中間会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中における将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものです。
我が国の上下水道インフラ資産は、約130兆円との内閣府の試算があり、セクター別で道路に次ぐストックがあります。このうち、上水道の普及率は令和4年度末現在で98.3%、国内の全管路延長は約74万kmに達していますが、管路の年間更新率は全国平均で0.64%と低く、管路をすべて更新するのに約130年かかる計算となっています。水道管路は法定耐用年数40年とされていますが、その多くが高度成長時代の1970年代に集中的に整備されたものであり、施設の老朽化や管路の耐震化の遅れ(令和4年度末の基幹管路の耐震適合率は42.3%)、人口減少等による料金収入の減少という課題に直面し、また多くの水道事業者が小規模で経営基盤が脆弱であり、計画的な更新のための備えが不足している状況となっています。長らく厚生労働省が所管していた水道整備・管理行政が、令和6年4月から施設の管理・整備は国土交通省へ、水質・衛生面は環境省に移管されました。これにより、令和6年度の水道事業予算概算要求には、上下水道で一体的に取り組む施策を支援するための上下水道一体効率化・基盤強化推進事業の創設や水道施設整備事業調査費の拡充等が盛り込まれております。
下水道分野については、全国の汚水処理人口普及率が92.9%(2022年度末)となっていますが、そのうち下水道によるものが81.0%にとどまり、未だに約880万人が汚水処理施設を利用できない状況にあり、普及促進の加速が求められています。施設の新設のニーズは減少の一途を辿っていますが、高度成長期に急速に整備した上下水道施設は毎年大量に耐用年数を迎え、安心・安全で文化的生活を送るために不可欠なこれらのインフラ資産を維持、更新していくことが求められています。また、近年頻発する集中豪雨、大型台風による風水害などから人命や資産を守る浸水対策や地震が発生してもトイレが使えるなどの耐震化、津波に強い下水道施設の補強対策、脱炭素・循環型社会への転換を図る「グリーンイノベーション下水道」に向けた取り組みなどのニーズも高まっています。
2024年3月に可決・成立した我が国の令和6年度予算のうち、当社の事業と関わりの深い下水道予算を含む「社会資本総合整備」の配分総額は、国費1兆3,613億円で、この内訳は防災・安全交付金8,563億円、社会資本整備総合交付金が5,051億円となっています。その内、下水道内示総額は国費約4,769億円でほぼ前年度(約4,772億円)並みとなっております。
当社は、このような事業環境のもと、国土交通省上下水道グループの掲げるテーマを念頭に、上水道分野では新水道ビジョンに則ったアセットマネジメント関連業務、下水道分野では主要7大テーマ、「震災復旧・復興の支援の強化と全国的な安全・安心対策の実施」、「未普及地域の早期解消」、「水環境マネジメントの推進」、「施設管理・運営の適正化」、「下水道経営の健全化」、「低炭素・循環型社会への取組推進」及び「国際展開と官民連携による水ビジネスの国際展開」に沿った受注活動を展開しております。
本四半期のトピックとして、政府の掲げる「ウォーターPPP」の推進の本格化が挙げられます。我が国では人口減少社会を背景に、人口の多い政令指定都市やその周辺等の一部の自治体を除き、上下水道事業を担当する地方公共団体職員数の減少や関係予算を十分に確保することが困難になっております。このような状況から、政府は水道、下水道、工業用水道において、コンセッション事業(施設の所有権を公共主体が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する)を推進していますが、本来“部分民営化”であるはずのコンセッションが、一般には“民営化”と理解されている現状があり、民営化へのアレルギーが特に強い水道事業でコンセッションが敬遠されている現実があります。
このような経緯を踏まえて、政府は令和5年6月2日に「PPP/PFI推進アクションプラン(令和5年改定版)」を決定、水道、下水道、工業用水道において、コンセッション事業へ段階的に移行するための官民連携方式を、「管理・更新一体マネジメント方式」として新設、コンセッション事業と併せて「ウォーターPPP」と定義しました。水道、下水道、工業用水道は、このアクションプランで重点分野に位置付けられており、2022~31年度の10年間で水道100件、下水道100件、工業用水道25件の計225件の具体化を狙うという野心的なターゲットが設定されており、国費による支援も予定されております。当社では、このような流れを捉えて、政府が強く推進する「ウォーターPPP」における、更新計画案の策定やコンストラクションマネジメント(CM)により地方公共団体の更新を支援する「更新支援型」と、維持管理と更新を一体的に最適化するための方式として、維持管理と更新を一体的に実施する「更新実施型」の双方のスキーム関連業務の受注活動も進めております。
