第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 子どもの可能性は無限との考えから「我が子、我が事と思い、厳しく指導する」「学力、気力、体力を養成する」「責任をもって一人残らず第一志望校に合格させる」を指導理念としております。一人ひとりの子供たちを、豊かな人間性を備え、優れた創造力・逞しき意志・柔軟な思考力と応用力をもった人間、の育成に努め、子供たちが自己の持つ能力を最大限に発揮し、大きな目標に向かって挑戦するエネルギーを持って成長していくことを願っております。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社の目標とする経営指標は、「総資産経常利益率」及び「自己資本当期純利益率」の向上であります。これを長期的に引き上げていくことと、有利子負債の圧縮をすすめ財務体質の改善充実をはかり、株主の皆様に対する安定的な利益還元を実現してまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社は、将来の九州全域への事業展開を視野にいれ、全国でも稀有な人口増加県、沖縄を新たな挑戦の場として進出し、引き続き地元鹿児島の経営基盤の充実強化に努めてまいります。そのためには「ブランド力の強化」「人材の育成」「経営の効率化の促進」等が欠かせません。中長期的なスタンスで徹底して生徒・保護者のニーズに応え、生徒・保護者の期待値以上の成績向上の実現、付加価値の高い商品・サービスの提供、社員一人当たりの生産性の見直し等の実施により利益率の向上と、変化の激しい経営環境に迅速に対応する企業風土の醸成に取り組み着実に成長を実現してまいります。

 

(4) 経営環境

 当社の経営環境については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

(5) 会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①DXへの取り組み

 コロナ禍を契機に、AIやデジタル技術を活用した教育サービスの需要が一気に高まりました。当社においても、AIを搭載した新昴LMSや当事業年度より開始したライブ配信授業を通じて、時間や場所にとらわれない高品質の教育サービスを提供してまいりました。これら培ってきたノウハウを活かし、新規サービスの提供や顧客満足度の更なる向上を図るとともに、新たな顧客ニーズの掘り起こしを行ってまいります。

 

②少子化と学力の二極化への対応

 少子化により公立高校の入試倍率が低下しており、鹿児島県に至っては2023年度公立高校一般入試の出願倍率が過去最低を記録し、9割近くの高校が定員割れとなるなど、経営環境に多大な影響を及ぼしております。鹿児島市外地域においては、この様相がとりわけ顕著になっており、今後も学力の二極化が進行していくものと考えられます。当社では、高校入試だけを目的とせず、その先の大学進学や将来の職業を見据えて、学ぶことの大切さや必要性の啓蒙に取り組んでまいります。

 

③上場基準維持に向けた取り組み

 当社は、2022年4月に実施された東京証券取引所の市場区分の見直しにより、スタンダード市場へ移行いたしました。本市場においては、株式の流動性、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けたガバナンス水準の具備のほか、健全な財政などの各種基準が定められ、継続してその基準を維持することが求められます。また現行の上場維持基準に、新たにPBR(株価純資産倍率)などの項目追加が検討されております。当社といたしましては、これら上場基準を満たすことにより、結果として中長期的に企業価値を向上させられる、企業経営に取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 少子化の影響

 学習塾業界は出生率低下に伴う少子化によって、学齢人口の減少問題に直面しております。絶対数の減少は、入学試験の平易化による通塾に対する動機の希薄化と、生徒数獲得のため企業間競争の激化をもたらしており、このような状況が続くと業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 調達金利

 当社は、自社物件が多いため、当事業年度末現在の有利子負債総額は1,438百万円であり、今後の金利情勢の変化によって、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 個人情報の管理

 当社は、学習指導や生徒募集のため、多くの生徒・保護者の個人情報を保有しています。管理には十分な注意をはらっておりますが、何らかの要因で個人情報が漏洩した場合には、社会的信用が失墜して、業績に影響を与える可能性があります。このリスクを軽減させるため保険契約を結んでおります。

 

(4) 減損会計の適用について

 当事業年度において、一部の教室等において地価の下落等により土地・建物等について、11百万円の減損損失を計上いたしましたが、今後、地価の下落及び少子化による同業他社との競合激化により、営業活動による損益が悪化する場合には、減損損失が発生する可能性があります。

 

(5) 新型コロナウイルス感染症による影響について

 当社は、学習塾事業を行うにあたって、集団で活動するため、新型コロナウイルスに感染するリスクがあります。消毒やマスク、換気・検温などの対策を最大限とり、感染者を出さない活動を徹底しておりますが、感染者が出た場合には当社の業績に影響を与える可能性があります。

 また、同感染症の影響が長期化し、学校が休校になるなど円滑に事業活動ができなくなる事態が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当社は2022年9月1日付で当社の完全子会社であった株式会社タケジヒューマンマインドを吸収合併したことに伴い、前事業年度までは連結決算でありましたが、非連結決算へ移行いたしました。これにより当事業年度より、従来連結で行っておりました開示を単体開示に変更いたしました。従って、本報告では前事業年度の単体数値と比較して記載しております。

