第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和を背景とした雇用・所得環境の改善の動きが見られたものの、材料費、人件費の上昇による企業収益の圧迫、個人消費や設備投資の伸び悩みに加え、中国をはじめとする新興国の経済減速懸念、英国のEU離脱問題による欧州経済の動揺に加え、米国の新政権における政策の動向もあり、為替、株価が乱高下する等、先行き不透明な状況で推移いたしました。

また、当社グループを取り巻く環境におきましても、お客さまからのコスト削減要請等が続いている状況にあることから、厳しい状況で推移いたしました。

こうした状況のもと、当社グループは引き続き「お客さま第一主義」に徹した経営姿勢を貫き、業務品質の向上に取り組むとともに、お客さまのニーズに合った提案型営業を推進し、新規業務の受注や既存先の仕様拡大等に繋げることができました。

費用面におきましては、更なる原価管理の徹底、ならびに販売管理費の削減に努めてまいりましたが、人材の確保・教育訓練等の費用の増加から、利益面では厳しい状況で推移いたしました。

この結果、当連結会計年度におきましては、売上高は55億6,176万円(前年同期比1.9%減)となりました。利益面につきましては、経常損失は813万円(前年同期は6,035万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、繰延税金資産の取崩し等もあり、2,588万円(前年同期は2,681万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

   セグメント別の概況は次のとおりであります。

 

① 建物総合管理サービス事業

建物総合管理サービス事業につきましては、企業間競争やお客さまからのコスト削減継続に加え、従前より懸案となっております人材不足と高齢化が同様の問題として顕著に現われ、人材の確保におきましても厳しい状況で推移いたしました。

このような状況のもと、工事業におきましては、昨年に引き続きシャッター改修工事やエレベーター改修工事等の大型修繕工事を受注し、業績に寄与することができました。また、主力業務である警備業におきましては、既存先へのセキュリティ強化の提案と、新規のお客さまへの継続的な営業推進により、新規に常駐契約を受注いたしました。しかしながら、臨時警備業務におきましては、人材の獲得不足ならびに価格競争により、業務の受注が大きく伸び悩みました。

費用面におきましては、人材の新規採用に伴う募集費用、品質向上に向けた教育訓練の強化による費用の増加から利益面でも厳しい状況で推移いたしました。

この結果、売上高は42億8,739万円(前年同期比0.8%減)となり、セグメント利益は2億6,878万円(前年同期比21.7%減)となりました。

 

② 人材サービス事業

人材サービス事業につきましては、国内の景況感は海外情勢の影響等により不透明感があるものの、全体として回復基調で推移する中、雇用情勢におきましては、有効求人倍率は依然として高い水準で推移しており、企業の労働力確保に関する雇用意識は依然高く、人材派遣のニーズも継続して増加傾向にあります。

このような状況のもと、関東地区においては一般事務派遣や企業データ入力業務の要請を受ける等、積極的に営業を展開してまいりましたが、人材の確保は困難を極め、売り上げは前年を下回る結果となりました。一方で関西・中部地区においては、既存顧客に対する深耕開拓によるイベント運営の受託、その他コールセンター派遣の安定等により、利益は前年を上回ることができました。

この結果、売上高は11億8,364万円(前年同期比5.5%減)となりましたが、セグメント利益は4,381万円(前年同期比23.5%増)となりました。

 

 

③ 介護サービス事業

介護サービス事業につきましては、増大する社会保障費用に対する削減圧力が強まっており、法改正による介護報酬の削減や競合の激化等、事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。

このような状況のもと、平成28年4月にケアマネージャーおよびサービス提供責任者を新たに採用し、新規の介護サービス利用者獲得を進めてまいりましたが、利用を終了される方も多数発生しており、採用によるコスト上昇をカバーするまで至っておりません。

この結果、売上高は9,072万円(前年同期比2.9%減)となり、セグメント損失は541万円(前年同期は13万円のセグメント損失)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 

当連結会計年度における現金及び現金同等物等(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて1億3,594万円減少し、当連結会計年度末には、6億7,685万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果稼得した資金は4,537万円(前連結会計年度は2,471万円の使用)となりました。
これは主に、仕入債務の増加等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は4,609万円(前連結会計年度は5,318万円の使用)となりました。
これは主に、ソフトウエアの取得等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1億3,522万円(前連結会計年度は2億558万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済等によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1) 生産、受注の状況

当社グループは、役務提供を主体としているため、受注生産は行っておりません。このため、生産、受注の記載は行っておりません。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

建物総合管理サービス事業

4,287,392

△0.8

人材サービス事業

1,183,646

△5.5

介護サービス事業

90,726

△2.9

合計

5,561,765

△1.9

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱サンシャインシティ

802,157

14.1

793,070

14.3

 

2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

今後の日本経済は、雇用・所得環境の改善傾向が続く中で、政府の各種経済政策および日本銀行の金融政策の効果もあり、緩やかに回復していくことが期待されます。一方で、中国をはじめとする新興国の経済の先行きや、米国における金融政策正常化および新政権が与える世界経済への影響等、先行き不透明な状況が続くと思われます。

このような環境下におきましても、当社は品質の高いサービスを提供するために、ISO9001を活かした教育訓練を実施し、コスト管理体制を一層強化するとともに、ISO27001に基づいた情報セキュリティの維持・向上を図り、業績の向上に取り組んでまいります。

