文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社は昭和46年の創業以来、環境の総合コンサルタントとして現場に立ち、環境問題の解決に貢献してまいりました。当社が提供するデータをもとに、どのような社会インフラを作るべきかの議論が始まる、言わば「社会基盤の礎」として活動してまいりました。
当社は、こうして蓄積した技術力をもとに環境調査の現場からの目をとおした提言を行い、社会やお客様の環境保全活動、環境リスク回避にお役立ちするとともに、社会の経済発展に寄与することを経営の基本方針としております。
当事業年度は当期純損失1億53百万円となったことから、1株当たり純資産額が35円82銭減少して323円67銭となりました。当社は、1株当たり純資産額を500円に回復することを目標としております。
経営指標としている主な経営数値の進捗状況は次のとおりです。
|
決算年月 |
平成27年 |
平成28年 |
平成29年 |
平成30年 |
|
当期純利益(△損失) |
△96 |
12 |
144 |
△153 |
|
1株当たり当期純利益 |
△22.86 |
2.94 |
31.88 |
△32.74 |
|
1株当たり配当額(円) |
0.00 |
0.00 |
3.00 |
0.00 |
|
配当性向(%) |
- |
- |
9.4 |
- |
|
純資産額(百万円) |
1,327 |
1,337 |
1,688 |
1,530 |
|
1株当たり純資産額 |
315.39 |
317.92 |
359.49 |
323.67 |
当社は、計量法に基づく環境計量証明業を基盤とした事業を展開しています。環境計量証明事業において、環境の計量の方法は日本工業規格(JIS)で定められており、差別化要因が少ないことから価格面のみの競争が激化するなかにあります。当社はこれまでに培った技術力によってお客様・社会からの要請に対応して現状把握の計量業務にとどまらず問題解決の提案も行ってまいりました。今後もお客様・社会のご期待にそえるよう取り組むことが使命であると考えております。
東日本大震災以降、社会からの要請は変わりつつあり、社会貢献に活用できる技術は急激に進化しています。放射性物質による環境汚染、PM2.5の越境汚染、生物的な応答による水質試験、遺伝子解析技術の活用など、従来の環境計量の枠を越えた測定・分析技術が求められています。
こうした多様性の時代にあって、当社は旧来型の競争とは一線を画し、社会価値の向上に有用となる技術開発に取り組んでまいります。今後も測定と分析の事業を基盤技術として研鑽につとめ、さらにその周辺分野に積極的に取り組むことによって、お客様・社会の要請に対応できるよう努めてまいります。
当社は、次の4項目を対処すべき課題として重視しています。
① 新分野への取り組み
当社の競争力の源泉は現場力にあります。現場での対応力を高め、現場で生まれる様々なニーズを吸い上げ、環境計量証明業の周辺に事業領域を拡大していきます。規制対応のための測定・分析だけでなく、社会に密接に影響を与える応用測定や環境修復、事業価値を高めるための新分野・新技術に取り組むことが課題であると考えております。
これまでに環境対策工事や環境修復のための薬剤販売、放射能計測・除染など国策レベルの事業・研究課題に取り組んでまいりました。今後もフィールド調査での強みを活かしつつ、農業・食品などの周辺分野から通信・制御機器も視野に入れて、新分野開拓への取り組みを進めてまいります。
② コラボレーションの取り組み
当社は、事業活動を推進するためには戦略的な連携を推進することが有効な方法であると考えております。
これまでに高度の技術と幅広い知見を有する国内の企業・研究機関との情報交換を円滑に進める関係を構築してまいりました。今後も、国内外の企業との関係を一層密にすることにより、事業活動の範囲を広げてまいります。
③ 技術開発と人財の多様性・育成
お客様ニーズを的確につかみ、形あるサービスとしてお返しするためには、優秀な人財を多数確保することが必要です。お客様や社会からの要請が変化していく中で、現場経験の積み重ねが新たな環境問題に対応するための技術基盤になっていると当社は考えております。あわせて、フィールドで各人の能力を最大限に発揮させるべく、通信や制御技術を駆使した現場サポート技術を開発してまいります。
また、海外出身の留学生の採用、女性が働きやすい職場の整備、多能化のための研修など、人財の多様化を図るための仕組みづくりに取り組みます。
④ リスク分散対応と利益向上の施策
当社は、東日本大震災を教訓として、リスク分散の観点から生産拠点の平準化に取り組むとともに、省エネの視点から使用電力・薬品類の削減に積極的に取り組んでまいりました。
