第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

今後の日本経済は、雇用・所得環境の改善傾向が続く中で、政府の各種経済政策および日本銀行の金融政策の効果もあり、個人消費に持ち直しの動きが見られ、緩やかに回復していくことが期待されます。一方で、米国の保護主義政策による貿易摩擦のリスクやアジア諸国の地政学的リスク等海外における経済の不確実性等により、先行き不透明な状況が続くと思われます。

このような環境下におきましても、当社はコスト管理体制の更なる強化を行い、品質マネジメントシステムの適切な運用により、品質の高いサービスを提供するとともに、情報セキュリティマネジメントシステムに基づいた情報セキュリティの維持・向上を図り、業績の向上に取り組んでまいります。

建物総合管理サービス事業につきましては、多種多様なお客さまのニーズに迅速かつ的確な対応を図ることで、お客さまとの信頼関係を強固にし、既存先への深耕開拓営業による受注拡大に邁進してまいります。さらに、「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」の開催に伴い、人材の確保および品質や生産性の向上を図るため、教育の強化や新たな技術を採用することにより、常駐警備業や建物管理業の新規獲得を推進してまいります。

人材サービス事業につきましては、さらに企業の労働力確保の意識が高まることから、コンプライアンスを重視した営業活動およびスタッフへの研修教育を推進するとともに、お客さま・派遣スタッフ双方とのコミュニケーションを図る体制を強化し、引き続き派遣業務ならびにイベント業務の受託を中心に、深耕開拓・新規営業を推進してまいります。

介護サービス事業につきましては、東京都の助成金を利用した人員の増員と、定期的な研修の強化による従業員の一層のレベルアップを図り、お客さま支援を充実することにより事業規模の拡大に取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

 

当社グループの事業及びその他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を記載しております。なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)景気変動によるリスク

国内景気の不透明な状況及び世界経済の失速や国際金融市場の不安定要素等を背景に、建物総合管理サービス事業及び人材サービス事業においては、同業他社との価格競争並びに景気の悪化によるお客さまからの値下げ要請等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)当社グループ業務に係る法的規制について

  警備保障業務を営むにあたり、警備業法及び関連法令の規制を受けております。この法律は警備業について必要な規則を定め、警備業務の適正な実施を図ることを目的としており、警備業務を営むためには本社及び各営業拠点が所在する都道府県公安委員会から認定を得る必要があります。
 子会社である株式会社アール・エス・シー中部も同様に警備業法及び関連法令の規制を受けております。
 人材サービス事業に関しましては労働者派遣法、介護サービス事業は介護保険法の規制をそれぞれ受けております。労働者派遣法は、職業安定法と相まって労働力需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営に関する措置を講ずるとともに、労働者の就業条件の整備等を図り、派遣労働者の雇用の安定、その他福祉の増進に資することを目的としております。
 介護保険法は、要介護者及び要支援者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うことを目的としております。
 警備業法、労働者派遣法、介護保険法及びこれらに関係する法令に定められた事項に抵触した場合、認定取り消しを含む行政処分がなされることがあります。また、これら法令の改正に伴う対応のための追加費用の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)契約先の情報管理及びプライバシー保護について

  当社グループは、建物総合管理サービス、人材サービス、介護サービスの各事業においてお客さまのニーズに合った最適なサービスの提供を行うために、業務遂行上、お客さまの機密情報その他の情報を知り得る場合があります。
 当社グループでは、お客さまから知り得た情報の管理及びプライバシーの保護を各事業の推進における重要事項の1つであると位置付け、集合教育及びOJTを通じた指導等によりお客さまの情報が外部に漏洩しないように情報管理及びプライバシー保護に努めております。 
 万一、お客さまの情報が外部に漏洩した場合には、お客さまに多大なご迷惑をお掛けすることとなり、当社グループの信用が損なわれるとともに、損害賠償請求等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)災害等外的要因による影響について

 大規模地震等が発生した場合、建物総合管理サービス事業におけるお客さま、特に近年の耐震構造に基づき建設された以外の建物には、重大な損傷が発生する事が予測されるため、この様な事態が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和の継続等を背景に企業収益の改善が進み、設備投資も増加傾向にある等、引き続き緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、人件費の上昇に加え、米国の保護主義政策やアジア諸国の地政学的リスク等海外経済の不確実性により、先行き不透明な状況が続いております。

また、当社グループを取り巻く環境におきましても、お客さまからのコスト削減要請等厳しい状況は継続しております。

このような状況のもと、当社グループは引き続き「お客さま第一主義」に徹した経営姿勢を貫き、業務品質の向上に取り組むとともに、お客さまのニーズに合った提案型営業を推進し、新規業務の受注や既存先の仕様拡大等に注力してまいりました。

費用面におきましては、人材の確保・教育訓練等の費用増加等、引き続き厳しい状況が続いておりますが、原価管理の徹底ならびに販売管理費の改善、不採算案件の見直し、既存先への値上げ交渉等に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度におきましては、売上高は55億9,091万円(前年同期比0.5%増)となりました。利益面につきましては、経常利益は9,485万円(前年同期は825万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては8,230万円(前年同期は2,588万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

   セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

建物総合管理サービス事業

建物総合管理サービス事業につきましては、企業間競争の激化に加えて、人材不足および高齢化の問題から、人材の確保におきましても厳しい状況で推移いたしました。

このような状況のもと、清掃業におきましては、他社との価格競争ならびに人材不足により、新規受注が伸び悩みました。しかしながら、主力業務である警備業におきましては、品質の維持向上に努め、新規に複数の常駐契約の受注および既存先へのセキュリティ強化の提案による業務の拡大、また、工事業におきましては、昨年に引き続きシャッター改修工事やマンションの原状回復工事等の大型修繕工事を受注したことにより、売上高は前年を上回ることができました。

費用面におきましては、人材の採用に伴う募集費用、品質向上に向けた教育訓練の強化に伴う費用が増加しましたが、既存事業所における勤怠管理の徹底、契約の仕様変更に伴う値上げ、臨時業務受注時の価格交渉等を積極的に行い、業績に大きく寄与いたしました。

この結果、売上高は44億5,956万円(前年同期比4.0%増)となり、セグメント利益は3億7,661万円(前年同期比40.0%増)となりました。

 

人材サービス事業

人材サービス事業につきましては、国内の景況感は海外情勢の影響等により不透明感があるものの、全体として回復基調で推移する中、雇用情勢におきましては、企業の労働力確保に関する雇用意識は依然として高く、人材派遣のニーズも継続して増加傾向にあります。

このような状況のもと、関東地区においては一般事務派遣や企業データ入力業務および、大規模商業施設における案内業務の受注等、積極的に営業を展開してまいりました。また、関西・中部地区においては、新規顧客からの施工管理業務の要請および、コールセンター派遣等の要請が増加いたしましたが、人材の確保は困難を極め、既存顧客の事業縮小等による派遣先の減少や既存の入札案件が不落札となったことも大きく影響し、売上高・利益ともに前年を下回る結果となりました。

この結果、売上高は10億4,287万円(前年同期比11.9%減)となり、セグメント利益は2,060万円(前年同期比53.0%減)となりました。

 

介護サービス事業

介護サービス事業につきましては、増大する社会保障費用に対する削減圧力が強まっており、法改正による介護報酬の削減や競合の激化等、事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。

このような状況のもと、コスト管理の徹底に加え、地域包括支援センターおよび近隣の居宅介護支援事業所に営業活動を行い、新規の介護サービス利用者獲得を進めてまいりましたが、サービスの終了を余儀なくされた案件も多数発生いたしました。

この結果、売上高は8,847万円(前年同期比2.5%減)となり、セグメント損失は403万円(前年同期は541万円のセグメント損失)となりました。

 

 

 

  ②キャッシュ・フローの状況

 

当連結会計年度における現金及び現金同等物等(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて8,864万円増加し、当連結会計年度末には、7億6,549万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果稼得した資金は6,032万円(前連結会計年度は4,537万円の稼得)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益の増加等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果稼得した資金は2億3,303万円(前連結会計年度は4,609万円の使用)となりました。
これは主に、定期預金払戻しによる収入等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は2億471万円(前連結会計年度は1億3,522万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済等によるものです。

 

   ③生産、受注及び販売の状況

 

   a.生産、受注の状況

当社グループは、役務提供を主体としているため、受注生産は行っておりません。このため、生産、受注の記載は行っておりません。

 

 

  b.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

建物総合管理サービス事業

4,459,561

4.0

人材サービス事業

1,042,874

△11.9

介護サービス事業

88,478

△2.5

合計

5,590,914

0.5

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱サンシャインシティ

793,070

14.3

847,064

15.2

 

2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

  ①重要な会計方針及び見積り

 

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループの経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は、貸倒れ債権、たな卸資産、投資、法人税等、財務活動、退職金、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

  ②当連結会計年度の経営成績の分析

 

売上高及び売上総利益
 売上高は、企業間競争の激化やお客さまからのコスト削減要請等の継続に加え、人材不足と高齢化の問題が懸念となっており、人材の確保が厳しい状況で推移しましたが、新規に複数の常駐契約を受注できたこと等から、55億9,091万円(前期比0.5%増)となりました。
 費用面におきましては、人材の採用に伴う募集費用、更なるサービス品質向上に向けた教育訓練等の強化費用は増加しましたが、既存事業所における勤怠管理の徹底、契約の仕様変更に伴う値上げ交渉等を積極的に推し進めた結果、売上総利益は、8億6,997万円(前期比12.3%増)となりました。

 

 

営業損益及び経常損益
 当連結会計年度につきましても、人件費の高騰及び業務品質向上のための研修教育費等が嵩みましたが、原価同様に販売管理費削減の強化も継続して行った結果、営業利益につきましては、9,118万円(前年同期は1,044万円の営業損失)、経常利益につきましても、9,485万円(前年同期は825万円の経常損失)となりました。

 

税金等調整前当期純損益及び親会社株主に帰属する当期純損益
 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、子会社で貸倒損失79万円があったため、9,405万円(前年同期は425万円の税金等調整前当期純損失)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、8,230万円(前年同期は2,588万円の当期純損失)となりました。

 

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

内容につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4)戦略的現状と見通し

内容につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

内容につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。