第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

第3四半期累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものです。

(1) 経営成績の状況

我が国の上下水道インフラ資産は、約130兆円との内閣府の試算があり、セクター別で道路に次ぐストックがあります。このうち、上水道はほぼ普及し、国内の全管路延長は約67万kmに達していますが、管路の年間更新率は全国平均で0.75%と低く、管路をすべて更新するのに約130年かかる計算となっています。水道管路は法定耐用年数が40年でありますが、高度成長期に大量に整備された管路施設の更新が進まないため、管路の老朽化はますます上昇すると見込まれ、安全な水を安定的に給水するために経年管路の更新が重要な課題となっています。

下水道分野については、全国の汚水処理人口普及率が92.1%(2020年度末)となっていますが、そのうち下水道によるものが80.1%にとどまり、未だに約990万人が汚水処理施設を利用できない状況にあり、普及促進の加速が求められています。施設の新設のニーズは減少の一途を辿っていますが、高度成長期に急速に整備した上下水道施設は毎年大量に耐用年数を迎え、安心・安全で文化的生活を送るために不可欠なこれらのインフラ資産を維持、更新していくことが求められています。また、近年頻発するゲリラ豪雨、大型台風による風水害などから人命や資産を守る浸水対策や地震が発生してもトイレが使えるなどの耐震化、津波に強い下水道施設の補強対策などのニーズも高まっています。

2021年3月に可決・成立した我が国の令和3年度予算のうち、当社の事業と関わりの深い下水道予算を含む「社会資本総合整備」の配分総額は、国費1兆4,670億円で、この内訳は防災・安全交付金8,376億円、社会資本整備総合交付金が6,295億円となっています。交付金の実施個所は自治体の裁量に委ねられているため、下水道事業に限った配分額は明らかではありませんが、関係予算の内示額は前年度比微増と見込まれています。他方、予算規模の大きい全国の政令指定都市と東京都区部の下水道事業費の合計額は約6,121億円、前年度当初比で1.4%減となっています。

当社は、このような事業環境のもと、主に、上水道分野では、「安全・強靭・持続・連携・挑戦」をキーワードとした厚生労働省水道課が掲げる新水道ビジョンに則ったアセットマネジメント関連業務の積極的な受注活動を展開しております。下水道分野では、国土交通省下水道部の主要7大テーマ、「震災復旧・復興の支援の強化と全国的な安全・安心対策の実施」、「未普及地域の早期解消」、「水環境マネジメントの推進」、「施設管理・運営の適正化」、「下水道経営の健全化」、「低炭素・循環型社会への取組推進」及び「国際展開と官民連携による水ビジネスの国際展開」に沿った受注活動を展開しました。更に、総務省が支援を行っている簡易水道・下水道事業における地方公営企業法の適用による公営企業会計の導入支援関連業務、下水道事業経営戦略策定業務等の受注活動などを推進しております。国内市場においては、既存顧客である地方公共団体の施設整備状況や事業課題を熟知する当社の優位性を背景に、きめ細かい技術提案、柔軟な顧客サービスの提供を通じたリピート率の高い受注活動とともに、積み上げた業務実績を基に新規開拓営業を展開しております。海外分野では、官民連携による新興国の案件発掘などの受注活動を展開しております。

他方、社内の就労環境については、全社9割の社員にスマートフォンとノートパソコンを支給し、フリーアドレスと無線LANを取り入れたオフィス環境の整備により、オフィス内だけでなく、外出先でも働く場所を選ばないテレワーク環境を提供しております。全社で意識付けを行っている社内の各階層での迅速な情報共有、部署別経営指標の随時確認による部署課題へのスピーディな対応、受注プロジェクトの適正な予算・工程・進捗・外注管理、社内エンジニアのスキル向上、次代を担う若手人材の確保・育成、改正労働基準法を遵守した残業時間の削減、健康経営の促進、時差出勤制度、有給休暇の取得促進など、社員一人ひとりがそれぞれの事情に応じてメリハリをつけて働くことができる社内制度の活用などにより、生産性向上と原価低減を図り、社員還元と収益の拡大に努めております。