今後も、施設の保全維持・改修を行うとともに作業ラインの改善・再配置を進めることにより事業の採算性・効率性の改善を進めてまいります。
当社の経営成績、財務状況及び株価等に影響を及ぼす可能性について、有価証券報告書提出日現在において以下のリスクが考えられます。
① 事業環境の影響について
当社の基盤となる環境計量証明業のビジネスは規制ビジネスであり、行政による環境に関する規制動向により市場環境は大きく変化します。また、環境規制に対応する測定・分析はJIS等で方法が定められており、JIS等の改正によっても競争環境に変化が生じます。
環境法規制に対応した事業を展開するために、設備投資や人財育成を継続的に行っておりますが、市場環境の変化に対応できない場合、収益力や採算性に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 官公庁受注の影響について
当社が官公庁から受注する契約は全受注金額の約20~30%を占めており、特に4~6月に受注時期が集中します。官公庁からの受託契約は競争入札が条件であり、当社が入札に参加できない場合や入札に参加しても他社が落札する場合があり、受注予測は確実ではなく業績見通しに影響が生じる可能性があります。
③ 事業登録の影響について
当社の事業の基盤をなす環境計量証明業としての事業登録をはじめ、特定計量証明事業者、作業環境測定機関、建設コンサルタント、建設業、土壌汚染対策法指定調査機関等、様々な法律に基づく事業登録を行い、事業を展開しております。
何らかの理由により、これらの登録が取り消された場合には、当該事業の実施に支障が生じるおそれがあります。当社では事業登録に係る各法令を順守するとともに、複数の有資格者を配するなどの措置を講じ、事業登録の維持に努めております。
④ 自社施設の安全並びに環境汚染事故等の影響について
当社は、分析施設として技術センター、東関東技術センター、北関東技術センターを有しております。これら施設で取り扱う分析対象の検体や分析用薬品などに化学物質が含まれており、人の健康や周辺環境に影響を与えるおそれのあるものや有機化学物質抽出用の溶媒などの引火性・爆発性のものがあります。
当社は、次に掲げるリスクが内在していることを認識しており、リスクの回避に努めています。
・分析従事者:健康への影響ならびに分析前処理中の薬品が飛散または爆発することによる事故
・分析施設内:分析前処理中の薬品が飛散または爆発することによる火災
・排水排気設備:測定値が排出基準を超過したことによる施設の操業停止
・施設敷地内:化学物質の漏洩等による土壌または地下水汚染
・周辺環境:化学物質等の周辺環境への放出・飛散ならびに騒音・振動の近隣への影響
上記に掲げたリスクが地震やヒューマンエラーにより現実化した場合は、事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。特に当社の分析検体処理数の約6割を占める技術センターが地震や事故により操業休止になった場合は、事業計画の達成に重大な影響を及ぼす可能性が考えられますが、当社は3ヶ所の分析施設を有してリスクの分散を図っております。
当社は、安全を第一とし、分析従事者には標準操作マニュアルによる作業指導を行うなどの教育訓練を実施し事故の防止に努めています。また、従業員の健康管理に配慮し、定期的に特殊健康診断を行っております。分析施設の管理については、設置している排水処理設備・排気処理設備の定期点検を行い、法規制よりも厳しい自主管理基準による測定監視での確認を行っております。なお、当社は施設内外において環境モニタリングを定期的に実施しております。
⑤ 資金調達に係る財務制限条項について
当社は、安定的な資金調達をはかるため、取引先金融機関との間でシンジケートローン契約を締結しております。当該契約には、財務制限条項が付されており、これらの条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は環境計量証明事業並びにこれら関連業務の単一事業であるため、開示対象となるセグメントはありません。
当事業年度の国内経済を概観すると、世界的な景気回復が続く中で、企業収益の回復、雇用環境の改善や株価の上昇などに伴い個人消費が緩やかな回復傾向にある一方、世界経済においては、米国の政策動向や中国やアジア新興国における経済成長の減速懸念等から、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
環境行政の動向としては、平成29年8月に水銀に関する水俣条約が発効したのを受け、対応する国内法(水銀汚染防止法、大気汚染防止法改正等)も同時に施行されました。
