○添付資料の目次
1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………3
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………4
(4)今後の見通し ……………………………………………………………………………………4
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………5
3.財務諸表及び主な注記 ………………………………………………………………………………6
(1)貸借対照表 ………………………………………………………………………………………6
(2)損益計算書 ………………………………………………………………………………………8
(3)株主資本等変動計算書 …………………………………………………………………………9
(4)キャッシュ・フロー計算書 ……………………………………………………………………11
(5)財務諸表に関する注記事項 ……………………………………………………………………12
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………12
(セグメント情報等) ……………………………………………………………………………12
(持分法損益等) …………………………………………………………………………………12
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………13
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………14
1.経営成績等の概況
我が国の上下水道インフラ資産は、約130兆円との内閣府の試算があり、セクター別で道路に次ぐストックがあります。このうち、上水道の普及率は令和4年度末時点で98.3%、国内の全管路延長は約74万kmに達していますが、管路の年間更新率は全国平均で0.64%と低く、管路をすべて更新するのに約130年かかる計算となっています。水道管路は法定耐用年数40年とされていますが、その多くが高度成長時代の1970年代に集中的に整備されたものであり、施設の老朽化や管路の耐震化の遅れ(令和4年度末の基幹管路の耐震適合率は42.3%)、人口減少等による料金収入の減少という課題に直面し、また多くの水道事業者が小規模で経営基盤が脆弱であり、計画的な更新のための備えが不足している状況となっています。長らく厚生労働省が所管していた水道整備・管理行政が、令和6年4月から施設の管理・整備は国土交通省へ、水質・衛生面は環境省に移管されました。これにより、令和6年度の水道事業予算概算要求には、上下水道で一体的に取り組む施策を支援するための上下水道一体効率化・基盤強化推進事業の創設や水道施設整備事業調査費の拡充等が盛り込まれております。
下水道分野については、全国の汚水処理人口普及率が93.3%(2023年度末)となっていますが、そのうち下水道によるものが81.4%にとどまり、未だに約830万人が汚水処理施設を利用できない状況にあり、普及促進の加速が求められています。施設の新設のニーズは減少の一途を辿っていますが、高度成長期に急速に整備した上下水道施設は毎年大量に耐用年数を迎え、安心・安全で文化的生活を送るために不可欠なこれらのインフラ資産を維持、更新していくことが求められています。また、近年頻発する集中豪雨、大型台風による風水害などから人命や資産を守る浸水対策や地震が発生してもトイレが使えるなどの耐震化、津波に強い下水道施設の補強対策、脱炭素・循環型社会への転換を図る「グリーンイノベーション下水道」に向けた取り組みなどのニーズも高まっています。
2024年3月に可決・成立した我が国の令和6年度予算のうち、当社の事業と関わりの深い下水道予算を含む「社会資本総合整備」の配分総額は、国費1兆3,613億円で、この内訳は防災・安全交付金8,563億円、社会資本整備総合交付金が5,051億円となっています。その内、下水道内示総額は国費約4,769億円でほぼ前年度(約4,772億円)並みとなっております。
当社は、このような事業環境のもと、国土交通省上下水道グループの掲げるテーマを念頭に、上水道分野では新水道ビジョンに則ったアセットマネジメント関連業務、下水道分野では主要7大テーマ、「震災復旧・復興の支援の強化と全国的な安全・安心対策の実施」、「未普及地域の早期解消」、「水環境マネジメントの推進」、「施設管理・運営の適正化」、「下水道経営の健全化」、「低炭素・循環型社会への取組推進」及び「国際展開と官民連携による水ビジネスの国際展開」に沿った受注活動を展開しております。
