第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当社は環境計量証明事業並びにこれら関連業務の単一事業であるため、開示対象となるセグメントはありません。

 当事業年度の国内経済を概観すると、政府の経済対策や金融緩和政策などを背景に、企業収益や雇用・所得環境の改善傾向につながり、緩やかな回復基調であったものの、中国を始めアジア新興国等の経済の先行き、政策に関する不確実性による影響、金融資本市場の変動の影響などにより、依然として不透明な状況が続いております。

 環境行政の動向としては、豊洲新市場に係る土壌汚染問題が改めてクローズアップされました。食の安全・安心の観点だけでなく、専門家による第三者委員会での取り決めが実現しなかった行政手続きの課題や、過去に実施した調査の信頼性など、様々な問題が提起されました。

 このような状況の中、当社は豊洲新市場に係る各種環境調査を受託しました。これは、再スタートを切った専門家会議が主導する案件であり、当社の永年の実績に裏付けられた信頼をもとに、調査を実施いたしました。
 また当社は、平成28年10月に株式会社フィールド・パートナーズと資本業務提携を行いました。株式会社フィールド・パートナーズは、土壌汚染対策にコストキャップ保証をつけるという独自のビジネスモデルを構築しています。調査から対策工事まで、コストキャップ保証のもと、ワンストップサービスを顧客に提供することができる体制を整え、土壌・地下水分野の業績拡大に向けた基盤を構築いたしました。

 通期の受注高は41億円(前事業年度比13.3%増)でありました。官公庁からの受注高は11億76百万円(同13.2%増)、民間顧客からの受注高は29億23百万円(同13.3%増)になりました。受注高に占める官公庁の割合は28.7%であります。通期の売上高は37億99百万円(同4.6%増)でありました。官公庁への売上高は10億30百万円(同13.8%減)、民間顧客への売上高は27億69百万円(同13.5%増)になりました。この結果、翌事業年度以降に繰り越す受注残高は13億97百万円(同27.4%増)になりました。

 損益面については、売上原価は29億2百万円(前事業年度比84百万円増)、販売費及び一般管理費は7億15百万円(同22百万円減)になりました。その結果、営業利益は1億82百万円(前事業年度は営業利益78百万円)、経常利益は1億71百万円(前事業年度は経常損失17百万円)、当期純利益は1億44百万円(前事業年度は当期純利益12百万円)になりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて86百万円増加し、3億17百万円になりました。営業活動により4億93百万円収入、投資活動により3億35百万円支出、財務活動により70百万円支出となりました。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

当事業年度の営業活動による収入は4億93百万円(前事業年度は1億50百万円収入)であります。主として、税引前当期純利益1億71百万円(同28百万円)、減価償却費2億70百万円(同2億44百万円)の計上、その他の負債62百万円(同10百万円支出)の増加等によるものです。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

当事業年度の投資活動による支出は3億35百万円(前事業年度は1億43百万円支出)であります。当事業年度は測定・分析機器など経常的な設備投資のため、有形固定資産に2億26百万円、無形固定資産に85百万円支出しました。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

当事業年度の財務活動による支出は70百万円(前事業年度は1億71百万円支出)であります。当事業年度は運転資金、設備資金を使途とする短期、長期借入金を2億8百万円(純額)返済(同1億52百万円調達)しました。また、当事業年度中に第三者割当による株式の発行を行い1億98百万円の収入がありました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社は環境計量証明事業並びにこれら関連業務の単一事業であるため、開示対象となるセグメントはありませんが、分野別の事業内容を記載しております。

(1) 生産実績

分野

第47期
(自 平成27年7月1日
  至 平成28年6月30日)

第48期
(自 平成28年7月1日
  至 平成29年6月30日)

環境調査

 

 

  環境監視(千円)

163,063

195,307

  施設・事業場(千円)

508,164

602,844

  廃棄物(千円)

472,473

319,526

  土壌・地下水(千円)

550,739

802,751

小計(千円)

1,694,441

1,920,429

コンサルタント(千円)

320,790

282,101

応用測定

 

 

  受託研究(千円)

180,645

195,717

  アスベスト(千円)

223,910

181,783

  その他(千円)

147,660

173,997

小計(千円)

552,217

551,498

放射能(千円)

276,814

195,718

合計(千円)

2,844,264

2,949,748

 

(注) 金額は製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

分野

第47期
(自 平成27年7月1日
  至 平成28年6月30日)

