第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針・経営戦略等

当社グループは、「一生涯を通じた幅広い「学び」の機会を提供することで、ともに人間力を高め、笑顔あふれる社会を実現すること」というグループ理念を各事業会社が共有し、企業価値の向上と、すべてのステークホルダーの皆さまへ貢献できるよう永続的な発展を目指してまいります。

当社グループは、教育サービス事業と介護福祉サービス事業を主要なビジネスセグメントとしており、教育サービス事業においては、受験のみに特化した従来型の「学習塾」から領域を拡大し、幼児部門など対象年齢層の拡大、映像授業販売の全国展開など対象地域の拡大、日本語学校の運営、海外事業(香港・北京)の展開、教育関係者や受験生を主な対象とした旅行業への参入などによりサービス内容の拡充を図っております。介護福祉サービス事業においては、小規模デイサービスやグループホームの運営、小規模多機能型居宅介護事業、介護職初任者研修等の研修事業も実施するなど、それぞれの事業会社が地域に根差した質の高い介護サービスを提供すべく取り組んでおります。また、教育サービス事業、介護福祉サービス事業ともにM&Aによる事業拡大も積極的に進めております。

幅広い世代かつ広範囲の地域のお客様に対しそれぞれのニーズへの丁寧かつ柔軟な対応、新商品開発によるサービスの拡充などにより企業価値の向上を図ってまいります。
 

(2)経営環境及び優先的に対処すべき課題

教育サービス業界を取り巻く環境は、教育制度改革や教育ICT環境の進展、オンライン授業サービスのニーズの高まりなどもあり、各種サービスの提供方法、設備や働き方にいたるまで、さらに大きな変革が求められるものと思われます。また、介護福祉サービスの分野においては、高齢者人口の増加に伴い、介護サービスの需要はますます高まることが予想される一方で、人材確保や介護報酬改定の動きへの適切な対応が重要な課題となっております。いずれの業界でも社会的ニーズや経営環境の変化に素早く柔軟に対応できる力が求められていると考えております。

2021年度、市進教育グループにおきましては、マーケティング、イノベーション、人材育成の3点を重点目標として掲げ取り組んでおります。また、全事業会社では、それぞれの事業特性に応じたKPI(重要業績評価指標)を年度当初に設定し、これを各職員にまで侵透させた上で、予算達成を目指すことを周知徹底させております。

 ① 教育サービス事業

今後も教育ICT環境が整備され、デジタル化が進展していくと推測されます。そこで、2021年度、市進ホールディングスにDX事業推進本部を立ち上げ、各事業会社にもDX事業推進室を設置いたしました。グループ全体でデジタル化を軌道に乗せることに取り組んでまいります。ただし、デジタル化を推進する一方で、塾の基本である先生と生徒、人と人とのかかわりである「ヒューマンタッチ」の部分については、これまで以上に重視し、「めんどうみ合格主義」を進化及び深化させてまいります。

また、大学入試改革に伴い、小学校、中学校、高校の授業内容や入試が変わっていく中で、思考力・判断力・ 表現力がより重要になってまいります。2021年度には小学校低学年専門のオンラインスクール「パンセフロンティエル」を開校し、AIやARの技術も駆使し「世界に出ても負けない子に育てる」ための思考力、表現力、判断力を培う授業をおこなってまいります。「伸びる力診断テスト」や2020年度に新たに実施した「学びの比較テスト」、教育アライアンスネットワークが実施している「明日の学力診断」(通称「あすがく」)も引き続き活用し、小学校低学年の段階から生徒たちの学力向上を図るとともに、集客にもつなげてまいります。映像授業コンテンツと学びのシステムを提供するウイングネットは、順調に全国で加盟校数を増やしておりますが、AI機能搭載トレーニングシステムのバージョンアップやラインナップの拡充を図ることを課題とし、さらなる加盟校数増加に取り組んでまいります。
 

 

