第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善に加え、政府・日銀による各種政策効果の下支えにより、緩やかな回復基調をたどりました。円安を要因とした物価上昇や消費増税後の回復の遅れにより弱含みで推移していた個人消費につきましても、次第に底打ちの動きがみられる状況となっております。

このような環境のもと当社グループは、快適なクルマ社会の実現に向け、駐車場とモビリティサービスのネットワークを拡大するとともに、新サービスの創出ときめ細やかなオペレーションを通じ、ドライバーの方々の支持を得ることに努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は1,796億98百万円(前年同期比7.6%増)、営業利益187億30百万円(同6.7%増)、経常利益185億89百万円(同6.2%増)、当期純利益は115億49百万円(同11.2%増)となりました。

 

報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。

 

①駐車場事業

駐車場の開発と運用を1ユニットで行うエリア制にて、期中に10カ所の営業拠点を開設(当連結会計年度末の営業拠点29カ所)し、よりエリアに密着した体制としたこと、行政・医療法人等の大型駐車場案件の委託需要を取り込む体制を強化したこと等により、当連結会計年度末におけるタイムズ駐車場の運営件数は14,987件(前連結会計年度末比107.1%)、運営台数は499,473台(同106.1%)、月極駐車場および管理受託駐車場を含めた総運営件数は16,414件(同106.4%)、総運営台数は609,479台(同105.8%)となりました。また、この体制により料金変更や駐車場周辺店舗との提携等の運用施策に注力いたしました。

この結果、当事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は1,343億48百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益は230億44百万円(同2.4%減)となりました。

 

②モビリティ事業

社用車利用状況の分析によるコンサルティング営業の推進、レンタカーの簡易貸出サービス「ピッとGo」の導入等、39,000台を超えるタイムズカーを積極的にご利用いただくための環境作りをすすめたほか、メンテナンス機能の充実による車両の不稼働時間低減を図ってまいりました。

なお、会員数が54万人を超えた(前連結会計年度末は41万4,965人)カーシェアリングサービスについては、新幹線停車駅・空港など交通結節ポイントへの車両の配備をすすめ、法人会員さまの利用増加に伴い平日の稼働が伸長したほか、ガソリン価格の低下、エコドライブ推奨による燃費の向上等が収益に寄与いたしました。

この結果、モビリティ事業全体の当連結会計年度末の車両台数は前連結会計年度末比107.4%の39,020台(うち、カーシェアリングサービスの車両台数は13,149台)となり、当事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は455億6百万円(前年同期比15.1%増)、営業利益は28億43百万円(同169.8%増)となりました。

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比43億70百万円増加し200億63百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られたキャッシュ・フローは、351億55百万円(前年同期比20億53百万円の増加)となりました。主な内訳といたしましては、減価償却費、減損損失を加えた税金等調整前当期純利益389億26百万円に対し、法人税等の支払額58億73百万円があったことなどによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用したキャッシュ・フローは、246億27百万円(前年同期比16億96百万円の増加)となりました。これは主として、レンタカー等貸出車両の取得やタイムズ駐車場の開設に伴う、有形固定資産の取得による支出204億52百万円、長期前払費用の取得による支出32億22百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、61億62百万円の資金の支出(前年同期比36億36百万円の減少)となりました。これは、長期借入れによる収入111億50百万円、株式の発行による収入が2億56百万円あった一方、配当金の支払額72億51百万円、長期借入金の返済52億78百万円、リース債務の返済42億59百万円があったことなどによるものです。

 

 

 

2 【受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループは、駐車場事業とモビリティ事業を行っており、生産実績として表示すべき適当な指標はありません。これにかえて、セグメントの売上高及び事業規模と比較的関連性が強いと認められる国内における駐車場数・駐車能力(駐車台数)及び営業所数・車両数(台数)を次のとおり示しております。

セグメント

当連結会計年度末

(平成27年10月31日現在)

前年同期比増減(%)

駐車場事業

 

 

 駐車場数(ヵ所)

14,987

+7.1

 駐車能力(駐車台数)

499,473

+6.1

モビリティ事業

 

 

 営業所数(ヵ所)

376

△1.3

 車両数(台数)

39,020

+7.4

 

