第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、政府主導の経済政策の効果もあって、雇用・所得環境の改善や、企業収益・設備投資の改善が続く中で、緩やかな回復基調が続いております。
 しかし、原油安や中国をはじめとするアジア新興国等の経済の先行き懸念などに伴う影響により、わが国の景気が下押しされるリスクも懸念されており、不確実性に留意する必要があります。
 また、熊本地震の経済に与える影響にも留意する必要があります。

情報サービス業界におきましては、マイナンバー対応やIoTなどの動きを背景に、情報システムに関する投資意欲は回復傾向が継続し堅調に推移しているものの、人材不足という状況が続いております。

このような状況の中、当社は、「公共関連事業」・「民間関連事業」・「セキュリティ機器関連事業」の3報告セグメントそれぞれで事業環境・得意分野が異なることを念頭に置いた上で、人材育成・採用の強化、取引深耕、新規事業・自社製品の創出、そして組織間の連携強化による強い組織の構築を経営方針に掲げ、事業活動を推進しております。
 また、当社は平成28年3月4日に東京証券取引所市場第一部銘柄への指定を果たし、更なる企業価値の向上にも努めております。

この結果、当事業年度業績は、売上高16,482百万円(前事業年度比9.3%増)、営業利益953百万円(前事業年度比1.4%増)、経常利益950百万円(前事業年度比5.9%増)、当期純利益738百万円(前事業年度比24.6%増)となりました。

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

①公共関連事業

当セグメントにおきましては、社会保険関連、航空管制関連業務の受注増加により売上高は順調に増加いたしましたが、利益面では、マイナンバー関連業務の一部でエンドユーザー側で発生したセキュリティインシデントの影響で当初想定していた規模の受注を得ることができず、利益率の低下を招いております。

その結果、売上高は5,734百万円(前年同期比6.7%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は835百万円(前年同期比2.4%減)となりました。

②民間関連事業

当セグメントにおきましては、主に主要取引先からのインフラ構築・運用サービス及びERP関連製品のカスタマイズと設計・開発が順調に伸びております。また、大阪・名古屋を拠点とした地方でも業務実績を積み、拡大を確実に進めております。

その結果、売上高は9,738百万円(前年同期比12.8%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は1,187百万円(前年同期比13.1%増)となりました。

③セキュリティ機器関連事業

当セグメントにおきましては、一連のサイバーフォレンジック関連製品の大手民間企業への展開、サイバーフォレンジック技術者育成、調査解析等、サービスビジネスの拡大、さらに専用サイトの開設等によるマーケティング強化に取組んでまいりました。また、新規事業開拓分野は、最適化技術、介護・医療分野の事業化を目標に取組んでまいりました。

その結果、売上高は1,009百万円(前年同期比6.1%減)となりました。セグメント利益(営業利益)は173百万円(前年同期比12.7%減)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比較し、176百万円減少し、2,930百万円(前事業年度比5.7%減)となりました。

 

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローでは、42百万円の収入がありました。主な内訳は、売上債権の増加額875百万円、法人税等の支払額287百万円があった一方で、税引前当期純利益1,184百万円等によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローでは、293百万円の収入がありました。主な内訳は、有形固定資産の売却による収入272百万円によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローでは、512百万円の支出がありました。主な内訳は、社債の発行による収入789百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出1,274百万円によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

セグメントの名称

当事業年度

(自  平成27年4月1日

  至  平成28年3月31日)

前年同期比(%)

公共関連事業(千円)

4,904,915

108.3

民間関連事業(千円)

8,527,589

112.7

セキュリティ機器関連事業(千円)

265,822

103.3

合計

13,698,326

110.9

 

  (注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

公共関連事業

5,804,119

111.9

1,391,175

105.3

民間関連事業

9,777,754

110.2

2,250,439

101.8

セキュリティ機器関連事業

994,961

90.2

64,710

81.3

合計

16,576,835

109.3

3,706,326

102.6

 

  (注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

セグメントの名称

当事業年度

(自  平成27年4月1日

  至  平成28年3月31日)

前年同期比(%)

公共関連事業(千円)

5,734,224

106.7

民間関連事業(千円)

9,738,740

112.8

セキュリティ機器関連事業(千円)

1,009,827

93.9

合計

16,482,792

109.3

 

  (注)1  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

(自  平成26年4月1日

至  平成27年3月31日)

当事業年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日本アイ・ビー・エム㈱

2,742,861

18.2

3,376,116

20.5

㈱エヌ・ティ・ティ・データ

2,313,505

15.3

2,594,142

15.7

㈱NTTデータ・アイ

2,158,796

14.3

2,108,406

12.8

 

 

 

3 【対処すべき課題】

国内景気の緩やかな回復に伴い、金融業や製造業を中心とした民間のシステム投資意欲も高まりつつあります。一方、ユーザー企業における厳しい競争状態に変わりは無く、価格面はもとより品質面における要求水準は依然として高い状況であります。この様な状況を踏まえ、当社は、より時代のニーズに合った付加価値の高い製品・サービスの提供をはじめ、一層の利益管理の徹底と、蓄積された資源(技術者・ノウハウ・製品等)の有効活用を進めるとともに、企業の社会的責任を果たしてまいります。