第48期
(自 平成28年7月1日
  至 平成29年6月30日)

受注高

受注残高

受注高

受注残高

環境調査

 

 

 

 

  環境監視(千円)

138,868

54,658

422,782

80,873

  施設・事業場(千円)

605,951

110,745

760,386

199,297

  廃棄物(千円)

522,163

142,377

436,310

195,892

  土壌・地下水(千円)

835,390

147,453

910,790

166,246

小計(千円)

2,102,374

455,235

2,530,269

642,310

コンサルタント(千円)

282,290

296,855

606,206

540,320

応用測定

 

 

 

 

  受託研究(千円)

267,112

86,799

284,649

68,494

  アスベスト(千円)

301,795

43,188

275,974

27,729

  その他(千円)

244,075

31,817

219,940

17,115

小計(千円)

812,983

161,805

780,564

113,338

放射能(千円)

422,515

182,904

183,244

101,219

合計(千円)

3,620,164

1,096,800

4,100,284

1,397,189

 

(注) 金額は販売価額によっており、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

分野

第47期
(自 平成27年7月1日
  至 平成28年6月30日)

第48期
(自 平成28年7月1日
  至 平成29年6月30日)

環境調査

 

 

  環境監視(千円)

203,954

396,567

  施設・事業場(千円)

634,768

671,835

  廃棄物(千円)

544,349

382,795

  土壌・地下水(千円)

759,788

891,996

小計(千円)

2,142,861

2,343,194

コンサルタント(千円)

341,617

362,741

応用測定

 

 

  受託研究(千円)

250,061

302,954

  アスベスト(千円)

333,142

291,433

  その他(千円)

236,331

234,642

小計(千円)

819,535

829,031

放射能(千円)

330,361

264,928

合計(千円)

3,634,375

3,799,895

 

(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。

2.販売実績に占める官公庁向けの割合は、第47期 1,194,915千円(32.9%)、第48期 1,030,316千円(27.1%)であります。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は昭和46年の創業以来、環境の総合コンサルタントとして現場に立ち、環境問題の解決に貢献してまいりました。当社が提供するデータをもとに、どのような社会インフラを作るべきかの議論が始まる、言わば「社会基盤の礎」として活動してまいりました。
 当社は、こうして蓄積した技術力をもとに環境調査の現場からの目をとおした提言を行い、社会やお客様の環境保全活動、環境リスク回避にお役立ちするとともに、社会の経済発展に寄与することを経営の基本方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

当事業年度は当期純利益1億44百万円となったことから、1株当たり純資産額が41円57銭増加して359円49銭となりました。当社は、1株当たり純資産額を500円に回復することを目標としております。

経営指標としている主な経営数値の進捗状況は次のとおりです。

 

決算年月

平成26年
6月期

平成27年
6月期

平成28年
6月期

平成29年
6月期
(当期)

当期純利益(△損失)
(百万円)

△179

△96

12

144

1株当たり当期純利益
(△損失)金額(円)

△42.65

△22.86

2.94

31.88

1株当たり配当額(円)

0.00

0.00

0.00

3.00

配当性向(%)

9.4

純資産額(百万円)

1,422

1,327

1,337

1,688

1株当たり純資産額
(円)

338.11

315.39

317.92

359.49

 

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社は、計量法に基づく環境計量証明業を基盤とした事業を展開しています。環境計量証明事業において、環境の計量の方法は日本工業規格(JIS)で定められており、差別化要因が少ないことから価格面のみの競争が激化するなかにあります。当社はこれまでに培った技術力によってお客様・社会からの要請に対応して現状把握の計量業務にとどまらず問題解決の提案も行ってまいりました。今後もお客様・社会のご期待にそえるよう取り組むことが使命であると考えております。

東日本大震災以降、社会からの要請は変わりつつあり、社会貢献に活用できる技術は急激に進化しています。放射性物質による環境汚染、PM2.5の越境汚染、生物的な応答による水質試験、遺伝子解析技術の活用など、従来の環境計量の枠を越えた測定・分析技術が求められています。

こうした多様性の時代にあって、当社は旧来型の競争とは一線を画し、社会価値の向上に有用となる技術開発に取り組んでまいります。今後も測定と分析の事業を基盤技術として研鑽につとめ、さらにその周辺分野に積極的に取り組むことによって、お客様・社会の要請に対応できるよう努めてまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