当事業年度中のトピックとして、政府の掲げる「ウォーターPPP」の推進の本格化が挙げられます。我が国では人口減少社会を背景に、人口の多い政令指定都市やその周辺等の一部の自治体を除き、上下水道事業を担当する地方公共団体職員数の減少や関係予算を十分に確保することが困難になっております。このような状況から、政府は水道、下水道、工業用水道において、コンセッション事業(施設の所有権を公共主体が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する)を推進していますが、本来“部分民営化”であるはずのコンセッションが、一般には“民営化”と理解されている現状があり、民営化へのアレルギーが特に強い水道事業でコンセッションが敬遠されている現実があります。
このような経緯を踏まえて、政府は令和5年6月2日に「PPP/PFI推進アクションプラン(令和5年改定版)」を決定、水道、下水道、工業用水道において、コンセッション事業へ段階的に移行するための官民連携方式を、「管理・更新一体マネジメント方式」として新設、コンセッション事業と併せて「ウォーターPPP」と定義しました。水道、下水道、工業用水道は、このアクションプランで重点分野に位置付けられており、2022~2031年度の10年間で水道100件、下水道100件、工業用水道25件の計225件の具体化を狙うという野心的なターゲットが設定されており、国費による支援も予定されております。当社では、このような流れを捉えて、政府が強く推進する「ウォーターPPP」における、更新計画案の策定やコンストラクションマネジメント(CM)により地方公共団体の更新を支援する「更新支援型」と、維持管理と更新を一体的に最適化するための方式として、維持管理と更新を一体的に実施する「更新実施型」の双方のスキーム関連業務の受注活動も進めております。
国内市場の受注活動をまとめると、既存顧客である地方公共団体の施設整備状況や事業課題を熟知する当社の優位性を背景に、きめ細かい技術提案、柔軟な顧客サービスの提供を通じたリピート率の高い受注活動とともに、積み上げた業務実績を基に新規開拓営業も展開しております。
新規事業領域への進出については、一部の地方自治体において、メタバースにより作成したバーチャル空間を活用した教育支援事業や地域のプロモーション活動のニーズが増えており受注活動を展開しております。海外分野では、官民連携による新興国の案件発掘などの受注活動を展開しております。
他方、社内の就労環境については、全社9割以上の社員にスマートフォンとノートパソコンを支給し、オフィスではフリーアドレスの環境で、在宅勤務や外出先でもテレワーク環境を活用しております。具体的には、全社で意識付けを行っている社内の各階層での迅速な情報共有・チャットの活用、部署別経営指標の随時確認による部署課題へのスピーディな対応、受注プロジェクトの適正な予算・工程・進捗・外注管理、社内エンジニアのスキル向上、次代を担う若手人材の確保・育成、改正労働基準法を遵守した残業時間の削減、社員の約4割が会社貸与のアップルウォッチを自発的な健康増進に活用していることに代表されるウェルビーイング経営の促進、時差出勤制度、産休・父親育休制度や有給休暇の取得促進、社員一人ひとりの事情に応じた勤務地で就労可能なカスタムメイド勤務など、社員目線を重視した社内制度を提供しています。社内業務管理システムにおいては、設計業務の受注から、着手、実行予算作成・変更、完了に至るまでの各業務ワークフローの承認機能の電子化を図り、予算管理の迅速化と印刷の削減を推進しております。これらにより、生産性向上と原価低減を図り、社員還元と収益の拡大に努めております。
この結果、当事業年度の受注高は74億7千6百万円(前期比9.8%増)となりました。受注増加の主な要因は、能登半島地震や各地で発生した豪雨災害等による災害復旧支援事業の受注、受注平均単価の増加、複数年契約の大型案件の受注増などとみております。一方、完成業務高は71億2千2百万円(前期比7.4%増)、営業利益は8億4千5百万円(前期比9.4%増)、経常利益は8億6千2百万円(前期比9.4%増)、当期純利益は6億5千万円(前期比36.2%増)となりました。
当グループにおける事業部門別の業績は、次のとおりであります。
[建設コンサルタント部門]
建設コンサルタント部門につきましては、受注高は69億3千3百万円(前期比8.3%増)となりました。一方、完成業務高は66億3千万円(前期比6.9%増)となりました。
[情報処理部門]
情報処理部門につきましては、受注高は5億4千2百万(前期比33.1%増)となりました。一方、完成業務高は4億9千1百万円(前期比14.3%増)となりました。
(流動資産)
当事業年度における流動資産は、66億9千6百万円(前期比2.2%増)となりました。これは主に業務代金の未収入金である「完成業務未収入金及び契約資産」の増加によるものであります。
(固定資産)
当事業年度における固定資産は、16億1千4百万円(前期比21.3%増)となりました。これは主に投資有価証券の取得及び保有投資有価証券の時価上昇により「投資有価証券」が増加したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度における流動負債は、10億9千4百万円(前期比15.4%減)となりました。これは主に外注先への支払いによる「業務未払金」の増加及び「未払法人税等」の減少によるものであります。
(固定負債)
