当社は「生活環境の保全に貢献する」、「たゆまざる努力と先端技術の開発とによって卓越したテクノロジーを提供する」、「社会の信頼を基盤として企業の発展と社員の福祉増進を追求する」を会社の基本理念としております。この基本理念に基づいて、安全・安心・安定的な水の供給、公共用水域の水質改善、資源・エネルギー循環の形成、経営基盤の強化などに係る技術やサービスの開発を通じて事業領域を広げ、地域社会への貢献、業績と従業員満足度の向上及び株主価値の増大を図ることを基本方針としております。
経営環境
当社の主要なビジネスターゲットである上下水道事業は、高度成長期に集中的に整備されてきた上下水道施設の多くが耐用年数を越えてくることから、他の公共インフラと同様に老朽化した施設の計画的な改築・更新、必要な事業予算の確保が求められています。また、度重なる豪雨や地震による被災に対応した対応についてのニーズも高まっています。このような観点も踏まえ、当社の事業と関わりの深い国土交通省の平成31年度の省全体の公共事業関係費予算案は、「防災・安全交付金」と「社会資本整備総合交付金」の総額で対前年度比1.08倍と前年並みの予算が閣議決定されております。また、平成29年度補正予算案も「防災・安全交付金」と「社会資本整備総合交付金」に国費約3,249億円(この内数に下水道整備による緊急的な浸水対策も含まれる)計上されています。地方公共団体の予算案は今後順次公開されていくことになりますが、相対的には前年並みの予算が計上されることが見込まれます。
こうしたニーズに応えるべく、当社に在籍する経験豊富なエンジニア集団の力を結集するとともに、長年にわたり開発・蓄積したICT技術を活用して、主力とする上下水道分野をはじめ、河川分野、廃棄物・環境分野、海外分野における社会課題の解決に努めて参ります。
対処すべき課題
今期の受注残は前期よりも減少していますが、官公庁の会計年度の関係上、納期が集中する年度末に向けて、今まで以上に細心の注意を払い、各受注案件の予算、工程、外注、品質を適切に管理して成果品の納品に努めるとともに従業員の健康に留意した労務管理を徹底致します。その上で、引き続き以下の項目を重点課題として外部環境の変化に対応した事業戦略を実施し、持続的に企業価値の向上を実現してまいります。
(1) 今後の水道事業・下水道事業政策に即した提案型営業を推進し、受注の拡大を図ります。
(2) 総合原価を低減し、収益の向上を図ります。
(3) 市場のニーズに合わせた先端技術を導入し、提供サービスの品質向上を図ります。
(4) 顧客ニーズを速やかに把握し、より良い解決策を提供します。
(5) 国内外のネットワークを活用し、海外水ビジネスへの積極的な営業活動を展開します。
(6) 働き方改革先進企業を目指し、ワークライフバランスへの取り組みを推進し、従業員の労働環境の向上を図
ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
当社は、民需を含めた新規分野及び海外水ビジネスへの事業展開を進めておりますが、官公庁・公団・地方公共団体等の公共事業が極めて高い割合を占めております。また国の公共事業予算の配分の見直し及び地方自治体の財政状態により本事業の公共下水道分野の予算は今後も縮減傾向が予想されることから、完成業務高及び利益に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、徹底した成果品の品質確保及び向上に力を注いでおり、品質保証システムISO9001を導入しておりますが、成果品のミスが原因で重大な不具合が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
平成30年12月の日銀短観によりますと、大企業製造業の業況判断指数(DI)は、平成30年9月調査から横ばいの19%ポイントとなりました。一方、大企業非製造業におきましては、前回調査から2%ポイント上昇の24%ポイントとなりました。また、中小企業の業況判断におけるDIは、製造業は前回調査から横ばいの14%ポイント、非製造業は、1%ポイント上昇の11%ポイントとなりました。3か月後を予想する業況判断では、大企業製造業でマイナス4%ポイント低下となり、大企業非製造業でもマイナス4%ポイント低下と、人手不足感の強まりを懸念し、景気の先行きを慎重に見ている企業が多いようです。
こうした経済情勢のもと、当社の事業と関わりの深い国土交通省の平成30年度予算は、「防災・安全交付金」と「社会資本整備総合交付金」の総額で前年並みの予算が計上されました。また、全国の政令指定都市及び東京都区部の下水道事業費の合計は、対前年度比1.3%増の予算が確保されました。
