(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「全てのステークホルダーの幸せ向上」を長期ビジョンとして、「お客様に安心感を与える最適な環境を維持するために、技術力と人的資源を結集させ、高品質サービスを提供する」という経営理念に基づいた事業活動により社会的価値を生み出し、その結果としての経済的価値創造を目指しております。
全てのステークホルダーの幸せ向上
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社会的価値創造
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経営理念 お客様に安心感を与える最適な環境を維持するために、 技術力と人的資源を結集させ、高品質サービスを提供する
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▼
経済的価値創造
(2)目標とする経営指標
当社グループは、2019年2月に策定いたしました「2019中期5ヵ年経営計画」にて、株主価値の最大化及び企業価値の向上を目指す上で1株当たり当期純利益(EPS)を重要な指標と捉え、2024年3月期に54円とすることを目標に取り組んでまいります。
また、資本効率を意識した経営の指標として自己資本当期純利益率(ROE)10%の維持を目指し、経済的価値の創造に努めてまいります。
(3)利益配分に関する基本方針
当社は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題のひとつと認識しており、経営基盤の強化に向けた内部留保の充実を勘案しつつ、利益配分を決定することとしております。同時に、資本生産性を高めた上で配当性向を維持するという考えから、純資産配当率を意識した株主還元の実施に努めております。
現在進行中の「2019中期5ヵ年経営計画」の実現を通して、配当の原資となる利益を継続的に向上させるとともに、連結配当性向50%を維持し、株主の皆様への還元を充実させてまいります。
(4)中長期的な会社の経営戦略、会社の優先的に対処すべき課題
当社グループが永続的な成長を実現するためには、中核事業である建物設備メンテナンスを安定的に拡大し、より強固な経営基盤を構築していくことが必要であると考えております。その実現に向けた施策として、お客様から“日本空調に仕事を任せて本当に良かった、これからも頼むよ”とのご評価を得て、契約の更新そして拡大を図るとともに、毎年着実に新規のお客様を獲得できるよう、お客様の事業価値の向上に貢献する高い技術力とサービス力を「日本空調ブランド」と位置付け、提供するサービスの質の絶え間ない向上を掲げ、競争力を高めてまいります。また、内部統制システムの更なる充実を図ることで社内管理体制の強化に取り組んでまいります。
現在は、当社グループの経営戦略と数値目標を明確に示した将来展望である「2019中期5ヵ年経営計画」を遂行中であり、次の点を中長期的な課題と捉えて注力するとともに、コーポレートガバナンスの継続的な充実に取り組むことで、長期ビジョンの達成を目指しております。
① 引き続き、維持管理に高度な技術力が必要とされる特殊な環境を有する施設(当社グループでは「病院及び研究施設」「製造工場等」「その他の特殊な施設」を特殊な環境を有する施設と定義しております。)に対する高品質サービスの提供及び当社のビジネスモデルの強みを生かしたワンストップサービスの強化に努めます。また、全都道府県に展開している拠点網を最大限活用し、点から線そして面へと営業展開を加速させることで、全国展開企業との取引拡大を推進していきます。
② 海外進出については、技術力及び提案力を一層強化することで新規顧客開拓を進め、進出拠点の早期収益化を目指します。
③ 当社最大の財産である人的資源の更なる充実に向け、「採用」「働き方」「効率化」「教育」をキーワードとした各種プロジェクトを推進することで、従業員の満足度を高めます。
④ 高品質サービスの維持及び一層の強化に向けて、熟練技術者の養成を強化します。
⑤ 国内外での業容拡大に向け、グローバル経営を推進することで、外国籍従業員の積極採用に努めます。
⑥ 営業利益及び1株当たり当期純利益(EPS)を重要な経営指標と捉え、目標達成に向け取り組みます。
⑦ 自己資本当期純利益率(ROE)の維持に努め、持続的に企業価値を向上させるための経営を実践します。
■ 長期ビジョンの考え方について
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全てのステークホルダーの幸せ向上 |
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顧 客 |
従業員 |
株 主 |
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高付加価値サービスを 提供する |
満足度と技術力を高める |
安定した還元を実施する |
「顧客」「従業員」「株主」にとっての幸せを向上させることが、社会全体の価値向上に繋がり、全てのステークホルダーの幸せ向上にも結び付くと考えております。
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■ 2029年3月期に向けて
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No. |
項目 |
課題 |
重要業績評価指標(KPI) |
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① |
E |
