文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済状況は、新興国経済の減速と、原油価格の下落傾向が見られる一方、個人消費は緩やかなペースで回復基調にあり、一進一退の動きが続いております。
当社グループの主力市場であります測量市場におきましては、当事業年度開始直後に実施された統一地方選挙の影響もあり、自治体が実施する公共事業の予算執行が停滞し、その結果、測量業界での公共事業請負金額が前年を下回る影響もあり、設備投資意欲も一進一退の状況となっております。しかしながら、第1四半期末頃から徐々に、最新の計測機器を中心としたソリューションへの投資回復傾向の流れが伺える状況となってまいりました。
こうした状況の中で当社グループは、昨年3月にリリースしました主力製品の最新バージョン「Wingneo INFINITY Ver.5」では、既存図面等成果物の効果的な利活用を可能とする新機能を搭載し、お客様に従来以上の業務効率化への提案活動を実施するとともに、新たな発想と刻々と変化する作業環境を積極的に取り入れたWingneo INFINITYの次期バージョンである「Wingneo INFINITY Ver.6」の製品開発も同時に進めてまいりました。また、高精度三次元システム(以下、MMS)及び専用ソフトウェアで作成する、高精度三次元地図データベースの利用により実現する自動走行支援を目指した様々な実証実験プロジェクトに引き続き技術協力・技術支援を実施するとともに、当社独自の先行研究開発も進めてまいりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は1,551百万円(前年同期比10.3%減)、営業利益は58百万円(前年同期比38.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は23百万円(前年同期比65.2%減)となりました。
セグメント別においては、次の通りであります。
①測地ソリューション事業
測地ソリューション事業におきましては、測量業界における公共事業請負金額が毎年前年を下回る減少傾向にある等、厳しい市場環境の下、当社グループではお客様の業務をトータルでソリューションすることを目的に、主力製品「Wingシリーズ」の最新バージョンである「Wingneo INFINITY Ver.5」を中心にライカジオシステムズ株式会社の最新計測機器にて現場作業の効率化を提案し、既存図面並びに成果物の利活用を目的とした複合機等周辺機器の新たな提案など、幅広い活動を実施してまいりました。また、測量業務における作業効率支援のための防塵防滴対応ハイブリットデータコレクタ「Pocket シリーズ バージョンⅢ」をカシオ計算機株式会社製の端末と標準セットとして12月より発売開始し、人間中心設計のハードウェアと新たな開発思想のもとに生まれたソフトウェアが合体した「現場最強ツール」として、積極的な営業展開を進めてまいりました。
以上の結果、測地ソリューション事業の売上高は1,117百万円(前年同期比4.3%減)、セグメント利益(営業利益)は216百万円(前年同期比12.6%減)となりました。
②G空間ソリューション事業
G空間ソリューション事業におきましては、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け自動運転技術の実用化と普及を実現させる国の方針が明確になったことに伴い、ITS業界を中心に自動運転に関する研究開発の強化とともにその実現に向けた高精度三次元地図データベースの重要性が再度認識された結果、多方面より研究開発の目的での需要が高まってまいりました。同時に当社では当該分野に関する研究開発や、実証実験等を重点的に実施してまいりました。その研究の成果として、市街地での公道実証実験を実施するワーキンググループ「アーバンドライブWG」の活動の一環として、国立大学法人名古屋大学並びにインクリメント・ピー株式会社との共同で、自動運転実証実験および研究開発向け「高精度3次元ナビゲーションシステム 3Dツインナビ」を開発し、各種展示会等のイベントにおいて参考出品いたしました。また、愛知県幸田町においては、今後普及が期待される自動運転技術を活用した実証実験に必要とされる高精度3次元地図の作製並びに地域住民の自動運転車試乗による社会受容性実証実験を、国立大学法人名古屋大学をはじめとした産学官連携で実施することを発表いたしました。高精度三次元計測機器であるMMS車両販売に関しては、本機器を用いた計測作業により収集されるデータを解析した成果物の有用性を各方面に継続的に提案し、高い評価を得るに至っており、受注も順調に進んでおります。更に、昨年4月に発表しました屋内3D計測に関しても、各方面への提案活動を行ってきた結果、徐々に浸透し、受注実績も上がりつつあります。他方、MMSやUAV(無人飛行機)を利用した高精度三次元地図情報の整備に向けた先行研究開発や最先端計測機器への先行投資も積極的に進めてまいりました。