 ② 介護福祉サービス事業

介護業界で豊かな経験と技術を持つスタッフに加え、過去の学習塾勤務において高いコミュニケーション能力を培ったスタッフの対応なども最大限に活用し、信頼獲得を第一義とした質の高い介護サービスを心掛け、高い稼働率、入居率を継続できるよう引き続き取り組んでまいります。埼玉県の川越市、日高市、東京都23区内、茨城県水戸市、神奈川県横浜市など、それぞれの地域で運営するグループホーム、小規模多機能型居宅介護事業、小規模デイサービス、訪問介護・看護、障害者総合支援など、豊富なサービス機能と質の高い人材の力で展開を図ってまいります。2021年度においては、2020年度途中に当社グループに参入した株式会社プレジャー・コム、株式会社ゆいの業績好調な2社が年度当初からグループ売上に貢献することとなります。

 

(3)新型コロナウイルス感染症の影響について

新型コロナウイルス感染症の影響につきまして、教育サービス事業においては、学習塾では、引き続き感染拡大防止対策の徹底とオンライン授業や映像授業コンテンツのさらなる充実を図ってまいります。介護福祉サービス事業においても、感染拡大防止対策を継続的に徹底することで感染者の発生を防止し、2020年度と同様に通常営業の継続が可能という想定でおります。また従業員に対しては、手洗い・うがいなどの基本動作の徹底に加え、可能な限りのリモートワークの奨励や、会議のオンライン実施など、リスクを最小限度にすべく努めております。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、連結売上高、連結営業利益の達成度を経営上の目標の達成状況を判断するための指標としております。また、収益性の判断指標としては、売上高営業利益率を重視しており、中期的には5%を目指しております。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスク、リスクへの対応策は、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合の当社グループの業績に与える影響については、合理的に予見することが困難なため記載しておりません。

当社グループでは、リスク管理体制の基礎として管理規定を定め、危機管理委員会を編成しております。万一不測の事態が生じた場合には、代表取締役を本部長とする対策本部を設置し、顧問弁護士等を含めた対策チームを組織し、損害の拡大の防止と、被害を最小限に止める体制を整えております。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年2月28日現在)において判断したものであります。

 

① 少子化など業界の動向及び業界再編について

教育サービス業界におきましては、少子化、受験制度や教育ニーズの多様化などにより、同業他社間の競争も一段と激しくなり、経営環境はますます厳しいものになっております。同業他社との競争が激化する中、近年、業界再編の動きは活発化しております。当社を取り巻く経営環境の変化や業界再編の動きを迅速に察知できずにその対応が遅れた場合は、業績等に影響を与える可能性があります。

当社グループにおきましては、株式会社学研ホールディングス、株式会社ウィザスとの業務資本提携等によるお互いの相乗効果により、より効果的な経営活動を行っております。また2018年設立の一般社団法人教育アライアンスネットワークの活動を通じ、全国の学習塾との連携も強化しております。今後も国や自治体の施策をはじめとする教育サービスに係る変化に適時適切に対応できるよう情報収集や各社各所との連携に努めてまいります。

 

② 主要事業での人材の確保について

当社グループは質の高い教育サービスを提供するため、人材の採用・育成を重要な課題としてとらえております。営業をマネジメントする正社員や教務に専念する常勤講師・非常勤講師ばかりでなく、受付などの窓口業務や各種試験の実施などを補助する嘱託・アルバイト職種についても、人材募集から採用・研修・現場での育成まで、多くの人的・物的経営資源を投入しております。しかし、経済情勢や雇用情勢などに採用業務が左右されることも多く、新設教室の開設計画が遅れるなどの可能性があります。

対策として、株式会社市進ホールディングスに人事部を設置し、グループ全社の人事を統括管理するほか、各事業会社にも必要に応じて人材開発部署を設置し、採用業務に専念できる体制を敷いております。

 

③ 個人情報について

当社グループは多数の生徒に関わる個人情報、従業員、取引先、株主等に関わる個人情報を有しております。何らかの事情により個人情報が外部に漏洩した場合は、当社グループの社会的信用の失墜により業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、個人情報の管理については、重要課題であることをグループ内で共有し、社内規程の整備、eラーニングなどの活用も含めた従業員への教育指導の徹底などにより、個人情報の管理に万全を期しております。