特殊な環境を有する施設に対する 高品質サービスの提供及び ワンストップサービスの強化 |
特殊な環境を有する施設の 売上高比率 80.0%以上 |
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② |
E |
海外進出拠点の早期収益化 技術力及び提案力の強化による 新規顧客開拓の推進 |
海外営業利益比率 10.0% |
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③ |
S |
従業員満足度向上 「採用」「働き方」「効率化」「教育」を キーワードとした各種プロジェクトの推進 |
従業員満足度 80.0%以上 |
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④ |
S |
熟練技術者の養成強化 |
技術力指数 22.0pt以上 |
|
⑤ |
S |
国内外での業容拡大 グローバル経営の推進 |
外国籍従業員数 200名以上 |
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⑥ |
G |
営業利益及び 1株当たり当期純利益(EPS)の増加 |
EPS 60.00円以上 |
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⑦ |
G |
自己資本当期純利益率(ROE)の維持 |
ROE 10.0%以上維持 |
(注)1 7つの中長期的な課題は各々ESGの全てに関連しますが、特に相関が強いと考えられる項目を「E:environment(環境)」「S:social(社会)」「G:governance(ガバナンス)」で示しております。
2 従業員満足度は当社実施の従業員満足度調査の結果を基に算出しております。
3 技術力指数は当社の「技術系公的資格取得数×資格点数(当社基準)÷技術系従業員数」で算出しております。
4 外国籍従業員数は当社及び海外グループ会社の外国籍の従業員数を指しております。
5 重要業績評価指標(KPI)は「2019中期5ヵ年経営計画」策定時点における数値となります。
▼
■ 長期ビジョン達成による社会全体の価値向上
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Environment(環境) |
Social(社会) |
Governance(ガバナンス) |
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本業(メンテナンス) による環境負荷低減 |
ダイバーシティの一環として 国内外での雇用創出による 社会の活性化 |
ガバナンスの継続的な 充実による企業価値の向上 |
長期ビジョンの達成には資本生産性の向上が必要であり、そのためには人的資本の価値向上が最重要であると考えております。2019年3月期より人的資本の価値向上を目的として、採用活動及び採用広報に関する有効な施策を検討する「採用・広報」、人事制度や給与基準・各種手当等の見直しを検討する「制度・環境改善」、作業効率化ツールの導入や業務内容の見直し及び改善を検討する「作業効率化」の各種プロジェクトを推進しております。また、2022年3月期より新たなプロジェクトとして、新人・若手層の早期戦力化や従業員の技術力向上を検討する「新人財育成」プロジェクトを立ち上げ、未来の財務・非財務資本に繋げるべく注力しております。人的資本の価値向上により、特殊な環境を有する施設への傾注及び海外展開を強化することで、経済的価値の継続的な創造に努めてまいります。これらの取り組みを着実に推進し、業界におけるポジションを一層高め、「建物設備メンテナンス業界のリーダー」として、当社グループ独自のビジネスモデルの構築を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の見えないリスクも存在します。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、取締役を中心としたメンバーで構成されるリスク管理委員会で、事業を取り巻く様々なリスクの管理を適切に行い、リスクの未然防止を図っております。
なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
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No. |
項目 |
リスク |
対策 |
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① |
外部経営環境 |
●世界の経済動向、金融危機、戦争、自然災害、気候変動、感染症の流行等の影響による受注の減少及び事業活動の停滞及び停止 |
○大型病院や製造工場等を中心とした多様な業種へのサービス展開 ○建物設備メンテナンス及び建物設備工事の重要性が高い顧客への傾注 ○顧客への積極的なソリューション提案(省エネ・省コスト提案、環境改善提案)による環境負荷低減を通じた環境問題へのアプローチ ○南海トラフ地震等の大規模災害や未知の感染症発生等を想定し、事業継続計画(BCP)の策定を推進 ○可能な範囲での在宅勤務や時差出勤等の実施による働き方の多様化促進 ○特に大型病院等の施設維持管理業務において、不測の事態に対応可能な余力体制の構築を推進 |
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② |
競争環境 |
●外部経営環境の変化によるお客様のメンテナンスコスト見直し意識の加速 ●新規受注に向けた企業間競争の激化 |