当社は、次の4項目を対処すべき課題として重視しています。

 

① 新分野への取り組み

当社の競争力の源泉は現場力にあります。現場での対応力を高め、現場で生まれる様々なニーズを吸い上げ、環境計量証明業の周辺に事業領域を拡大していきます。規制対応のための測定・分析だけでなく、社会に密接に影響を与える応用測定や環境修復、事業価値を高めるための新分野・新技術に取り組むことが課題であると考えております。
 これまでに環境対策工事や環境修復のための薬剤販売、放射能計測・除染など国策レベルの事業・研究課題に取り組んでまいりました。今後もフィールド調査での強みを活かしつつ、農業・食品などの周辺分野から通信・制御機器も視野に入れて、新分野開拓への取り組みを進めてまいります。

 

② コラボレーションの取り組み

当社は、事業活動を推進するためには戦略的な連携を推進することが有効な方法であると考えております。
 これまでに高度の技術と幅広い知見を有する国内の企業・研究機関との情報交換を円滑に進める関係を構築してまいりました。今後も、国内外の企業との関係を一層密にすることにより、事業活動の範囲を広げてまいります。

 

③ 技術開発と人財の多様性・育成

お客様ニーズを的確につかみ、形あるサービスとしてお返しするためには、優秀な人財を多数確保することが必要です。お客様や社会からの要請が変化していく中で、現場経験の積み重ねが新たな環境問題に対応するための技術基盤になっていると当社は考えております。あわせて、フィールドで各人の能力を最大限に発揮させるべく、通信や制御技術を駆使した現場サポート技術を開発してまいります。
 また、海外出身の留学生の採用、女性が働きやすい職場の整備、多能化のための研修など、人財の多様化を図るための仕組みづくりに取り組みます。

 

④ リスク分散対応と利益向上の施策

当社は、東日本大震災を教訓として、リスク分散の観点から生産拠点の平準化に取り組むとともに、省エネの視点から使用電力・薬品類の削減に積極的に取り組んでまいりました。
 今後も、施設の保全維持・改修を行うとともに作業ラインの改善・再配置を進めることにより事業の採算性・効率性の改善を進めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社の経営成績、財務状況及び株価等に影響を及ぼす可能性について、有価証券報告書提出日現在において以下のリスクが考えられます。

 

① 事業環境の影響について

当社の基盤となる環境計量証明業のビジネスは規制ビジネスであり、行政による環境に関する規制動向により市場環境は大きく変化します。また、環境規制に対応する測定・分析はJIS等で方法が定められており、JIS等の改正によっても競争環境に変化が生じます。
 環境法規制に対応した事業を展開するために、設備投資や人財育成を継続的に行っておりますが、市場環境の変化に対応できない場合、収益力や採算性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 官公庁受注の影響について

当社が官公庁から受注する契約は全受注金額の約20~30%を占めており、特に4~6月に受注時期が集中します。官公庁からの受託契約は競争入札が条件であり、当社が入札に参加できない場合や入札に参加しても他社が落札する場合があり、受注予測は確実ではなく業績見通しに影響が生じる可能性があります。

 

③ 事業登録の影響について

当社の事業の基盤をなす環境計量証明業としての事業登録をはじめ、特定計量証明事業者、作業環境測定機関、建設コンサルタント、建設業、土壌汚染対策法指定調査機関等、様々な法律に基づく事業登録を行い、事業を展開しております。
 何らかの理由により、これらの登録が取り消された場合には、当該事業の実施に支障が生じるおそれがあります。当社では事業登録に係る各法令を順守するとともに、複数の有資格者を配するなどの措置を講じ、事業登録の維持に努めております。

 

④ 自社施設の安全並びに環境汚染事故等の影響について

当社は、分析施設として技術センター、東関東技術センター、北関東技術センターを有しております。これら施設で取り扱う分析対象の検体や分析用薬品などに化学物質が含まれており、人の健康や周辺環境に影響を与えるおそれのあるものや有機化学物質抽出用の溶媒などの引火性・爆発性のものがあります。
 当社は、次に掲げるリスクが内在していることを認識しており、リスクの回避に努めています。

・分析従事者:健康への影響ならびに分析前処理中の薬品が飛散または爆発することによる事故
・分析施設内:分析前処理中の薬品が飛散または爆発することによる火災
・排水排気設備:測定値が排出基準を超過したことによる施設の操業停止
・施設敷地内:化学物質の漏洩等による土壌または地下水汚染
・周辺環境:化学物質等の周辺環境への放出・飛散ならびに騒音・振動の近隣への影響