国内市場の受注活動をまとめると、既存顧客である地方公共団体の施設整備状況や事業課題を熟知する当社の優位性を背景に、きめ細かい技術提案、柔軟な顧客サービスの提供を通じたリピート率の高い受注活動とともに、積み上げた業務実績を基に新規開拓営業も展開しております。海外分野では、官民連携による新興国の案件発掘などの受注活動を展開しております。
他方、社内の就労環境については、全社9割以上の社員にスマートフォンとノートパソコンを支給し、オフィスではフリーアドレスの環境で、在宅勤務や外出先でもテレワーク環境を活用しております。具体的には、全社で意識付けを行っている社内の各階層での迅速な情報共有・チャットの活用、部署別経営指標の随時確認による部署課題へのスピーディな対応、受注プロジェクトの適正な予算・工程・進捗・外注管理、社内エンジニアのスキル向上、次代を担う若手人材の確保・育成、改正労働基準法を遵守した残業時間の削減、ウェルビーイング経営の促進、時差出勤制度、産休・父親育休制度や有給休暇の取得促進、社員一人ひとりの事情に応じた勤務地で就労可能なカスタムメイド勤務など、社員目線を重視した社内制度を提供しています。社内業務管理システムにおいては、設計業務の受注から、着手、実行予算作成・変更、完了に至るまでの各業務ワークフローの承認機能の電子化を図り、予算管理の迅速化と印刷の削減を推進しております。これらにより、生産性向上と原価低減を図り、社員還元と収益の拡大に努めております。
当中間会計期間中は、例年多くの契約案件の納期が集中する繁忙期の官公庁の会計年度末を乗り切り、新年度業務の受注活動や新年度に受注した案件の生産活動、海外案件、新人研修、スキルアップ研修、中期経営計画の策定活動など、事業活動全般がスムーズに進みました。
この結果、当中間会計期間の受注高は31億9千2百万円(前中間会計期間比14.3%増)となりました。一方、完成業務高は39億9千9万円(前中間会計期間比6.9%増)、営業利益は8億7千2百万円(前同中間会計期間比11.1%増)、経常利益は8億8千3百万円(前中間会計期間比10.7%増)、中間純利益は6億6千9百万円(前中間会計期間比28.4%増)となりました。
当社における事業部門別の業績は、次のとおりであります。
[建設コンサルタント部門]
建設コンサルタント部門につきましては、受注高は28億7千万円(前中間会計期間比14.0%増)となりました。一方、完成業務高は36億9千万円(前中間会計期間比6.2%増)となりました。
[情報処理部門]
情報処理部門につきましては、受注高は3億2千2百万円(前中間会計期間比17.3%増)となりました。一方、完成業務高は3億9百万円(前中間会計期間比17.0%増)となりました。
(流動資産)
当中間会計期間における流動資産は、71億5千3百万円(前事業年度末比9.1%増)となりました。これは主に業務代金の入金により「現金及び預金」が増加、「完成業務未収入金」が減少したことによるものであります。
(固定資産)
当中間会計期間における固定資産は、16億4百万円(前事業年度末比20.5%増)となりました。これは主に投資有価証券の取得及び保有投資有価証券の時価上昇により「投資その他の資産」が増加したことによるものであります。
(流動負債)
当中間会計期間における流動負債は、16億4千3百万円(前事業年度末比27.1%増)となりました。これは主に「未払法人税等」が増加、業務代金の入金により「未成業務受入金」が増加及び夏期賞与の未払費用計上により「その他」が増加したことによるものであります。
(固定負債)
当中間会計期間における固定負債は、8千4百万円(前事業年度末比14.8%減)となりました。これは主に「リース債務」が減少したことによるものであります。
(純資産)
当中間会計期間における純資産は、70億2千8百万円(前事業年度末比8.3%増)となりました。これは主に中間純利益の計上により「利益剰余金」が増加したことによるものであります。
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、54億4千9百万円(前事業年度末比66.9%増)になりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は25億2千9百万円(前中間会計期間比6.8%増)となりました。これは主に税引前中間純利益の計上、売上債権の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1億3千9百万円(前中間会計期間8千1百万円獲得)となりました。これは主に投資有価証券の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は2億7百万円(前中間会計期間比0.2%減)となりました。これは主に配当金の支払いによるものであります。
当中間会計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
当中間会計期間において、該当事項はありません。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。