また、各セグメントにおける主な課題は、以下のとおりであります。

公共関連事業においては、公共事業に関する予算縮小等に伴う業務量の減少とオフショアによる単価削減が今後も予想されます。そのため、当社の顧客のニーズを聞いてシステムを構築する受託型戦略ビジネスにおいては、高付加価値な上流工程への提案を行い、収益性を高めながら顧客満足度を向上させ、徹底した低コスト(品質対比)オペレーションを確立し、既存顧客の「競争優位性の拡大」をサポートするソリューション能力を有する人材育成が最重要であると考えております。加えて、「ビジネスプロセス、アウトソーシング構築力」を身に付けるための施策も併せて進めてまいります。

民間関連事業においては、インターネット普及拡大等の進化に伴うネットワーク技術とセキュリティ技術、クラウドに代表される様なインターネットを利用した大規模データ処理等の最先端技術への対応が求められていることから、公共関連事業と同様の受託型戦略ビジネスの高付加価値業務への参画と収益性のアップも含め、高度な情報システム構築に対応可能な人材の確保と育成が必要であると考えており、強化を図っているところであります。
 また、より一層の地方へのシステム基盤の分散が想定されるため、名古屋・大阪を拠点とした地方の体制強化を図っているところであります。

セキュリティ機器関連事業においては、進化するインターネット環境で、より安全性及び信頼性の高いセキュリティ機器等製品の発掘と販売先の安定確保が最重要課題と考えており、現在、セキュリティ技術者と営業企画提案型人材の拡充に努めております。

これらの取組みによって、将来にわたってグループの企業価値向上に取組んでまいります。

 

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

株式会社の支配に関する基本方針

当社では、以下の経営方針を理解し支持する者が、「財務及び事業の方針の決定を支配する者」であることが望ましいと考えております。

 

(経営方針)

当社は、社員の一体感を高め、社員全体が一丸となってパワーを発揮できる組織とし、未来のために貢献できる会社を目指したいとの思いの下、「社員すべてが心と力を合わせ、企業の発展と成長を通じて、未来のより良い環境作りに貢献する」を経営理念とし、以下の3つの責任を果たしてまいります。

①個人責任 
      人間性と技術力を磨き、最高のサービスをお客様に提供します。

②企業責任 
      社員相互が信頼し合い、安心かつ働きがいのある会社を作ります。

③社会責任 
      お客様、投資家、株主から信頼され、社会から必要とされる会社を作ります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 特定の事業分野への依存について

当社は、公共関連システム分野を事業の安定的収益基盤の一つとしております。それらの多くの直接の販売先は、大手SIer(システムインテグレーター)でありますが、最終ユーザーは主に官公庁や地方自治体であり、政権交代や政策転換、国家的緊急事態の発生等により、予算の組替え、削減等が起きた場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 大型開発案件における特定取引先への依存について

当事業年度における、当社主要顧客上位3社向け売上高が占める割合は、全体の49.0%(前事業年度は47.8%)となっております。3社ともに、長期にわたり継続的に取引を維持できておりますが、その継続が保証されているものではなく、その事業方針の変更や案件の獲得(受注)状況によって、当社の経営成績が変動する可能性があります。

(3) 協力会社への依存について

受託開発等、顧客のニーズに即した受注の増大への対応及びコスト低減・効率化等を目的として、業務の一部を協力会社へ委託しております。

当社売上原価に占める外注費の割合は、前期・当期とも4割を超えておりますが、今後も優秀な協力会社の確保及びその管理体制の強化に取組んでまいります。協力会社から十分な開発人員を確保できない場合や、品質管理に問題が生じる場合等には、当社の経営成績に影響を生じる可能性があります。

(4) 人材の確保について

当社は、顧客のニーズに即した人材の採用・育成及び協力会社との連携体制強化に努めておりますが、雇用環境や市場の変化等によって新卒又はキャリア採用が不十分であったり、当社から人材が多数離職した場合、また採用や育成に伴う経費の増大により、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 不採算案件の発生について

請負契約の形態で仕事を受注した場合、当初想定していた見積り金額からの乖離やプロジェクト管理等の問題によって、予定外の原価の発生や納期遅延に伴う損害の発生等により、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(6) コンプライアンスについて

当社は会社法をはじめ、多岐にわたる法令等の遵守を最優先に事業を推進し、コンプライアンス教育を行う等、法令遵守の徹底を図っております。これらの取組みにもかかわらず、法改正等による対応に不備を生ずる等の事態が発生した場合、信用失墜による社会的信用の低下、発生した損害に対する損害賠償請求等、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 情報セキュリティについて