上記に掲げたリスクが地震やヒューマンエラーにより現実化した場合は、事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。特に当社の分析検体処理数の約6割を占める技術センターが地震や事故により操業休止になった場合は、事業計画の達成に重大な影響を及ぼす可能性が考えられますが、当社は3ヶ所の分析施設を有してリスクの分散を図っております。
 当社は、安全を第一とし、分析従事者には標準操作マニュアルによる作業指導を行うなどの教育訓練を実施し事故の防止に努めています。また、従業員の健康管理に配慮し、定期的に特殊健康診断を行っております。分析施設の管理については、設置している排水処理設備・排気処理設備の定期点検を行い、法規制よりも厳しい自主管理基準による測定監視での確認を行っております。なお、当社は施設内外において環境モニタリングを定期的に実施しております。

 

⑤  資金調達に係る財務制限条項について

当社は、安定的な資金調達をはかるため、取引先金融機関との間でシンジケートローン契約を締結しております。当該契約には、財務制限条項が付されており、これらの条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)資本業務提携

当社は、平成28年10月19日開催の取締役会において、株式会社フィールド・パートナーズ(以下「フィールド・パートナーズ」又は「割当先」という。)と資本業務提携(以下「本資本業務提携」という。)を行うこと、及びフィールド・パートナーズに対する第三者割当による新株式の発行(以下「本第三者割当増資」という。)を行うことを決議いたしました。なお、本第三者割当増資は、平成28年11月4日付で実施いたしました。

Ⅰ.資本業務提携の概要

1.本資本業務提携の理由

当社は、計量法に基づく環境計量証明業を基盤とした事業を展開しておりますが、平成15年の土壌汚染対策法施行以降、不動産取引に伴う土壌汚染調査は当社の主力商品として成長し、近年、当社の売上高の2~3割を占めるに至っております。当社の土壌汚染調査の特徴は、①的確な調査、豊富な行政折衝経験により最適な対策計画を立案できること、②特定の技術にとらわれず顧客にとり最適な対策工事を提案できることにあります。土壌汚染は顧客にとり負の側面を持ち合わせていることから、対応に当たる個々の担当員への信頼が重要なビジネスです。
 日本の土壌汚染対策の潜在的市場は16.9兆円(環境省 土壌汚染をめぐるブラウンフィールド対策手法検討調査検討会「土壌汚染をめぐるブラウンフィールド問題の実態等について 中間とりまとめ」(平成19年3月))と推定されています。土壌汚染対策法施行から10年以上経ち、毎年1千億円程度の安定した市場が形成されており、その1割が調査、9割が対策工事と見積もられます。当社としては、土壌汚染調査の安定した市場の中でシェアを伸ばしていくことを、重要な成長戦略と位置づけております。
 一方、割当先であるフィールド・パートナーズは、土壌汚染対策にコストキャップ保証をつけるという独自のビジネスモデルを構築しています。また、近年は損害保険ジャパン日本興亜株式会社からの出資を受け、同社との連携を深めています。フィールド・パートナーズが展開するコストキャップ保証とは、土壌・地下水汚染対策工事費用を事前に確定させるサービスで、土壌・地下水汚染対策にかかる費用が当初の見積額を超過するリスクに対する保証をフィールド・パートナーズが供与するものです。汚染対策にかかる費用が事前に確定できるため、顧客にとり土壌・地下水汚染リスクを切り離して安心して不動産取引を進めることが可能となります。
 フィールド・パートナーズは、平成28年2月頃、業務範囲及び顧客層の相補性を有する当社との間で業務提携をすれば、調査から対策工事まで、コストキャップ保証のもと、ワンストップサービスを顧客に提供する体制が整うとの考えから、当社に対し、業務提携を提案しました。これを受け、当社にて検討した結果、費用面はもとより、信頼面でも競争力を強化し、両社の業績拡大を図るには、土壌・地下水汚染対策分野に関する業務提携を実施することが最良の選択であると判断するに至りました。
 将来的には、コストキャップ保証を付して新たに提供する環境汚染の調査・対策サービス(以下「環境保証商品」という。)の共同開発へつなげ、新たなビジネスモデルを両社で構築していく所存です。
 また、当社とフィールド・パートナーズは、上記の業務提携に係る協議の過程で、業務提携の実効性を高めること及び長期的なパートナーシップを構築することに向けて、資本関係を構築することが重要と考え、上記の業務提携とあわせて、相互に株式を保有する資本提携を実施することとしました。