 

④ 減損会計への対応

当社グループでは、教室設備や土地・建物等の有形固定資産、映像コンテンツ等の無形固定資産や事業譲受に伴うのれんを計上しております。これらにつきましては、事業の収益性が大きく低下した場合や不動産の市場価格が著しく下落した場合等には、減損損失が発生する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤ 新型コロナウイルス感染症の拡大など大規模自然災害等によるリスク

新型コロナウイルス感染症の拡大など、想定外の大規模地震・津波・洪水等の自然災害や火災等の事故災害、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱等が発生したことにより、当社グループや主要取引先の事業活動の停止または事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

新型コロナウイルス感染症拡大につきましては、当社グループでは、各種施設において、消毒、検温、換気、マスクの着用等の感染防止対策の徹底、学習塾においては、オンライン授業や映像授業コンテンツのさらなる充実、また従業員に対してはリモートワークの奨励や会議のオンライン化などにより、リスクを最小限度にすべく努めてまいります。

 

⑥ 敷金及び保証金の保全、回収について

当社グループが展開する校舎の多くは、賃借物件を利用しております。しかしながら、賃貸人の調査確認は必ずしも常に完璧に行えるとは言い切れない面もあり、賃貸人の状況によっては、敷金及び保証金の保全、回収ができない可能性があります。

対策として、新規で賃貸借契約を締結するに際しては、可能な限り賃貸人の経営状況等の確認を行うとともに、契約条件に関しても近隣相場や採算性を十分考慮して決定しております。また、契約締結後も、主管部署が中心となり賃貸人の状況変化の把握に努めております。

 

⑦ 四半期ごとの収益変動について

学習塾業界におきましては、通常の授業に加え春期、夏期、冬期の講習会を実施しております。そのため講習会を実施する月の売上高は増大します。また講習会を実施する時期に重点的に生徒募集を継続していくため、新年度がスタートしてから受験期を迎えるまで生徒数は増大し、1月にピークを迎えます。一方、教室運営費用(人件費、家賃等)は通期で継続して発生します。このため、第1四半期、第3四半期の収益性が低くなる傾向にあります。

 

⑧ 競合に関する影響について

当社グループの主要事業である教育サービス業界におきましては、参入障壁が低く多数の競合先があります。競合先の教育サービスの内容が相対的に向上した場合及び競合先の合格実績が相対的に上昇した場合、生徒数の減少を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

対策として、当社グループでは千葉県、茨城県、東京都東部地域を重点地域と定め、教育サービスの質を向上させるとともに合格実績を追求すること等により競合他社との差別化を図り、生徒数の確保に努めております。
 

⑨ 顧客の安全管理に関する影響について

学習塾や介護福祉サービス拠点の安全管理について、何らかの事情により管理責任を問われる事態が発生し、当社グループの評価の低下につながり、これらに関する費用が増大した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは安全な学習環境、サービス環境の提供に努めております。定期的な施設点検はもちろんのこと、防災グッズの配備や学習塾では通塾メールの導入等を実施しております。

 

⑩ 教育制度等の変更に関する影響について

教育制度の変更や入試制度の変更、学習指導要領の改訂等、行政による変更が度々行われております。万一、これらの制度変更に早期に対応できなかった場合、予期せぬ大きな制度変更が生じ対応に時間を要した場合、生徒数の減少を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは各事業会社の教育本部が中心となり、制度変更に対応する入試対策、学習指導を実施しております。

 

 

⑪ システム障害に関する影響について

当社グループでは、在籍管理、授業料の請求、授業映像の配信等、システムに依存している業務が存在します。大規模なシステム障害が発生し、修復にとりわけ長い時間を要した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対策としては、システム専門会社と業務資本提携を行い、障害発生時にも適時に対応可能な体制を講じております。

 