このような状況の中、当社は環境省から排出ガス中の水銀測定方法調査業務を受注するなど、当社の技術力を活かした営業活動を進めました。
通期の受注高は36億51百万円(前事業年度比11.0%減)でありました。官公庁からの受注高は11億17百万円(同5.0%減)、民間顧客からの受注高は25億33百万円(同13.3%減)になりました。受注高に占める官公庁の割合は30.6%であります。通期の売上高は35億72百万円(同6.0%減)でありました。官公庁への売上高は10億59百万円(同2.8%増)、民間顧客への売上高は25億13百万円(同9.2%減)になりました。この結果、翌事業年度以降に繰り越す受注残高は14億75百万円(同5.6%増)になりました。
損益面については、売上原価は29億55百万円(前事業年度比53百万円増)、販売費及び一般管理費は7億42百万円(同26百万円増)になりました。その結果、営業損失1億25百万円(前事業年度は営業利益1億82百万円)、経常損失1億35百万円(前事業年度は経常利益1億71百万円)、当期純損失1億53百万円(前事業年度は当期純利益1億44百万円)になりました。
総資産は42億23百万円(前事業年度末比2億6百万円減少)になりました。
流動資産は、11億61百万円(前事業年度末比99百万円減少)になりました。変動した主な科目は、売掛金(同1億22百万円減少)であります。
固定資産は、30億61百万円(前事業年度末比1億7百万円減少)になりました。うち有形固定資産は27億68百万円(同1億50百万円減少)、当事業年度の減価償却実施額は2億55百万円です。当事業年度は83百万円(前事業年度は2億30百万円)の設備投資を行いました。なお、投資額にはリース契約による取得21百万円を含めております。
負債は、26億92百万円(前事業年度末比48百万円減少)になりました。主として未払法人税等65百万円減少であります。
当事業年度末の有利子負債残高は、17億73百万円(前事業年度末比35百万円減少)です。内訳は、運転資金、設備投資目的の短期、長期借入金残高16億94百万円(同7百万円純減)、リース債務の残高79百万円(取得及びリース料支払いにより前事業年度末比28百万円純減)です。
純資産は、当期純損失1億53百万円計上により15億30百万円(前事業年度末比1億58百万円減少)になりました。この結果、1株当たり純資産は、323円67銭(同35円82銭減少)になりました。
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて70百万円増加し、3億88百万円になりました。営業活動により2億63百万円収入、投資活動により1億18百万円支出、財務活動により74百万円支出となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当事業年度の営業活動による収入は2億63百万円(前事業年度は4億93百万円収入)であります。主として、減価償却費2億55百万円(同2億70百万円)、売上債権1億81百万円(同27百万円)の減少、税引前当期純損失1億35百万円(同税引前当期純利益1億71百万円)、法人税等の支払額71百万円(同20百万円)によるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当事業年度の投資活動による支出は1億18百万円(前事業年度は3億35百万円支出)であります。当事業年度は測定・分析機器など経常的な設備投資のため、有形固定資産に46百万円支出、子会社設立に伴う関係会社株式の取得15百万円等によるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当事業年度の財務活動による支出は74百万円(前事業年度は70百万円支出)であります。当事業年度はリース債務の返済により51百万円支出、配当金の支払13百万円等によるものです。
当社は環境計量証明事業並びにこれら関連業務の単一事業であるため、開示対象となるセグメントはありませんが、分野別の事業内容を記載しております。
① 生産実績
|
分野 |
第48期 |
第49期 |
|
環境調査 |
|
|
|
環境監視(千円) |
195,307 |
142,525 |
|
施設・事業場(千円) |
602,844 |
461,167 |
|
廃棄物(千円) |
319,526 |
334,669 |
|
土壌・地下水(千円) |
802,751 |
864,829 |
|
小計(千円) |
1,920,429 |
1,803,192 |
|
コンサルタント(千円) |
282,101 |
466,975 |
|
応用測定 |
|
|
|
受託研究(千円) |
195,717 |
199,336 |
|
アスベスト(千円) |