 また、当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限が緩和されて以降、ウィズコロナ政策の下で経済社会活動の正常化が進み、緩やかな回復基調で推移いたしました。先行きについては、同感染症の感染症法上の位置づけが本年5月より従来の「2類」から季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げられることなどから、引き続き景気の持ち直しが期待されます。その一方で、世界的な金融引締め等を背景とした海外景気の下振れのほか、物価上昇や供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響もあり、依然として不透明な状況が続く見込みです。

当学習塾業界におきましては、少子化の影響で市場が停滞する中、教育のオンライン化・デジタル化の急速な進展に伴い、異業種から教育領域への新規参入や業界再編成が活発化し、競争環境はより一層激化してまいりました。また、デジタル教育コンテンツの普及・定着を背景に、近年では新たにAI等の進化したICTを利活用して生徒1人ひとりに個別最適化された学びを提供するアダプティブラーニングの手法が注目されております。

このような状況下において当社は、指導理念である『責任を持って、一人残らず第一志望校に合格させる』を経営方針の中核に据え、圧倒的地域ナンバーワンの実現を目指し、鹿児島・宮崎をはじめ九州地域における経営基盤及び自社ブランド力の強化に努めております。運営面においては、生徒と保護者の安全・安心を第一に、感染防止対策を徹底した教室運営を図るとともに、AIによる分析機能を備えた、動画授業による自立学習支援システム(昴LMS)を活用し、質の高いハイブリッド型授業を実施してまいりました。また、昴LMSにおいて新たにライブ授業配信機能を搭載し、従来の動画授業にオンラインライブ授業を融合した教育サービスの創出に注力してまいりました。

事業展開としては、昨今の市場動向に鑑み、且つ教室運営と人的資源の効率的運用を図るため、2022年3月に宇土校(熊本県宇土市)を閉校いたしました。また、沖縄エリアにおける更なる利便性と集客力の向上を図るため、2022年11月に即解ゼミ首里校(沖縄県那覇市)、即解ゼミ沖縄校(沖縄県沖縄市)の2校舎をそれぞれ移転リニューアルいたしました。

生徒構成としては、期中開講の各スクーリング及び集中トレーニングなど生徒募集が活発化する時期に、同感染症のオミクロン変異株による第6波、第7波及び第8波の影響を断続的に受けることとなりました。その間学校での行動規制が緩和され、行事や部活動が日常を取り戻す中で通塾動機の抑制に拍車がかかった結果、小中学部及び個別指導部での集客が軟調に推移し、高等部(東進)を除く部門において前年を下回る結果となりました。

 

a.財政状態

 当事業年度末の資産合計は6,710百万円で、前事業年度末に比べ11百万円の減少となりました。

 当事業年度末の負債合計は3,107百万円で、前事業年度末に比べ162百万円の減少となりました。

 当事業年度末の純資産合計は3,603百万円で、前事業年度末に比べ151百万円の増加となりました。

 

b.経営成績

 当事業年度の経営成績は、売上高3,511百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益281百万円(前年同期比21.9%減)、経常利益300百万円(前年同期比21.7%減)、当期純利益は217百万円(前年同期比59.7%増)となりました。

 

 当社は、学習塾事業単一セグメントであり、セグメントごとの経営成績は記載しておりませんが、部門別売上高は以下のとおりとなりました。

 幼児・小学部は964百万円(前年同期比3.4%減)、中学部は1,909百万円(前年同期比3.7%減)、個別指導部は191百万円(前年同期比3.5%減)、高等部は355百万円(前年同期比29.9%増)、その他合宿収入等91百万円(前年同期比4.0%増)となりました。また、高等部の売上高については、収益認識会計基準等の適用による減少分90百万円を含んでおります。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当社は、前事業年度末までは連結財務諸表提出会社であったため、連結キャッシュ・フロー計算書を作成しており、キャッシュ・フロー計算書は作成しておりませんでした。このため、当事業年度については、前事業年度との比較は行っておりません。

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、472百万円となりました。

 また、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は193百万円となりました。これは主に税引前当期純利益の計上259百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は225百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出206百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は230百万円となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が長期借入れによる収入を上回ったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社は、前事業年度まで連結財務諸表提出会社でありましたが、当事業年度より非連結決算に移行しました。このため、当事業年度については、前事業年度との比較は行っておりません。

a.校舎数と収容能力

 当社は、学習塾事業の単一セグメントであり、生徒に対して進学指導を行うことを主たる業務としておりますので、生産能力として表示すべき適当な指標はありません。これにかえて、売上高及び企業規模と比較的関連性が高いと認められる校舎数、教室数及び収容能力(座席数)を示せば、次のとおりであります。

項目

当事業年度末

(2023年2月28日現在)

校舎数

67校舎

教室数

451教室

収容能力(座席数)

13,911席

 

b.販売実績

 当社は単一のセグメントであるため、事業部門別により表示しております。

 

