第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における我が国経済は、経済政策や金融緩和策を背景に景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、新興国経済の減速の影響等から企業収益の改善テンポが緩やかになり、個人消費も伸び悩む状況が続きました。また、英国のEU離脱問題や米国の新政権移行の影響などにより、我が国の経済環境の先行きは依然として不透明な状況が続きました。

ビルメンテナンス業界におきましては、安全で快適な環境維持と省エネルギーに対する顧客の関心が高まっておりますが、見通しづらい景気動向などから顧客の施設維持管理コストの削減意識は依然として高く、厳しい状況が続いております。

当社グループは、そうした顧客ニーズに応えるべく、顧客の視点に立った専門性の高いサービスをより迅速に提供できる体制を整え、今までに増して高品質なサービスの提供で、多様化・高度化する顧客ニーズに応え、取引基盤の強化と業容拡大に取り組んでまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は、当連結会計年度はじめにあった大型現場解約のマイナス要因を懸命な営業努力で挽回に努めるとともに、新たに連結子会社となった協栄ビル管理㈱の売上高寄与もあり、前年同期比4億73百万円(2.5%)増加の193億24百万円となりました。、

また、利益面におきましては、法定福利費の増加や協栄ビル管理㈱連結子会社化に伴う諸費用の発生などにより、営業利益は前年同期比1億44百万円(39.6%)減少の2億20百万円、経常利益は同1億11百万円(24.4%)減少の3億45百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、同52百万円(21.5%)減少の1億92百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における「現金及び現金同等物」の期末残高は、前連結会計年度末に比べ52百万円減少し、20億13百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、1億円の減少(前連結会計年度は4億39百万円の増加)となりました。

これは、増加では税金等調整前当期純利益3億51百万円などによるものであります。減少では法人税等の支払額4億37百万円などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、3億84百万円の増加(前連結会計年度は63百万円の増加)となりました。

これは、増加では定期預金の払戻による収入8億40百万円、有形固定資産の売却による収入1億69百万円、関係会社出資金の売却による収入1億6百万円、保険積立金の払戻による収入1億41百万円などによるものであります。減少では連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出8億59百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、3億35百万円の減少(前連結会計年度は1億58百万円の減少)となりました。

これは、増加では長期借入れによる収入11億85百万円などによるものであります。減少では短期借入金の純減少額2億10百万円、長期借入金の返済による支出12億19百万円、配当金の支払額47百万円などによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

建築物総合サービス事業

その他(営繕工事)

受注高(千円)

685,555

受注高(千円)

460,183

受注残高(千円)

42,575

受注残高(千円)

37,539

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

売上高(千円)

構成比(%)

売上高(千円)

構成比(%)

建築物総合サービス事業

18,517,765

98.2

19,033,471

98.5

清掃業務

6,425,161

34.1

6,707,094

34.7

設備保守管理業務

2,311,055

12.3

2,476,810

12.8

警備業務

1,302,172

6.9

1,428,124

7.4

工営業務

4,813,815

25.5

5,108,133

26.4

その他

3,665,560

19.4

3,313,309

17.2

その他

333,340

1.8

291,284

1.5

合計

18,851,105

100.0

19,324,755

100.0

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは、永年にわたり培ってきた専門技術を背景に顧客満足度の向上につながるソリューション営業や清掃・設備業務等の中核事業分野に加え、PFI事業・指定管理者業務をはじめとしたPPP分野、およびプロパティマネジメント業務などの関連事業分野に対し、バランス良く積極的に営業展開することにより、業務拡大を図ってまいります。

また、マーケット変化、お客様の求める品質と多様化するニーズに的確に対応する業務体制を構築するため、専門技術の更なる追求、品質管理の強化を図るとともに、社内業務プロセスの見直しやITシステムの有効活用により業務効率向上を図り、高品質サービスの提供および収益構造の改善を実践してまいります。さらに、従来から取り組んでおります省エネルギーおよび地球温暖化防止に関する提案等の環境活動をより一層推進し、社会に貢献してまいる所存であります。