我が国の上下水道インフラ資産は、約130兆円との内閣府の試算があり、セクター別で道路に次ぐストックがあります。このうち、上水道はほぼ普及し、国内の全管路延長は約66万kmに達していますが、管路の年間更新率は全国平均で0.76%と低く、管路をすべて更新するのに約130年かかる計算となっています。水道管路は法定耐用年数が40年でありますが、高度成長期に大量に整備された管路施設の更新が進まないため、管路の老朽化はますます上昇すると見込まれ、安全な水を安定的に給水するために経年管路の更新が重要な課題となっています。
一方、全国の汚水処理人口普及率が90.9%(平成29年度末)となっていますが、そのうち下水道によるものが78.8%にとどまり、未だに約1,200万人が汚水処理施設を利用できない状況にあり、普及促進の加速が求められています。施設の新設のニーズは減少を辿っていますが、高度成長期に急速に整備した上下水道施設は毎年大量に耐用年数を迎え、安心・安全で文化的生活を送るために不可欠なこれらのインフラ資産を維持、更新していくことが求められています。また、近年頻発するゲリラ豪雨などから人命や資産を守る浸水対策や地震が発生してもトイレが使えるなどの地震対策、津波に強い下水道施設の補強対策など、新たなニーズも高まっています。
当社は、このような外部環境のもと、主に、上水道分野では、「安全・強靭・持続・連携・挑戦」をキーワードとした厚生労働省水道課が掲げる新水道ビジョンに則ったアセットマネジメント関連業務の積極的な受注活動を展開しました。下水道分野では、国土交通省下水道部の主要7大テーマ、「震災復旧・復興の支援の強化と全国的な安全・安心対策の実施」、「未普及地域の早期解消」、「水環境マネジメントの推進」、「施設管理・運営の適正化」、「下水道経営の健全化」、「低炭素・循環型社会への取組推進」及び「国際展開と官民連携による水ビジネスの国際展開」に沿った受注活動を展開しました。更に、総務省が支援を行っている簡易水道・下水道事業における地方公営企業法の適用による公営企業会計の導入支援関連業務、下水道事業経営戦略策定業務等の受注活動などを推進しております。海外分野では、官民連携による新興国の案件発掘などの受注活動を展開しております。
他方、社内体制につきましては、「維持・運営の時代」を見据えた組織づくり、社内の各階層での意思疎通と情報共有、部署別経営指標の随時確認による経営課題の迅速な軌道修正、受注したプロジェクトの適正な予算管理、工程管理、外注管理、社内エンジニアのスキル向上、次代を担う若手人材の確保・育成、「働き方改革先進企業」を目指した長時間労働の是正や健康経営の促進、社員一人ひとりがそれぞれの事情に応じていきいきと働くことができる社内制度・オフィス環境の導入、社外ネットワークの拡大などにより、生産性向上と原価低減を図り、社員還元と収益の拡大に努めてまいりました。
この結果、当事業年度の受注高は53億8千2百万円(前期比17.8%減)となりました。受注減少の主な要因は、ここ数年増加していた工期が複数年に亘る大型の公営企業会計導入に関連した業務の減少、7月の西日本豪雨など自然災害の発生に伴う予定案件の発注先送りなどとみております。一方、完成業務高は62億5千7百万円(前期比0.0%増)、営業利益は10億3百万円(前期比0.9%減)、経常利益は株式相場下落に伴う有価証券評価損及び業界最大手証券会社らの勧誘により取得した大手通信会社新規公開株売却損などにより9億3千6百万円(前期比8.0%減)、当期純利益は5億9千3百万円(前期比39.0%減)となりました。
当社における事業部門別の業績は、次のとおりであります。
建設コンサルタント部門につきましては、受注高は50億5千6百万円(前期比17.9%減)となりました。一方、完成業務高は58億7千1百万円(前期比0.1%減)となりました。
情報処理部門につきましては、受注高は3億2千5百万円(前期比16.9%減)となりました。一方、完成業務高は3億8千5百万円(前期比1.9%増)となりました。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、主として税引前当期純利益の計上、売上債権の減少などにより、当事業年度末の残高は37億3千6百万円(前期比33.5%増)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と増減の要因は、次のとおりであります。
営業活動により獲得した資金は14億5千9百万円(前期比235.9%増)となりました。
これは主に税引前当期純利益の計上、売上債権の減少によるものであります。
投資活動により使用した資金は4億4千万円(前期比430.6%増)となりました。