 

2.本資本業務提携の内容

(1)業務提携の内容

当社とフィールド・パートナーズとの間で本資本業務提携に関して締結する契約において、以下の内容の業務提携について合意しました。

① 当社が土壌汚染調査を受託した案件におけるフィールド・パートナーズの土壌汚染対策に係るコストキャップ保 証サービス及び土壌汚染対策工事サービスの紹介

② フィールド・パートナーズが受託した土壌汚染対策案件における土壌調査業務の当社への委託
③ 当社からフィールド・パートナーズへの人員派遣
④ 環境保証商品の共同開発

(2)資本提携の内容

当社は、本第三者割当増資により、フィールド・パートナーズに当社の普通株式470,000株(本第三者割当増資後の所有議決権割合10.05%、発行済株式総数に対する所有割合10.05%)を割り当てるとともに、フィールド・パートナーズの株式6株(所有議決権割合1.03%、発行済株式総数に対する所有割合1.03%)を新たに取得しました。
 資本提携の詳細は、後記「Ⅱ.第三者割当による新株式の発行」をご参照ください。

 

3.本資本業務提携先の概要

名称

株式会社フィールド・パートナーズ

所在地

東京都港区虎ノ門1-2-8 虎ノ門琴平タワー10階

代表者の役職・氏名

代表取締役 福永健二郎

事業内容

土壌汚染に係る調査、汚染対策工事の請負及び土壌汚染対策工事の保証サービスなど

資本金

213,500千円

 

 

Ⅱ.第三者割当による新株式の発行

1.募集の概要

(1)払込期日

平成28年11月4日

(2)発行新株式数

普通株式470,000株

(3)発行価額

1株につき423円

(4)調達資金の額

198,810千円

(5)募集又は割当方法(割当先)

第三者割当の方法により、フィールド・パートナーズに470,000株を割り当てる。

 

 

(2) 資金調達
 平成28年3月31日付で既存の借入金の借換えを行い、機動的かつ安定的な資金調達手段を導入することによる財務の健全性を確保し、より強固な財務基盤を構築するとともに、毎年の金融費用の削減を目的として株式会社みずほ銀行をアレンジャーとするシンジケートローン契約を締結しております。

なお、本契約には、財務制限条項が付されており、その詳細は、「第5 経理の状況 1財務諸表等(1)財務諸表  注記事項(貸借対照表関係)」に記載のとおりであります。

 

 シンジケートローン契約の概要

アレンジャー兼エージェント

株式会社みずほ銀行

コ・アレンジャー

多摩信用金庫

契約締結日

平成28年3月31日

参加金融機関

株式会社みずほ銀行、多摩信用金庫、株式会社商工組合中央金庫

 

  トランシェA

契約形態

コミットメントライン契約

組成金額

15億円

コミットメント期間

平成28年4月8日~平成29年3月31日
(4回までの延長条項あり)

資金用途

運転資金

 

   トランシェB

契約形態

タームローン契約

組成金額

13億円

実行日

平成28年4月8日

最終弁済期日

平成33年3月31日

資金用途

既往債務返済資金

 

 

 

6 【研究開発活動】

当事業年度の研究開発活動費用の総額は7百万円であります。

 当社では、当社が蓄積した環境分析技術を農業に活かすことを目的とした研究開発活動を行っています。茨城県筑西市にフィールドを設け、様々な試験栽培に対応するための栽培技術を確立するとともに、当社の分析技術を活かした様々な検討を行っています。栽培方法により、栽培植物中の有効成分量がどのように変化するか等の試験・研究を行っています。
 今後、これらの技術を活かし農業に関連する案件の受注を増やしていく予定です。

なお、当社は、環境計量証明事業並びにこれら関連業務の単一事業であるため、開示対象となるセグメントはありません。
 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社は連結対象会社を有しないことから個別財務諸表のみを作成しており、当社の財政状態及び経営成績の分析は、財務諸表に基づくものです。文中における将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。

(1) 会計方針と経営成績の見積り

この財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、開示に影響を与える判断と見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。