○高い参入障壁を持つビジネスモデルの構築による競争力強化 ・機器メーカーの制約を受けない独立系企業グループであることによる柔軟なサービスの提供 ・約2,500名の技術系従業員と全都道府県及び海外6ヵ国への拠点展開による迅速な自社対応ときめ細かなサービスの提供 ・維持管理に高度な技術力が要求される特殊な環境を有する施設への傾注 ・高度な技術力に加えて、ソリューション力とトータルサポート力による高品質サービスの提供 |
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③ |
労働力 |
●国内での生産年齢人口減少に伴う採用環境の競争激化 ●人材不足に起因する技術力及びサービス提供力の低下による信用失墜 ●人材不足に起因する労働環境の悪化及び退職者の増加等による技術系従業員の不足や多様性の減少 |
○各種社内プロジェクト(採用の強化・従業員の満足度向上・作業効率の改善・従業員教育の充実等)を推進させ、人材確保及び人的資本の価値向上に注力 ○国内外での積極的な外国籍従業員の採用による人材確保及び雇用創出への寄与 |
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No. |
項目 |
リスク |
対策 |
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④ |
海外展開 |
●進出国における言語、地理的要因、法制・税制度を含む各種規制、政治、経済の混乱、予期せぬ為替レートの変動、商習慣の違い、現地社員のストライキ等による海外事業の停滞 ●進出国における競合企業との競争 ●事業計画未達による減損 |
○関係機関及び現地での情報収集、海外マネジメント部門における営業展開や国内各部門による現地社員の教育等の継続的な支援の実施 ○強みであるソリューション力とトータルサポート力を最大限に発揮した高品質サービスの提供による競合企業との差別化 |
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⑤ |
メンテナンス・工事施工の事故や災害等 |
●従業員の人為的なミスによる顧客への損失等の発生 ●建物設備工事において、竣工後一定期間における瑕疵担保責任に伴う補修工事等の発生 ●顧客からの訴訟等の提起 ●賠償責任保険でまかないきれない損失の発生や信用失墜によるブランド力の低下 |
○新入社員への10年カリキュラム等の充実した研修や実践的なOJTによる技術力向上 ○事業実態に即した保険内容への適宜見直し ○特に維持管理に高度な技術力を要する医薬品製造施設等は、医薬施設管理部により最適な施設環境を提供するための品質管理及び品質保証体制を強化 |
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⑥ |
特有の法的規制・取引慣行・経営方針 |
●官公庁関連案件の入札制度参加資格条件の変更等による機会喪失 ●指定管理者制度(官公庁の官業の民間への開放策)等の導入に伴う競争激化による逸注 |
○官公庁関連を引き続き重要な顧客としつつも、全都道府県及び海外6ヵ国に拠点を展開しているメリットを最大限に活かした民間顧客の新規開拓に傾注 |
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⑦ |
情報管理 |
●不測の事態による保有情報(技術・営業情報等の重要な機密情報や、ステークホルダーの個人情報等)の消失、漏洩または改ざん等の発生 ●社会的信用の失墜、被害を受けたステークホルダーへの損害賠償、事業活動への支障等 |
○重要なサーバーを信頼性の高いデータセンターに設置し、大規模災害時にも情報を保全 ○情報セキュリティ対策の継続的強化と、全従業員への情報セキュリティ教育の実施による運用面の強化 〇重要な情報を含む記録装置の廃棄時には、物理破壊後に廃棄 |
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⑧ |
内部統制 |
●担当者の不注意・判断ミス・共謀、組織内外の環境の変化や非定型的な取引、費用と便益の比較衡量、経営者による不正等の様々な要因による内部統制システムの機能不全 ●将来的な不正行為発生の可能性と、それに伴う企業価値の毀損や社会的信用の失墜等 |
○企業価値向上にとって有効かつ効率的な内部統制システムの構築とその運用及び推進 ○全従業員を対象としたコンプライアンス研修の実施による、コンプライアンス意識と実務に関わる法令等の知識の向上 ○誠実な企業風土の醸成と対話の充実 |
(注)1 特殊な環境を有する施設は「病院及び研究施設」「製造工場等」「その他の特殊な施設」を指しております。
2 新型コロナウイルス感染症に関するリスク及びその対策につきましては「① 外部経営環境」に含めて記載しておりますが、具体的には、当社リスク管理委員会を中心に情報収集を行い、適宜、当社グループ社員に情報発信し、影響を軽減すべく様々な対策を実施しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の回復を背景に持ち直しの動きが続いておりますが、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴うまん延防止等重点措置の影響や世界的な半導体不足をはじめとした機器等の納期遅延、原材料の高騰等により緩やかなペースに留まっております。また、同感染症の終息を見通すことはできず、地政学リスクの高まりや、資源価格の高止まりなどの影響が懸念され、先行きは不透明な状況となっております。