(注)この内、カーシェア車両は13,149台(前年同期比30.7%増)であります。

 

(2) 販売実績

セグメントごとにおける販売実績は以下のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 平成26年11月1日 至 平成27年10月31日)

前年同期比増減(%)

駐車場事業(百万円)

134,266

+5.3

モビリティ事業(百万円)

45,431

+15.0

合計

179,698

+7.6

 

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 記載の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

 

3 【対処すべき課題】

 快適なクルマ社会の実現と、当社グループの継続的な成長を図るため、取り組むべき課題は以下のとおりです。

(1) 交通インフラサービス網の構築

 利便性が高く、環境に配慮した交通インフラサービス網を構築し、路上駐車のない、いつでもどこでも安心してクルマが利用できる社会を目指します。

(2)「タイムズ」ブランドの進化

 時間貸駐車場の代名詞として多くの皆さまに親しまれている「タイムズ駐車場」に加え、モビリティ事業におけるレンタカーサービス「タイムズカーレンタル」、カーシェアリングサービス「タイムズカープラス」の拡大、およびドライバーの皆さまの多様なニーズに応えるロードサービス網など付帯サービスの充実により、駐車場ブランドから交通インフラサービスブランドへ進化を図ります。

(3) タイムズ駐車場のネットワーク拡大

 需給動向を踏まえながらドライバーの皆さまにとって利便性の高いST(一般タイムズ)と、市場の成長余地の大きいTPS(タイムズ・パートナー・サービス)を数多く点在させ、当社グループの事業基盤となる「タイムズ駐車場」のサービス規模拡大を図ります。

(4) カーシェアリング市場の拡大

 わが国における新たな移動手段である「カーシェアリング」の市場拡大のため、カーシェアリング車両をタイムズ駐車場へ積極的に配備し、会員の皆さまに「全国でマイカーのようにクルマを使える」環境整備を図ります。

(5)  提供サービスの高付加価値化の推進

 情報通信システムに対応したクルマの使用や、電子マネー他各種カードによる精算手段の多様化を図るなど、ITの活用によりお客さまにとって利便性の高いサービスの導入を進めて参ります。

(6) 経営資源の最適配分と融合による効率化

 ヒト、モノ、カネ、情報等、経営資源の最適配分と融合により、効率性および生産性を向上させ、グループ全体での財務体質の強化を図ります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

(1) 賃貸借契約に伴う解約リスク

主力事業である「ST(一般タイムズ)事業」は、オーナー様のさまざまな理由により、土地の賃貸借契約が解約となる可能性があります。そのために当社グループでは、ST事業と同時に、長期間安定的な(解約されづらい)駐車場運営となる、「TPS事業」を推進しております。TPS事業を拡大させることで、最適な事業ポートフォリオを構築し、事業基盤の安定化を図っておりますが、事業ポートフォリオの構築の遅れ等により、解約による影響を当事業で吸収できなかった場合、事業業績が大きく左右される可能性があります。

(2) 地価上昇のリスク

地価の高騰は、地主の売却(解約)意向の上昇や、新規開発段階において土地の賃料が上昇し、それにより運営台数の拡大戦略に影響を及ぼす可能性があります。当社は地価の上昇しにくいエリアでの開発を積極的に行っており、過去に地価上昇が賃料の上昇に繋がったことはないものの、解約率及び賃料の上昇が起こった場合、事業業績が大きく左右される可能性があります。

(3) モビリティ事業の展開に伴うリスク

モビリティ事業においては、同業他社のみならずオートリース会社、タクシー会社などとの間で、パーソナルモビリティ市場における品質、価格、サービス等を巡って競合状態にあり、他社の状況によっては事業業績が大きく左右される可能性があります。また、中古車両の売却を営業サイクルの一環として行っておりますが、中古車市場の規模が急激に変化した場合、事業業績が左右される可能性があります。

(4) 経済状況の変化に伴うリスク

日本の景気後退は、当社が注力する主要都市部の交通量に悪影響を及ぼし、その結果、駐車需要を低下させる恐れがあります。また、将来の経済状況が、燃料及びエネルギー価格、金利及び税率を含む諸問題に影響を与えた場合、事業業績が大きく左右される可能性があります。

