第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、快適な環境の創造と保全を社会的使命と認識し、環境管理から派生する事業に積極的に取り組むことによって社会に貢献するとともに、新規事業開発、柔軟な業態変化をもって他社との差別化を図り、各事業において先端技術を駆使し、当社グループの経営理念であります「お客様第一主義に徹する」を実践することを基本方針としております。

 各事業や各グループ会社の事業は、事業環境等を踏まえて随時検証・見直しを実施し、収益性・将来性等を見極めながら企業体質の強化を図っております。

 また、「公益財団法人梶山高志・ビケンテクノ奨学財団」により、臨床検査技師を志す専門学校生に就学援助を行うことで、予防医学に欠くことのできない優秀な人材育成を図り、国民の健やかな生活の一助になることを目指す等のCSR活動へも注力しております。

(2)目標とする経営指標

 中長期的な経営指標としての当面の目標数値といたしましては、ROE(自己資本利益率)10%、営業利益率10%と定め、達成に向けて邁進してまいります。株主資本の効率的運用による投資効率の高い経営を行うことが、株主の皆様やすべての利害関係者の利益にかなうものと考えております。また、自己資本比率を高め、企業体質を強化してまいります。

(3)中長期的な会社の経営戦略

 直接的、間接的にビルメンテナンス事業の発展に帰結する多角化を展開し、他社との差別化を図るとともに、徹底した収益管理体制の構築による企業体質の改善、企業の各種リスクの回避、今後の業容拡大に備えたグループ間の連携を強化いたします。

 具体的には、以下の重点施策を推進しております。

① ビルメンテナンス事業について、成長産業やSDGs等社会的貢献度の高い企業への取り組みを拡充するとともに、省エネ・省コスト等の各種提案、DX化による管理業務の厳正化・迅速化・効率化、グループ会社間の連携等を強化し、お客様の資産価値の向上、衛生管理等に対するニーズへの対応強化に結び付くファシリティマネジメントを展開してまいります。

② ISO認証取得や作業品質・安全管理スタッフの充実により、高品質なサービス提供による顧客満足度の向上に努めてまいります。

③ 経済環境及び事業計画等を見極めながら、既存業務の再構築を図るとともに、新規事業やM&A案件に対しても、収益性・将来性・リスク・投資回収・相乗効果等を分析しながら取り組んでまいります。

④ 連結子会社及びグループ会社の業務の強化・連携を図り、収益基盤の堅固な企業集団を形成してまいります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当業界を巡る経済環境は大きく変化しており、米国トランプ政権に伴う日本国内への影響も予想され、不確定要素も多いと考えられます。また、人材確保難・人件費高騰もますます顕著になってくると想定されます。そのような事業環境において当社グループでは各事業において以下の展開を図ってまいります。

 ビルメンテナンス事業においては、主要マーケットである首都圏等の大型開発プロジェクト等に対して初期段階からの各種提案に取り組んでまいります。関西圏では大阪・関西万博を契機としたビジネスチャンスの拡大に取り組んでまいります。また、従前より注力しているPPP事業案件、物流施設、電算センター、食品工場へのメンテナンス業務を更に拡充してまいります。業務にあたっては、お客様所有不動産の物件価値向上に向けて、徹底した衛生管理、省エネ等のエコチューニング提案、業務のロボット化等の品質重視の各種メンテナンス提案を進めてまいります。不動産事業においては、不動産市場の動向に注視しながらも、所有している棚卸不動産についてスケジュールに基づいた取り組みを図ります。介護事業においては、入居者様の健康面に最大限の注意を払い、感染対策を講じながら各介護施設の入居者増加への取り組みを強化いたします。フランチャイズ事業においては、イートイン・テイクアウト・デリバリー等を併用した多面的な運営を強化しながら、状況に応じて店舗のスクラップ&ビルドも進めてまいります。ホテル事業においては、利用者サービス及び衛生管理を徹底した快適な宿泊施設としての強みをアピールし、収益拡大を図ります。その他事業においては、当社の営業活動のネットワークを活かして除菌水関連商品の販売事業等を行ってまいります。

 グループ会社間の連携も更に強化し、お客様に多面的な提案営業を展開しながら、業容・収益を拡充してまいります。コスト面では、工数管理の徹底、人員確保の多様化、DX化の推進等を図り、人件費上昇を全体的にカバーし、収益の確保に努めてまいります。業務管理においては、業務管理のDX化や監査部門の一層の強化を図ってまいります。

 

(5)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めており、人件費・原材料価格の高騰、人手不足、デジタル社会への変遷等、経営上のリスクや変化をあらゆる方法で克服し、安定的な利益を確保するため、ビルメンテナンス事業及び同業務との相乗効果の高い業務を積極的に展開することにより、一層の体質強化を図るべきと認識しております。