このような経済環境の中、ビルメンテナンス業界においては、省エネや省コストに加え、病院での手術室の無菌化や院内感染の防止、製薬工場や再生医療研究所等でのバリデーションサポートといった高度な技術力に対し関心が高い一方で、施設の維持管理コストの見直し意識の高まりが強くなっている状況です。
当社グループにおいては、サービスを提供する現場でのお客様との接点を最重要視し、状況に応じた感染症防止対策を講じつつ、当社のノウハウを活かした「設備及び環境診断・評価」「ソリューション提案(省エネ・省コスト提案、環境改善提案)」を通じてお客様の潜在ニーズの掘り起こしに努め、新規物件の獲得や既存契約の維持に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて233百万円増加し、35,140百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて135百万円増加し、14,657百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて98百万円増加し、20,482百万円となりました。
b 経営成績
当連結会計年度の売上高は49,886百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。利益面につきましては、中長期的な目線で人的資本の価値向上に資する重要な先行投資として、新卒を積極採用したことなどによる人件費の増加や原材料の高騰等により、営業利益は2,617百万円(同13.0%減)、経常利益は2,801百万円(同10.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、コーポレートガバナンス・コードに基づく政策保有株式の見直し及び資本効率向上を図るため、当社が保有する投資有価証券の一部を売却し、投資有価証券売却益1,391百万円を計上したことなどにより、2,821百万円(同41.2%増)となりました。
なお、当社グループは、建物設備のライフサイクルに合わせて、メンテナンスサービスとリニューアル工事とを一体化した事業活動を展開しており、当該事業以外の事業について重要性が乏しいことから、報告セグメントを単一としております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は6,649百万円となり、前連結会計年度末より422百万円増加しました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,781百万円の資金の増加(前連結会計年度は2,726百万円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,178百万円、非資金項目である減価償却費452百万円により資金が増加した一方で、投資活動への調整項目である投資有価証券売却益1,391百万円を取り消すとともに、法人税等の支払額995百万円、売上債権の増加額539百万円により資金が減少したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、971百万円の資金の増加(前連結会計年度は267百万円の資金の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入1,449百万円により資金が増加したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,366百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,813百万円の資金の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額1,523百万円、自己株式の取得による支出500百万円により資金が減少したことなどによります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
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2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
49.0 |
50.3 |
54.8 |
57.4 |
57.2 |
|
時価ベースの 自己資本比率(%) |
80.1 |
70.4 |
72.2 |
74.8 |
77.5 |
|
キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) |
0.8 |
0.7 |
16.0 |
0.4 |
0.5 |
|
インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) |
149.4 |
169.1 |
7.7 |
292.0 |
219.4 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により計算しております。
3 キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、セグメント情報を記載していないため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
a 生産実績
当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」の記載をしておりません。
b 受注実績
当連結会計年度の受注実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
|
部門名称 |
受注高 (百万円) |