(5) システム障害によるリスク

ITシステムに起こりうる技術的な問題、ウイルスの被害をTONICシステムも受ける可能性があります。それにより駐車場運営の妨げにはならないものの、当社の拡大戦略であるお客様の囲い込みに不可欠となる付加価値サービスの提供に悪影響を及ぼし、事業業績が大きく左右される可能性があります。

(6) 自然災害等のリスク

降雪による雪害や地震などの自然災害によって交通インフラが麻痺した場合、駐車場を利用する自動車が減少し、「タイムズ」の稼働が低迷する可能性があります。そのために当社グループでは、タイムズの展開地域の分散を図ることで、事業収益の確保に努めておりますが、管理センターや情報センターなどの設備が壊滅的に損害を被った場合、お客様サービスの低下や修復による費用等により事業業績が大きく左右される可能性があります。

 

(7) 個人情報管理に伴うリスク

会員制ポイントプログラム「タイムズクラブ」やカーシェアリングサービス「タイムズカープラス」において、会員登録に必要な個人情報を、当社グループのデータベースにて処理・管理しております。こうした個人情報の取り扱いにつきましては、プライバシーマークを取得し、管理者に対する教育・研修などによる情報管理の重要性の周知徹底、システム上のセキュリティ対策など、情報管理の強化とその取り扱いに十分な注意を払っておりますが、不測の事態により個人情報が外部に漏洩した場合、当社グループの信用失墜により、その後の事業業績が大きく左右される可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高と営業利益)

当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比126億76百万円増加の1,796億98百万円(前連結会計年度比7.6%増)、営業利益は同11億76百万円増加の187億30百万円(同6.7%増)となりました。

これは、駐車場の管理運営台数、営業用車両数及びカーシェアリングサービスの会員数の増加を主な要因とするもです。また営業利益の売上高に対する比率は、前連結会計年度の10.5%から10.4%へ0.1ポイントの減少となりました。売上高及び営業利益の内訳は「1 業績等の概要 (1)業績」をご参照下さい。

(営業外損益と経常利益)

営業外収益は前連結会計年度比150百万円減少し3億91百万円、営業外費用は同54百万円減少し5億32百万円となりました。支払利息が27百万円減少したほか、駐車場解約に伴う違約金収入及び設備の除却損や撤去費が減少いたしました。

この結果、経常利益は前連結会計年度比10億80百万円増加の185億89百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度の10.5%から10.3%へ0.2ポイントの減少となりました。

(特別損益及び当期純利益)

税金等調整前当期純利益は特別損失に計上した減損損失が減少したこと等もあり、前連結会計年度比13億62百万円増加して、184億86百万円(前連結会計年度比8.0%増)となりました。当期純利益は同11億60百万円の増加し115億49百万円(前連結会計年度比11.2%増)となりました。

 

 

(3) 財務状態の分析

(資産)

総資産は、前連結会計年度末比101億68百万円増加して1,454億62百万円となりました。これは主として、現金及び預金が43億70百万円、受取手形及び売掛金が11億76百万円、機械装置及び運搬具(純額)が39億74百万円増加したことによるものです。

(負債)

負債合計は、同44億76百万円増加し、795億80百万円となりました。主な増減と致しましては、増加で長短借入金50億71百万円、減少で未払金9億11百万円、会計基準の改正により退職給付に係る負債11億95百万円となっています。

(純資産)

純資産は、負債の項目でも述べた退職給付に関する会計基準の改正により期首利益剰余金が8億81百万円増加したことに加え、当期純利益の計上による増加115億49百万円、利益剰余金の配当による減少72億58百万円などにより、同56億91百万円増加し、658億82百万円となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況は、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(5) 財務政策について

タイムズの運営・管理台数の拡大とTONIC(タイムズのオンライン化)インフラを活用した駐車場サービスの提供等によりキャッシュフローを拡大させ、駐車場事業における収益基盤の強化を目的とした設備投資と駐車場と融合した新たなモビリティ事業モデルの構築、特にカーシェアリングサービスの強化を目的とした設備投資に資金を活用してまいります。

資金調達活動につきましては、金融機関借入を基本に、金融情勢に機動的に対応した資金調達を行ってまいります。