1)販売方法

 募集要項に基づき、直接生徒を募集しております。

 

2)販売実績

部門

売上高

金額(千円)

前年同期比(%)

幼児・小学部

964,301

96.6

中学部

1,909,514

96.3

高等部

355,585

129.9

個別指導部

191,386

96.5

その他

91,150

104.0

合計

3,511,937

99.2

(注)1 その他は、合宿収入等であります。

2 当社は2022年9月1日付で当社の完全子会社であった株式会社タケジヒューマンマインドを吸収合併したことに伴い、前事業年度の単体数値と比較して記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表等は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成いたしております。この財務諸表等の作成にあたって、貸倒引当金、賞与引当金、ポイント引当金、退職給付引当金、株式給付引当金の見積りはそれぞれ適正であると判断しております。

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

 当事業年度末の資産合計は6,710百万円で、前事業年度末に比べ11百万円の減少となりました。

 流動資産は205百万円減少し、固定資産は193百万円増加しました。

 流動資産の減少の主な要因は、現金及び預金が減少したことによるものであります。

 固定資産の増加の主な要因は、有形固定資産の建物が増加したことによるものであります。

 

 当事業年度末の負債合計は、3,107百万円で、前事業年度末に比べ162百万円の減少となりました。

 流動負債は69百万円減少し、固定負債は93百万円減少しました。

 流動負債の減少の主な要因は、未払法人税等が減少したことによるものであります。

 固定負債の減少の主な要因は、社債、長期借入金及び関係会社事業損失引当金が減少したものの、退職給付引当金が増加したことによるものであります。

 

 当事業年度末の純資産合計は3,603百万円で、前事業年度末に比べ151百万円の増加となりました。

 これは主に利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

2)経営成績

(売上高)

 当事業年度の売上高は3,511百万円で、前事業年度に比べ28百万円(△0.8%)の減少となりました。

(売上原価)

 当事業年度の売上原価は2,680百万円で、前事業年度に比べ35百万円(1.3%)の増加となりました。

(売上総利益)

 当事業年度の売上総利益は831百万円で、前事業年度に比べ63百万円(△7.1%)の減少となりました。売上総利益率は23.7%となりました。

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は550百万円で、前事業年度に比べ15百万円(2.9%)の増加となりました。

(営業利益)

 当事業年度の営業利益は281百万円で、前事業年度に比べ78百万円(△21.9%)の減少となりました。売上高営業利益率は8.0%となりました。

(経常利益)

 当事業年度の経常利益は300百万円で、前事業年度に比べ83百万円(△21.7%)の減少となりました。売上高経常利益率は8.5%となりました。

(当期純利益)

 当事業年度の当期純利益は217百万円で、前事業年度に比べ81百万円(59.7%)の増加となりました。

 

3)キャッシュ・フローの分析

 「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社は、事業活動及び設備投資のための適切な資金確保並びに健全な財政状態を目指し、その財源として安定的な営業キャッシュ・フローの創出を重要視しております。

 当社の主な資金需要は営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した内部資金を活用し、必要に応じて金融機関からの借入金により資金調達を行うことを基本としております。

 なお、取引銀行と当座貸越契約の枠を設定することで、安定資金を確保し財務基盤の強化を図っております。

 当事業年度においては、新設校の新築工事及び既存校の外壁補修工事等の設備の投資を行っており、その総額は256百万円となりました。この投資のための資金は、自己資金によって調達しております。

 

d.経営上の目標の達成状況について

 当社は、投資効率を測る指標として総資産経常利益率及び自己資本当期純利益率を重視しております。当事業年度における総資産経常利益率は4.5%及び自己資本当期純利益率は6.0%となりました。

 今後も引き続きこれらの指標を長期的に引き上げていくことに取り組んでまいります。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)連結子会社の吸収合併について

 当社は、2022年4月14日開催の取締役会において、2022年9月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である株式会社タケジヒューマンマインドを吸収合併することを決議し、2022年9月1日付で吸収合併いたしました。

 なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(企業結合等関係)に記載のとおりであります。

 

(2)その他

提携先

提携の内容

契約期間

株式会社ナガセ

東進衛星予備校システムの衛星講義等を受講することなどによる学習支援。

契約日   2020年2月29日

本契約の締結の日より、満5年を経過した直近の2月末日。ただし期間満了の1年前までに当事者のいずれかから相手方に対し書面による契約終了の申し入れがない限り、本契約は5年間自動更新されるものとし、以降も同様とする。

株式会社四谷大塚

インターネットを利用した各種テストの採点結果の返却及び解説授業の提供。また、㈱四谷大塚発行の教材を使用した授業の実施。

契約日   2022年1月25日

本契約の締結の日より、満5年を経過した直近の1月末日。ただし期間満了の1年前までに当事者のいずれかから相手方に対し書面による契約終了の申し入れがない限り、本契約は5年間自動更新されるものとし、以降も同様とする。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。