当社はシステムインテグレーションも含めたITサービス事業の性質上、システム上に保存、蓄積された顧客情報を取扱う場合があります。当社では、セキュリティポリシーを定め、関連規程を整備し、プライバシーマーク付与認定及び情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得し、情報管理及び社員教育の徹底を図っておりますが、第三者によるサイバーテロ又は当社の責めに帰すべき事由による個人情報や機密情報の紛失、破壊、漏洩等が発生した場合、社会的信用の喪失、損害賠償責任等により、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 自然災害等について

一般の製造業とは違い、生産ラインというべきものは所持しておりませんが、非常災害時等におけるサプライチェーンの問題として、破損したハードウェア等のインフラの復旧と、協力会社も含めた技術者の確保が滞ること、その他、顧客先への常駐社員の作業場所が十分に確保できないことによる作業遅延等により、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、貸倒懸念債権、棚卸資産、投資、法人税等、賞与等の算定について見積り設定を行う必要があります。これらは、決算日における資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えます。

当社は、特に次の重要な会計方針が、当社の財務諸表の作成にあたって行われる見積り設定に大きな影響を与えると考えております。

(a) 投資の減額

当社は、所有する有価証券について、決算日の市場価格等に基づく時価相当額で計上しております。時価のある有価証券については、市場価格等が取得価額に比べて50%超下落した場合に、原則として減損処理を行っております。また、下落率が30%以上50%以下の有価証券については、過去2年間の平均下落率においても概ね30%以上50%以下に該当した場合に減損処理を行っております。時価のない有価証券については、その発行会社の財政状態の悪化により実質価額が取得価額に比べて50%超下落した場合に原則として減損処理を行っております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

(b) 繰延税金資産の回収可能性

当社は、繰延税金資産の回収可能性があると考えられる金額まで減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を検討するに当たっては、将来の課税所得見込み及び税務計画を検討しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産の取崩しが必要となる可能性があります。

(c) 貸倒引当金

売上債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。取引先の財務状況が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当金が必要になる可能性があります。

 

(2) 当事業年度の経営成績の分析

当事業年度における売上高は、16,482百万円(前年同期比1,401百万円(9.3%)の増加)となりました。各セグメントの事業内容及び業績を示すと、以下のとおりであります。

(公共関連事業)

最終ユーザーが官公庁及び地方自治体向けであり、財務システム、貿易システム、航空管制システム、医療福祉システム、社会保障システム等、社会インフラ基盤のシステム実現に向けた提案作業、基盤構築、基本検討、設計、開発、試験からシステム稼動後の運用管理、保守に至るまでトータルソリューションの技術支援を行っております。

当事業年度は、売上高は5,734百万円となりました。また、セグメント利益は835百万円となりました。

(民間関連事業)

最終ユーザーが主に一般民間企業向けであり、個別ニーズに合わせた、各種アプリケーションシステムの開発、通信制御分野における各種開発、ハードウェア周り・ネットワーク・OS・ミドルウェアなどのインフラ構築、またシステムの運用保守や技術支援サービスを行っております。

当事業年度は、売上高は9,738百万円となりました。また、セグメント利益は1,187百万円となりました。

 

(セキュリティ機器関連事業)

健全なIT社会構築に貢献する技術の提供を目標に、サイバーセキュリティ、デジタル・フォレンジック、暗号技術、電子透かしなど実効性のあるセキュリティソリューションの提供を中心に、視覚化・最適化ソリューション等の提供も行っております。特にサイバー攻撃に対処するためのサイバーセキュリティは官民を挙げての重要政策課題となっております。  

当事業年度は、売上高は1,009百万円となりました。また、セグメント利益は173百万円となりました。

 

また、販売費及び一般管理費においては、役員賞与引当金繰入額が減少し、この結果、営業利益953百万円(前年同期比13百万円(1.4%)の増加)となりました。

営業外収益として、受取家賃23百万円、営業外費用として支払利息41百万円、社債利息12百万円を計上し、経常利益950百万円(前年同期比53百万円(5.9%)の増加)となりました。

特別利益として、投資有価証券売却益208百万円を計上し、この結果、当期純利益738百万円(前年同期比146百万円(24.6%)の増加)となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(a) キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローでは、42百万円の収入(前年同期は567百万円の収入)がありました。主な内訳は、売上債権の増加額875百万円、法人税等の支払額287百万円があった一方で、税引前当期純利益1,184百万円等によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローでは、293百万円の収入(前年同期は334百万円の支出)がありました。主な内訳は、有形固定資産の売却による収入272百万円によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローでは、512百万円の支出(前年同期は36百万円の支出)がありました。主な内訳は、社債の発行による収入789百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出1,274百万円によるものであります。

以上の結果、現金及び現金同等物の当事業年度末残高は、前年同期に比べて176百万円減少し、2,930百万円となりました。

(b) 資金需要

当社の資金需要の主なものは、ソフトウェア開発を下請け外注するための協力会社への支払及び人件費の支払であります。

(c) 財務政策

当社は、必要な運転資金について外部借入により賄っております。外部借入の場合、短期借入金、長期借入金、無担保社債の発行を行っており、当社では、今後とも営業活動によって得る自己資本を基本的な資金源としながら、必要に応じて銀行借入により資金調達を行っていく考えであります。