 また、当社グループは企業理念である「お客様第一主義に徹する」に基づき、今後ともお客様の大切な資産の価値向上を図りつつ、環境管理を通じて豊かな社会の実現に貢献する企業を目指してまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループは「お客様第一主義に徹する」を経営理念に掲げ、お客様と共に繁栄を目指しております。そのためにはサステナブルな社会であることが大前提であり、当社グループは事業活動を通じて環境問題・社会問題の解決に積極的に取り組んでおります。人的資本への投資としては、階層別教育・業務別研修等を計画的に実施しており、また、社員の働きやすい環境づくりを推進しております。知的財産への投資としては、当社の培った経験・情報を構築し活用するためや、円滑な業務遂行に繋げるためのシステム投資を必要に応じて実施しております。

(1)ガバナンス

 国際情勢や社会環境は大きく変化しており、このような急速に変化し続ける事業環境の中で、当社は各種の委員会・プロジェクト会議・ミーティング等での論議を取締役会にも提議・報告し、取締役会を中心に闊達な意見を交わすことで柔軟で堅固な体制を構築しております。

 事業の継続的成長を目指す中で、長期的な社会環境変化に伴うサステナビリティに関する取り組みは上記体制の中でも極めて重要な課題と認識しており、その取り組みは「(2)戦略」のとおりであります。

(2)戦略

① 事業活動の中でのサステナブル戦略

 当社は、SDGsを念頭においたサステナブルな社会の実現に向けて事業展開を進めております。それらの具体的な事例として、住居・商業施設他への環境衛生管理業務を通しての清潔な環境の維持・向上、保育園事業や介護事業を通して幼少者の健やかな成長や高齢者への生活補助、太陽光発電事業を通して持続可能かつ近代的なエネルギーの提供、省エネ等のエコチューニング提案を通してのお客様と一体となった環境問題への取り組み、高齢者や外国人等の雇用の多様化等があります。その他取組内容については、「サステナビリティレポート」及び当社ウエブサイト上でのサステナビリティへの取り組みにて公開しております。

② 人材の多様化への取り組み

 当社社員の平均年齢は52.2歳となっていますが、これは高齢者雇用を積極的に実施している結果であります。また、外国人雇用も400名前後となっております。高齢者・外国人・障がい者等が活躍できるための環境づくり、個別・具体的な業務指導、多様な人材への職場環境の整備等について積極的に取り組み、人材の多様化に注力しております。

③ 人材の育成への取り組み

 当社は、全社員の経営方針書の中で基本方針に「人財確保」を掲げ、その個別方針として「組織・人事・社員教育に関する方針」を平易なことばで示しております。その方針に基づき、会社全体としての人材育成、部署毎・業務毎の業務能力向上、個人毎の資格取得への環境整備等に取り組んでおります。また、社員の健康・安全のため、総務部及び安全指導課が随時注意喚起等を出状し、指導徹底を図っております。個人別には業務実態・目標・達成度・要望等を記載した職務能力開発表を毎年提出し、上司が年1回、人事考課表も参考にしながら面談することで、双方向のコミュニケーションを図っております。新入社員の育成においては、入社後3年程度は部署異動のジョブローテーションを実施し、当社グループの多様な業務の全体像を掴む機会を設け、かつそれぞれの適正を見極めており、本人のモチベーションアップ及び柔軟な人員体制に繋げております。

(3)リスク管理

 当社はサステナビリティ課題を含む事業へのリスクについて、半期毎に開催するグループリスクマネジメント委員会・コンプライアンス委員会で検討・モニタリングを実施しております。

 リスク管理の詳細は、「3.事業等のリスク」に記載の通りであります。

(4)指標及び目標

① 環境負荷の軽減に繋がる提案強化のためのエコチューニング技術資格者の増強及び気候変動への対応

 当社はお客様の多くの建築物のメンテナンス・保守管理等を業務としておりますが、それぞれの物件への各種提案を通して、エネルギー消費量の削減、再生エネルギー比率の向上、温室効果ガス排出量の削減に繋がる活動等を強化し、お客様と共に環境負荷の軽減に結び付けております。この取り組みを更に強化するため、エコチューニング技術者の資格者を3年間で3倍に増やすべく人材育成を図っております。

 また、当社では気候変動リスク・機会を管理するための指標として、SCOPE1・2・3の温室効果ガス排出量を算定し、SCOPE1・2は2030年度に2013年度比50%以上減を目標として設定し、目標達成に向けて取り組んでおります。