⑫ 「個太郎塾」のフランチャイズ展開について

当社グループでは、個別指導塾「個太郎塾」のフランチャイズ展開をしております。フランチャイズ展開は、加盟者と当社グループが対等なパートナーシップと信頼関係に基づき、それぞれの役割を担う共同事業であるため、加盟者もしくは当社グループのいずれかがその役割を果たせないことにより、多くの加盟者との契約が維持できなくなった場合、重大な事故もしくは不祥事等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対策としては、株式会社個学舎にフランチャイズ運営本部を設置し、フランチャイズオーナーとの良好なパートナーシップの構築に日々努めております。

 

⑬ 訴訟及び法的規制等について

当社グループの事業に関連する主な法令は、特定商取引に関する法律、著作権法、不当景品類及び不当表示防止法、消費者契約法、労働基準法等があります。関連する法令等に基づいて損害賠償請求等に係る訴訟等が提起された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、経営者及び従業員に法令等の遵守の重要性及び必要性について周知徹底に努め、法令遵守のための体制強化に努めております。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。

 

 ① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2020年3月1日から2021年2月28日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により経済活動の大幅な制限を強いられるなど極めて厳しい状況が続きました。

当社グループは、教育サービス分野及び介護福祉サービス分野の2つを主要なビジネスセグメントとして事業展開を行っております。まず、教育サービス業界におきましては、2021年大学入学共通テストの開始や小学校での英語教科化などの教育制度改革をはじめ、新型コロナウイルス感染症対策からオンライン授業サービスなど新たな教育コンテンツニーズの急速な高まり、さらには教育ICT環境において、1人1台端末環境をスタンダードとする文科省のGIGAスクール構想が進むなど、大きな変革の時期を迎えております。また、介護福祉サービス分野におきましては、今後も高齢者人口が増加する中、介護サービスの需要は益々高まることが見込まれる一方で、人材確保や新たな介護報酬制度への適切な対応が重要な課題となっております。

以上のような状況の中、学習塾事業をはじめとする教育サービス事業におきましては、千葉県・東京都東部地域・茨城県をドミナントエリアと定め、合格実績における地域一番塾の確立に取り組むことで集客力を高めてまいります。また、映像授業コンテンツと学びのシステムを公教育を含めた全国の教育機関へ販売・提供することにより、事業領域と対象顧客のさらなる拡大を図ってまいります。介護福祉サービス事業におきましては、事業会社数を増加させることにより事業規模と集客範囲を拡大してまいりましたが、更に各事業会社による相乗効果を最大限に発揮できるよう取り組んでまいります。

当連結会計年度の連結業績は、売上高16,007百万円(前年同期比97.2%)、営業利益543百万円(前年同期比175.9%)、経常利益273百万円(前年同期比769.6%)、固定資産除却損205百万円、減損損失211百万円、新型コロナウイルス感染症による損失255百万円を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失401百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益11百万円)となっております。

なお、当社グループでは、2013年度に株式会社市進ケアサービスを設立し、教育サービスのノウハウを活かした介護福祉サービス事業への取り組みを本格的に開始いたしました。その後、2017年度に株式会社時の生産物、2018年度にグループホーム2か所と小規模多機能居宅介護施設1か所の事業を譲り受け、2019年度に有限会社敬愛、2020年度には株式会社プレジャー・コム、株式会社ゆいが当社グループに加わり、当社グループにおける介護福祉サービス事業の比重が増してきたため、当連結会計年度より、従来の「教育サービス事業」の単一セグメントから、「教育サービス事業」「介護福祉サービス事業」の2つの報告セグメントへと変更いたしました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

<教育サービス事業>

学習塾事業におきましては、2020年春の緊急事態宣言下において各教室を臨時休校したことから、当初、新入会生の獲得に苦戦を強いられましたが、学校の再開とともに当社グループの学習塾も感染症拡大防止策を徹底した上で授業を再開し、その後の集客は順調に推移いたしました。また、休校期間中には当社の強みである映像授業「ウイングネット」を活用したオンライン授業を実施し、「学び」を継続させることができましたが、授業再開後もオンライン授業での受講が可能な体制をとっております。