これは主に投資有価証券の取得による支出5億1百万円によるものであります。
財務活動により使用した資金は8千1百万円(前期比7.1%増)となりました。
これは主に配当金の支払額8千1百万円によるものであります。
当事業年度における生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における受注実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注) 金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債および収益・費用の計上および開示に関する経営者の見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績などを勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 重要な会計方針」に記載しております。
当事業年度における流動資産は、62億2千7百万円(前期比6.7%増)となりました。これは主に業務代金の入金が増えたことで現金及び預金が増加したことによるものであります。
当事業年度における固定資産は、14億4千8百万円(前期比24.0%増)となりました。これは主に投資有価証券が増加したことよるものであります。
当事業年度における流動負債は、13億2千2百万円(前期比20.5%増)となりました。これは主に業務代金の入金が増えたことで未成業務受入金が増加したことによるものであります。
当事業年度における固定負債は、2億5千4百万円(前期比21.6%減)となりました。これは主に退職給付引当金が減少したことよるものであります。
当事業年度における純資産は、60億9千8百万円(前期比9.2%増)となりました。これは主に当期純利益の計上による利益剰余金が増加したことによるものであります。
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当事業年度における売上高は、62億5千7百万円(前期比0.0%)と前事業年度と同水準になりました。これは働き方改革に対応した就業環境の向上、社内での情報共有の徹底等により、概ね予定通りに受注残の消化を進められたことによるものです。
当事業年度における営業利益は、10億3百万円(前期比0.9%減)となりました。これは作業内容を見極め、内製化するものと外注するものとを適切に選別し、個々の案件の利益の向上に努める原価低減を図る一方、賞与支給率アップや人員増員による人件費の増加、生産性向上を目的としたオフィスのフリーアドレス化やモバイルワーク環境の整備など就業環境向上費用が増加したことよるものであります
当事業年度における経常利益は、9億3千6百万円(前期比8.0%減)となりました。これは主に株式相場下落に伴う有価証券評価損及び有価証券売却損によるものであります。
当事業年度における当期純利益は、5億9千3百万円(前期比39.0%減)となりました。これは主に第52期(平成25年12月期)に黒字転換する以前に積まれた繰越欠損金に対する繰延税金資産の大幅な減少に伴う法人税等調整額の増加によるものであります。
経営成績に重要な影響を与える主な要因は、国及び地方公共団体の会計年度毎の予算計上、適正な利潤が得られる業務価格での受注、不採算案件の発生を防ぐプロジェクト管理、中長期的人材の確保・育成による着実な技術伝承、社会のニーズに合った技術研究開発などであります。当事業年度における事業環境は受注を除き安定的に推移したと考えていますが、今後については、国内の少子高齢化や生産年齢の減少、地震や豪雨被害などにおいても安心・安全な生活を送ることができる上下水道インフラへの投資の質・量の変化、国連の定めるSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた動きの活発化などを予測していおります。
このような環境において、当社は持続的な発展を実現するため、中期経営計画に定めた諸施策を推進するのものであります。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況 (1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主要なものは、完成業務原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄うことを基本とし、資金調達を行う場合には、経済情勢や金融環境を踏まえ、当社にとって最良の方法で行いたいと考えております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。