当四半期中、東京オリンピック・パラリンピックが無観客で開催される中、国内での新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた政府主導の取り組みが行われました。並行して新型コロナウイルスのワクチン接種率が高まりました。当社では、在宅勤務制度や時差出勤制度の活用促進、ワクチン接種休暇の設定などにより、社員の安心・安全に十分配慮した対策を講じて事業活動を継続しました。また、様々な専門技術職の配置が求められる案件への対応策として、ウエブ会議の効率的な活用などにより、社内の遠隔拠点間で社内の人材の相互融通を図り、より効率的な生産体制の構築に努めました

官公庁の会計年度のスタートである4月からの期間中、当社に関連する地方自治体の予算執行状況は概ね予定通り執行されて、受注活動も順調に進みました。しかしながら、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響などにより、当社の技術スタッフの多くが居住する大都市から、多くの顧客を抱える地方部への往来の際には、訪問者の人数制限や事前のPCR検査の結果の提示を求められる自治体もあり、オンラインでは難しい現地調査、質疑応答がスムーズに行うことができる対面協議などが滞り、業務案件の進捗遅延や工期延期が発生しております。一方、海外案件については、渡航制限が緩和された一部地域への渡航が可能となり現地作業が再開されました

なお、当社は、第49期より進行基準売上を採用し、月次決算で一月ごとに売上を積み上げております。第三四半期は、夏季休暇の取得、実務上必要な資格試験の実施、研修会や業界イベントが重なる期間となっており、コンサルティング業務の稼働率が他の四半期よりも低下する傾向があります。これらのことから、当四半期の決算上の特徴として、四半期ベースでは例年赤字となることが多くなっております

この結果、当第3四半期累計期間の受注高は51億2千9百万円(前年同四半期比1.1%増)となりました。一方、完成業務高は45億8千3百万円(前年同四半期比1.7%減)、営業利益は4億7千7百万円(前年同四半期比11.1%減)、経常利益は5億1千9百万円(前年同四半期比2.2%増)、四半期純利益は3億1千8百万円(前年同四半期比3.7%増)となりました。

 

当社における事業部門別の業績は、次のとおりであります。

[建設コンサルタント部門]

建設コンサルタント部門につきましては、受注高は46億5千2百万円(前年同四半期比2.0%減)となりました。一方、完成業務高は42億4千5百万円(前年同四半期比0.4%減)となりました。

[情報処理部門]

情報処理部門につきましては、受注高は4億7千7百万円(前年同四半期比46.7%増)となりました。一方、完成業務高は3億3千8百万円(前年同四半期比15.6%減)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

(流動資産)

当第3四半期会計期間における流動資産は、56億2千7百万円(前事業年度末比0.6%増)となりました。これは主に業務代金の入金による「現金及び預金」が増加、「完成業務未収入金」が減少したことによるものであります。

(固定資産)

当第3四半期会計期間における固定資産は、14億9千5百万円(前事業年度末比4.6%増)となりました。これは主に投資有価証券の取得により「投資その他の資産」が増加したことによるものであります。

(流動負債)

当第3四半期会計期間における流動負債は、10億6千6百万円(前事業年度末比2.7%減)となりました。これは主に外注先への支払いによる「業務未払金」が減少、「賞与引当金」が増加したことによるものであります。

(固定負債)

当第3四半期会計期間における固定負債は、2億6百万円(前事業年度末比8.9%減)となりました。これは主に「リース債務」及び「退職給付引当金」が減少したことによるものであります。

(純資産)

当第3四半期会計期間における純資産は、58億5千万円(前事業年度末比2.7%増)となりました。これは主に「利益剰余金」が増加したことによるものであります。

 

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期累計期間において、該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。