当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀の金融政策により雇用・所得環境が改善を続けたものの、英国のEU離脱や中国経済の下振れ予測等、海外経済の不透明感による為替・株式相場の混乱もあり、依然、先行き不透明な状態となっており、消費者マインドも足踏み状態にとどまっております。
このような環境のもと当社グループは、快適なクルマ社会の実現に向け、サービスの基盤となる駐車場及びモビリティネットワークの拡大を図るとともに、新サービスの導入や会員プログラムの充実等を通じてドライバーの方々の支持を得ることに努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は1,943億98百万円(前連結会計年度比8.2%増)、営業利益214億53百万円(同14.5%増)、経常利益211億64百万円(同13.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は139億63百万円(同20.9%増)となりました。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
営業拠点の拡大を通じた地域密着型のきめ細かな開発営業と大手法人向けコンサルティング営業により、土地オーナー様との密接な関係を構築し、駐車場ドミナントの深耕を図っております。また、ご利用データの分析を通じて駐車場の特性に応じた料金体系の変更などの運営施策を行っているほか、タイムズ駐車場のみならずレンタカーサービスやカーシェアリングサービスのご利用においても後払い精算ができる法人のお客様向けカードの提案、電子マネー等の決済手段の多様化対応など、お客様の利便性向上に努めております。
この結果、当連結会計年度末におけるタイムズ駐車場の運営件数は15,792件(前連結会計年度末比105.4%)、運営台数は531,135台(同106.3%)、月極駐車場および管理受託駐車場を含めた総運営件数は17,171件(同104.6%)、総運営台数は645,849台(同106.0%)となり、当事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は1,422億41百万円(前連結会計年度比5.9%増)、営業利益は249億80百万円(同8.4%増)となりました。
②モビリティ事業
レンタカーサービスにおいては、店舗にてカーシェアリング会員カードをかざすことでレンタカー貸出ができる簡易貸出サービス「ピッとGo」の仕組みを、当社グループのポイントプログラムであるタイムズクラブ会員さまにも拡げるなど、より身近に当社グループのサービスをご利用頂くための環境整備を進めております。会員数が71万人を超えた(前連結会計年度末は549,058人)カーシェアリングサービスにおいては、タイムズ駐車場以外の駅・空港など交通結節点への車両配備やコンビニエンスストアとの提携等ステーションの拡充に努めるとともに、駐車場利用機能を追加した多機能カードの推進等で、法人のお客さまのご利用が増加し平日の稼働が伸長しております。また、車両の安全装備の充実にも注力し、事故の起こらない環境づくりを推進いたしました。
この結果、モビリティ事業全体の当連結会計年度末の車両台数は前連結会計年度末比110.1%の42,943台(うち、カーシェアリングサービスの車両台数は16,252台)となり、当事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は523億円(前連結会計年度比14.9%増)、営業利益は44億57百万円(同56.8%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比6億2百万円減少し194億61百万円となりました。
営業活動により得られたキャッシュ・フローは、396億27百万円(前連結会計年度比44億72百万円の増加)となりました。主な内訳といたしましては、減価償却費、減損損失を加えた税金等調整前当期純利益429億13百万円に対し、法人税等の支払額77億85百万円があったことなどによるものです。
投資活動に使用したキャッシュ・フローは、271億48百万円(前連結会計年度比25億20百万円の増加)となりました。これは主として、レンタカー等貸出車両の取得やタイムズ駐車場の開設に伴う、有形固定資産の取得による支出214億56百万円、長期前払費用の取得による支出35億78百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、130億36百万円の資金の支出(前連結会計年度比68億73百万円の増加)となりました。これは、長期借入れによる収入50億円に対し、配当金の支払額80億3百万円、長期借入金の返済65億12百万円、リース債務の返済42億94百万円があったことなどによるものです。
当社グループは、駐車場事業とモビリティ事業を行っており、生産実績として表示すべき適当な指標はありません。これにかえて、セグメントの売上高及び事業規模と比較的関連性が強いと認められる国内における駐車場数・駐車能力(駐車台数)及び営業所数・車両数(台数)を次のとおり示しております。
|
セグメント |
当連結会計年度末 (平成28年10月31日現在) |