当社が採用している重要な会計方針のうち次の会計方針が、当事業年度の財務諸表の作成に重要な影響を及ぼす事項であると考えております。

①  貸倒引当金

当社は、取引先への債権の回収可能性を個別に検討し、支払い不能時の損失に備えて貸倒引当金を計上しております。

 

②  受注損失引当金

受注契約の見積原価が受注金額を超えることにより、将来発生が見込まれる損失に基づき計上しております。

 

③  退職給付債務

当社は、確定給付型の制度として、企業年金基金制度及び退職一時金制度を設けており、確定拠出型の制度として、確定拠出年金制度を設けております。退職給付債務及び退職給付費用は、事業年度末時の要支給額をもとに算出する簡便法を使用しております。

 

④  繰延税金資産

貸借対照表上の資産・負債の計上額と課税所得の計算上の資産・負債との一時差異に関して法定実効税率を用いて繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。また、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し合理的に見積っておりますが、将来の課税所得が予想を下回った場合は、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。

 

(2) 経営成績に関する分析

①  受注高及び売上高

当事業年度の受注高は41億円(前事業年度比13.3%増)となりました。このうち、官公庁からの受注高は11億76百万円(同13.2%増)、民間企業からの受注高は29億23百万円(同13.3%増)であります。また、当事業年度の売上高は37億99百万円(同4.6%増)となりました。このうち、官公庁への売上は10億30百万円(同13.8%減)、民間企業への売上は27億69百万円(同13.5%増)であります。

当社は、計量法に基づいて水質汚濁・大気汚染・騒音・振動・悪臭・土壌汚染など、環境法規の規制数値を基準として、環境中の濃度等の調査・測定・分析を行い、その結果を濃度計量証明書や試験結果成績書として作成する「環境調査」事業を主業務としています。

これらの環境調査事業で培った調査技術と分析技術をもとに、環境影響評価(アセスメント)、自然環境調査などの「コンサルタント」事業、受託試験・研究業務、作業環境測定、アスベスト測定などの環境関連分野における「応用測定」事業、放射能測定を行う「放射能」事業を行っています。

事業別の概況は次のとおりです。

「環境調査」事業の当事業年度の受注高は25億30百万円(前事業年度比4億27百万円増)、売上高23億43百万円(同2億円増)、受注残高6億42百万円(同1億87百万円増)になりました。

当事業は業務内容により次の4つに区分しています。

(1)「環境監視」関連分野は、主として官公庁委託による公共用水域・大気環境の濃度計量証明業務を行う業務です。当事業年度の受注高は4億22百万円(前事業年度比2億83百万円増)、売上高3億96百万円(同1億92百万円増)、受注残高80百万円(同26百万円増)になりました。

(2)「施設・事業場」関連分野は、官公庁並びに民間企業の各施設・事業場からの排水・排ガス、騒音・振動、悪臭などの測定・分析を行う業務です。当事業年度の受注高は7億60百万円(前事業年度比1億54百万円増)、売上高6億71百万円(同37百万円増)、受注残高1億99百万円(同88百万円増)になりました。

(3)「廃棄物」関連分野は、主として公営のごみ焼却施設・中間処理施設・最終処分場等の廃棄物関連の調査業務、ダイオキシン・PCB類の分析を主としています。当事業年度の受注高は4億36百万円(前事業年度比85百万円減)、売上高3億82百万円(同1億61百万円減)、受注残高1億95百万円(同53百万円増)になりました。

(4)「土壌・地下水」関連分野は、民間企業の工場跡地等の売買に伴う汚染状況の把握調査を主としています。当事業年度の受注高は9億10百万円(前事業年度比75百万円増)、売上高8億91百万円(同1億32百万円増)、受注残高1億66百万円(同18百万円増)になりました。

「コンサルタント」事業は、環境影響評価(アセスメント)、自然環境調査など主として民間事業者が開発行為に関連して行う環境保全への取り組みに関する業務です。当事業年度の受注高は6億6百万円(前事業年度比3億23百万円増)、売上高は3億62百万円(同21百万円増)、受注残高5億40百万円(同2億43百万円増)になりました。

「応用測定」事業の当事業年度受注高は、7億80百万円(前事業年度比32百万円減)、売上高8億29百万円(同9百万円増)、受注残高1億13百万円(同48百万円減)になりました。うち、建材のアスベストの含有量分析等を行う「アスベスト」分野の受注高は2億75百万円(同25百万円減)、売上高2億91百万円(同41百万円減)になりました。