市進学院、市進予備校を運営する株式会社市進では、柏、流山おおたかの森で展開し好評を博している「ウイングキッズパンセ」などウイングキッズコースを通じて小学校低学年からの在籍生徒数増加を企図し、当初の目標を実現しつつあることに加え、全国学びの比較テストの実施等により集客増につなげております。施設面では船橋塚田教室を新規開校し千葉県内のドミナントをさらに強固にしたほか、練馬教室、八王子教室、町田教室、茂原教室、生田教室の5教室を「市進オンラインスクール」として移転リニューアル開校するなど、新業態への投資と既存教室の施設環境改善へも積極投資し、集客力強化を図っております。

株式会社市進東京においては、株式会社市進と連携し、顧客目線でのめんどうみの実践を通じて、通塾しやすいコース設定や既存教室の施設環境改善など、東京独自の施策を織り込み、在籍生徒数の増加を図っております。

個別指導塾・個太郎塾を運営する株式会社個学舎は、一人ひとりの目標を達成するためのテキスト、カリキュラムを学力別に提案し、基礎内容定着のためのくり返し学習「Kテスト」を徹底することで学校の成績アップ、さらには合格実績につなげております。また、フランチャイズ教室の展開にも引き続き注力しつつ、堅調に推移しております。

茨城県で学習塾を運営する株式会社茨進、株式会社PoemiXは、今春から実施された土浦一高附属中、水戸一高附属中の県立中高一貫校入試でも十分な合格実績を上げることができ、集客増を実現しております。また当連結会計年度からは水戸市で学習塾を運営する有限会社典和進学ゼミナールが当社グループに加わったことで、茨城県地域一番塾への取り組み体制をさらに強化することができ、目標達成に向け継続して対応を進めております。

コンテンツ事業をはじめとする教育関連事業では、学習塾向けに映像教材と学びのシステムを提供する株式会社ウイングネットにおいて、大学入試が多層化、難化する中、大学入学共通テスト対策など幅広いレベルに対応する良質な授業映像を拡充するとともに、双方向質問室での質問対応をさらに充実させることで、オンライン指導システムをより強化しております。加盟校数、拠点数はともに伸長し、好調な売上高を堅持しております。なお、2020年度はコロナ禍での学校休校期間中、教科書対応コンテンツであるベーシックウイングで家庭学習のサポートを行ったこともあり、さらなる売上増となりました。

日本語学校を運営する株式会社江戸カルチャーセンターは、入国管理審査の厳格化に加え、コロナ禍の影響もあり留学生確保において厳しい状況がつづいております。今後、中国などでの募集地域を広げることや留学以外のコースを設けるなど、在籍生を増加させる工夫をつづけてまいります。

経費面におきましては、人材の適正配置、業務効率の改善、賃借料等施設費の適正化など積極的な経費統制に取り組み想定以上の経費節減を達成することができました。

当連結会計年度のセグメントの経営成績は売上高14,591百万円(前年同期比92.0%)、セグメント利益(営業利益)448百万円(前年同期比122.3%)となりました。

 

<介護福祉サービス事業>

介護福祉サービス事業においては、コロナ禍の厳しい環境の中、お客様のニーズにお応えするため、感染拡大防止に最大限の注意を払い営業を継続しております。株式会社市進ケアサービスでは、埼玉県で運営しているグループホーム、小規模多機能事業で高い入居率を維持しております。また、川越市では介護職初任者研修等の研修事業も実施、教育サービス事業で培ったノウハウを活かし就労希望者向けに資格取得支援とキャリアアップの機会を提供し、人材採用の場としても活用しています。主に東京都内でデイサービス「NIWA」を運営する株式会社時の生産物では、年度当初コロナ禍によりサービス利用自粛の影響を受けたものの、6月以降は予想を上回る人数のご利用者様に利用再開していただいております。有限会社敬愛は茨城県水戸市においてグループホームとデイホームを併設する形で地域密着型の運営をしており、こちらも高い稼働率、入居率を維持しております。さらに当連結会計年度から当社グループに加わった株式会社プレジャー・コムは都内5ヶ所でデイサービス「ふくろうの家」を運営、同じく株式会社ゆいは神奈川県横浜市でグループホーム3ヶ所の運営の他、居宅介護支援、障がい者介助など総合的な介護事業に取り組んでおり、いずれも業績は好調です。介護福祉施設においては、信頼獲得を第一義とした質の高い介護サービスを心掛けており、高い稼働率、入居率を継続できるよう取り組んでおります。

