料・製商品の仕入、販売促進活動等の営業活動費用並びに工場設備の維持更新投資、店舗の出店・改装投資及び成長が見込まれる分野への投資等であります。これらの必要資金については、主として自己資金で賄っておりますが、機動性及び長期安定性の確保、企業価値向上に資する成長投資のため、金融機関からの調達も想定に含めております。株主還元につきましては経営の重要課題と位置づけ、持続的な成長と企業価値向上のための投資や様々なリスクに備えるための財務健全性とのバランスを考慮した上で、業績に応じた利益配分を行うことを基本方針としており、毎期の配当額は連結配当性向50%を目途に決定し、且つ安定的な現金配当を継続して行うこととしております。
なお、2023年3月期以降は、連結配当性向60%又は自己資本配当率(DOE)2.5%のいずれか高い額を毎期の配当
額としてまいります。
また、災害等のリスク発生時には、当社グループの事業継続のための資金需要が見込まれます。このような不測の資金需要に対して資金調達の機動性を高めるため、主要取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。今後も安定的な外部調達能力の維持向上のため、強固な経営基盤を維持しつつ、事業継続及び拡大に注力してまいります。
<キャッシュ・フロー指標のトレンド>
|
|
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
77.0 |
76.6 |
77.2 |
76.1 |
|
時価ベースの 自己資本比率(%) |
70.6 |
75.7 |
72.9 |
67.1 |
|
キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(年) |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.1 |
|
インタレスト・カバレッジ ・レシオ(倍) |
4,141.8 |
65,046.2 |
13,876.4 |
43,519.1 |
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により、それぞれ下記の算式により算出しております。
自己資本比率 :(純資産-新株予約権-非支配株主持分)÷総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債÷営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー÷利払い
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(1)フランチャイズ契約
当社は、加盟店と共に全国的な営業網を確立し、永続的な信頼関係を保持するために、事業内容の基本的な事項並びに相互の利益と本部及び加盟店の権利・義務等を明確にすることを目的として契約を締結しております。主な契約は次のとおりであります。
|
セグメント名称 |
契約の名称 |
契約期間 |
|
訪販グループ |
ダスキン愛の店ダストコントロールフランチャイズチェーン契約 |
締結日から3年間 (注)1 (ただし3年目の途中で3月31日を迎える場合はその日まで) |
|
ダスキン・フランチャイズチェーン支店契約 |
締結日から3年間 (注)2 (ただし3年目の途中で3月31日を迎える場合はその日まで) |
|
|
ダスキンサービスマスターフランチャイズチェーン契約 |
締結日から3年間 (注)2 (ただし3年目の途中で3月31日を迎える場合はその日まで) |
|
|
フードグループ |
ミスタードーナツチェーン契約 |
5年間 (注)3 (新コンセプト店舗については、締結日から8年経過後に到来する3月31日まで (注)4) |
(注)1.期間満了30日前までに当社又は加盟店の何れか一方からの異議がない場合は1年間自動更新。
2.期間満了3ヵ月前までに当社又は加盟店の何れか一方からの異議がない場合は1年間自動更新。
3.期間満了6ヵ月前までに当社又は加盟店の何れか一方からの異議がない場合は2年間自動更新。
4.期間満了6ヵ月前までに当社及び加盟店協議の上、合意が成立した場合には再契約。
(2)技術提携契約
