(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、政府による経済政策、日銀による金融緩和策の効果が継続し、企業収益や雇用環境に改善の動きがみられ、緩やかな回復基調となっていましたが、年度後半に中国を中心とした新興国経済の景気減速への警戒感が強まりました。このような状況下、積極的な投資や消費を刺激するため欧州に続き、わが国においてもマイナス金利が導入され、先行きに対する不透明感をさらに強めることとなりました。
学習塾業界においては、少子社会の進行による市場の縮小に加え、家庭の所得格差、地域間格差が業界動向に大きな影響をもたらしました。
このような状況下において当社は、生徒、保護者の満足度向上のために授業開始前後の基本動作の徹底と学力向上のための指導力、ナビゲーション力を強化し、期待値を上回る成績向上の実現と防犯機能を含めた教室環境の改善と充実を図ってまいりました。
また、事業展開では、経営資源の効率化と集中化を目指して、個別指導荒江教室(福岡市早良区)を閉校するとともに、高等部においては現役での高い大学合格実績を誇る「東進衛星予備校」の運営を鹿児島市と宮崎市において開始いたしました。
生徒数においては、小学生全学年を対象とする「キッズくらぶ」は引き続き堅調に推移し、また当事業年度より開始した東進衛星予備校を含む高等部においては前年実績を上回りましたが、中核をなす中学部と個別指導部において前年実績を回復するまでには至りませんでした。
経費面においては、教室人員配置の適正化並びに地代家賃をはじめとした全社的な運営効率化を推し進めた結果、売上原価は103百万円(△3.8%)削減されました。
この結果、当事業年度の売上高は3,515百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益307百万円(前年同期比11.7%増)、経常利益336百万円(前年同期比12.6%増)、当期純利益は税制改正に伴う法定実効税率の引下げ等により法人税等調整額が増加し155百万円(前年同期比7.1%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末残高に比べ、89百万円減少しました。この結果、資金の当事業年度末残高は152百万円となりました。
また、当事業年度における各キャッシュ・フローは、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は231百万円(前年同期比49.2%減)となりました。これは主に未払消費税等の減少額と法人税等の支払額の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は12百万円(前年同期比89.7%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出と投資不動産の取得による支出の減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は307百万円(前年同期比10.7%増)となりました。これは主に短期借入金の減少額と長期借入金の返済による支出の増加等によるものであります。
(1)校舎数と収容能力
当社は、学習塾事業の単一セグメントであり、生徒に対して進学指導を行うことを主たる業務としておりますので、生産能力として表示すべき適当な指標はありません。これにかえて、売上高及び企業規模と比較的関連性が高いと認められる校舎数、教室数及び収容能力(座席数)を示せば、次のとおりであります。
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項目 |
第57期 (平成27年2月28日現在) |
第58期 (平成28年2月29日現在) |
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校舎数 |
78校舎 |
77校舎 |
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教室数 |
483教室 |
477教室 |
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収容能力(座席数) |
14,502席 |
14,484席 |
(2)販売実績
当社は単一のセグメントであるため、事業部門別により表示しております。
① 販売方法
募集要項に基づき、直接生徒を募集しております。
② 販売実績
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部門 |
売上高 |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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幼児・小学部 |
954,684 |
101.3 |
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中学部 |
2,000,109 |
96.3 |
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高等部 |
148,904 |
116.7 |
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個別指導部 |
278,629 |
91.5 |
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その他 |
132,901 |
99.1 |
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合計 |
3,515,229 |
98.1 |
(注)1 その他は、合宿収入等であります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は創業50年を迎えましたが、時間と共に進化した部分と薄れてきた部分が明確になってきました。現状、認識している当面の課題と中長期的な課題については次のとおりです。
①社員が働き甲斐を持てる諸制度の見直しと基本の徹底
少子化の影響もあり人員確保が難しい時代となりました。有能な人材を確保するためにも諸制度の見直しを図っていきます。
また、経済優先の時代にあって、組織の末端まで当社の基本的考え方が浸透しているとは言えない状況にあるので、世界に通用する人材を育てるために、研修体制の見直しと組織の強化を図っていきます。
②採用活動の強化
採用活動を強化するために、人事採用担当の人員を増員してきました。今後しばらくは採用が難しい時代が続くと予想されるので、アルバイト講師からの社員化や採用媒体の多様化などにより、有為の人材確保に尽力していきます。
③スクラップ&ビルドの強化
当社が教室を展開している九州は、少子高齢化のスピードが速い地域です。そのため今後、閉鎖しなければならない教室も出てくることが予想されます。そういう中でも人口が増加している地域もあり、また行動スタイルにも変化が起こっている状況を踏まえ、移転や新規教室の展開などを積極的に進めていきます。