② 女性活躍推進・男女間賃金格差の状況及び取り組み

 現在、グループ会社の取締役には女性がおりますが当社自体にはおらず、今後の女性幹部育成に向けて女性管理職の増強に注力しております。現時点での管理職に占める女性比率は9.2%程度ですが、まずは10%程度までの引き上げを目指します。同職階・同業務・同能力での男女間賃金格差は原則ありません。社内誌では積極的に女性の活躍状況を取り上げて掲載し、女性社員全体のモチベーションアップを図っております。人材の多様化とも併せて人的資本の強化に注力してまいります。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある項目には、以下のようなものがあります。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を充分認識しており、リスクの回避並びに不測の事態の発生に対応できる体制の整備に最大限の努力をしております。

 また、万が一このようなリスクが顕在化した場合でも、その影響を最小限にとどめるべく、企業体力の充実、財務体質の向上に努めております。

 なお、当該事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 法的規制について

 当社グループの行っている事業は多岐にわたっており、様々な法的規制に従って業務を実施しております。主なものとして、ビルメンテナンス事業に関しましてはビル衛生管理法等、不動産事業に関しましては国土利用計画法や宅地建物取引業法等、介護事業に関しましては介護保険法や医療法等、フランチャイズ事業に関しましては食品衛生法等、ホテル事業に関しましては旅館業法等により、法的規制を受けております。今後、これらの規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

② 関係会社の収益性におけるリスクについて

 当社グループは、関係会社を通じて事業の多角化、多様化を推進しております。その中には海外で展開している現地法人もあり、カントリーリスクや為替リスク等もあります。国内関係会社も含めて、各関係会社の事業計画の進捗管理や計画乖離時の改善策の策定及び実施を徹底しておりますが、当社グループの意図する事業計画どおりに各社の業績が推移しなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

③ 疫病流行による経済活動への影響リスクについて

 3年を超えるコロナ禍は経済環境へ甚大な影響を与えましたが、5類への変更を機に経済活動との共存時代となっており、この状況においては当社グループの業績及び財政状態への影響は限定的と考えております。しかしながら、新たな感染拡大や変異種等の疫病流行が発生しないとは限らないため、十分なリスク管理は継続してまいります。

④ コミットメントラインの財務制限条項について

 当社は、銀行団とコミットメントラインを設定しており、その契約において担保制限条項や財務制限条項が取り決められております。当連結会計年度の決算状況から判断するとそれらの条項に抵触する可能性は極めて低いものと思われますが、これに抵触した場合、借入金返済の請求を受ける場合があり、当社グループの財政状態が影響を受ける可能性があります。

⑤ 販売用不動産の価格下落リスクについて

 当社グループは、販売用不動産を所有しており、現在販売活動を促進しております。しかし、経済環境の変化等により、販売が順調に推移しない場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

⑥ 減損会計の適用によるリスクについて

 当社グループは、本社、営業拠点、賃貸用不動産等の事業用資産を保有しております。不動産の価格動向、当社グループの収益状況等によっては、資産の一部が減損の対象となる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるビルメンテナンス業界を取り巻く環境は、アフターコロナによる経済活動の定着が進み、業績の回復が見られてきています。しかし、人材採用難、人件費上昇、物価上昇による原価・経費負担増等による収益環境への影響も強まってきております。

このような状況下、当社グループにおいては、本業のビルメンテナンス事業において大型再開発案件を含む新たな商業施設や物流施設のメンテナンス業務等の受注増加や、経済活性化に伴う工事受注増による堅調な業績の伸びがみられます。前期の特別損益では、一昨年11月に発覚したマンション管理課での不正事案による特別損失やベルケンホテル東京売却による特別利益等がありました。当連結会計年度はそのような特殊事案はありませんが、不動産事業における大口の不動産売却の成立がなかったこと等が影響し、前期と比較して売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が減少いたしました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は34,669百万円(前期比9.6%減)、経常利益は1,547百万円(前期比36.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は979百万円(前期比25.3%減)となりました。

 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

(ビルメンテナンス事業)

 ビルメンテナンス事業では、上記で説明させていただいた要因等により、前期と比較して売上高が増加し、人件費高騰等の影響はありましたがセグメント利益も増加いたしました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は30,987百万円(前期比5.5%増)、セグメント利益は3,365百万円(前期比5.0%増)となりました。

(不動産事業)

 不動産事業では、不動産の売買、仲介及び保有している不動産の賃貸等を行っております。当連結会計年度においては不動産売却の成立がなく、前期と比較して売上高、セグメント利益が減少いたしました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は668百万円(前期比88.1%減)、セグメント利益は197百万円(前期比75.4%減)となりました。

(介護事業)

 介護事業では、介護施設の運営や介護サービスの提供を行っており、入居者様・ご家族様の立場に立った高いレベルのサービスを提供しております。各施設とも引き続き、感染予防対策に重点を置きながらの営業活動となっていること等から稼働率回復に時間を要しており、また介護人材確保のための費用も増加したことから、前期と比較して売上高が減少し、セグメント損失が増加いたしました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は891百万円(前期比1.3%減)、セグメント損失は106百万円(前期は65百万円のセグメント損失)となりました。