当事業年度における固定負債は、1億5千7百万円(前期比57.6%増)となりました。これは主にリース契約の減少による「リース債務」の減少及び「繰延税金負債」の増加によるものであります。
(純資産)
当事業年度における純資産は、70億5千9百万円(前期比8.7%増)となりました。これは主に当期純利益の計上による「利益剰余金」の増加によるものであります。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、31億3千2百万円(前期比4.1%減)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、2億4千1百万円(前期比39.5%減)となりました。
これは主に税引前当期純利益の計上、売上債権の増加及び未成業務受入金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、1億5千2百万円(前期6千3百万円の獲得)となりました。
これは主に投資有価証券の取得及び償還、並びに固定資産の取得及び売却によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、2億2千2百万円(前期比0.8%減)となりました。
これは主に配当金の支払いによるものであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1) 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
(注2) キャッシュ・フローはキャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社の事業と関わりの深い国土交通省の令和7年度の省全体の公共事業関係費予算案の概要によると、地方公共団体の下水道事業などに充てられる「防災・安全交付金」8,469億円(対前年度比0.97倍)、「社会資本整備総合交付金」4,874億円(対前年度比0.96倍)の予算が執行される見込みです。一方、令和6年4月からの水道整備・管理行政の国土交通省への移管を踏まえ、下水道への個別補助は、下水道防災事業費補助、下水道事業費補助、下水道事業調査費等に加え、上下水道一体効率化・基盤強化推進事業費が新設されて、総額で前年度比1.21倍の1,116億円となる見込みです。
令和6年度は、新型コロナウイルス感染症による社会・経済活動への影響が少なくなり、施設の老朽化対策・耐震化、下水道未普及解消、内水氾濫対策、広域化・共同化、雨天時浸入水対策、脱炭素化等、地方公共団体の上下水道事業関連予算は概ね予算通りに執行されています。令和5年6月に内閣府からPPP/PFI推進アクションプランの改訂版が公表されて、「ウォーターPPP」と総称したコンセッション方式やこれに準じた維持管理と更新が一体となった長期契約型の官民連携方式を合わせて、100件の具体化を狙うことが掲げられました。
令和6年度については、下水道の汚水管の改築する際に、社会資本整備総合交付金を活用する場合は、令和9年度以降「ウォーターPPP」の導入を要件化されたことにより、特に執行体制の脆弱化が進む中小規模の地方公共団体において「ウォーターPPP」の導入の機運が高まっております。
こうしたニーズに応えるべく、豊富な経験を積んだエンジニアが継続して自己研鑽に励み、その能力を結集するとともに、社内に「ウォーターPPP対策特別チーム」を作り、今後の対応について検討を進めています。また、当社のDX推進部では、長年に亘り開発・蓄積したICT技術を活用した上下水道情報デジタル化サービスの深化や新たなビジネスパートナー企業との相乗効果により、主力とする上下水道分野をはじめ、周辺分野における社会課題の解決に努めて参ります。
他方、当社の受注の大半を占める地方自治体の公共調達の発注形態として、その多くは価格競争入札によるものであり、当然ながら、落札価格と希望する価格には開きがあるケースが大半です。したがって、企業間競争、落札額の変動、複雑で高度な経験と専門性が求められる改築更新計画・設計業務の増加などによる作業原価の上昇、年々厳しさが増す採用活動への対応、優秀な人材の離職防止や人材確保・育成などに対処するための人件費の増加など、経営目標の達成には、幾重もの困難を乗り越える経営努力が求められるものと認識しております。
しかしながら、一過性ではなく10年以上に亘り毎年行ってきた経営トップと全社員との個別対話を土台として、経営陣が一貫して取り組んできた、「一人ひとりが経営感覚を持って仕事に取り組む」、「風通しの良い組織風土の構築」を目指した全社的な意識改革の浸透、進化を続ける多様な価値観を尊重した育児と仕事の両立を目指した就業支援制度など、実効性を兼ね備えた就業環境の提供が実現し、企業イメージの向上を実感しております。
シニアエンジニアの持つ技術の伝承、次世代を担う若手人材の確保・育成も重要な経営課題となっておりますが、強固な財務基盤の下、働き手目線に沿った就業環境をこれからもブラッシュアップして提供し、従業員満足度を高め、優秀な人材の採用に努め、経営課題の克服に邁進いたします。