181,783 |
185,544 |
|
その他(千円) |
173,997 |
146,266 |
|
小計(千円) |
551,498 |
531,147 |
|
放射能(千円) |
195,718 |
173,033 |
|
合計(千円) |
2,949,748 |
2,974,349 |
(注) 金額は製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
|
分野 |
第48期 |
第49期 |
||
|
受注高 |
受注残高 |
受注高 |
受注残高 |
|
|
環境調査 |
|
|
|
|
|
環境監視(千円) |
422,782 |
80,873 |
212,838 |
121,481 |
|
施設・事業場(千円) |
760,386 |
199,297 |
529,020 |
116,285 |
|
廃棄物(千円) |
436,310 |
195,892 |
346,861 |
151,628 |
|
土壌・地下水(千円) |
910,790 |
166,246 |
976,507 |
108,331 |
|
小計(千円) |
2,530,269 |
642,310 |
2,065,228 |
497,727 |
|
コンサルタント(千円) |
606,206 |
540,320 |
574,938 |
707,374 |
|
応用測定 |
|
|
|
|
|
受託研究(千円) |
284,649 |
68,494 |
286,244 |
70,872 |
|
アスベスト(千円) |
275,974 |
27,729 |
355,341 |
71,273 |
|
その他(千円) |
219,940 |
17,115 |
187,260 |
21,004 |
|
小計(千円) |
780,564 |
113,338 |
828,846 |
163,150 |
|
放射能(千円) |
183,244 |
101,219 |
182,348 |
107,690 |
|
合計(千円) |
4,100,284 |
1,397,189 |
3,651,361 |
1,475,941 |
(注) 金額は販売価額によっており、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
|
分野 |
第48期 |
第49期 |
|
環境調査 |
|
|
|
環境監視(千円) |
396,567 |
172,230 |
|
施設・事業場(千円) |
671,835 |
612,032 |
|
廃棄物(千円) |
382,795 |
391,126 |
|
土壌・地下水(千円) |
891,996 |
1,034,422 |
|
小計(千円) |
2,343,194 |
2,209,811 |
|
コンサルタント(千円) |
362,741 |
407,885 |
|
応用測定 |
|
|
|
受託研究(千円) |
302,954 |
283,866 |
|
アスベスト(千円) |
291,433 |
311,797 |
|
その他(千円) |
234,642 |
183,370 |
|
小計(千円) |
829,031 |
779,034 |
|
放射能(千円) |
264,928 |
175,878 |
|
合計(千円) |
3,799,895 |
3,572,609 |
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.販売実績に占める官公庁向けの割合は、第48期 1,030,316千円(27.1%)、第49期 1,059,169千円(29.6%)であります。
当社は連結対象会社を有しないことから個別財務諸表のみを作成しており、経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 会計方針と経営成績の見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、開示に影響を与える判断と見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社が採用している重要な会計方針のうち次の会計方針が、当事業年度の財務諸表の作成に重要な影響を及ぼす事項であると考えております。
① 貸倒引当金
当社は、取引先への債権の回収可能性を個別に検討し、支払い不能時の損失に備えて貸倒引当金を計上しております。
② 受注損失引当金
受注契約の見積原価が受注金額を超えることにより、将来発生が見込まれる損失に基づき計上しております。
③ 退職給付債務