|
契約 会社名 |
相手方 |
契約名称 |
契約概要 |
契約期間 |
|
|
名称 |
国名 |
||||
|
当社 |
三井物産株式会社 |
日本 |
業務提携契約 |
両者の持つ経営資源やノウハウを結集し、両者対等の立場で協力関係を構築することによって両者の企業基盤の拡充と競争力強化を図り、より一層の発展を期する。 |
2009年9月7日より 1年間 以降1年毎の自動更新 |
|
当社 |
シーバイエス株式会社 |
日本 |
業務提携契約 |
洗剤、ワックス等の製品の開発・販売に関する契約 |
自 1998年1月1日 至 2002年12月31日 以降1年毎の自動更新 |
|
当社 |
統一超商股份有限公司 |
台湾 |
合弁契約 |
合弁事業契約(合弁企業名:楽清服務股份有限公司) |
- (注)1 |
|
当社 |
株式会社ニップン |
日本 |
取引基本契約 |
原材料ノウハウの開示及び製造委託に関する契約 |
自 1972年4月1日 至 1974年3月31日 以降1年毎の自動更新 |
|
当社 |
統一超商股份有限公司 |
台湾 |
合弁契約 |
合弁事業契約(合弁企業名:統一多拿滋股份有限公司) |
- (注)2 |
|
契約 会社名 |
相手方 |
契約名称 |
契約概要 |
契約期間 |
|
|
名称 |
国名 |
||||
|
当社 |
株式会社モスフードサービス |
日本 |
資本・業務提携契約 |
それぞれの加盟店及び顧客の利便性の向上、それぞれの得意分野や経営資源の有効活用により、両社の外食事業を一層発展させる。 |
自 2008年2月20日 至 2009年2月19日 以降1年毎の自動更新 |
|
当社 |
ServiceMaster IPCo LLC |
米国 |
住宅・商業施設クリーニングサービス製品製造ライセンス第二更新契約 |
サービスマスター業務の実施許諾契約 |
自 1993年12月31日 至 2003年12月31日 (注)3 |
|
当社 |
ARAMARK MANAGEMENT SERVICES LIMITED PARTNERSHIP |
米国 |
ヘルスケアマネジメントサービス国際ライセンス更新契約 |
ヘルスケアマネジメント業務の実施許諾契約 |
自 1992年4月1日 至 2002年3月31日 (注)3 |
|
当社 |
The Terminix Company, LLC |
米国 |
ターミニックスサービス国際ライセンス更新契約 |
ターミニックス業務の実施許諾契約 |
自 1997年5月11日 至 2007年5月10日 以降10年毎の自動更新 |
|
当社 |
ServiceMaster IPCo LLC |
米国 |
メリーメイドサービス国際ライセンス更新契約 |
メリーメイド業務の実施許諾契約 |
自 1998年11月12日 至 2008年11月11日 以降10年毎の自動更新 |
|
当社 |
株式会社サカイ引越センター |
日本 |
業務提携契約 |
相互の専門分野を有効に組み合わせて新たなサービスを創出する、及び需要を発掘する。 |
自 2008年1月28日 至 2009年3月31日 以降1年毎の自動更新 |
|
当社 |
PIE FACE HOLDINGS PTY LIMITED |
豪州 |
ライセンス契約 |
パイフェイス業務の実施許諾契約 |
自 2014年10月8日 至 2024年3月31日 以降10年毎の自動更新 |
|
当社 |
株式会社ナック |
日本 |
資本業務提携契約 |
ナック(加盟店)における当社との間で新たに締結するフランチャイズチェーン契約に基づくナック既存事業の追加、及び新規事業展開 |
自 2018年8月30日 至 2020年8月29日 以降1年毎の自動更新 |
(注)1.契約締結日は1994年8月25日であり、期間の定めはありません。
2.契約締結日は2004年8月17日であり、期間の定めはありません。
3.契約終了時の2年前までに当社から本契約を更新する旨の書面による通知を行うことにより10年間更新。
(3)株式取得
当社は、2021年4月28日の取締役会において、株式会社アドベンチャーより株式会社EDISTの全株式を取得し、同社を完全子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当企業集団では、主に当社が提供する商品及びサービスに関連する清掃及び洗浄関連商品と加工技術の研究開発に取り組んでおり、品質・環境対策を重視した活動を行っております。