前年同期比増減(%) |
|
駐車場事業 |
|
|
|
駐車場数(ヵ所) |
15,792 |
+5.4 |
|
駐車能力(駐車台数) |
531,135 |
+6.3 |
|
モビリティ事業 |
|
|
|
営業所数(ヵ所) |
368 |
△2.1 |
|
車両数(台数) |
42,943 |
+10.1 |
(注)この内、カーシェア車両は16,252台(前年同期比23.6%増)であります。
セグメントごとにおける販売実績は以下のとおりであります。
|
区分 |
当連結会計年度 (自 平成27年11月1日 至 平成28年10月31日) |
前年同期比増減(%) |
|
駐車場事業(百万円) |
142,142 |
+5.9 |
|
モビリティ事業(百万円) |
52,255 |
+15.0 |
|
合計 |
194,398 |
+8.2 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 記載の金額には消費税等は含まれておりません。
快適なクルマ社会の実現と、当社グループの継続的な成長を図るため、取り組むべき課題は以下のとおりです。
(1) 交通インフラサービス網の構築
利便性が高く、環境に配慮した交通インフラサービス網を構築し、路上駐車のない、いつでもどこでも安心してクルマが利用できる社会を目指します。
(2)「タイムズ」ブランドの進化
時間貸し駐車場「タイムズ」、レンタカーサービス「タイムズカーレンタル」、カーシェアリングサービス「タイムズカープラス」といったハード面でのサービス強化に加え、クルマを運転する皆さまにお得で便利なサービスを提供する入会金・年会費無料の会員制サービス「タイムズクラブ」といったソフト面でのサービスも併せて進化・拡大をさせることで、ドライバーの皆さまになくてはならない交通インフラサービスブランドへの進化を図ります。
(3) タイムズ駐車場のネットワーク拡大
需給動向を踏まえながらドライバーの皆さまにとって利便性の高いST(一般タイムズ)と、市場の成長余地の大きいTPS(タイムズ・パートナー・サービス)を数多く点在させ、当社グループの事業基盤となる「タイムズ駐車場」のサービス規模拡大を図ります。
(4) モビリティ市場の拡大
当社が提供するレンタカー、カーシェアリングサービス「タイムズカー」を拡大することで、日本におけるモビリティ市場を拡大するとともに、移動における不便を解消し、安全・安心・便利にクルマをご利用頂ける環境の整備を図ります。
(5) 海外における駐車場サービスの深化と拡大
グループ化した『Secure Parking』の海外展開力と当社グループのマネジメント力を融合し、既存展開エリアでの事業基盤の強化と拡大を図ります。
(6) 提供サービスの高付加価値化の推進
情報通信システムに対応したクルマの使用や、電子マネー他各種カードによる精算手段の多様化を図るなど、ITの活用によりお客さまにとって利便性の高いサービスの導入を進めてまいります。
(7) 経営資源の最適配分と融合による効率化
ヒト、モノ、カネ、情報等、経営資源の最適配分と融合により、効率性および生産性を向上させ、グループ全体での財務体質の強化を図ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
当社グループの主力事業である駐車場事業は、土地や施設を保有せず、土地・駐車場施設オーナー様よりそれらを賃貸借契約に基づいてお借り受けるサブリース型駐車場と、駐車場の管理のみを受託する「管理受託事業」が事業の太宗を占めております。サブリース型駐車場においても、解約されにくい商業施設の併設駐車場をお借り受けする「TPS(タイムズパートナーサービス)」を、「ST(一般タイムズ)」に組み合わせ最適な事業ポートフォリオを構築することで事業基盤の安定化を図っておりますが、賃貸借契約や管理受託契約の解約により、事業業績が大きく左右される可能性があります。
地価の高騰は、地主の売却(解約)意向の上昇や、新規開発段階において土地の賃料が上昇し、それにより運営台数の拡大戦略に影響を及ぼす可能性があります。当社は地価の上昇しにくいエリアでの開発を積極的に行っており、過去に地価上昇が賃料の上昇に繋がったことはないものの、解約率及び賃料の上昇が起こった場合、事業業績が大きく左右される可能性があります。
モビリティ事業においては、同業他社のみならずオートリース会社、タクシー会社などとの間で、パーソナルモビリティ市場における品質、価格、サービス等を巡って競合状態にあり、他社の状況によっては事業業績が大きく左右される可能性があります。また、中古車両の売却を営業サイクルの一環として行っておりますが、中古車市場の規模が急激に変化した場合、事業業績が左右される可能性があります。
景気後退は、当社が注力する主要都市部の交通量に悪影響を及ぼし、その結果、駐車需要を低下させる恐れがあります。また、将来の経済状況が、燃料及びエネルギー価格、金利及び税率を含む諸問題に影響を与えた場合、事業業績が大きく左右される可能性があります。
ITシステムに起こりうる技術的な問題、ウイルスの被害を駐車場管理システムも受ける可能性があります。それにより駐車場運営の妨げにはならないものの、当社の拡大戦略であるお客様の囲い込みに不可欠となる付加価値サービスの提供に悪影響を及ぼし、事業業績が大きく左右される可能性があります。