当社は、確定給付型の制度として、企業年金基金制度及び退職一時金制度を設けており、確定拠出型の制度として、確定拠出年金制度を設けております。退職給付債務及び退職給付費用は、事業年度末時の要支給額をもとに算出する簡便法を使用しております。
④ 繰延税金資産
貸借対照表上の資産・負債の計上額と課税所得の計算上の資産・負債との一時差異に関して法定実効税率を用いて繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。また、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し合理的に見積っておりますが、将来の課税所得が予想を下回った場合は、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。
(2) 経営成績に関する分析
当社の事業領域である環境測定、分析、監視サービスの市場規模は環境省の推計によると1千3百億円強という水準でここ数年変化はありませんが、過当競争により受注環境は厳しくなっております。
当社は、価格競争の激しい各種モニタリング業務等の環境調査分野については、作業の効率化により競争力を高め、利益率の良い案件を選別受注し、利益を確保するとともに、国の政策コンサルや開発に係るアセスメント、アスベスト、受託試験、放射能、環境対策工事を成長エンジンとして、経営資源を集中投下することで、対応力を強化し、売上利益の拡大を目指してまいりました。
従来の事業領域で選別受注を進めた結果、案件毎の粗利率は確保することができましたが、生産量の絶対量が不足しました。
一方、成長エンジンでは、国を相手とした政策コンサル業務において。環境省から『排ガス中の水銀測定方法調査業務』を受注する等、いくつかの成果もありましたが、当事業年度で大幅に売上を伸ばすことができませんでした。
また、株式会社フィールド・パートナーズとの連携についても、人員体制を強化したものの、先方の事業環境の変化もあり、見込んでいた連携効果を得ることができなかったことも、生産量の不足につながり、経営成績は以下のとおりとなりました。
① 受注高及び売上高
当事業年度の受注高は36億51百万円(前事業年度比11.0%減)となりました。このうち、官公庁からの受注高は11億17百万円(同5.0%減)、民間企業からの受注高は25億33百万円(同13.3%減)であります。また、当事業年度の売上高は35億72百万円(同6.0%減)となりました。このうち、官公庁への売上は10億59百万円(同2.8%増)、民間企業への売上は25億13百万円(同9.2%減)であります。
当社は、計量法に基づいて水質汚濁・大気汚染・騒音・振動・悪臭・土壌汚染など、環境法規の規制数値を基準として、環境中の濃度等の調査・測定・分析を行い、その結果を濃度計量証明書や試験結果成績書として作成する「環境調査」事業を主業務としています。
これらの環境調査事業で培った調査技術と分析技術をもとに、環境影響評価(アセスメント)、自然環境調査などの「コンサルタント」事業、受託試験・研究業務、作業環境測定、アスベスト測定などの環境関連分野における「応用測定」事業、放射能測定を行う「放射能」事業を行っています。
事業別の概況は次のとおりです。
「環境調査」事業の当事業年度の受注高は20億65百万円(前事業年度比4億65百万円減)、売上高22億9百万円(同1億33百万円減)、受注残高4億97百万円(同1億44百万円減)になりました。
当事業は業務内容により次の4つに区分しています。
(1)「環境監視」関連分野は、主として官公庁委託による公共用水域・大気環境の濃度計量証明業務を行う業務です。当事業年度の受注高は2億12百万円(前事業年度比2億9百万円減)、売上高1億72百万円(同2億24百万円減)、受注残高1億21百万円(同40百万円増)になりました。
(2)「施設・事業場」関連分野は、官公庁並びに民間企業の各施設・事業場からの排水・排ガス、騒音・振動、悪臭などの測定・分析を行う業務です。当事業年度の受注高は5億29百万円(前事業年度比2億31百万円減)、売上高6億12百万円(同59百万円減)、受注残高1億16百万円(同83百万円減)になりました。
(3)「廃棄物」関連分野は、主として公営のごみ焼却施設・中間処理施設・最終処分場等の廃棄物関連の調査業務、ダイオキシン・PCB類の分析を主としています。当事業年度の受注高は3億46百万円(前事業年度比89百万円減)、売上高3億91百万円(同8百万円増)、受注残高1億51百万円(同44百万円減)になりました。
(4)「土壌・地下水」関連分野は、民間企業の工場跡地等の売買に伴う汚染状況の把握調査を主としています。当事業年度の受注高は9億76百万円(前事業年度比65百万円増)、売上高10億34百万円(同1億42百万円増)、受注残高1億8百万円(同57百万円減)になりました。