当連結会計年度のセグメントの経営成績は売上高1,472百万円(前年同期比229.3%)、セグメント利益(営業利益)94百万円(前年同期はセグメント損失57百万円)となりました。

 

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較し432百万円増加し、12,381百万円となりました。前連結会計年度末と比較して、流動資産は394百万円増加5,447百万円となり、固定資産は38百万円増加6,933百万円となっております。

流動資産の増加要因は、受取手形及び売掛金の増加、未収入金の増加などであります。

固定資産の増加要因は、土地の増加などによるものであります。

また、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較し1,051百万円増加し、10,762百万円となりました。前連結会計年度末と比較して、流動負債は24百万円増加3,857百万円となり、固定負債は1,026百万円増加6,904百万円となっております。

流動負債の増加要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加などであります。

固定負債の増加要因は、長期借入金の増加などによるものであります。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較し618百万円減少し、1,618百万円となりました。

主な要因としましては利益剰余金の減少によるものであります。

この結果、当連結会計年度における自己資本比率は13.0%(前連結会計年度18.7%)となり、当連結会計年度における1株当たり純資産額は160円02銭(前連結会計年度210円60銭)となっております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、2,786百万円(前連結会計年度比0.1%減)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは526百万円の収入(前連結会計年度比26.0%減)となりました。主な要因としましては、税金等調整前当期純損失の計上308百万円の他、減価償却費574百万円、減損損失211百万円を計上している点等が挙げられます。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは1,316百万円の支出(前連結会計年度比178.4%増)となりました。主な要因としましては、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出605百万円、有形固定資産の取得による支出429百万円(新規教室開校の他、既存拠点のリニューアル費用等)、長期貸付けによる支出154百万円を計上している点等が挙げられます。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは788百万円の収入(前連結会計年度比322.2%増)となりました。主な要因としましては、長期借入れによる収入2,229百万円、長期借入金の返済による支出1,000百万円、自己株式の取得による支出177百万円を計上している点等が挙げられます。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当社グループは、主に生徒に対して授業を行うことを業務としておりますので、生産能力として表示すべき適当な指標はありません。

 

ロ.受注実績

該当事項はありません。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

教育サービス事業

14,591

92.0

介護福祉サービス事業

1,472

229.3

合計

16,064

97.3

 

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年2月28日現在)において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.財政状態の分析

財政状態の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

ロ.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は16,007百万円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。教育サービス事業における2020年春の緊急事態宣言下での学習塾の臨時休校の影響や活動が大幅に制限された日本語学校、旅行業での売上減などが主な要因です。

 

(売上原価)

当連結会計年度における売上原価は13,337百万円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。主な減少要因は、学習塾での臨時休校期間中の人件費の節減や業態変更に伴う移転やフロア返還等による賃借料の減額によるものであります。

 

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は2,126百万円(前連結会計年度比4.6%減)となりました。減少要因は、主に人件費などの減少によるものであります。

 

(営業外損益及び特別損益)

当連結会計年度における経常利益は273百万円(前連結会計年度比669.6%増)となりました。営業外収益は91百万円、営業外費用は360百万円となりました。また、新型コロナウイルス感染症による助成金収入104百万円を特別利益として計上し、新型コロナウイルス感染症による損失255百万円を特別損失として計上しております。

この結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純損失は308百万円(前連結会計年度の税金等調整前当期純利益は170百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は401百万円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は11百万円)となりました。また、1株当たり当期純損失は38円43銭(前連結会計年度の1株当たり当期純利益は1円10銭)となりました。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