配当につきましては、利益剰余金の状況等を勘案し、誠に遺憾ではありますが、無配とさせていただきたく、ご了承賜りますようお願い申し上げます。

なお、早期に復配できる体制を整え、株主の皆さまのご期待に沿うよう努力してまいります。

建物総合管理サービス事業につきましては、多種多様なお客さまのニーズに迅速かつ的確な対応を図ることで、お客さまとの信頼関係を強固にし、既存先への深耕開拓営業による受注拡大に邁進してまいります。さらに、「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」の開催に伴い、人材の確保、品質向上に向けた教育の強化、積極的な提案営業を実施し、常駐警備業や建物管理業の新規獲得を推進してまいります。

人材サービス事業につきましては、さらに企業の労働力確保の意識が高まることから、コンプライアンスを重視した営業活動およびスタッフへの研修教育を推進するとともに、お客さま・派遣スタッフ双方とのコミュニケーションを図る体制を強化し、引き続き派遣業務ならびにイベント業務の受託を中心に、深耕開拓・新規営業を推進してまいります。

介護サービス事業につきましては、増大する社会保障費用への対策として、さらなる介護報酬の削減や、介護保険の適用範囲縮小を検討しているとの報道がなされておりますが、前年度に続き、人員の増員と定期的な研修の強化による従業員の一層のレベルアップを図り、お客さま支援を充実することにより事業規模の拡大に取り組んでまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

 

当社グループの事業及びその他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を記載しております。なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)景気変動によるリスク

国内景気の不透明な状況及び世界経済の失速や国際金融市場の不安定要素等を背景に、建物総合管理サービス事業及び人材サービス事業においては、同業他社との価格競争並びに景気の悪化によるお客さまからの値下げ要請等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)当社グループ業務に係る法的規制について

  警備保障業務を営むにあたり、警備業法及び関連法令の規制を受けております。この法律は警備業について必要な規則を定め、警備業務の適正な実施を図ることを目的としており、警備業務を営むためには本社及び各営業拠点が所在する都道府県公安委員会から認定を得る必要があります。
 子会社である株式会社アール・エス・シー中部も同様に警備業法及び関連法令の規制を受けております。
 人材サービス事業に関しましては労働者派遣法、介護サービス事業は介護保険法の規制をそれぞれ受けております。労働者派遣法は、職業安定法と相まって労働力需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営に関する措置を講ずるとともに、労働者の就業条件の整備等を図り、派遣労働者の雇用の安定、その他福祉の増進に資することを目的としております。
 介護保険法は、要介護者及び要支援者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うことを目的としております。
 警備業法、労働者派遣法、介護保険法及びこれらに関係する法令に定められた事項に抵触した場合、認定取り消しを含む行政処分がなされることがあります。また、これら法令の改正に伴う対応のための追加費用の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)契約先の情報管理及びプライバシー保護について

  当社グループは、建物総合管理サービス、人材サービス、介護サービスの各事業においてお客さまのニーズに合った最適なサービスの提供を行うために、業務遂行上、お客さまの機密情報その他の情報を知り得る場合があります。
 当社グループでは、お客さまから知り得た情報の管理及びプライバシーの保護を各事業の推進における重要事項の1つであると位置付け、集合教育及びOJTを通じた指導等によりお客さまの情報が外部に漏洩しないように情報管理及びプライバシー保護に努めております。 
 万一、お客さまの情報が外部に漏洩した場合には、お客さまに多大なご迷惑をお掛けすることとなり、当社グループの信用が損なわれるとともに、損害賠償請求等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)災害等外的要因による影響について

 大規模地震等が発生した場合、建物総合管理サービス事業におけるお客さま、特に近年の耐震構造に基づき建設された以外の建物には、重大な損傷が発生する事が予測されるため、この様な事態が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループの経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は、貸倒れ債権、たな卸資産、投資、法人税等、財務活動、退職金、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 

①当連結会計年度における経営成績の概要につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりです。

 

②売上高及び売上総利益
 売上高は、企業間競争の激化やお客さまからのコスト削減要請等の継続に加え、人材不足と高齢化の問題が懸念となっており、人材の確保が厳しい状況で推移し、業務の受注が伸び悩んだ結果等により、55億6,176万円(前期比1.9%減)となりました。
 また、人件費等の原価管理の徹底を図ってまいりましたが、人材の新規採用及び流出防止コストに加え、更なるサービス品質向上に向けた教育訓練等の強化費用等は増加となる一方、売上高の減少に伴う外注費の減少により、売上原価が前連結会計年度に比べ6,393万円減少したこにより、売上総利益は、7億7,468万円(前期比5.3%減)となりました。

 

③営業損益及び経常損益
 当連結会計年度につきましては、原価に加えて販売管理費削減の強化も継続してまいりました。しかし、人件費の高騰及び業務品質向上のための研修教育費等の強化により、営業損失につきましては、1,044万円(前年同期は5,769万円の営業利益)、経常損失につきましても、813万円(前年同期は6,035万円の経常利益)となりました。

 

④税金等調整前当期純損益及び親会社株主に帰属する当期純損益
 当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は、特別利益に有価証券売却益400万円等を計上したものの、425万円(前年同期は6,040万円の税金等調整前当期純利益)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は、繰延税金資産の取崩し等の影響により、2,588万円(前年同期は2,681万円の当期純利益)となりました。

 

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

内容につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4)戦略的現状と見通し

内容につきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

内容につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

内容につきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。