当社は少子高齢化の時代にあっても、勝ち残り生き延びるために、他社との差別化を図り、地域や生徒・保護者のニーズを掘り起こし、事業の拡大を図っていきたいと考えております。
1 少子化の影響
学習塾業界は出生率低下に伴う少子化によって、学齢人口の減少問題に直面しております。絶対数の減少は、入学試験の平易化による通塾に対する動機の希薄化と、生徒数獲得のため企業間競争の激化をもたらしており、このような状況が続くと業績に影響を与える可能性があります。
2 調達金利
当社は、自社物件が多いため、平成28年2月末現在の有利子負債総額は2,276百万円であります。このうち、1,687百万円は変動金利であり、今後の金利情勢の変化によって、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
3 個人情報の管理
当社は、学習指導や生徒募集のため、多くの生徒・保護者の個人情報を保有しています。管理には十分な注意をはらっておりますが、何らかの要因で個人情報が漏洩した場合には、社会的信用が失墜して、業績に影響を与える可能性があります。このリスクを軽減させるため保険契約を結んでおります。
4 減損会計の適用について
当事業年度において、一部の教室において地価の下落により土地・建物等について、10百万円の減損損失を計上いたしましたが、今後、地価の下落及び少子化による同業他社との競合激化により、営業活動による損益が悪化する場合には、減損損失が発生する可能性があります。
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提携先 |
提携の内容 |
契約期間 |
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㈱四谷大塚 |
インターネットを活用した㈱四谷大塚が主催するテスト会「四谷大塚テスティングネットワーク(通称YTネット)」への参加と㈱四谷大塚が使用している教材の優先的利用。 |
契約日 平成10年2月1日 ただし、双方が契約の更新を望む時は、2年毎に自動的に更新される。 |
(1)当事業年度において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。
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提携先 |
提携の内容 |
契約期間 |
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㈱ナガセ |
東進衛星予備校システムの衛星講義等を受講することなどによる学習支援。 |
契約日 平成27年2月27日 本契約の締結の日より、満5年を経過した直近の2月末日。ただし期間満了の1年前までに当事者のいずれかから相手方に対し書面による契約終了の申し入れがない限り、本契約は5年間自動更新されるものとし、以降も同様とする。 |
(2)当事業年度において、契約期間満了により終了した契約は次のとおりであります。
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提携先 |
提携の内容 |
契約期間 |
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㈱河合塾マナビス |
VOD(ビデオ・オン・デマンド)方式の映像授業提供と担当アドバイザーによる学習支援。 |
平成20年4月1日から 平成27年3月31日まで |
該当事項はありません。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成いたしております。
(1)財政状態の分析
当事業年度末の資産合計は、期首に比べて257百万円減少して、7,019百万円となりました。流動資産は期首に比べ88百万円減少して349百万円、固定資産は期首に比べ168百万円減少して6,669百万円となりました。
流動資産減少の主な要因は、現金及び預金が減少したことによるものであります。
固定資産減少の主な要因は、有形固定資産の減価償却によるものであります。
当事業年度末の負債合計は、期首に比べ318百万円減少して、3,655百万円となりました。流動負債は期首に比べ534百万円減少して1,497百万円、固定負債は期首に比べ215百万円増加して2,158百万円となりました。
流動負債減少の主な要因は、短期借入金の減少によるものであります。
固定負債増加の主な要因は、長期借入金の増加によるものであります。
当事業年度末の純資産合計は、期首に比べ61百万円増加して、3,363百万円となりました。
その主な要因は、当期純利益による繰越利益剰余金の増加によるものであります。
(2)キャッシュ・フローの分析
当社の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、231百万円(前年同期比49.2%減)のキャッシュを得ております。これは主に未払消費税等の減少額と法人税等の支払額の減少等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、12百万円(前年同期比89.7%減)のキャッシュを使用しております。これは主に有形固定資産の取得による支出と投資不動産の取得による支出の減少等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、307百万円(前年同期比10.7%増)のキャッシュを使用しております。これは主に短期借入金の減少額と長期借入金の返済による支出の増加等によるものであります。
この結果、当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末残高に比べ89百万円減少し、資金の当事業年度末残高は152百万円となりました。
(3)経営成績の分析
当事業年度における売上高は3,515百万円(前年同期比1.9%減)、売上原価2,630百万円(前年同期比3.8%減)、販売費及び一般管理費577百万円(前年同期比0.3%増)、営業利益307百万円(前年同期比11.7%増)、経常利益336百万円(前年同期比12.6%増)、当期純利益155百万円(前年同期比7.1%減)となりました。
売上高の減少については、小学部と高等部の生徒数は前事業年度を上回ったものの、中核をなす中学部と個別指導部が下回ったことによるものであります。
売上原価の減少については、教室人員配置の適正化による従業員数の減少に伴う人件費の減少並びに地代家賃等全社的な運営の効率化を推し進めたことにより、削減されたものであります。
販売費及び一般管理費の増加については、給料及び手当の増加によるものであります。
営業利益の増加については、売上高の減少を売上原価の減少が上回ったことによるものであります。
経常利益の増加についても、同様の理由が大きな要因であります。
当期純利益の減少については、税制改正に伴う法定実効税率の引下げ等により法人税等調整額が増加したことによるものであります。