降雪による雪害や地震などの自然災害によって交通インフラが麻痺した場合、駐車場稼働の低迷や、レンタカー、カーシェアリングサービスのサービスが提供できなくなる可能性があります。そのために当社グループでは、駐車場やモビリティサービスの展開地域の分散を図ることで、事業収益の確保に努めておりますが、管理センターや情報センターなどの設備が壊滅的に損害を被った場合、お客様サービスの低下や修復による費用等により事業業績が大きく左右される可能性があります。
会員制ポイントプログラム「タイムズクラブ」やカーシェアリングサービス「タイムズカープラス」などの、会員登録に必要な個人情報を当社グループのデータベースにて処理・管理しております。こうした個人情報の取り扱いにつきましては、「プライバシーマーク」を取得し、管理者に対する教育・研修などによる情報管理の重要性の周知徹底、システム上のセキュリティ対策など、情報管理の強化とその取り扱いに十分な注意を払っておりますが、不測の事態による個人情報が外部に漏洩した場合、当社グループの信用失墜により、その後の事業業績が大きく左右される可能性があります。
(8) 海外事業に伴うリスク
2017年1月に、世界11ヶ国で駐車場サービスを展開する『Secure Parking』のうち、オーストラリア・ニュージランド・イギリス・シンガポール・マレーシアの5ヶ国をグループ化いたしました。会社の自律的な法令遵守やリスク管理など、適切な内部統制確立のために各地におけるガバナンス体制の構築を早期に図ってまいりますが、その取組等の遅れにより不祥事が発生した場合、それを原因とした駐車場開発における指名停止処分やお客様からの信用低下による利用の低下
など、事業業績が大きく左右される可能性があります。
特記事項はありません。
特記事項はありません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比146億99百万円増加の1,943億98百万円(前連結会計年度比8.2%増)、営業利益は同27億22百万円増加の214億53百万円(同14.5%増)となりました。
これは、駐車場の管理運営台数、営業用車両数及びカーシェアリングサービスの会員数の増加を主な要因とするもです。また営業利益の売上高に対する比率は、前連結会計年度の10.4%から11.0%へ0.6ポイントの増加となりました。売上高及び営業利益の内訳は「1 業績等の概要 (1)業績」をご参照下さい。
営業外収益は前連結会計年度比9百万円減少し3億82百万円、営業外費用は同1億38百万円増加し6億71百万円となりました。為替差損が1億39百万円発生したほか、駐車場解約に伴う違約金収入及び設備の除却損や撤去費が増加いたしました。
この結果、経常利益は前連結会計年度比25億74百万円増加の211億64百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度の10.3%から10.9%へ0.6ポイントの増加となりました。
税金等調整前当期純利益は特別損失に計上した減損損失が減少したこと等もあり、前連結会計年度比25億92百万円増加して、210億78百万円(前連結会計年度比14.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は同24億14百万円の増加し139億63百万円(前連結会計年度比20.9%増)となりました。
総資産は、前連結会計年度末比74億76百万円増加して1,529億39百万円となりました。これは主として、車両の取得を中心とした機械装置及び運搬具の増加(純額)43億74百万円及び敷金及び保証金の増加9億45百万円によるものです。
負債合計は、同88百万円増加し、796億68百万円となりました。主な増減と致しましては、増加で設備関係支払手形が9億34百万円、リース債務が2億73百万円となっており、減少では長期借入金(1年内返済予定を含む)が15億12百万円、新株予約権付社債が10億30百万円となっております。なお、新株予約権付社債の減少は転換請求権の行使によるものであります。
純資産は、ストックオプションの行使及び負債の項目でも述べた新株予約権付社債の転換請求権の行使による資本金及び資本剰余金の増加19億77百万円に加え、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加139億63百万円が主な増加項目となっております。一方で配当金の支出による利益剰余金の減少が80億円あったため、同73億88百万円増加し、732億70百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況は、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
タイムズの運営・管理台数の拡大とTONIC(タイムズのオンライン化)インフラを活用した駐車場サービスの提供等によりキャッシュフローを拡大させ、駐車場事業における収益基盤の強化を目的とした設備投資と駐車場と融合した新たなモビリティ事業モデルの構築、特にカーシェアリングサービスの強化を目的とした設備投資に資金を活用してまいります。
資金調達活動につきましては、金融機関借入を基本に、金融情勢に機動的に対応した資金調達を行ってまいります。