以上の結果、G空間ソリューション事業の売上高は424百万円(前年同期比21.5%減)、セグメント利益(営業損失)は△13百万円(前年同期は10百万円の営業利益)となりました。
③その他
その他事業の売上高は9百万円(前年同期比55.0%減)、セグメント利益(営業損失)は△1百万円(前年同期は4百万円の営業損失)となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は143百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
変化の激しいIT業界において、最新OSとパソコンをバンドルしたビジネスモデルは、タブレット型端末及びスマートフォンの飛躍的な台頭を受け、また、過度ともいえる製品機能強化で自社のソフトウェアの優位性を競うビジネスモデルは成熟期を迎え、その大きな転換期を迎えております。ソフトウェアの運用におきましても「クラウド」モデルは市民権を確実に得始めている今日においては、当社グループが開発・販売するソフトウェアとソリューションも同様の転換期にある環境であります。当社では、お客様の業務の効率化、利便性ならびに製品やサービスの提供価格を総合的に鑑み、製品・サービスの利用環境、提供方法の検討も継続的に行っております。
また、当社グループにおける主たる販売市場であります測量市場における公共事業の在り方も道路・港湾・トンネルに代表される社会インフラの維持管理にシフトする中、当社の製品像も変化していく必要があります。
このような環境の中、測地ソリューション事業におきましては、縮小傾向にある市場に対し、主力製品「Wingneo INFINITY」の導入提案を中心に、測量現場に求められる測量計測機器の取扱いも充実させるとともに、周辺機器のラインナップも強化し、測量業務全体をトータルでサポートする事業展開を進めております。
一方、G空間ソリューション事業におきましては、計測作業により収集したデータの解析、成果物の作成に至る一連の作業工程の強化を図るとともに、そのコストをより圧縮し、利益率の向上を目指し、体制の見直しを図っております。
研究開発部門におきましては、2018年に4機体制となり、実用化が進む準天頂衛星システムを中心としたGNSS(グローバルナビゲーションサテライトシステム)等に係る研究をさらに進め、その技術を各方面にて生かすべく、対応する製品開発及びサービスを実現すべく活動を行っております。
管理部門におきましては、適切なコスト負担による人材獲得と教育投資による人材の徹底活用を推進すると共に、組織体制、コンプライアンス体制、リスク管理体制をより一層充実させ、更なるコストの見直しと削減を進めるとともに、コーポレートガバナンス、内部統制の強化にも継続的に取り組み、公正で透明性の高い、社会から信頼を寄せられる経営を進め、当社グループに関わるステークホルダーに貢献すべく取り組んでまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業資金については、自己資金及び金融機関からの借入金により調達しております。なお、当第3四半期連結会計期間末現在において、当社グループの流動性は十分な水準にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の柔軟性は引き続き高いと考えております。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
日本国内及びアジア太平洋を中心とした諸外国での準天頂衛星とGPSが連携した24時間測位サービス提供が2018年より開始され、また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催から、新たなビジネスシーンが創造される予想の中、当社グループが誇る高精度位置情報解析技術を更に追求した新次元のシステム開発・販売を目指すと共に準天頂衛星の利活用、自動走行支援実用化を見据えた先行研究を進めるべく、資源の集中を行う必要があります。
一方で、提供する製品・サービスの品質管理を徹底するとともに、公正で透明性の高い経営を追求してまいります。