前期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前期比 (%) |
|
建物設備メンテナンス部門 |
- |
- |
- |
- |
|
建物設備工事部門 |
16,941 |
110.6 |
3,867 |
127.0 |
|
合計 |
16,941 |
110.6 |
3,867 |
127.0 |
(注)1 当社グループは、セグメント情報を記載していないため、セグメントごとの記載に代えて部門別の受注実績の記載をしております。
2 部門間の取引については、相殺消去しております。
3 当社グループでは建物設備メンテナンスは受注生産を行っていないため「受注実績」の記載をしておりません。
c 売上実績
当連結会計年度における売上実績を部門別及び地域別に示すと、次のとおりであります。
(部門別)
|
名称 |
売上高(百万円) |
前期比(%) |
|
建物設備メンテナンス部門 |
33,766 |
102.9 |
|
建物設備工事部門 |
16,120 |
98.6 |
|
合計 |
49,886 |
101.5 |
(地域別)
|
名称 |
売上高(百万円) |
前期比(%) |
|
東日本 |
20,403 |
104.9 |
|
中日本 |
17,992 |
95.0 |
|
西日本 |
9,947 |
102.3 |
|
小計 |
48,344 |
100.5 |
|
中国 |
1,017 |
136.2 |
|
シンガポール |
298 |
128.9 |
|
その他 |
226 |
433.2 |
|
小計 |
1,542 |
149.6 |
|
合計 |
49,886 |
101.5 |
(注)1 当社グループは、セグメント情報を記載していないため、セグメントごとの記載に代えて部門別及び地域別での売上実績の記載をしております。
2 地域別売上は、当社支店・子会社の所在地によって区分しております。
3 部門間の取引及び地域間の取引については、相殺消去しております。
4 主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がありませんので記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月27日)現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績等
Ⅰ 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は21,653百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,497百万円増加しました。これは主に現金及び預金が567百万円、契約資産が433百万円、顧客との契約から生じた債権(売掛金及び完成工事未収入金)が354百万円それぞれ増加したことなどによります。固定資産は13,487百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,263百万円減少しました。これは主に投資有価証券が1,207百万円減少したことなどによります。
この結果、総資産は35,140百万円となり、前連結会計年度末に比べ233百万円増加(0.7%増加)しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は10,948百万円となり、前連結会計年度末に比べ587百万円増加しました。これは主に未払法人税等が432百万円増加したことなどによります。固定負債は3,709百万円となり、前連結会計年度末に比べ452百万円減少しました。これは主に繰延税金負債が395百万円減少したことなどによります。
この結果、負債合計は14,657百万円となり、前連結会計年度末に比べ135百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は20,482百万円となり、前連結会計年度末に比べ98百万円増加しました。
Ⅱ 経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて1.5%増加し、49,886百万円となりました。そのうち、国内売上高は前連結会計年度に比べて0.5%増加し、48,344百万円、海外売上高は前連結会計年度に比べて49.6%増加し、1,542百万円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、中長期的な目線で人的資本の価値向上に資する重要な先行投資として、新卒を積極採用したことなどによる人件費の増加や原材料の高騰等により、前連結会計年度に比べて13.0%減少し、2,617百万円となりました。
(経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べて25.1%増加し、196百万円となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に比べて46.7%減少し、11百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べて10.8%減少し、2,801百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、投資有価証券売却益1,391百万円を計上したことなどにより1,393百万円となりました。
特別損失は、16百万円となりました。
法人税等合計は、税負担額が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べて19.4%増加し、1,345百万円となりました。