(教育サービス事業)

売上高:14,591百万円(前年同期比92.0%)、営業利益448百万円(前年同期比122.3%)

学習塾部門における2020年春の緊急事態宣言下での各教室の臨時休校の影響から、新入会生の獲得に苦戦を強いられ、年間売上高に影響いたしました。映像授業販売のウイングネットは、新型コロナウイルスの影響による学校の休校期間中、教科書対応コンテンツであるベーシックウイングで家庭学習のサポートを行ったこともあり売上高は伸長したものの、日本語学校、旅行業は企業活動の前提が大幅に制限される事態となりましたので、いずれも売上高は前年差大幅ダウンを余儀なくされました。一方で経費面は、主に学習塾での臨時休校期間中の人件費の節減や移転、業態変更に伴うフロア返還等による賃借料の減額、その他様々な経費統制、経費節減努力により売上高の前年差以上に前年差マイナスで推移いたしました。以上の結果、営業利益におきましては前年差プラスとなりました。

 

(介護サービス事業)

売上高1,472百万円(前年同期比229.3%)、営業利益94百万円(前年同期は営業損失57百万円)

当連結会計年度から当社グループに加わった株式会社プレジャー・コムは都内5ヶ所でデイサービス「ふくろうの家」を運営、同じく株式会社ゆいは神奈川県横浜市でグループホーム3ヶ所の運営の他、居宅介護支援、障がい者介助など総合的な介護事業に取り組んでおり、いずれも業績は好調に推移いたしました。さらに前連結会計年度12月から当社グループに加わった有限会社敬愛も業績は堅調であり、売上高、営業利益とも前年差プラスの結果となっております。

 

ハ.キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

② 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの主要な資金需要は、運転資金と戦略的投資資金であります。運転資金需要の主なものは、季節講習など売上の季節変動に伴うものであり、戦略的投資資金としては、拠点展開等の設備投資、映像コンテンツ関連の投資、企業買収などであります。運転資金及び戦略的投資資金は、主に内部留保資金及び金融機関からの借入により、資金調達することとしております。

 

③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、連結売上高、連結営業利益の達成度を経営上の目標の達成状況を判断するための指標としております。また、収益性の判断指標としては、売上高営業利益率を重視しており、中期的には5%を目指しております。

当連結会計年度の売上高営業利益率は3.4%でした。コロナ禍の影響もあり売上高は前期差マイナスとなりましたが経費節減等により営業利益は前期差プラスとなり、営業利益率は前期の1.9%から1.5ポイント改善いたしました。今後、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び優先的に対処すべき課題」に記載した課題への対応等を踏まえ、中期的には営業利益率5%を目指してまいります。

 

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣は、連結財務諸表作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値には、当社の連結財務諸表の作成において使用される会計上の見積りが大きな影響を及ぼすと考えております。具体的には、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 (1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に以下の項目が連結財務諸表における重要な会計上の見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであり、現時点において入手可能な情報を基に連結財務諸表の作成を行っております。

(固定資産の減損)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産を又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化によりその見積りの額の前提とした条件や仮定に変更が生じ、割引前将来キャッシュ・フローの総額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、将来の課税所得が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

なお、これらの見積り及び評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積もり特有の不確実性があるため、実勢の結果は異なる場合があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)業務・資本提携契約

当社は、2014年5月14日付、株式会社学研ホールディングスと業務・資本提携契約を締結しております。

 

(2)株式譲渡契約

当社は、2020年6月25日開催の取締役会において、株式会社プレジャー・コムの全株式を取得することを決議し、2020年7月1日付で株式譲渡契約を締結いたしました。

当社は、2020年7月15日開催の取締役会において、株式会社ゆいの全株式を取得することを決議し、2020年7月16日付で株式譲渡契約を締結いたしました。

また、当社は、2020年6月25日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社茨進が有限会社典和進学ゼミナールの全株式を取得することを決議し、2020年7月1日付で株式譲渡契約を締結いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。