当社の顧客である多くの地方自治体では人口減少と並行して職員数も減少しており、今後の上下水道事業の持続には、これまで以上に民間企業との連携や支援が不可欠と考えられています。このような社会情勢の下、当社が培ってきたコンサルティングサービスを社会ニーズに合わせた内容にカスタマイズして提供することにより、安心安全な国民生活に欠かせない上下水道サービスの持続に貢献し、社会課題の解決と企業価値の向上を目指します。
2025年12月期の業績予想につきましては、受注高68億円(前期比8.9%減)、完成業務高72億円(前期比1.1%増)、営業利益8億5千万円(前期比0.5%増)、経常利益8億5千5百万円(前期比0.8%減)、当期純利益5億3千7百万円(前期比17.4%減)を予定しております。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社の利害関係者の多くは、国内の株主、債権者、取引先等であり、また海外からの資金調達の必要性が乏しいことから、会計基準につきましては日本基準を適用しております。
3.財務諸表及び主な注記
前事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
該当事項はありません。
(セグメント情報等)
前事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)及び当事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当社は、建設コンサルタント事業並びにこれらに付帯する業務の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
当社が有しているすべての関連会社は利益基準及び剰余金基準から見て重要性の乏しい関連会社であるため、記載を省略しております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
(注) 2.1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(注) 3.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(株式取得による会社等の買収
当社は、2024年12月25日開催の取締役会において、株式会社クラックスシステムの全株式を取得し、同社を子会社化することについて決議し、2025年1月16日付で株式譲渡契約書を締結し、翌日付で株式を取得しております。
1.企業結合の概要
(1)被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称 株式会社クラックスシステム
事業の内容 コンピューターソフトウェアの開発及び販売、情報処理システムのコンサルティング、情報処理技術者の派遣
(2)企業結合を行う主な理由
当社は、上下水道を軸とした水インフラに関する調査・計画・設計・監理等のコンサルティングサービスを主要事業としております。近年、老朽化が進む水インフラの維持管理・更新のマネジメント需要が高まる中で、豊富な経験とシステム開発力を基に、施設情報管理やアセットマネジメントシステム構築など、ソリューション・システムを駆使したコンサルティングサービスに力をいれております。
株式会社クラックスシステムは、ITエンジニアによる自治体向けのGISシステムと様々な産業分野の社会基盤システムや業務系システムの開発で高い実績を積み上げております。今回、同社の株式を取得し新たにパートナーとして迎えることで、上下水道事業の変革への対応や鉄道・電力・空港等、様々な分野のシステム開発領域の事業拡大も企図しております。これにより当社グループ全体の競争力を強化し、持続的な成長を実現するために非常に有用であると判断したため、同社の株式を取得することを決定いたしました。
(3)企業結合日
2025年1月17日(みなし取得日 2025年2月28日)
(4)企業結合の法的形式
株式取得
(5)結合後企業の名称
変更ありません。
(6)取得する議決権比率
100.0%
(7)取得企業を決定するに至った主な根拠
当社が現金を対価として株式を取得するためであります。
2.被取得企業の取得原価及び対価の種類ごとの内訳
3.主要な取得関連費用の内容及び金額
仲介手数料等 123,094千円
4.発生するのれんの金額、発生原因、償却方法及び償却期間
現時点では確定しておりません。
5.企業結合日に受け入れた資産及び引き受けた負債の額並びにその主な内訳
現時点では確定しておりません。
(多額な資金の借入)
当社は、株式会社クラックスシステムの株式取得資金として、2024年12月25日開催の取締役会において、以下のとおり株式取得のための借入の実行を決議しております。
1.資金調達の概要
①借入先 株式会社りそな銀行
②借入金額 1,500,000千円
③借入実行日 2025年1月17日
④返済期日 2031年12月30日
⑤借入金利 基準金利+スプレッド(変動金利)
⑥担保提供資産又は保証 なし