(フランチャイズ事業)

 フランチャイズ事業では、サルヴァトーレ・クオモ、やきとり家すみれ、プロント、ミスタードーナツ、銀座 に志かわ等の店舗展開を行っておりましたが、銀座に志かわ堺東店を2024年10月に、やきとり家すみれ五反田店を2025年2月に、それぞれ閉店いたしました。すみれ五反田店の跡には自社ブランドとして新店舗の串揚げや みつ八を2025年3月より営業しております。新店舗の開業費用及び閉鎖した店舗や店舗改修工事中等の休業期間中の影響により、前年同期と比較して売上高、セグメント利益が減少いたしました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は893百万円(前期比19.0%減)、セグメント利益は8百万円(前期比83.0%減)となりました。

(ホテル事業)

 ホテル事業では、東京と沖縄で2棟のホテルを運営しております。アフターコロナが浸透して人々の移動の活性化による好業績が続いており、2棟のホテルの業績は前期比で大幅に向上しましたが、前連結会計年度末にベルケンホテル東京を売却して運営ホテルが1棟減った影響から、前期と比較して売上高、セグメント利益が減少いたしました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は879百万円(前期比13.9%減)、セグメント利益は265百万円(前期比4.9%減)となりました。

(その他事業)

 その他事業では、フードコート運営事業、太陽光発電事業、当社の営業活動のネットワークを活かした関連商品の販売事業等を行っております。フードコート運営事業等において収支改善が進み、セグメント収支は黒字化しました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は348百万円(前期比0.5%増)、セグメント利益は6百万円(前期は33百万円のセグメント損失)となりました。

 また、当社グループの財政状態の状況は次のとおりであります。

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ831百万円減少し、40,351百万円となりました。これは主に、現預金、長期貸付金の減少及び販売用不動産の増加によるものです。

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,675百万円減少し、18,700百万円となりました。これは主に、長期借入金及び未払法人税等の減少によるものです。

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ844百万円増加し、21,650百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものです。

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,457百万円減少し9,322百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、使用した資金は2,151百万円(前期は3,506百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,580百万円(前期は2,521百万円)と棚卸資産の増加額2,539百万円(前期は2,225百万円の減少)によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、獲得した資金は1,895百万円(前期は82百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、長期貸付金の回収による収入1,772百万円(前期は326百万円の収入)によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は1,208百万円(前期は604百万円の資金の使用)となりました。これは主に、借入金の純減少額913百万円(前期は280百万円の純減少)によるものです。

③ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績及び受注実績

当社グループは生産活動は行っておりませんので該当事項はありません。

ロ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

ビルメンテナンス事業(千円)

30,987,359

5.5

不動産事業(千円)

668,524

△88.1

介護事業(千円)

891,555

△1.3

フランチャイズ事業(千円)

893,800

△19.0

ホテル事業(千円)

879,705

△13.9

報告セグメント計(千円)

34,320,944

△9.7

その他(千円)

348,357

0.5

合計(千円)

34,669,302

△9.6

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況の分析

 経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する分析内容は次のとおりであります。

 なお文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

② 当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度の経営成績等は「経営成績等の状況の概要」に記載のとおりでありますが、2024年5月15日に公表した2025年3月期の連結業績予想値から、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益の全ての数値について上回る結果となりました。しかしながら、当連結会計年度において不動産事業における大口の不動産売却の成立がなかったこと等が影響し、対前期比で見ると全ての数値において下回る結果となっております。

 中長期的な経営指標の目標数値と定めておりますROE(自己資本利益率)10%及び営業利益率10%につきましては、当連結会計年度のROEが4.6%、営業利益率が4.1%となり、未だ道半ばであります。人件費・原材料価格の高騰、人手不足等、経営環境は引き続き厳しい状況にありますが、コロナ禍を機に加速した産業構造の変化に順応した事業展開を図り安定的な利益を確保するため、事業の集中と選択を含めた改善に取り組み中であります。今後ともROE及び営業利益率の更なる改善に取り組んでまいります。

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況、3 事業等のリスク」をご参照下さい。

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当面の運転資金や設備資金等は、自己資金及び主力3行を中心とした金融機関からの資金調達にて賄っております。取引金融機関へは事業計画を随時説明し理解を得ており、良好な関係を継続して構築しております。今後、事業展開の中で新規事業やM&A等を検討することもありますが、その場合の資金調達も原則として金融機関からの調達を中心とする所存であり、金融機関に対しての事業計画説明も随時実施しております。

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。