(1)研究開発方針
当社は、消費者に対して当社が届けるトータルクリーンケアに関する商品・サービスについて、安心且つ信頼のおけるダスキンブランドの確立を目指しており、基盤技術深耕、新商品開発、商品の品質向上及びSDGsへの対応を中心とした研究開発活動に取り組んでおります。
この目的達成のために、清掃・衛生関連分野において、生活者を第一に捉え、下記5項目を実践し、社会に対して健康で快適な暮らしを提供することを基本方針として研究開発に取り組んでおります。
・常に社会・家庭の実態を把握し、お客様の困りごとを分析して研究開発の優先度を決定します。
・新規性、進歩性、独自性に富んだ研究や技術開発を行います。
・社会・人・自然に対して、安全・安心が担保できる商品を開発します。
・環境保全に寄与し、省資源化が可能な原材料を使用した商品を開発します。
・市場に導入された商品は、常に改良を図り、顧客・生活者に最適な機能とご満足をお届けします。
また、当期は研究開発活動を広く知っていただくことを目的に、当社ホームページの開発研究所「衛生分野の研究」や「ホコリ分野の研究」を更新し、各種学会や団体主催のセミナーでの情報発信を行いました。
(2)研究開発体制
2022年3月31日現在、開発研究所は生活者や事業者に密着し、環境衛生分野における新しい事実や法則性を見つけ、明らかにする実験的研究を担う「基礎研究室」、基礎研究で得た知識や新たな素材・技術を元に実用化に向けた研究を行う「応用研究室」、モップ・マットを中心とした新たなレンタル商品素材や製造・加工方法を研究・開発する「ダストコントロール研究室」、化成品・フィルターを中心とした衛生関連商品素材の製造・加工方法を研究・開発する「ハイジーンコントロール研究室」の4部門構成であり、部長を含め44名の体制となっております。
(3)当連結会計年度における主な成果
①基礎研究関連
ハウスダスト中の健康阻害物質(ダニアレル物質、食物アレルゲン、カビ、花粉、SVOC(準揮発性有機化合物))の実態把握に関する研究をおこないました。得られた結果は、アレルギー協会主催の市民公開講座(近畿2府3県)での講演で発表し、またWEBサイトを通して情報発信を行いました。新たな試みとして清掃方法の行動認識技術の研究を開始しました。清掃による行動データの蓄積を図り、衛生管理分野での応用を検討しております。
②応用研究関連
基幹事業であるモップ・マット構成素材の新素材や製造技術研究、吸着剤の機能開発に取り組みました。オーダーメイドマットパイルの撚糸内製化に続き、熱処理加工の内製化が完了しました。家庭用モップとしてダストコントロール業界で初めて一般社団法人繊維評価技術協議会のSEKマークを取得したことに続き、事業所用モップも「抗ウイルス加工」と「抗菌防臭加工」の認証を取得しました。
③ダストコントロール研究関連
既存モップ・マットの軽量化や高耐久化に向けた研究開発に取り組むと共に、モップ分野では事業所用の汚れ取りと吸水の用途を両立した制菌加工モップや家庭用の抗菌コーティングモップの研究開発を行いました。マット分野ではマット用油系吸着剤の抗菌性能付与商品の市場導入に続き、水系吸着剤、ノーオイルマットも含めて全マット商品の抗菌性能付与が完了しました。引き続き抗ウイルス性能付与の研究開発を進めております。
④ハイジーンコントロール研究関連
前期より既存洗剤類の「安全・安心」の向上や除菌、抗ウイルス等の「機能性」の向上のため、洗剤類の抗ウイルス化を進めております。また、環境配慮の観点から主要な洗剤のボトルに使用している樹脂の削減に取り組み、2022年度から順次導入予定となっております。フィルトレーション分野では再生加工できる空気清浄機フィルタ―の素材や、洗浄方法の研究を行い、リサイクル、廃棄物削減化に向けて取り組んでおります。新たな分野として、ペット飼育家庭のニオイ対策をテーマに臭気成分の分析、消臭・脱臭技術の研究を行い、サービスメニューの開発を行いました。また新規の衛生管理提案として除菌水の製造技術の研究にも取り組んでおります。
(4)研究開発費
当連結会計年度の研究開発費の総額は