非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて9.1%減少し、11百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて41.2%増加し、2,821百万円となりました。
b 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
c 経営戦略(中期経営計画等)の現状と見通し
当社グループは、長期ビジョンである「全てのステークホルダーの幸せ向上」達成に向け、経営戦略と数値目標を明確に示した将来展望である「2019中期5ヵ年経営計画」を策定し、経済的価値の継続的な創造を目指しております。
当社グループの当連結会計年度の実績と当該計画の3年目である2022年3月期連結(実績)を比較すると、売上高は49,886百万円(当該計画比達成率90.7%)、営業利益は2,617百万円(同87.2%)、経常利益は2,801百万円(同90.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,821百万円(同148.5%)となりました。
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢等の影響により、依然として先行き不透明な状況で推移するものと予想しております。当社グループの中核事業である建物設備メンテナンスは、外部要因の変動に需要が左右されにくい面はあるものの、その重要な補完的役割を担う建物設備工事につきましては、お客様の設備投資計画に一定程度依存しております。同感染症等の影響による設備投資の不確実性は依然として懸念され、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
足元の事業環境につきましては、同感染症等の影響によるお客様の設備投資計画先送りの懸念、原材料価格や人件費の高騰、半導体不足による機器の納期遅延等の厳しい状況が続くものの、国内外ともに環境保全に関心が高まっている昨今におきましては、省エネや省コスト等に関する顕在及び潜在ニーズの高い状況が継続していると考えられます。
このような経営環境の中、当社グループは、「お客様に安心感を与える最適な環境を維持するために、技術力と人的資源を結集させ、高品質サービスを提供する」という経営理念に基づき、お客様との接点を最重要視し、ニーズを見極めた上での「設備及び環境診断・評価」「ソリューション提案(省エネ・省コスト提案、環境改善提案)」に注力することで、建物設備メンテナンス及び建物設備工事の受注拡大を図ってまいります。特に、2021年10月に新設したエネソリューション部では、再生可能エネルギーを用いたエネルギーソリューション提案業務の強化を図ることで、お客様の事業活動におけるサステナビリティに寄与し、社会的価値を創造してまいります。
また、医薬施設管理部を中心として、製薬・再生医療業界へのアプローチ強化に向け、最適な施設環境を提供するための技術者育成に注力し、将来の中核事業とすべく基礎作りを進めてまいります。海外展開につきましても、効果的なグループネットワークの活用、技術力及び提案力の強化を継続し、積極的な新規顧客開拓による事業基盤確立を目指します。
なお、今後の見通しにつきましては、本資料の発表日現在において入手可能な情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は今後様々な要因によって予想数値と異なる場合があります。また、現時点で同感染症等の事態収束を正確に見通すことが困難な状況にありますが、今後はその影響が従来以上に拡大しないと仮定した数値としております。今後の業況変化等により、業績予想の修正が必要になった場合は、速やかにお知らせいたします。
■ 2019中期5ヵ年経営計画の財務数値目標達成率及び2023年3月期業績予想
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2022年3月期 (実績) |
2024年3月期 (目標) |
達成率 |
2023年3月期 (予想) |
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売上高 |
49,886 |
百万円 |
55,000 |
百万円 |
90.7 |
% |
52,000 |
百万円 |
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営業利益 |
2,617 |
百万円 |
3,000 |
百万円 |
87.2 |
% |
2,900 |
百万円 |
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経常利益 |
2,801 |
百万円 |
3,100 |
百万円 |
90.4 |
% |
3,000 |
百万円 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
2,821 |
百万円 |
1,900 |
百万円 |
148.5 |
% |
1,900 |
百万円 |
d 目標とする経営指標の達成状況
2021年9月開示の業績予想において、2022年3月期の1株当たり当期純利益(EPS)の目標を83円59銭としておりました。結果として、1株当たり当期純利益(EPS)については、81円35銭(達成率97.3%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金及び借入による資金調達を有効に活用し、経営基盤の強化に向けた内部留保の充実を勘案しつつ、株主の皆様に対する利益還元を行うことを基本方針としております。