「放射能」事業は、東京電力福島第一原子力発電所事故による放射能汚染により、放射能測定業務の需要が増加したことから開始した事業であります。受注高は1億83百万円(前事業年度比2億39百万円減)、売上高は2億64百万円(同65百万円減)、受注残高1億1百万円(同81百万円減)であります。

 

②  売上原価、販売費及び一般管理費

当期総製造費用には外注費6億65百万円(前事業年度比11百万円減)を含み29億49百万円(同1億5百万円増)を計上し、売上原価は29億2百万円(同84百万円増)となりました。売上総利益は8億97百万円(同81百万円増)、売上総利益率は23.6%(前事業年度22.5%)であります。

販売費及び一般管理費は7億15百万円(前事業年度比22百万円減)、営業費用の合計は36億17百万円(同61百万円増)でありました。

 

③  営業外収益と営業外費用

営業外収益は受取手数料、受取保険金、受取利息及び受取配当金など、合計28百万円(前事業年度比19百万円増)となりました。営業外費用は、支払利息21百万円(同19百万円減)、損害賠償金14百万円など、39百万円(同65百万円減)となりました。

 

④  法人税等及び調整額

法人税・住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせて27百万円(前事業年度比10百万円増)を計上し、当期純利益は1億44百万円(前事業年度は当期純利益12百万円)となりました。

 

 

(3) 流動性及び資金の源泉

①  資金の需要及び財政政策

当社の事業は、受託した調査を4月に着手して3月に完了する契約が多く、3月末時の売掛金残高は年間売上高のおよそ3分の1になる傾向があります。それにより4~5月の売掛金回収までの間、毎月平均的に発生する人件費・外注委託費等の営業費用の支払を目的とする資金需要が生じ、取引銀行から計画的に借入金を調達しています。

当社の資金計画は、現金及び預金の月末残高が各月の資金需要の1~1.5ヶ月相当を目安としており、安定した財務流動性を維持するよう努めております。

設備投資目的の資金は、分析測定機器等、経常的な更新の場合には手元資金またはリース契約に依っており、土地建物等の取得や高額の設備を導入する場合には長期資金を調達することを基本としております。

 

②  資産・負債及び純資産の状況

当事業年度末の総資産は44億29百万円(前事業年度末比1億43百万円増加)になりました。

流動資産は、12億60百万円(前事業年度末比1億94百万円増加)になりました。変動した主な科目は、現金及び預金(同86百万円増加)、受取手形(同88百万円増加)であります。

固定資産は、31億68百万円(前事業年度末比50百万円減少)になりました。うち有形固定資産は29億19百万円(同56百万円減少)、当事業年度の減価償却実施額は2億70百万円です。当事業年度は2億30百万円(前事業年度は2億33百万円)の設備投資を行いました。なお、投資額にはリース契約による取得14百万円を含めております。

負債は、27億40百万円(前事業年度末比2億7百万円減少)になりました。主として借入金の純増減により2億7百万円減少であります。

当事業年度末の有利子負債残高は、18億9百万円(前事業年度末比2億52百万円減少)です。内訳は、運転資金、設備投資目的の短期、長期借入金残高17億1百万円(同2億7百万円純減)、リース債務の残高1億8百万円(取得及びリース料支払いにより前事業年度末比45百万円純減)です。

純資産は、当事業年度中に第三者割当増資を行い、資本金及び資本剰余金がそれぞれ99百万円増加したこと及び当期純利益1億44百万円計上により16億88百万円(前事業年度末比3億51百万円増加)になりました。この結果、1株当たり純資産は、359円49銭(同41円57銭増加)になりました。

 

③  キャッシュ・フロー

当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、第2「事業の状況」 1「業績等の概要」の「(2)キャッシュ・フロー」に記載しております。

 

(4) 経営者による課題の認識と翌事業年度について

豊洲新市場への移転問題により、土壌汚染対策の重要性が再認識されています。地球温暖化対策の必要性が増す中、風力、太陽光、バイオマスなど新エネルギー関連分野への投資意欲は引き続き旺盛です。
 このような市場環境の中、事業場のモニタリング業務や作業環境測定など当社の基盤となる業務の競争力を高めるともに、土壌・地下水、受託試験、コンサルタントなど当社の特色を活かした成長エンジンとなる業務を強化してまいります。土壌・地下水分野においては、株式会社フィールド・パートナーズとの業務提携を軸に、提案型の営業を展開します。