「コンサルタント」事業は、環境影響評価(アセスメント)、自然環境調査など主として民間事業者が開発行為に関連して行う環境保全への取り組みに関する業務です。当事業年度の受注高は5億74百万円(前事業年度比31百万円減)、売上高は4億7百万円(同45百万円増)、受注残高7億7百万円(同1億67百万円増)になりました。
「応用測定」事業の当事業年度受注高は、8億28百万円(前事業年度比48百万円増)、売上高7億79百万円(同49百万円減)、受注残高1億63百万円(同49百万円増)になりました。うち、建材のアスベストの含有量分析等を行う「アスベスト」分野の受注高は3億55百万円(同79百万円増)、売上高3億11百万円(同20百万円増)になりました。
「放射能」事業は、東京電力福島第一原子力発電所事故による放射能汚染により、放射能測定業務の需要が増加したことから開始した事業であります。受注高は1億82百万円(前事業年度比0百万円減)、売上高は1億75百万円(同89百万円減)、受注残高1億7百万円(同6百万円増)であります。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
当期総製造費用には外注費7億51百万円(前事業年度比86百万円増)を含み29億74百万円(同24百万円増)を計上し、売上原価は29億55百万円(同53百万円増)となりました。売上総利益は6億17百万円(同2億80百万円減)、売上総利益率は17.3%(前事業年度23.6%)であります。
販売費及び一般管理費は7億42百万円(前事業年度比26百万円増)、営業費用の合計は36億97百万円(同79百万円増)でありました。
③ 営業外収益と営業外費用
営業外収益は受取手数料、受取利息及び受取配当金など、合計11百万円(前事業年度比17百万円減)となりました。営業外費用は、支払利息17百万円(同4百万円減)など、21百万円(同17百万円減)となりました。
④ 法人税等及び調整額
法人税・住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせて17百万円(前事業年度比9百万円減)を計上し、当期純損失は1億53百万円(前事業年度は当期純利益1億44百万円)となりました。
(3) 流動性及び資金の源泉
当社の事業は、受託した調査を4月に着手して3月に完了する契約が多く、3月末時の売掛金残高は年間売上高のおよそ3分の1になる傾向があります。それにより4~5月の売掛金回収までの間、毎月平均的に発生する人件費・外注委託費等の営業費用の支払を目的とする資金需要が生じ、取引銀行から計画的に借入金を調達しています。
当社の資金計画は、現金及び預金の月末残高が各月の資金需要の1~1.5ヶ月相当を目安としており、安定した財務流動性を維持するよう努めております。
設備投資目的の資金は、分析測定機器等、経常的な更新の場合には手元資金またはリース契約に依っており、土地建物等の取得や高額の設備を導入する場合には長期資金を調達することを基本としております。
(4) 経営者による課題の認識と翌事業年度について
福島第一原子力発電所事故による放射能汚染は、帰還困難区域を除く除染特別地域の面的除染が完了致しましたが、今後も引き続き除染活動や除去土壌の中間貯蔵施設への輸送、福島第一原子力発電所の廃炉等、復興に向けた活動が続いてまいります。
地球温暖化対策の必要性が増す中、風力、太陽光、バイオマスなど新エネルギーの利活用に係る開発案件の動きは底堅く続いております。
このような市場環境の中、福島県浜通り地域に放射能測定・コンサルタントの拠点として「ふくしま浜通りイノベーションセンター」を平成30年9月初旬に開設するとともに、成長エンジンとなる、国の政策に係るコンサルや開発に係るアセスメント等のコンサル、アスベスト、受託試験、環境対策工事等の業務を強化してまいります。
また、土壌・地下水分野においては、平成30年7月に事業を開始いたしました、子会社「株式会社土壌環境リサーチャーズ」を活用し、分析納期の短縮化、コスト低減により競争力を強化してまいります。
該当事項はありません。
当事業年度の研究開発活動費用の総額は8百万円であります。
当社では、当社が蓄積した環境分析技術を農業に活かすことを目的とした研究開発活動を行っています。茨城県筑西市にフィールドを設け、様々な試験栽培に対応するための栽培技術を確立するとともに、当社の分析技術を活かした様々な検討を行っています。栽培方法により、栽培植物中の有効成分量がどのように変化するか等の試験・研究を行っています。
今後、これらの技術を活かし農業に関連する案件の受注を増やしていく予定です。
なお、当社は、環境計量証明事業並びにこれら関連業務の単一事業であるため、開示対象となるセグメントはありません。