なお、内部留保とした資金に関しましては、営業活動に必要な運転資金の確保と、当社グループの経営理念である「お客様に安心感を与える最適な環境を維持するために、技術力と人的資源を結集させ、高品質サービスを提供する」を実現するために不可欠な成長投資として活用することとしております。
当社グループにおける成長投資は、最大の財産である人的資源の更なる充実と、お客様の事業価値の向上に貢献するための技術開発を目的としており、安全で働きやすい環境を目指した従業員待遇の改善、従業員の資格取得の推進や実践的な教育訓練の実施による熟練技術者の養成、高度な技術により成立している特殊な環境を有する施設等の維持管理、診断技術の高度化と効率化を実現するための技術開発に投資することとしております。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、中長期的な目線で人的資本の価値向上に資する重要な先行投資として、新卒を積極採用したことなどによる人件費の増加や原材料の高騰等の影響により、前連結会計年度に比べ944百万円減少し、1,781百万円の資金の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、コーポレートガバナンス・コードに基づく政策保有株式の見直し及び資本効率向上を図るため、当社が保有する投資有価証券の一部を売却したことなどにより、971百万円の資金の増加となりました。当該投資有価証券の売却に伴い、株主の皆様への利益還元として特別配当を実施したことなどにより、配当金の支払額は前連結会計年度に比べ535百万円増加しました。また、資本効率の向上及び経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行とともに株主還元の充実を図ることを目的として自己株式を取得したことなどにより、財務活動によるキャッシュ・フローは2,366百万円の資金の減少となりました。この結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は6,649百万円となり、現時点では、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた当面の資金繰りのための資金は十分に確保していると判断しております。なお、突発的な資金需要に対しては、シンジケートローン方式による合計3,000百万円のコミットメントライン契約(借入未実行残高3,000百万円)を締結しており、機動的に対応することで流動性リスクに備えております。
株主の皆様に対する利益還元に関しましては、2019年に策定いたしました「2019中期5ヵ年経営計画」において、目標とする経営指標を連結配当性向50%以上の維持としております。
この方針に基づき、当連結会計年度につきましては、期末配当を1株当たり普通配当14円とすることで、年間配当金は41円50銭、連結配当性向は51.0%となりました。
今後につきましても、「2019中期5ヵ年経営計画」の実現を通して、配当の原資となる利益を継続的に向上させるとともに、連結配当性向50%以上を維持し、株主の皆様への還元を充実させてまいります。
(契約債務)
2022年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
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年度別要支払額(百万円) |
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契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
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短期借入金 |
320 |
320 |
- |
- |
- |
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長期借入金(注) |
534 |
176 |
277 |
80 |
- |
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リース債務 |
42 |
8 |
15 |
13 |
4 |
(注) 1年内返済予定の長期借入金を含んでおります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択や適用、また、資産、負債、収益、費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りや仮定設定を必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じ、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
また、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
特記事項はありません。
当社における研究開発活動は、高度な技術により成立している大型医療設備や工場等の維持管理、診断技術の高度化と効率化を基本方針として、より高度なお客様のニーズに応えるべく実施しております。当連結会計年度の研究開発活動は、大型病院施設や製薬工場等の特殊環境に向けた高活性医薬品等の分析評価技術開発や清浄環境の維持管理技術開発について実施しました。
これによる研究開発費の総額は
なお、当社グループは、セグメント情報を記載していないため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。