これらの実現に向け、当社グループは、次の重点施策を掲げ推進しております。

・マネジメント体制の再構築による業務効率化と収益構造の改善

・企画提案力・総合力の最大化による、PFI事業・指定管理者業務をはじめとしたPPP分野、プロパティマネジメント業務への積極展開

・高度化、多様化する顧客ニーズにマッチしたサービス品質の向上

・省エネルギー、CO2削減に関する提案力の強化

・顧客の資産管理の観点に立ったリフォームや設備改修事業の強化

・現場作業の生産性・品質の一層の向上を図るための、高い専門性を有する人材の育成

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営環境

当社グループはビルメンテナンスを主な事業としており、主として契約期間及び契約金額をあらかじめ定めた業務委託契約に基づいて業務を行っております。したがって、契約を一度締結することにより一定期間安定した収益を確保できるメリットがありますが、顧客にとってその費用は固定費となるため常に経費削減の対象になるという側面があります。

このようなビルメンテナンス事業にとって、空室率の上昇やテナント賃料の下落などの厳しい経営環境は、既存顧客であるビルオーナーからの契約価格の値下げ要求や解約の動きを急増させる恐れがあります。さらに、利益率や品質を度外視した過当な価格競争が業界内に横行するような状況になれば、売上高の減少や利益率の低下など業績に悪影響を与えることが懸念されます。

また、当事業はサービス原価に占める労務費の割合が高く、賃金や人材募集コストの上昇を早急に契約価格に転嫁することが困難であるため、景気回復により雇用環境が好転した場合においては、業績に悪影響を生じさせる可能性があります。

 

(2) 関係法規等の規制

当社グループの主力事業であるビルメンテナンス業務は、建設業法、警備業法、消防法、マンション管理適正化法をはじめ多くの関係法規等の規制を受けており、また、各種許可、登録ならびに認定を受けております。今後、これらの法規制および許可、登録ならびに認定の改廃、新設が行われる場合には、規制等に向けた対応のため、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 短時間労働者に関する法改正

当社グループは、従業員に占める短時間労働者の比率が高いため、今後短時間労働者のための法令や規則等の改正が生じた場合、新たに費用が発生する可能性があり、当社グループの事業展開や業績等に影響を及ぼすことがあります。

 

 

(4) 事故発生と損害賠償

当社グループは、業務実施にあたっての安全管理・事故防止に万全を期しておりますが、業務を行う施設において不慮の事故により顧客に対して損害を与えてしまう状況に備えて、損害賠償責任保険を付保しているものの、その補償限度額を超える損害が生じた場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

また、地震などの大規模自然災害により、収益の基盤である管理物件の損壊、管理会社としての業務を遂行するための対応費用が発生する場合や、新型インフルエンザ等の大流行により管理業務に支障が生じた場合にも、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(5) 法令違反による社会的制裁

当社グループは、コンプライアンス委員会を設け法令遵守に努めておりますが、一旦法令違反が起きた場合には、入札指名停止や契約解除を受けること、その他の社会的制裁により当社グループの業績等に広範囲な影響を与える可能性があります。

 

(6) 個人情報保護について

当社グループは、マンション管理業務等の業務遂行上の必要性から個人情報を取り扱っており、ISMSを取得のうえ個人情報の適正な管理に努めておりますが、万一個人情報の漏えい等の事故が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
 この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
 なお、引当金等の見積りの評価については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、異なる可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の当社グループの売上高は、ビルメンテナンス業界を巡る厳しい状況のなか、新たにグループに加わった協栄ビル管理㈱の売上寄与等により、前年同期比4億73百万円増加の193億24百万円となりました。

売上原価は、協栄ビル管理㈱連結子会社化によるもののほか、社会保険の適用拡大に伴い法定福利費が増加したことなどにより前年同期比5億18百万円増加の171億48百万円となり、原価率は0.5ポイント上昇の88.7%となりました。その結果、売上総利益は、前年同期比45百万円減少の21億76百万円となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、協栄ビル管理㈱連結子会社化およびこれに伴う諸費用の発生などにより、前年同期比99百万円増加の19億56百万円でしたが、対売上高比率では前年同期比0.3ポイント上昇の10.1%となりました。これらの結果、営業利益は前年同期比1億44百万円減少の2億20百万円となりました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、前年同期比33百万円増加し、1億25百万円のプラスとなりました。

経常利益につきましては、営業利益減少の影響などにより前年同期比1億11百万円減少の3億45百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前年同期比52百万円減少の1億92百万円となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度における当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが1億円の減少、投資活動によるキャッシュ・フローが3億84百万円の増加、財務活動によるキャッシュ・フローが3億35百万円の減少となりました。また、取引金融機関との関係も良好であり、資金繰りについても安定した状態を維持しております。